2014年06月07日

「実は私は」第66話「ごまかそう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第66話「ごまかそう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第66話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「委員長、何処に行ったのかなぁ」
「また何処かで電気切れで動けなくなってたりして」
廊下を談笑しながら歩く朝陽と葉子。
話題は渚の事である……その日、真面目な渚に珍しく授業を欠席していたのだ。

そんな朝陽と葉子の視界に意外な光景が。
廊下中央にみかんが呆然と突っ立ていたのである。
何やら、みかんは放心状態のようだ……余程、驚くモノでも目にしたのだろうか。
好奇心に駆られた朝陽がみかんへと声をかけつつ、その視線を追うと……。

視線の先―――すなわち、みかんの掌の上に見知った人物が立っていた。

「「ああああああああああああ」」
朝陽と葉子の口から驚愕の声が上がる。

みかんの掌の上に立っていたのは小人―――そう、委員長こと藍澤渚その人であった。

「見て見て!!其処で拾ったんだけど藍澤さんのフィギュア、凄いリアルな出来でしょ」
どうやら、みかんはフィギュアだと思っているようだ。
おそらく、渚は電池切れで助けを呼ぼうと廊下に出たところをみかんに見つかりフイギュアのふりをしているのだろう。

(委員長GJ!!)
渚の咄嗟の判断に喝采を贈る朝陽。
しかし、一方でみかんは何やら疑問にも思っている様子。

「でも、これってさぁ……。もしかして……」
みかんは七不思議の1つ「廊下を走る小人」とも結びつけているようである。
しかし……。

「でも、有り得ないわよね。藍澤さんは最近だし、あっちは昔からあるワケだから」
これに「ん?」と首を傾げる朝陽と葉子。
彼らは七不思議のカラクリを知っている。
そのどれもが割と新しい成り立ちの筈だが……。

1.謎の校長(茜)。
2.放課後の吸血鬼(葉子)。
3.保健室に出没する痴女(獅穂)。
4.光の変態(獅狼)。
5.廊下を走る小人(渚)。
6.調理室に現れる幽霊(涼)。
7.角付き少女(茜)。
補:誰も見たことのない生徒会長(華恋)。

「実は私は」第40話「七不思議を探ろう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

だが、確かに七不思議自体は昔から存在していたのである。

いや、待てよ……朝陽と葉子は顔を見合わせた。
元祖が居た可能性に思い立ったのだ。

「角付き少女」は茜だから可能。
「放課後の吸血鬼」も源二郎ならば可能。
「保健室に出没する痴女」も獅穂の母ならば可能だ。

あ〜〜〜なるほど〜〜〜。
何処か納得した表情を浮かべる朝陽と葉子。

と、此処でみかんが思索に気を取られフィギュア(実は渚本人)を取り落した。
渚は宙をくるくると回転しながら地面へと……落ちなかった!!

華麗に回転しつつ、手持ちの銃をロープモードに切り替えみかんの腰のベルトに向けて射出。
バックルにロープを絡めると、これで自身の身体を固定しつつ緩やかに着地を決めたのだ。

(お見事!!)
内心で快哉を叫ぶ朝陽。
だが、みかんはあまりのことに目を見開いている!!
気付かれたのか……?

「あれ、あれれ、あれ?」
みかんは半ばパニック状態のようであるが、何が何やら分からないなりに何かを納得したのか頷く。
次いで、改めてフィギュア(くどいようだが渚である)を手に取ると、まじまじと眺め始めた。
そして、また「まさか、まさかねぇ」の繰り返し。
渚はもちろん、見ている朝陽と葉子も気が気ではない。

さらに、みかんは渚にとって最悪な行動を取り始めた。

「それにしても良く出来てるわね」と観察しつつ、スカートを捲り上げたのだ。
思わず顔を赤らめる朝陽。
そんな朝陽を睨みつける渚と葉子。
みかんはと言えば、フィギュアの出来に興味津々である。

其処へ更に事態を悪化させる人物が到来した。
エロあれば現れる獅穂だ。

朝陽が硬直した。
そうなのだ、獅穂と渚は互いの正体を知らないのだ(17話参照)!!
この状況下で獅穂が加わるのは……マズイ!!

