2014年06月07日

金曜プレステージ「医療捜査官 財前一二三5 〜湯けむりに沈む殺意!温泉病院殺人事件〜 医師&刑事2つの顔持つ女シリーズ第5弾・病院長の令嬢が殺害!!遺産60億円!相続人は父の愛人!?鍵は温泉水、禁断の死因操作とは!?完璧な医療トリックに財前が挑む」(6月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「医療捜査官 財前一二三5 〜湯けむりに沈む殺意!温泉病院殺人事件〜 医師&刑事2つの顔持つ女シリーズ第5弾・病院長の令嬢が殺害!!遺産60億円!相続人は父の愛人!?鍵は温泉水、禁断の死因操作とは!?完璧な医療トリックに財前が挑む」(6月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

東京湾でブティック経営者・藤田亜美(比企理恵)の溺死体が上がった。遺体の様子から川崎南署の六車(石倉三郎)と神奈川県警本部の五十嵐(西村雅彦)の見立ては殺人で一致するが、医師免許を持つ医療捜査官・財前一二三(高島礼子)は死斑から、亜美はどこかで殺された後に東京湾まで運ばれ、遺棄されたのではと推測。自ら司法解剖を買って出る。
解剖の結果、亜美の肺には海水ではなく温泉水がたまっており、その成分から温泉地も絞られた。また捜査の結果、亜美は総資産数百億という北野ホールディングス会長、北野裕一郎(藤木孝)の長女ということがわかった。その裕一郎の入院先ということから、野比温泉にある裕一郎が理事長を務めるキタノ温泉病院に一二三らは向かう。院長兼理事の大倉かなえ(戸田恵子)の話から亡くなった亜美は資金繰りに関して頻繁に裕一郎のもとを訪ねていたことがわかる。裕一郎の他の子供たち、長男の一尋(矢島健一)、次男の三晴(津田寛治)、次女の茜(猫背椿)も裕一郎が入院してからというものしきりに様子を見に来るようになったらしい。亡くなる前の亜美の近況とアリバイ確認のために3人に会うと、裕一郎が亡くなった後の遺産を目当てにお互いがお互いをなじるという有様で、五十嵐と六車は遺産をめぐる相続争いから3人の中の誰かが亜美を殺したのでは?と疑う。
一二三は、かなえから裕一郎が10年前、近隣に救急指定病院がなく、そのことで妻を亡くした経験からキタノ温泉病院を作ったことを聞かされ、また裕一郎が好意を寄せている女性として柿沢美登里(一柳みる)を紹介される。
その夜、危篤状態だった裕一郎が息を引き取る。病院に一二三が駆けつけると、夕方過ぎに美登里が路上で倒れて救急搬送されたのち、裕一郎の後を追うように2時間後に亡くなったことを知らされる。
かなえにより裕一郎の子供たちが集められる。裕一郎は遺言を残していた。弁護士でもあるかなえから遺言書の中身は財産の5分の4を美登里に、残りを子供たちで均等にというものだった…。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

ブティック経営者・藤田亜美が東京湾にて溺死体で発見された。
亜美は総資産60億という北野ホールディングス会長・北野裕一郎の長女であった。
この捜査に医師免許を持つ医療捜査官・財前一二三が参加することに。

一二三は死斑の状態から、亜美が別の場所で殺害され運ばれたと断定。
司法解剖を行った結果、亜美の肺からは温泉水が検出。
また、亜美の胃の中からは玉砂利の欠片も検出され、一二三の鑑定が正しかったことが裏付けられた。

一方、この捜査担当に五十嵐が選ばれ、久しぶりに一二三と五十嵐のコンビが結成された。

温泉の泉質から野比温泉が特定された。
さらに、野比温泉には北野裕一郎の入院先・キタノ温泉病院があった。

キタノ温泉病院はその名の通り、北野祐一郎が創設した病院である。
院長兼理事の大倉かなえによれば、亜美が資金繰りの為に頻繁に裕一郎のもとを訪ねていたことが判明。
しかも、同様のことが他の祐一郎の子供でも行われていたことが分かる。

