<あらすじ>
京都市内のスケートリンクで、刺殺事件が発生した。営業時間中、リンク上で滑っていた女性インストラクター・白石沙織(阪田瑞穂)が、黒いフードをかぶった何者かに正面から刺されるというショッキングな事件だった。
京都南署の鑑識官・円城寺りつ子(田中美里)や上司・志賀主任(小林稔侍)らの調査により、犯人の足のサイズは24.5センチだと判明。大山刑事(東幹久)は、1カ月前に起きた“平安京のカラス”と名乗る犯人による通り魔事件との関連を疑う。同じく黒のフードをかぶった人物が果物ナイフで被害者の腹を刺し、刃物を抜かずに去る…という手口が酷似していたのだ。事実、翌日、犯人からの犯行声明が新聞社に送りつけられ、府警は連続通り魔事件と断定、南署に合同捜査本部を設置する。
だが、りつ子は、今回の事件が本当に通り魔によるものなのか疑問を抱く。というのは、1カ月前の通り魔事件の犯人は映像解析の結果、左利きで、かつ180センチほどの長身と推定されており、その身長とスケートリンク事件の犯人の足のサイズがそぐわなかったからだ。りつ子は捜査会議で、通り魔を真似た模倣犯の可能性があると発言するが、府警一課の江藤刑事(堀部圭亮)に「では、犯行声明文はどう説明するのか?」と否定されてしまう。どうしても納得できないりつ子はその後、志賀たちとリンク上で再現実験に挑む。何度も繰り返した実験により、スケートリンク事件の犯人は右利き、推定身長165センチという検証結果が出る。
一方、大山は江藤と共に、被害者の交友関係を捜査。アパートの管理人の話では、1週間前、沙織の部屋に空き巣が入ったという。だが沙織は警察に通報することなく、その場で姉・久美(中村愛美)に凄まじい剣幕で電話をかけ、「あんたがやったんでしょ!!」と責めていたという。沙織と久美は異母姉妹であり、母親の遺した土地をめぐってもめていたようだ。久美が営んでいる美容院は不振で借金を抱えており、彼女の足のサイズは24.5センチだった。大山は久美の犯行を疑うが、江藤から、まだ不確かな情報を本部に報告する必要はないと釘を刺され、彼にかすかな不審を抱きはじめる。
その矢先、事件は思わぬ展開を見せた。久美が、経営する美容院店内で刺殺死体として発見されたのだ。しかも、残された犯人の足跡はまたしても24.5センチだった…! 新たな事件の発生に、大山は姉妹を殺したのは通り魔を模倣した同一犯に違いないと主張するが、江藤は決め手に欠けるといって認めようとしない。
そんな中、通り魔事件の容疑者・吉田卓也(後藤健)が確保され、りつ子や大山の推理どおり、姉妹を殺したのは“平安京のカラス”ではなく、模倣犯であることが判明。さらに、スケートリンク事件の被害者・沙織が大手美容サロンの社長・上條美那子(夏樹陽子)から合計1000万円もの金をもらっていた事実が浮かび上がる。調べを進めたところ、美那子は5年前、交通事故を起こし、オートバイを運転していた男子高校生を即死させていた過去が発覚。なんと、死亡した高校生は江藤と別れた妻・岡崎雅代(国生さゆり)の息子で…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
円城寺りつ子は京都南署の鑑識官。
上司である志賀主任と共に鑑識課員として様々な事件解決に貢献して来た。
そんなりつ子が手掛けることとなった新たな事件とは……。
京都市内のスケートリンクで刺殺事件が発生。
この犯行手口が何とも大胆不敵であった。
営業時間中にも関わらず、リンク上で滑っていた女性インストラクター・白石沙織が何者かに正面から刺されたのだ。
目撃者によれば犯人は黒いフードを被った人物だそうだが……。
りつ子らの捜査により、沙織殺害犯の足跡から足のサイズが判明する。
それは24.5センチであった。
一方、大山刑事は1ヶ月ほど前に発生していた「平安京のカラス」と呼ばれる通り魔による犯行を疑う。
「平安京のカラス」もまた黒いフードを着込んだ人物が犯人とされていたのだ。
しかし、りつ子は大山の主張に懐疑的であった。
「平安京のカラス」は180センチの長身とされており、沙織殺害犯の足のサイズからは考えられなかったからだ。
りつ子は模倣犯の可能性を模索することに。
其処で、沙織殺害現場を用いた実験の結果、沙織を殺害した犯人は右利きで身長165センチと判明する。
りつ子らが模倣犯説に傾く中、これに反発を示す人物が居た。
江藤刑事である。
江藤は何故か頑なに模倣犯であることを認めようとしない。
そんな中、大山は沙織の周囲を調べていた。
沙織が住むアパートの管理人によると、1週間ほど前に空き巣が入ったらしい。
しかし、沙織は姉・久美の犯行に違いないと洩らしていたと言う。
沙織と久美は異母姉妹で、亡き母が遺した土地を巡り争っていたようだ。
久美には沙織を殺害する動機があることになる。
その久美の足のサイズが24.5センチと判明。
久美が犯人かと思われたが……。
矢先、当の久美もまた何者かに刺殺されたのだ。
しかも、現場に残された犯人の足のサイズはまたも24.5センチ!!
