2014年06月14日

「実は私は」第67話「求愛しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第67話「求愛しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第67話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・前回はこちら。
「実は私は」第66話「ごまかそう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

手製のスイーツが食べたいと目論んだ茜により、人間大になった渚本体。
思いも寄らぬ状況に激しく動揺することに。

一方、人間大になった渚に動揺するのは目の前の朝陽も同じ。
とはいえ、朝陽は「はて?」と悩み込む。

確かに渚の本体が人間大化している。
だが、普段の渚と何処が異なるのか?
精々がネジと触覚ぐらいではないか!!

朝陽に触覚をまじまじと眺められていると気付いた渚は「エロ峰」呼ばわりすることに。
どうやら、触覚を凝視することはタブーらしいと気付いた朝陽は渚に謝罪する。

そんな朝陽の態度に余計に触覚を意識する渚。
実は触覚には求愛行動を示す機構が備わっており、相手に愛情を抱いていると発光するのだ。

(そう、私は黒峰朝陽を諦めた身だ……)
自身に言い聞かせる渚だが……。

「委員長、何かぼんやり光ってるよ」
朝陽の指摘を受けた渚。
視線を上に向けると確かにぼんやり光っている。

(そ、そんな馬鹿なぁ〜〜〜)
自分はそんな軽薄ではないと言い聞かせる渚。
兄である涼などは異性を見つけては所構わず触覚を光らせていたが、自分は違うのだ!!

ところが……意識すればするほどに、触覚の光は強くなるばかり。
遂には部屋の中で2人きりであることを意識してしまい、煌々と室内を照らしだす羽目に。
渚の顔は真っ赤である。

そんな渚を脅かす影が……事の張本人・茜である。
茜は華恋のもとから「天使の輪」を持ち出していた。
これを何時の間にか渚の頭上に翳していたのである。

渚の触覚が発行していたのは事実だが、屋内を照らしだしたのはコレが理由であった。

「なっ!?」と驚く渚は茜から輪を取り上げようとするが「粗略に扱わないで、それをずっと探している人も居るんだから」と朝陽に止められる。
もちろん、探している人とは真の所有者である華恋のことだ。
朝陽の優しさに触れ、なおさら意識してしまった渚はさらに真っ赤に。

こうなっては事態打開は張本人に頼むしかない。
渚は茜に元のサイズに戻すように依頼する。

だが、茜はその願いを叶える為には別のスイーツが必要だとほくそ笑む。
何処までもスイーツ狙いのようだ。

とはいえ、背に腹は代えられない。
渚はスイーツと引き換えにこれを了承する。
ところが、悪戯っ子の茜が素直に元に戻す筈もない。
元に戻すにあたり、条件を提示する。

なんと、渚の義体に触れる必要があると設定したのだ。
こうして、渚は電池切れで隠して来た義体の元へひた走ることに。

しかし、その間も渚に対して茜の誘惑が続く。

何十人という朝陽に追われる渚。
その内の一体から触覚で求愛行動され、ときめく渚。

しかし、その都度、駄目だこれではいけないと自身を奮起させ誘惑を断つ。
そんな渚に茜はお前のが胸中に秘めた真なる願いは叶わないと断言する。

渚の真なる願いとは「いつまでもこの状態のまま朝陽や葉子と3人で居たい」とのものであった。
だが、茜は続ける。

葉子はいつか朝陽への想いに気付くだろう。
朝陽もまた葉子の想いに気付くだろう。
そうすれば、2人は互いに特別な関係になるのだ。
渚は1人残されてしまう……それでいいのか、と。

渚にとってそれはもちろん本意ではない。
だが、朝陽と葉子の仲を応援すると決めたのも事実なのだ。
必死に反論しようとする渚。

そんな渚に、茜は「それでは後夜祭と同じ結果(46話・告白を阻止しよう!のこと)になる」と示唆する。
だが、渚自身が努力することで真なる願いを叶えることも不可能ではないかもしれないと付け足すのであった。

「実は私は」第46話「告白を阻止しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

これに感銘を受ける渚。
渚に背を向けた茜は告げる―――「スイーツを宜しくな!!」と。

その顔は邪悪な笑みに溢れていた。
そう、此処までの騒動は全て渚に恩を売り、頭を下げずにスイーツに有りつく為の陰謀だったのだ!!

そうと気付かない渚は、元に戻り次第スイーツを持参する約束を交わすのだが……。

数時間後、鼻歌まじりに渚のスイーツを待ち兼ねていた茜。
そんな茜のもとに、渚が美味しそうなスイーツを抱えてやって来た。
しかし、その背後には茜の意図しないモノも……。

茜に深く感謝した渚は大量のスイーツを欲しがる茜の為に葉子たちに事情を明かし協力を求めたのだ。
当然、葉子たちも思い思いのスイーツを手にしている。

葉子はロシアンシュー。
凛は悪魔殺し。
獅穂は何やら良く分からない物体。
そして、その背後には指の関節を鳴らす明里が……まさに、51話「地球を守ろう!」の再現であった。

「実は私は」第51話「地球を守ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

茜はいち早く脱出を試みる。
しかし、遅かった。

こうして、明里に拘束され心行くまでスイーツを食べさせられましたとさ―――68話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、7巻も発売予定。ちなみに表紙は明里さんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

さらにさらに、増田先生の初期作品「透明人間の作り方」も発売とのこと。
こちらも注目!!

その67話。
渚の人間大化騒動、もう少し続くかと思いきやあっさりと終息しましたね。
そして、人間大化した渚も前回同様にフィギュアで通すのかと思いきや……こう来たか。
まさに予測を上回る面白さです、流石。

一方、些か弱いかなと思われたラストのオチですが、笑いの基本が繰り返すことであることを考えれば、あれ以上の物はそう無いでしょう。
おそらく、67話のラストからは51話中盤頃の展開が再現されたことは想像に難くない。
敢えて描かず、過去の回を想起させたこのラストは秀逸です。
其処へ至るまでの流れも、これ以上ない最適なものだったように思います。

そして、サイズ変更すらも望む通りに自由自在な茜。
やはり、ハイスペック。
行動原理にこそ難があれど恐るべし、ですね。
そんな茜を(スイーツによって)意のままに操れる可能性を秘めた渚も実は強キャラなのだろうか……。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス6巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛に続き明里さん。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、8巻が華恋かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第60話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

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「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)





こちらはキンドル版「実は私は(1)」です!!
実は私は(1)





「実は私は(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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「実は私は 6 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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「実は私は 7 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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