<あらすじ>
鴨志田新一(伊東四朗)は、警視庁東王子署の警部補。別れた妻との間にもうけた娘・岡崎真実(羽田美智子)は警察庁刑事局のエリート警視だが、鴨志田と真実が実の親子だということは、2人の職場の人間は誰も知らない…。
鴨志田たち東王子署の刑事部は、有名弁護士・大脇修一郎(勝野洋)の協力のもと、振り込め詐欺グループの中枢メンバーの逮捕にこぎつけた。大脇は冤罪事件で名を挙げた人権派の弁護士で、真実の上司である警視庁刑事局長・田中孝典(上杉祥三)の高校時代の先輩でもあった。そして、鴨志田と真実の同居人である新米弁護士・姉小路行人(石井正則)は、奇しくも大脇が営む法律事務所で働きはじめたばかりだった。
そんな中、2カ月前まで大脇の事務所に所属していた若手弁護士・新田加奈子(叶千佳)が絞殺体となって荒川水門で発見される。田中刑事局長の指示で真実も鴨志田と共に捜査に当たることになるが、大脇によると加奈子は認知症の母・芳江(小貫加恵)の介護のため事務所を辞めたという。加奈子の自宅マンションを調べた鴨志田と真実は、6年前に杉並区内で起きた“女性教師殺人事件”の裁判記録を発見する。
その事件は2008年、女性高校教師がレイプ寸前に絞殺されたもので、無職の男・浜口太(大竹浩一)が逮捕起訴され一審で無期懲役が下ったものの、大脇の弁護により二審で逆転無罪、最高裁で無罪が確定していた。なぜ加奈子は今頃、その事件を調べていたのか…!?
気になった鴨志田は、当時捜査を担当していた荻窪南署の刑事・宇山聡(赤塚真人)と会うが、あの事件は汚点だといい、多くを語ろうとしない。事件を機に職を辞した元刑事・吉沢紘一(森次晃嗣)のもとも訪ねるが、彼はいまだに浜口の犯行を信じ切っていた。
その矢先、加奈子に大量のメールを送りつけていたレンタルビデオ店店長・寺本浩二(小椋毅)が捜査線上に浮かぶ。捜査本部は、ストーカーの寺本を“ホンボシ”とにらむ。だが鴨志田は、女性教師殺人事件の真相を追っていた加奈子が浜口に接触し、6年前の事件の新事実をつかんだ末に殺害されたのではないかと推理。浜口は、暴力団のフロント企業でもある人材派遣会社に勤務していたことを調べ上げる。実は先日、鴨志田たちが摘発した振り込め詐欺グループも、同じ暴力団が関与していたが、2つの事件はつながっているのか…!? その直後、なんと浜口も変死体となって見つかって…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
鴨志田新一は警視庁東王子署の警部補である。
そして、彼と別れた妻との間に出来た娘・岡崎真実は警察庁刑事局のエリート警視。
だが、鴨志田と真実が実の親子だということは職場では秘密となっている。
そんな鴨志田と真実親娘が手掛ける次なる事件とは……。
若手弁護士・新田加奈子殺害事件。
加奈子は絞殺され荒川水門にて遺体で発見されていた。
加奈子は有名弁護士・大脇修一郎のもとで働いていたらしいが……
これを聞いた鴨志田たちはある奇縁に驚くことに。
これに先立つこと数日前、加奈子が所属していた大脇法律事務所の協力で振り込め詐欺グループを摘発していたのだ。
しかも、鴨志田と真実の同居人で司法試験に合格し弁護士となったばかりの姉小路行人もまた大脇の法律事務所で働いていたのである。
ちなみに、行人は大脇を尊敬できる大人物と敬う反面、事務所の先輩弁護士・武井昭一を陰険な奴と蛇蝎の如く忌み嫌っていたのだが……。
加奈子の自宅マンションを調べた鴨志田たち。
すると、其処から6年前に杉並区内で発生していた女性教師殺人事件の資料が発見される。
事件の詳細はこうである。
2008年、女性高校教師が暴行を受け殺害された。
容疑者とされたのは浜口太。
浜口は逮捕起訴され一審で無期懲役が下ったのだが……二審にて大脇が弁護を担当し逆転無罪。
最終的に最高裁で無罪が確定していた。
まさに、大脇の不敗神話を彩る事件の1つだったのである
どうやら、加奈子はこの事件を調べていたようである。
興味を持った鴨志田は当時の捜査担当者である荻窪南署の刑事・宇山聡を訪ねる。
しかし、宇山は多くを語ろうとしない。
さらに、事件を機に責任を取る形で辞職していたした元刑事・吉沢紘一によれば、浜口の犯行に間違いないと言う。
矢先、捜査線上にレンタルビデオ店店長・寺本浩二が浮上。
寺本は加奈子にストーカーしていたのだ。
これが行き過ぎた為に殺人にまで至ったのか!?
