2014年06月23日

「最強少女さゆり」第17話(22話)「三度目のタマちゃん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第17話(22話)「三度目のタマちゃん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
少女:バニーやリコス同様に地球在住の宇宙人。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今日のさゆりの姿はバニー、リコスと共に秋田緑地公園にあった。
秋田緑地公園にて雑草マンショーが行われる為である。

ファンである雑草マンの登場を前に、さゆりは大喜び。

一方、公園隅のトイレからオヤッサンが出て来た。
もちろん、タマちゃんも一緒である。

この2組が顔を合わせたから堪らない。
此処で会ったが百年目とばかりにオヤッサンはタマちゃんをさゆりにけしかける。

さゆりならばあっさりと撃退出来る筈なのだが……。
10話「さゆりとタマちゃん」以来、さゆりはタマちゃんに恐怖心を抱いていた。

「最強少女さゆり」第10話(15話)「さゆりとタマちゃん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

逃げ出そうとするさゆりを抱え、バニーとリコスは逃走を余儀なくされることに。
この間、バニーは抱えたさゆりに背骨を鯖折りされかけていたことは秘密である。

さゆりが逃げ出したことで勝利を叫ぶオヤッサン。
しかし、タマちゃんがこれに待ったをかける。
タマちゃんは渋るオヤッサンを説得し完膚なきまでに叩き潰すよう認めさせるのだが……。

これには理由があった。
タマちゃんとリコスに因縁があることはご存知の通りである。
以来、タマちゃんはリコスを見下しているのだが、そんなリコスがバニーを連れているのを見て、嫉妬心が湧いたのである。

「最強少女さゆり」第11話(16話)「リコスとタマちゃん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

こうして、タマちゃんに引きずられる形でオヤッサンは追撃をかけることに。

オヤッサンたちに追われ続けるバニーとリコス。
何とか隠れたものの、頼みのさゆりは未だに怯え続けている。

遂にバニーはさゆりを怯えさせるモノ=タマちゃんの排除を決意。
隠れている自分たちを未だに発見出来ないことから、タマちゃんがレーダーでも赤外線でもなく目視で相手を確認していると判断したバニーはリコスと共同戦線を張ることに。

雑草マンに勝るとも劣らないアクションを見せると豪語するリコスとバニーに胸を膨らませるさゆり。
こうして、オヤッサンとタマちゃんに立ち向かうリコスとバニーだが―――次回に続く。

コマ割りと展開が魅力の作品です。
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの17話(通算22話)。
3度タマちゃん登場です。

さゆりならば苦も無く倒してしまえそうなのですが、10話以来さゆりはタマちゃん恐怖症。
思うように対抗出来ない。
其処でバニーとリコスの急造タッグがこれを迎え撃つことに。

とはいえ、この急造タッグ。
急造のようで急造では無い。

さゆりを通じて地球で互いに助け合ったり、その前には敵同士として互いに戦ったりと、共にあった期間はそれなりに長い2人。
それだけに意思疎通は半端なコンビよりは優れている筈。
おそらく、対タマちゃんではそのコンビネーションを存分に発揮してくれると予想する。

次回の展開としては、リコスとバニーがタマちゃんを撃退し喜んでいるところを、これまた喜んで隠れ場所から飛び出したさゆりに勢いよく吹き飛ばされるオチかなぁ。
でもって、その様子を前回からさゆりの存在に気付いた宇宙人にモニタリングされていてどうなる!?的な。

此の展開以外だと、こんなのもアリかな。
リコスとバニーが善戦するもタマちゃん相手に苦戦。傷付く2人に見かねたさゆりが弱点を克服しタマちゃんを打倒するとかのパターン。
ただ、こちらは流石に格闘漫画でない限りは無さそうかなぁ。

そう言えば、前回からさゆりを調べている筈の宇宙人。
確かにさゆりも凄いけど、ある意味でタマちゃん自体も未知のテクノロジーぽいけど調べないのだろうか。
バニーとリコスが苦戦するレベルなら、相当の代物だと思うのだが。
キャラ同士の組み合わせが広がることは物語に奥行きを与えることにもなるので、この辺りでもいろいろ展開出来そうな予感。

ちなみに、さゆりの存在を知った課長らからの引き渡しを拒んだリコス&バニーが源さんやタマちゃんらと共にこれを捕まえようと迫り来る部隊を相手に戦うシリアス展開がいつかある筈だと妄想してたりします。
この妄想、果たして的中するでしょうか!?

さて、此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中(「さゆりと峠とお見舞い」参照)なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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