祐一郎には4人の子供が居た。
まず、殺害された長女・亜美、続いて長男・一尋、次男・三晴、次女・茜である。
この4人、亜美と三晴を除いては非常に仲が悪いことで有名であった。
どうやら、死が近い祐一郎の遺産配分を巡り揉めていたらしい。
祐一郎の後継者として目されている三晴以外は全員が金に困っていたのだ。

五十嵐はやがて来る遺産配分を巡っての殺人と目するが……。

祐一郎の遺産は60億を下らない。
黙っていても1人15億は手堅いのにリスクを冒すだろうか……と一二三は疑問を抱く。

数日後、一二三は祐一郎の恋人で心臓病を患う柿沢美登里と出会う。
美登里は上品に年を重ねたお淑やかな女性で、一二三は好意を抱く。

その夜、危篤状態だった裕一郎が息を引き取った。
さらに、美登里までもが心筋梗塞で急死してしまう。
かなえによれば、一緒に海老の天麩羅を食事した直後の出来事で祐一郎の死より2時間後の事だと言う。
あまりのタイミングの良さに一二三は何者かの作為を疑う。

こうして、美登里の解剖が行われることに。
詳細は後日、血液検査の結果を以てとなるが、胃の中に海老の天麩羅が残されていたことなどから見てもかなえの証言通り祐一郎の死亡直後に食事を採ったものと思われ特に不審な点は無かった。

矢先、かなえにより祐一郎の子供たちが集められた。
どうやら、祐一郎は遺言状を残しており、それを伝えるつもりらしい。
一二三たちも立ち会いのもと、遺言状が公開された。
内容を耳にした一尋、三晴、茜は顔色を変える。
なんと、60億の内5分の4を美登里に遺贈するとされていたのだ。
残り5分の1を子供たちで分配するようとの遺志である。

すなわち、美登里が48億円。
残り12億を亜美亡き今3人で分配するので、1人4億を相続することになる。

これに一尋たちは猛反発。
三晴は美登里が死亡している以上、遺言状は無効だと主張する。

だが、これにかなえは異議を唱える。
かなえによれば美登里に先立ち祐一郎が死亡しているので遺言状は有効らしい。
しかも、この場合は美登里の娘・真白が受け取ることになるのだそうだ。

かなえの主張に「素人に何が分かる」と吐き捨てる三晴。
しかし、かなえは素人ではなかった。
なんと、弁護士資格も所持する医師だったのだ。
どうやら、これまで故意に隠して来たらしい。

こうして、かなえの言い分に法的根拠があることが認められ、真白が48億を受け取ることとなった。

一連の流れを見ていた一二三はかなえが何故、弁護士資格を所持していることを隠していたのか奇妙に思う。
其処で、調査することに。

すると、7年前のある事件が浮上する。

7年前、かなえは医師資格を所有する弁護士であった。
そんな彼女が担当したのは15歳になる彼女の1人息子・博也が起こした殺人事件。
なんでも、ホーム上で弓月芳成なる中年男性に絡まれ、身を護るべく彼をホーム下に突き飛ばし殺害してしまったらしい。

かなえは博也が15歳であること。
相手の弓月が当時酔っ払っていたらしいこと。
また、弓月は気性が荒く喧嘩っ早いところがあったこと。
博也に殺意はなく、振り払っただけのつもりだったこと―――などを挙げ裁判を争った。

結局、かなえの主張が通り博也は無実となるのだが……その直後に博也は謎の自殺を遂げていたのである。
以降、かなえは弁護士業務を避け医師として生きて来たのだそうだ。
同じように、医師免許を持つ刑事として2足のわらじを履く一二三はかなえに共感を抱く。

そんな中、美登里の詳細結果から「スマトリプタン」という「血管収縮薬」が検出されたことが分かる。
これは美登里のような心臓病の患者が使用すれば死に至る危険な薬品であった。
美登里の死が何者かによる他殺であると確信する一二三。