事此処に居たり、大山はりつ子の模倣犯説を支持。
だが、やはり江藤はこれを認めようとしない。
直後、本物の「平安京のカラス」が逮捕された。
その正体は吉田卓也なる男性。
吉田が久美、沙織姉妹の殺害を否定したことで模倣犯説が確定する。
同じ頃、大山の捜査により大手美容サロンの経営者・上條美那子が沙織に1000万円もの大金を支払っていたことが判明。
しかも、これに関連して意外な事実も……。
美那子は5年前に車で交通事故を起こし、相手を死亡させていた。
目撃者によりオートバイを運転していた亮太という男子高校生に過失があったとされていたが……。
この目撃者こそが沙織だったのだ。
しかも、美那子の車に同乗していた梅津武という男性も沙織と同様に亮太に非があると供述していた。
どうやら、梅津と美那子は恋人同士だったらしい。
そして、この亮太という男子高校生こそ江藤の息子だったのだ。
事故後、江藤と別れた妻・岡崎雅代は亮太に非はないをずっと主張していたそうなのだが……。
折良く梅津武が婚約を発表。
ところが、その相手は美那子ではない別人。
美那子は騙されたと激怒する。
直後に当の梅津までもが殺害されてしまう。
りつ子は美那子の様子から、5年前の事故で車を運転していたのは梅津だったと推測。
恋人であった美那子が身代わりになったと考える。
そして、目撃者の沙織を買収し虚偽の証言を行わさせたのだ。
報酬金額から見ても、亮太に非があったと言うのも嘘だろう。
だとすれば、久美を除けば被害者は事故の関係者のみとなる。
大山は亮太の父である江藤への疑念が払拭できない。
りつ子は梅津殺害現場を検証。
犯人により痕跡を念入りに消した様子が見てとれた。
ところが、現場にあった水道の蛇口に指紋が残されていたのである。
其処で検出された指紋は……。
その夜、美那子が何者かに襲われることに。
しかし、犯人は尾行していた大山らによってその場で逮捕される。
逮捕されたのは……江藤刑事であった。
梅津殺害の犯行現場から検出された指紋は江藤のものだったのだ。
逮捕された江藤は、全ての犯行が自身によるものと主張。
しかし、りつ子は違和感を抱いた。
熱心に証拠隠滅をしたにも関わらず、何故、安易に指紋を残したのか?