しかし、鴨志田はこれに疑問を抱いていた。
どうしても、浜口が気にかかって仕方が無かったのだ。
其処で浜口を調べていたところ、当の浜口が山中から死体となって発見されてしまう。
これに浜口が事件に関与していると確信を得た鴨志田は、加奈子が浜口と接触していたことを突き止める。
もしかして、2008年の女性教師殺害事件の犯人は浜口だったのではないか。
そして、この真相を突き止めた為に加奈子が殺害されたとしたら……。
浜口が殺害されたのも、真犯人を無罪にしたことで脅迫されたからだとしたら……。
犯人は大脇しかあり得ない。
しかし、大脇にはアリバイがあった。
では、誰かを操り殺人を行わせたのではないか。
鴨志田には1人心当たりがあった。
その人物について調べた鴨志田。
さらに、浜口が過去に美人局を行っていたことも判明。
浜口と美人局を行っていた女性に心当たりの人物について写真を見せたところ、彼女は頷くのであった。
こうして、確証を得た鴨志田はその人物の身柄を押さえることに。
その人物の正体とは―――宇山であった。
宇山は美人局の事実が知られていると知るや、すべてを告白する。
2008年、宇山は女性教師殺害事件の犯人として浜口を逮捕した。
宇山は浜口が犯人であると確信していたのだが……浜口から過去の美人局の件を明らかにすると切り出されたことで窮地に立つことに。
浜口は美人局を黙っている代わりに、自転車を処分してくれないかと持ちかけて来た。
宇山はこれに乗った。
そして、2審の大逆転劇に繋がるのだ。
実は、2審の争点は浜口の移動手段についてであった。
浜口が徒歩である限り、犯行現場から所在確認された時刻に自宅まで移動することは不可能だとされたのだ。
しかし、浜口は自転車を使用しこれを可能にしていた。
だが、その証拠の自転車を宇山が処分してしまったことで決めてを欠いてしまったのだ。
結局、浜口は無罪となった。
その数年、金に困った浜口は大脇を脅迫し始めた。
脅迫された大脇は衝撃を受けた。
まさか、真犯人だとは思っていなかったのだ。
しかも、大脇は代議士選に出馬する予定であった。
キャリアに傷がつくことは避けたい。
其処で、浜口の脅迫に応じたのだが……浜口からの要求はエスカレートするばかり。
困った大脇は宇山の責任を追及し始めた。
そして、大脇に背中を押された宇山は浜口を殺害することに。
一方、加奈子は尊敬する大脇に近付く為に彼が手がけた事件を調べていた。
そんな中、浜口の事件に違和感を覚えたのだ。
そして、調べて行くと大脇が真犯人・浜口を誤って無罪にしてしまったことに気付いた。
加奈子は公表すべきかどうか、大脇への尊敬心と弁護士としての正義感の狭間で苦しむことに。
其処で、加奈子は宇山に接触したのだが、事件の真相が明らかになることを怖れた宇山に殺害されてしまったのである。
宇山は逮捕された。
大脇もまた、宇山の供述と加奈子が残していた浜口との遣り取りを録音したICレコーダーが証拠となり逮捕された。
こうして、大脇事務所は崩壊してしまった……。
折角、前途に光を見出していた行人だが、此の顛末に所属事務所を失い頭を抱えることに。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
あれほど行人が嫌っていた武井、その武井が独立開業することを知るやその事務所に所属することになるのであった―――エンド。
<感想>
「おかしな刑事」シリーズ11作目。
ちなみに、前作が2013年6月22日放送なので約1年ぶりの新作となります。
シリーズ過去作のネタバレ批評(レビュー)ありますね。
興味のある方は過去記事をどうぞ!!