矢先、今度は真白が何者かに襲われ命を落としかける。
一二三は真白の入院先を一尋、三晴、茜に伝えるのだが……。

その夜半、真白の病室に人影が忍び込んで来た。
人影は真白を襲撃しようとして……隠れていた五十嵐や一二三たちに捕まることに。
すべて真犯人を誘き出す為の罠だったのだ。

そして、明かされた犯人の正体は―――三晴であった。

兄弟のうちで唯一後継者と目され金回りも良かった三晴が何故!?
実は、三晴は会社の金を横領していたのだ。
すべてロサンゼルス出張から始まった。
三晴は現地でギャンブルに嵌り、借金をしていたのだ。
この返済に会社の金を横領していた。
五十嵐から指摘を受け行われた内部監査によれば、実に億単位の横領が認められたらしい。

三晴はこの横領を穴埋めすべく祐一郎の遺産をあてにしていた。
ところが、その前に横領の事実を知った亜美に脅迫されたのだ。
其処で野比温泉近くの足湯で亜美を溺死させた。
此の為に、亜美の口内から温泉の成分と玉砂利の欠片が検出されたのだ。

美登里を殺害したのは、三晴は祐一郎の遺言状の存在に気付いていたことが動機であった。
三晴は祐一郎の遺産を用い、密かに横領分を穴埋めするつもりであった。
だが、祐一郎が美登里よりも先に死ねば取分が減り穴埋め出来なくなってしまう。
其処で美登里を殺害するべく「スマトリプタン」を盛ったのだ。
だが、2時間の差で遺産が真白に渡ってしまった。
仕方なく、真白の命をも狙ったのだ。

こうして、三晴は逮捕された。
美登里を奪われた真白は三晴を批難するのであった……。

翌日の昼、落ち込む真白と食事を共にした一二三。
真白が海老を食べているところを目撃し、美登里の胃に海老の天麩羅が残されていたと語る。
すると、真白は「そんなことはあり得ない」と叫ぶ。
何故なら、美登里は海老が苦手だったのだ。

これを聞いた一二三は事件はまだ終わっていないと断言することに。

数時間後、かなえの前に一二三と真白が現れた。
何かを察した様子のかなえに、一二三は「美登里の死亡時刻がずらされていた」ことを告げる。

本当は三晴の計画は成功していたのだ。
祐一郎に先立ち美登里が死亡していたのである。
だが、かなえが海老の天麩羅を流動物状にした物をチューブで美登里の胃に流し込み死亡推定時刻を誤認させたのだ。

すべては真白に48億を受け取らせる為であった。
だが、かなえは何故其処までする必要があったのか?

それは美登里の夫で真白の父親に隠されていた。
その人物こそ、7年前に不名誉な死を遂げた弓月芳成であった。
かなえは博也の行動の贖罪の為に、どうしても48億円を渡しかったと述べる。

実は博也の行為は純然たる殺人だったのだ。
弓月の死の直前、博也はホームで大音量で音楽を聞いていた。
これを「電車の中ではボリュームを絞れ」と弓月に注意されたのである。
一時の激情に駆られカッとなった博也は弓月をホームに突き落とし殺害してしまった。

しかし、冷静になれば自身の罪深さに気付いた。
罪を償おうと考えていたのだが……かなえの活躍で無罪になってしまった。
其処で「嘘吐きとして生きたくはない」とかなえを批判し自殺してしまったのである。

だからこそ、かなえは残された美登里と真白に償おうと考えた。
祐一郎と美登里を引き会わせたのもかなえだったのである。

しかし、これを聞いた真白は「そんなこと望んじゃ居なかった」とかなえを責める。
真白は父である弓月の行為に負い目を感じており、姓まで母方に変えていた。
「ただ、真実を教えてくれていれば……」
真白の言葉に、かなえは謝罪するのであった。

一方、三晴の行為が明らかになり、北野家は会社を追放されることに。
さらに、その個人資産を以て会社に弁済させられることとなった。
これにより、一尋と茜はすべてを失ってしまった。
しかし、彼らは互いに笑いを絶やさない。
どうやら、この事件を通じて家族の絆を取り戻したようだ―――エンド。

<感想>

「医療捜査官 財前一二三」シリーズ第5弾です。
過去作品はネタバレ批評(レビュー)ありますね。
興味のある方は過去記事をどうぞ!!

