2014年06月21日

「実は私は」第68話「友達の恋愛事情を知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第68話「友達の恋愛事情を知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第68話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

嶋から恋人を紹介したいと呼び出された朝陽、岡、サクラの3人。
朝陽は他の3人の恋愛事情を知らなかったこともあって興味津々。
自分も葉子とのことを応援して貰っている以上、他の面々の恋も応援すべきだと考えていた。
嶋の恋人を目にするまでは……。

呼び出された場所では嶋がふんぞり返っていた。
しかし、肝心の恋人らしき女性が隣には見当たらない。

「アレ?」
訝しむ朝陽だったが、そのとき岡たちが気付いた。

嶋の後方に設置された自動販売機の釣銭返却口を熱心に漁る女性の姿があることに。
そう、その人物こそ嶋の恋人だったのだ。

同時に朝陽が凍り付いた。
何故なら、その女性は涼だったからである。
つまり、外部ユニットこそ女性タイプだが、そのパイロットは男性なのだ。
すなわち、嶋はそれと知らずに男と交際しているのである!!
しかも、相手が涼である以上、嶋が下心を利用され良いようにカモられているに違いないのだ―――。

涼を知らない筈の岡とサクラ。
ところが面倒事の空気を察したのか、早々に帰ってしまう。
愉快そうに「サクラさんは誰か好きな人居るの?」と語り合いつつ。

残された朝陽は誓った。
正直、嶋だから別に構わないかとも思うが、これは人として助けるべきだ、と。

これから2人でデートなんだと主張する嶋。
要は「もう見せびらかす気が済んだから、早く帰れ」という意味なのだろう。
だが、朝陽は嶋を捨て置けずに無理矢理同行することに。

すると、早くも涼の本性が露になった。
なんと、直球で食事を奢るように要求したのだ。
完全に嶋をカモとして見ているようである。
しかし、嶋はこれに嬉々として応じる。

向かったのはオープンテラスのカフェ。
これを目にした涼は高級店の方が好みだと文句を言う。
さらに、この店で1番高い料理を持って来いとまで嶋に命令することに。

流石に、この態度には目を覚ますだろうと期待する朝陽。
ところが、嶋はそれでも唯々諾々とこれに従う。
涼の正体を知る朝陽は嶋が哀れで仕方がない。

嶋が涼の要望に応えようと注文するべく席を外した。
この隙を突き、涼に詰め寄ろうとする朝陽。
その機先を涼が制した。

「頼む、妹にだけはこのことはどうか内密に!!」
どうやら、悪事を働いている自覚はあるようである。
嶋から手を引くよう説得しようとする朝陽だが……。

「いや、それは無理。カモだから」
あっさり、かつ、きっぱりと言い切る涼。
どうやら、悪事を働いている自覚はあるが、罪の意識は無いようだ。

呆れ返る朝陽。
しかし、彼は涼と違い嶋のことも熟知していた。
「でも、嶋の性格だとこの状態は危険かも」
ふと、洩らす朝陽。

その予感は的中する。

料理を注文し戻って来た筈の嶋。
ところが、その手に握られていたのは1つの飲み物に2つのストローがさされたカップル用ドリンクだ。
嶋の顔は心なしか紅潮し、息も荒いようである。
狙いは見え見えであった。

これを目にした涼が凍り付いた。
そして、胸中で叫ぶ―――これが真の恐怖なのか、と。

嶋を逃したくない涼は必至に我慢だと繰り返す。
数分後、2人は1つのジュースを仲良く左右から啜っていた。

事情を知る朝陽はただ涙するしかない。
だが、悲劇はこれで終わりでは無かった。

これに勢いを得た嶋が、更なる大胆な手に出たのだ。
なんと、涼にスキンシップを求めたのである。
これにも忍耐を繰り返しながら、応じる涼。

朝陽の目には嶋と涼本体がイチャイチャしているようにしか見えない。
朝陽は「嶋……」と何処かあらぬ方向へ羽ばたこうとしている友人を黙って見つめることしか出来なかった。

その間にも、嶋の行動はエスカレート。
遂にはハグまで要求し始める。
これにも滂沱の涙を流しつつ応じる涼。

しかし……彼の我慢もこれまでであった。
涼は泣きながらその場を逃げ出してしまうことに。

後に残されたのは、欲望を満たし興奮に頬を染める嶋と事情を知るだけに蒼白となっている朝陽である。
しかも、取り残された嶋は「フラれたんじゃない。俺が振ったんだ」と頑なに主張を繰り返す。
もう見ていられずに「うんうん」と頷く朝陽。

そんな朝陽に嶋は止めの一言を口にする。
「どうだい、女性を抱き締めたんだぜ」と。
胸を張り自慢げな嶋の言葉に、朝陽はそっと目を背けるのであった。

一方、その頃の岡はみかんのバイト先に居た。
「とりあえず言っとくけど、私は朝陽のことが好きだから」
「ん、知ってる」
スパゲティを頬張る岡の前にはバイト中のみかんが座っている。
どうやら、この光景はいつも繰り返されているようだ。
そう、岡はこの店の常連だったのである。
その目的はもちろん……。

さて、そうとは知らない朝陽はと言えば……。
嶋に葉子を「く〜〜〜るびゅ〜〜〜てぃ(笑)」と馬鹿にされ「其処が可愛いんだろうが!!」と力説していたのであった―――69話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、7巻も発売予定。ちなみに表紙は明里さんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

さらにさらに、増田先生の初期作品「透明人間の作り方」も発売とのこと。
こちらも注目!!

その68話。
サブタイが「友達の恋愛事情を知ろう!」ということで、岡、嶋、サクラの恋愛事情が明かされました。
とはいえ、嶋については言わずもがなでしたが……。

まずは嶋。
まさに食い物にする男と男。
涼との間で、かなり切ない戦いが繰り広げられましたね。
よもや、涼に真っ向からメンタル戦を挑み勝つ者が居ようとは……。
知らないこととは言え、嶋恐るべし。

続いて岡。
以前から度々描写されていましたが、やはり岡はみかんのことが好きだったのか……。
果たして、この恋は報われるのか!?

そして、サクラ。
サクラ個人は憧れる人が居るようですが……だとすると年上の女性なのか!?
レギュラーで女性となると限られてきますが、明里なのかな。
そう言えば、1話から3話ぐらいの頃に明里とサクラのシーンがあったような……。

岡とサクラについては初期からあった構想のように思えますね。
朝陽同様に彼らの恋路にも注目ですね!!

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス6巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛に続き明里さん。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、8巻が華恋かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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