では、ドラマの感想を。
良かったですね。
シリーズの雰囲気も受け継がれていたように思います。
そんな中で、行人君は順調にイソ弁に。
事務所変更を余儀なくされましたが、なかなかに順調な船出の様子。
一方、鴨志田と真実親娘も健在。
抜群の安定感を文字通り鴨志田(醸し出)していましたね。
さて、此処からは毎度恒例の気になったところコーナー。
今回も幾つかありましたが、もっとも気になったのは次の点。
「何故、加奈子が資料を読んだだけで大脇も気付かなかった浜口犯人に辿り着けた」のか。
実はコレ。
答えを知っている(察している)視聴者だからこそ特に疑問には思わないけど、作中人物の立場からだとなかなかに奇妙な状況の気がする。
資料上は当然、大脇や他の関係者が目を通しても差し支えない内容になっていた筈(だからこそ、浜口は無罪になった)。
にも関わらず、加奈子が一瞥しただけで浜口の犯行を疑うような内容が其処に書かれていた(あるいは、書かれていなかった)とは思えないのだけど……。
仮に浜口の犯行を疑うような内容があったとしても、そもそも浜口の犯行を信じている立場の人間でないと見抜けないんじゃないかなぁ……。
大脇を尊敬していた加奈子がそんな視点で目を通すとは思えないんだけど……。
どうも、浜口犯人との結論から逆算した結果のシナリオのような気はする。
此の点がもっとも気になりました。
とはいえ、全体的に面白かった。
シリーズ次回にも期待出来そうです!!
◆関連過去記事
・土曜ワイド劇場「おかしな刑事 居眠り刑事とエリート女警視の父娘捜査 花笠まつり殺人事件・二つの死体と似顔絵の美女・山形かみのやま温泉〜楽焼絵皿に謎」(6月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「おかしな刑事 居眠り刑事とエリート女警視の父娘捜査 鬼女の絵馬がつなぐ二つの死体!商社連続殺人・創業家一族と、美しきバレリーナの秘密」(10月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「おかしな刑事 居眠り刑事とエリート女警視の父娘捜査 東京タワーは見ていた!消えた少女の秘密・血痕が描く謎のルート」(12月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「おかしな刑事〜居眠り刑事とエリート警視の父娘捜査 サクラソウは見ていた!死体に付いた花弁と、女流画家の美しい罠」(6月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
鴨志田新一:伊東四朗
岡崎真実:羽田美智子
姉小路行人:石井正則
大脇修一郎:勝野 洋
宇山 聡:赤塚真人
武井昭一:正名僕蔵
田中孝典:上杉祥三
坂下純次:小倉久寛
星田耕介:佐渡 稔
工藤 潔:飯田基祐 ほか
(公式HPより、敬称略)
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「あれ? いいのよ、もうちょっといつもの緩さでも、いいのよ?」
とか余計なこと思ってました済みませんw
地味〜に役に立つ行人君のシーンが復活して欲しい。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
言われてみれば……確かにこれまでに比べるとキビキビしていたような気も。
これはこれで個人的にはアリですが、いつものゆったり感も捨て難い。
次回がいずれのタイプになるのか気になりますね。
そして、行人君にはもっと活躍して欲しいです!!
次回は弁護士として颯爽と法廷に立つ行人君の姿が見られたりして……。
このシリーズのまったりした雰囲気が好きです。
>「何故、加奈子が資料を読んだだけで大脇も気付かなかった浜口犯人に辿り着けた」のか。
についてなんですが、新田弁護士が事務所を辞める前にバーで浜口に会い、本人から「自分が殺した」ことと、「公表しないわけがある」ことを聞いた。という場面があったように思います。
直後、浜口は殺され、新田弁護士は事務所をやめているわけですが、その後も1人で組長や美人局の元女子高生に会いに行き、宇山にたどり着いたころに、ショックでDVDを延滞したのかなと、解釈していました。ただその間ちょっと日数がかかり過ぎているかな…。
解釈が違っていたらまた教えてください。
私も、長年の苦労を知っているだけに、法廷に立つ行人君見たいです。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
気になった点への解答ありがとうございます。
これで謎が解けました!!
どうやら、順序を逆に考えていたのが原因のようです。
個人的には次のように考えていました。
「浜口の犯行に気付いたから、加奈子が浜口に会いに行ったのだ」だと。
其処で「加奈子が犯行に気付いたのは何故か」との疑問が生じていたのです。
しかし、実際が「浜口に会ったことから、加奈子が犯行に気付いた」のだとすれば、この疑問は解消します。
これで納得です!!
そして、果たして行人君は法廷に弁護士として立つのか……次回に期待ですね!!