2014年06月09日

「最強少女さゆり」第15話(20話)「さゆりのお母さん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第15話(20話)「さゆりのお母さん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
さゆり母:さゆりの母、怪力。病室のプレートから名前は「豪田彩」だと思われる。
森:さゆり母が入院していた杏森病院の担当医師。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あ〜〜〜っ、また!!」
院内を看護師の怒声が響いた。

其処は杏森病院の入院患者用個室前、プレートには「豪田彩」と書かれている。
看護師は中を覗き込み、叫ぶや硬直した。
吹きつけて来る外からの風が気持ち良い……って、それもその筈、壁には外へ向けて穴が開いていたのである。
そして―――患者は消えていた。

ぷるるるるるるるるるる……。

数分後、豪田宅に電話が入った。
慌てて受話器を取った豪田だが、彼はそもそも喋らないのだ!!
これでは幾ら呼びかけようとも返事が無い。
電話の相手は頭を抱えてしまった。

それはこちらも同じである。
困り果てる豪田に代わり、さゆりが受話器を取る。
しかし、惜しいかな常識外の力を持つとは言えさゆりは4歳である。
これまた会話が成立しない。

またも頭を抱える電話の相手。
一方、豪田もおろおろしっ放しだ。
流石にこれを見かねたバニーがさゆりから代わる。

「もしもし」
「あっ、やっと会話が成立する相手が出た!!」

大喜びする電話口の相手は杏森病院の森医師であった。
森はさゆりの母が病室を抜け出してしまったことを伝え、探して欲しいと依頼する。
これを聞いた豪田とさゆりの表情が凍り付いた。

ただならぬ様子に不穏な物を感じながら受話器を置いたバニー。
すると、続けて電話が鳴る。

今度の相手は源さんだ。
源さんは「さゆりちゃんのお母さん、どうやらまた病院を抜け出したようだね」と述べる。
源さん本人はさゆりの母を目撃していないようだ。
だとしたら、どうして抜け出したことが分かるのか……疑問を抱くバニー。
そんなバニーに源さんは視線を電話機から前へと戻す。

源さんの前にはスクラップと化した車と、何かが通ったように薙ぎ倒される木々が一定方向に続いていた。
まるで、さゆりが疾走した後である。
これこそ、さゆりの母の仕業であった。

源さんからの情報を受けて、さゆりと豪田は外へと探しに飛び出してしまう。
留守番はバニーとリコスだ。

その頃、1人の小柄な女性宇宙人がさゆりの住む街を目指し田舎道をバイクで移動していた。
彼女は「まったくもう……」と愚痴を零す。
バニーやリコス以外にも、地球が警戒地域に認定されたことで母星に帰還出来なくなった宇宙人が居たのだが、彼女もその1人なのだ。
其処で、彼女もまたバニーのように(18話「宇宙警察 バニー・ラビット」参照)警戒地域に認定される原因となった物体の調査を依頼されていたのである。

と、彼女のバイクを何者かが追い越した。
そして、遅れて来た衝撃波で彼女が吹っ飛んだ。

地面へと叩きつけられた彼女。
その数メートル先に彼女のバイクが転がっていた。

「あいててて……」呟きつつ立ち上がろうとした彼女の目が奇妙なモノを捉える。
どうやら地球人のようだが、か細い身体の女性がふらふらと歩み寄って来たかと思うとバイクをひょいと持ち上げたのだ。
それはもう、路傍に落ちていたチラシを拾い上げるよりも軽々と。
「えっ、そんな……」
その様子に絶句する彼女。
地球人はこんなに身体能力が高かっただろうか?
だが、相手はそんな彼女に気付く様子もなく「これは良い物を拾ったわ」と呟くとバイクに乗って悠々と去ってしまった。
「それ私の……ドロボー」
そのまま彼女の意識は途切れた……。

数時間後、豪田家では留守番のリコスとバニーが度胆を抜かれる事態が起こっていた。
ほんの少し、ほんの少し目を離した隙に、何時の間にか縁側に見知らぬ女性が腰かけていたのである。
そのスピードは人間業ではあり得ない。
いや、彼らとて可能ではない。

恐怖に恐れ戦くリコスとバニーに、相手の女性は微笑んだ。
そして呟く。
「あら、聞いていたのとは違うわね」と―――次回に続く。

遂に出た!!さゆりの母!!
そのポテンシャルはさゆり以上か!?
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの15話(通算20話)。
いよいよ登場、さゆりの母。
病室のプレートによると「豪田彩」となるのだろうか。

そして、明らかにそのスペックが尋常ではない。
まさに大人版さゆり。
さゆりの力はこの母からの遺伝だろう。
とすれば、この母にこそ秘密のルーツが隠されているのか。
リコスやバニーを見ても驚かないのは、集中連載4話「さゆりと峠とお見舞い」にてさゆりから聞かされているからだろうけど、それだけでは無いようだ。
どうも、さゆりの母こそが宇宙人なんだろうなぁ。
だからこそ、バニーやリコスは同朋になるからこそ平気とか。
もっとも、源さんたち町の人々もバニーやリコスに驚かないし、そう言った世界観なのかもしれない。

ただ、やっぱりさゆり母は宇宙人のような気がしてならない。
しかも、かなり高位の立場か、絶滅寸前とされた稀少種族の生き残りとか、かなり意味深長なルーツがありそうだ。

そして名も無き新キャラも気になります。
バニーと同じく誰かの指示で動いている様子。
所属するのは宇宙警察なのか、それとも別の組織なのか……。
彼女も「さゆりファミリー」入りするのかな!?

此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中(「さゆりと峠とお見舞い」参照)なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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