「実は私は」第17話「お近付きになろう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

この瞬間、渚の表情から生気が消えた。
この先を予測し絶望したのだろう。
そんな渚の予測を肯定するように獅穂が口にした。

「ん……何それ、藍澤さん?良く出来てるね〜〜〜脱がしてみようか」
何処をどう経由してこの結論に至ったのか不明だが、獅穂の思考は相変わらず明確である。
そして間が悪いことに、この時のみかんは眼鏡着用の外道クイーンモード。
2人はあっさりと共鳴した。
早速、みかんと獅穂が2人がかりでそれと知らずに渚を全裸へと……。

「だ……駄目だ!!」
これを朝陽が見咎めた。
必死に止めに入る朝陽。
しかし、この言葉にみかん、獅穂が衝撃を受ける。

「えっ、こういうのが趣味だったの?」
その眼差しには多少の軽蔑が含まれているようだ。

まさか思わぬ形でのカウンターにたじろぐ朝陽だが、此処で引き下がることは出来ない。
「それ俺が作ったんだ」と押し切ろうとするのだが……。

「えっ、えっ、クラスメートの女子のフィギュア作っちゃったの?」
「それはマズイよ、流石にそれはマズイよ」
「……(ジト目×2)」
大騒ぎするみかんと獅穂に加え、何故か事情を察している筈の葉子と渚までもが朝陽を軽蔑の視線で眺めて来る。

ええ〜〜〜っ、君ら事情知ってるでしょ〜〜〜とのツッコミを心の中で叫びつつ、それでも朝陽は前へ進む。
「だから、返して欲しい」と訴えたのだ。

これにまた4人が反応を示す。

「えっ、ちょっ、まあ、こういう趣味でも朝陽なら……」
朝陽を全肯定するみかん。

「痴女が此処に居るよ!!痴女が此処に居るよ!!」
人形に頼らなくても……とアイデンティティーの危機を感じ、必死に自己主張し始める獅穂。

「さいて〜〜〜」
もはや、事情を忘却してしまったかのような冷たい葉子。

「…………」
無言で身体を抱き、身を護ろうとする渚。
というか、あなたこそがもっとも事情を察している筈なのだが……。

ええ〜〜〜い、こうなれば自棄だ!!
社会的生命を危機に曝しつつ、朝陽は強硬手段を採用した。
みかんの手から渚をもぎ取ると、その場から逃げ出したのだ。

これを「ソッチの世界から戻っておいで〜〜〜」とばかりに追跡するみかん、獅穂、葉子の3人。
葉子はまったく朝陽の真意に気付いていないようだ。
そして、それはもう1人。

朝陽の掌の中、渚はこれから行われる無体を想像し身を震わせていた。
これを見た朝陽は首を振りつつ、事情を説明することに。
果たして、朝陽はどのような人間だと思われていたのだろうか……。

ようやく事情を察した渚。
まさか自分自身の為に社会的生命を犠牲にまでしようとするとは……。
渚は朝陽の心意気に感動し、またも朝陽への恋心を再確認する。
さらに、本体の状態で朝陽と手を握れたら……と夢想するが。

「その願い、聞き届けよう!!その代わりケーキ1ヶ月分は宜しくな!!」
何処から降って湧いたのか……目の前には茜が立っていた。
驚く暇もなく朝陽と渚は突き当りの部屋へと押込められる。

朝陽がバランスを崩し、渚を放り出してしまって……。

「あいててて……ごめん委員長、大丈夫?」
朝陽が地面から顔を上げると、目の前には人間大の渚が座っていた―――67話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、7巻も発売予定。ちなみに表紙は明里さんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

さらにさらに、増田先生の初期作品「透明人間の作り方」も発売とのこと。
こちらも注目!!

その66話。
衝撃のラストで次回に続くことに……まさかの渚が人間大化です。

当初は朝陽が縮小したのかとも思いましたが、茜の台詞とラストのコマにて背景と比較したところ「渚が大きくなった」で間違いない。
自身のサイズ故に朝陽との愛を諦めていた渚にとってコレが何を意味するのか……。

さらに、渚の頭部の触覚は巨大化後も健在。
この普段の委員長との差異を周囲にどう誤魔化すかも気になる。

まさか、誤魔化す為に渚自身を等身大フィギュアだとか主張したりしないよね……。
もしそうなると、朝陽がさらに大火傷を負うことになるが……渚が絡むと有り得そうなのが怖い。

部屋に飛び込んで来た葉子たち。
途端にいつもの癖で渚が人形のふりを。
つまり、朝陽は等身大渚人形と2人きりだったことに。
触覚の有無から人形と判断した葉子たちはフィギュアに続く等身大人形の登場にドン引き。
葉子は朝陽の好きな相手が渚だとさらに誤解を深め、みかんは「流石にこれはちょっとねぇ」、獅穂が「そんなに悩んでいるなら相談してくれれば」的な対応。
朝陽が大ダメージを受けて、後ほど渚が反省会の流れ。
次回は渚が釈明に駆けずり回る―――みたいな。

どうだろ。

でもって、注目は「七不思議成立の謎」。
他はともかく小人のエピソードも古くから存在する物ならば、渚たちの両親も絡んで来ていた可能性アリ?
此の点も注目です!!

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス6巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛に続き明里さん。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、8巻が華恋かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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