其処でさらに梅津殺害現場付近を調べたところ、ボタンを発見することに。
そのボタンの持ち主は……。
りつ子たちがある人物を呼び出した。
呼び出されたのは雅代である。
雅代はボタンを証拠として提示されると、罪を認め自供を始める。
5年前、雅代は息子・亮太を失った。
沙織や梅津によれば、非は亮太にあるらしい。
しかし、雅代はこれが信じられなかった。
亮太は正義感の強い性格でルールを守らないとは思えなかったのだ。
何か裏があるに違いない。
だが、夫・江藤でさえもこの雅代の声を聞いてはくれなかった。
結局、雅代は江藤と別れ、沈黙を余儀なくされる。
ところが数ヶ月前のことである。
美那子が沙織に金を渡している現場を目撃する。
あれは報酬ではないか……雅代の中で芽生えた疑惑はあっと言う間に大きく成長した。
どうしても真相が気にかかった雅代は沙織の部屋へ侵入することに。
其処で沙織の日記を覗き見てしまう。
そして、知ってしまった……すべてが偽証だったことを。
やはり、亮太は無実だったのだ。
事故の原因は車を運転していた側……梅津にあった。
雅代は沙織、梅津、江藤へ殺意を募らせた。
其処で当時怖れられていた「平安京のカラス」の犯行に偽装し復讐することにしたのだ。
沙織を殺害した雅代。
だが、沙織の部屋への侵入を久美に目撃されており、久美に脅迫されることに。
しかし、雅代は久美を口封じに殺害する。
そして、梅津だ。
雅代は婚約を発表した梅津を呼び出すと、これを殺害した。
江藤は初めから雅代を疑っていた。
捜査して行く中で疑惑が確信に変わり雅代を庇おうと決意する。
其処で梅津殺害犯現場の痕跡を消したのだ。
さらに美那子を殺害した上で、雅代の罪を被ろうとしていたのである。
その頃、取り調べ中の江藤は雅代が逮捕されたと聞き涙していた。
5年前、事故の原因が亮太にあると信じていた江藤。
江藤は亮太の無実を訴え続けていた雅代を相手にしなかった。
それ故、雅代は犯行に及ぶことに。
江藤はこれに責任を感じたのだ。
実は亮太は反発しつつも父・江藤に憧れていた。
刑事を目指していたのだ。
志賀は江藤の行動がそんな亮太の遺志に反することだと批難する。
なにしろ、江藤は正義を曲げてしまったのだから。
逮捕された雅代は、江藤の志を曲げさせてしまったことに謝罪しているようだ。
美那子も真相を語り始めたそうである―――エンド。
<感想>
「京都南署鑑識ファイル」シリーズ8作目。
前作が2012年7月28日の放送だったので、ほぼ2年ぶりの新作となりました。
前作のネタバレ批評(レビュー)ありますね。
興味のある方は過去記事リンクをどうぞ!!
さて、今回の感想は。
う〜〜〜ん、全体的に割と薄味だったかなぁ……。
移動する死体ことトラック上で発見された梅津の死体についても、何故か印象に残らなかったし。
ちなみに、これに関連して染料から犯行現場を特定するくだりはネタバレあらすじから端折ってます。
まさにテンプレ的な2サスだったと言えるかもしれない。
裏を返せばそれだけ手堅い作りだったと言うこと。
シリーズ次回にも期待です!!
2014年6月16日追記:
コメントにて「花さん」よりご指摘を頂き、あらすじ中盤における次の点を訂正しました。
誤:ドアノブに指紋が残されていた〜〜〜
正:水道の蛇口に指紋が残されていた〜〜〜
花さん、感謝です(^O^)/!!
追記終わり
◆関連過去記事
・土曜ワイド劇場「京都南署鑑識ファイル 京グルメ殺人事件〜最後の晩餐の謎!!直径15.5ミリ…滴下血痕が語る真実!!」(7月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「京都南署鑑識ファイル 華道家元連続殺人!!美女は青いバラの浴槽に浮かぶ!?月下美人の花粉が語る死体移動の謎…(華道家元殺人事件)」(8月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「京都南署鑑識ファイル 狙われた映画女優〜連続殺人の罠!!圧迫痕花粉、掌紋…科学捜査が暴く真犯人の秘密」(11月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
円城寺りつ子:田中美里
志賀主任:小林稔侍
大山刑事:東 幹久
玉木課長:黒田福美
岡崎雅代:国生さゆり
江藤刑事:堀部圭亮
上條美那子:夏樹陽子
梅津 武:合田雅吏
常盤康介:長谷川朝晴
久坂竜子:茅島成美 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)
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しかし江藤の尋問で「靴のサイズは?」→「24.5だ」に「嘘つけ」と突っ込んだのは自分だけじゃないはず
いや色々あり得ないですよね身長とかむしろ江藤の体格なら通り魔の方とあまり変わらない気が
なのになぜ疑わないと
なのでこれ庇ってるよね、というか時間的にもこの人犯人じゃないよねとニサス脳全開で突っ込んでました
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
ご指摘ありがとうございます!!
早速、訂正せねば!!
確かにツッコミどころも幾つかありましたね。
管理人も思わずツッコミを入れてました(^O^)/!!