2014年06月15日

「最強少女さゆり」第16話(21話)「豪田彩花」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第16話(21話)「豪田彩花」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
少女:バニーやリコス同様に地球在住の宇宙人。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・前回はこちら。
「最強少女さゆり」第15話(20話)「さゆりのお母さん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

バニーとリコスの前に現れたのはさゆりの母であった。
彼女は自身を「豪田彩花」と名乗る。

バニーとリコスについてもさゆりから聞いていると語る彩花。
どうやら、さゆりが付けていた絵日記を目にしたようである。
日頃の感謝を告げる彩花に、バニーとリコスは恐縮し切りであった。

その頃、当の彩花を捜し、入れ違いとなったさゆりと豪田。
そんな2人の様子をバイクを彩花に奪われたあの宇宙人の少女が見詰めていた。
彼女はさゆりこそが救助艇を沈めた張本人だと気付く。

一方、彩花が使用していたバイクを目にしたリコスは「もしや……」と訝しむが、それどころではない。
やはり、彩花はさゆりの母であった。
そう……彩花はさゆりと同等の力を持つ元祖・最強少女だったのである。

彩花が一喜一憂するたびに、吹き飛ばされるバニーとリコス。
だが、彩花によればこれでもさゆりを生む前よりは大人しくなったらしい。
入院自体もさゆりを産んでからのことのようだ。

さらに、意外な事実が判明。
バニーが豪田家で着ていた様々な衣装はすべて彩花の持ち物だったのだ。
どうやら、力はもちろん、センスなど一風変わった人物のようだが……。

そんな彩花に迎えが訪れた。
杏森病院の森がやって来たのだ。

「さゆりに会いたい」と渋る彩花だが、森は手慣れたもの。
「毎回、脱走さえしなければとっくに自宅療養になってますよ」と愚痴りつつ、彩花を連れて行く。

こうして、彩花の脱走騒動はさゆりに再会することなく終わってしまった。
とはいえ、これすらこの親娘にとっては日常茶飯事だったのである―――次回に続く。

さゆりの母・その名は彩花。
多数の衣装を持っていた件など、秘密を抱えていそうだが……。
さらに、遂にさゆりの存在が気付かれた!?
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの16話(通算21話)。
さゆり母の名前が判明しましたね。
その名は豪田彩花。
さゆりが彩百合なので、彩の字が受け継がれた様子。

そして、やっぱり怪力だった彩花。
まさに、元祖・最強少女か。
とはいえ、さゆりを出産したことで病弱になったとのことですが……。
例の衣装を多数所持していたことも含めて、秘密がありそう。

基本、バニーがバニーガール、課長が花魁と宇宙警察の職員は特定のコスチュームがあるようなので、彩花もこれに絡むのか?
それとも、特に絡まないのか?
どうも、彩花自身がバニーやリコスと同じ宇宙人のような気もしますが……。

一方、彩花にバイクを奪われたあの宇宙人の少女がさゆりの存在に気付くことに。
次回は彼女による調査報告的な視点で展開することになりそうか。
だとすれば、彼女の名前は次回明らかになりそう。
果たして、彼女経由でさゆりの存在は課長たちに知られることになるのか否かも注目です。
それ如何により、彼女がレギュラー化するかどうかも決まって来そうかな。

此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中(「さゆりと峠とお見舞い」参照)なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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