原作はおそらく漫画の「医療捜査官像王」?
漫画は主人公が男性だそうですが、どちらも酒井直行先生が原作に関わっているらしいのでたぶん合ってるかな。
気になる方は本記事下部にアマゾンさんへのリンクを用意したのでどうぞ!!
酒井先生と言えば、次のニュースも過去記事がありましたね。

「医療捜査官 財前一二三」原作で知られる酒井直行先生がご当地キャラクター「あみたん娘」を題材にした小説を手掛けられるとのこと。

では、ドラマ版感想。

第3弾から西村雅彦さん演じる五十嵐鞘次郎に代わり、中村橋之助さん演じる五藤直樹となっていましたが、今回は五十嵐が復帰。
それに伴い五藤がお休みとまたも入れ替わりとなりました。
五十嵐と五藤が顔を合わせる機会は来るのでしょうか……。

ちなみに、主人公が一二三。課長が四朗。相棒が五十嵐、五藤。所轄署の刑事が六車……と警察関係者で一二三から近い順に数字が与えられているのも本作の特徴です。

内容について。

「弁護士資格を持つ医師」VS「医師免許を持つ刑事」ということで頭脳戦を繰り広げると思いきや、別にそんなことはありませんでしたね。
てっきり、もっと丁々発止を繰り広げると思ってたんだけどなぁ……此の点はちょっと残念です。

ちなみに、真白さんがかなり可哀想な人に。
かなえと関わったが為に、父は不名誉な死を背負わされ、母は殺害されてしまい、自身も命を狙われることに。
その上、結局、かなえの工作が明らかになったことで48億円も無くなったし。
両親を奪われた上に何の保障もなく放置されるとは……ムゴイ。

でもって、当のかなえは「善意のつもりだったんだけど……」では済まない問題のような気が。
それが原因で当の遺族である美登里を死なせ、真白が命を狙われる羽目に。
第一、善意だと言うなら祐一郎の遺産をあてにすること自体が大問題では……。
他人の褌で自身らの贖罪を果たそうとするのはどうなのだろうか。
これがかなえ自身の資産だったならば額は少額といえども美登里が殺害されることなく、きちんと謝罪の意を相手に伝えられていたと思うのだけど。

それと、一尋と茜は家族の絆を取り戻したと言うよりは自棄になっただけのような気がしないでもない。

振り返ると誰も救われてない結末だと言う……なかなかに重いなぁ。

総評として、「弁護士資格を持つ医師」VS「医師免許を持つ刑事」など面白そうな素材があっただけに勿体ないとの印象。
う〜〜〜ん、悪くは無かったけどこれまでのシリーズで期待値を上げ過ぎたのかもしれない。
次回に期待!!

◆関連過去記事
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「医療捜査官 財前一二三」原作で知られる酒井直行先生がご当地キャラクター「あみたん娘」を題材にした小説を手掛けられるとのこと。

<キャスト>

財前一二三:高島礼子
大倉かなえ:戸田恵子
北野一尋:矢島健一
藤田亜美:比企理恵
北野三晴:津田寛治
北野茜:猫背椿
柿沢真白:白羽ゆり
柿沢美登里:一柳みる
北野裕一郎:藤木孝
財前百代:草村礼子
五十嵐鞘次郎:西村雅彦 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


おそらくドラマ原作と思われる「医療捜査官像王 1 (プレイコミックシリーズ)」です!!
医療捜査官像王 1 (プレイコミックシリーズ)





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