<あらすじ>
諸橋(稲垣吾郎)と椿(吹石一恵)は新婚旅行を装い大宅島に向かう客船に乗っていた。諸橋は船員に船酔いを訴え、島に着いたら診療所へ案内して欲しいと同船した珠代(三倉佳奈)に依頼する。そんな中、珠代の実父、辰雄(大河内浩)が腹部の痛みを訴える。急遽、医師免許を持つ諸橋が船内の救護室で手術をすることに。手術に十分な環境が整っていないにもかかわらず諸橋は椿の助けを得ながら見事なメスさばきを見せ手術を成功させる。
大宅島の診療所に辰雄らと共に向かうと診療所の医師、岩田紀子(野波麻帆)に出会う。紀子は東京の有名産婦人科病院、愛聖病院で働いていたという。実は諸橋と椿は愛聖病院で起きたと思われる医療ミスの真相を探るために大宅島診療所に潜入したのだった。
愛聖病院では、医師の麻生友樹(石黒賢)が妊婦、伊坂ゆり子の帝王切開手術を行った際、ゆり子が心臓マヒをおこし胎児もろとも亡くなった。残された夫は医療ミスを疑ったが、カルテ上に問題はなかった。真相は闇の中に…。
諸橋は、手術に関わっていた岩田紀子(野波真帆)、看護師の伊藤恵(入山法子)の足取りを追い、二人が大宅島の診療所で働いていることを突き止め、捜査のため島までやってきたのだった。諸橋らが医療ミスの真相に次第に近づき始めると、そこには国家規模の極秘プロジェクトがうごめいていた。ついには内閣府医療統括官、青木俊作(岩城滉一)の存在が見え隠れし始める。全貌が見えない巨大な敵に諸橋はいかにして立ち向かうのか。
(金曜プレステージ公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
その日、医療特捜部に所属する検事・諸橋と椿は大宅島に居た。
彼らの目的は大宅島の診療所に働く医師・岩田紀子と看護師・伊藤恵の2人。
諸橋たちは愛聖病院で発生した妊婦の死亡事故を追っていた。
事故の被害者は伊坂ゆり子。
愛聖病院にて産婦人科医師・麻生友樹から不妊治療を受けていたが、麻生が執刀した帝王切開手術により母子ともに死亡していたのだ。
これに対し、ゆり子の夫が医療ミスを疑い諸橋たちに訴え出たのだ。
この麻生の執刀に助手として立ち会っていたのが、岩田紀子と伊藤恵だったのである。
諸橋は何とか情報を引き出そうとするのだが……。
矢先、当の紀子の遺体が海に浮かぶ。
どうやら、何者かに殺害されたようだ。
紀子の遺体からは炭酸カルシウムが検出。
さらに、妊娠三ヶ月であったことが判明する。
実は大宅島の温泉は入浴剤により偽湯。
諸橋は紀子が温泉で殺害され、海に遺棄されたと考える。
あまりのタイミングの良さから口封じの犯行かと思われたが……。
そんな中、医療統括官・青木俊作の指示で厚労省の佐久間が動いた。
これにより、医療特捜部は解散の危機に瀕してしまう。
打開策は2、3日以内に真相を突き止めるしかない。
諸橋は紀子のお腹の子供の父親である恋人・北島正彦を訪ねる。
北島は愛聖病院の研修医、北島によれば紀子はずっと何かに悩んでいたようだが。
北島から愛聖病院時代の紀子の写真を入手した諸橋はその隅に写った人物に驚愕する!!
その人物は動物発生工学の権威でショーンズ・ホプキンス大学で遺伝子研究を学んだ河村雄介であった。
そして、麻生もまた同じ大学で遺伝子研究に携わっていたのである。
此処に諸橋はクローン技術が事件の根幹に横たわっていると察することに。
翌日、諸橋は清稜医科大学病院に沖田涼子(前作の登場人物)を訪ねた。
沖田が麻生と同期だった為である。
沖田によれば麻生には愛妻が居たらしい。
その名は冬子。
しかし、冬子は急死してしまっていた。
麻生は「もう1度この手で冬子を抱き締めたい」と語っていたそうだが……。
これを聞いた諸橋は麻生の動機を看破する。
麻生はクローン技術を研究し、亡き妻・冬子を甦らせようとしているのだ。
さらに、これを裏付けるように愛聖病院の背後にスポンサーとして海外の大手食品メーカー「ゼネラル・グロップス」が存在していることも判明。
「ゼネラル・グロップス」は農作物の遺伝子組換に熱心な企業。
おそらく、麻生たちのクローン技術に資金援助しているのだろう。
そして、麻生たちは不妊治療に訪れた患者をそれと知らせずに被験者にしクローン実験を行っていたのだ。
ゆり子のお腹の中に居たのは、子供ではなく夫のクローンだったのである。
当然、同様のケースは複数存在しているに違いない。
諸橋たちは患者の意思を無視した麻生の遣り方に義憤を覚える。
そんな中、諸橋は大宅島内に愛聖病院の持ち家があることを突き止めた。
その持ち家には、愛聖病院で出産を経験していた平井彩花が住んでいた。
彩花は息子・優斗を生んでいたが、出産後の優斗を目にした者は誰も居ないらしい。
平井宅を訪れた諸橋は、止めようとする彩花を振り切り奥へと踏み込む。
其処に広がっていたのはなんと……。
翌日、いよいよ愛聖病院への強制捜査が入った。
愛聖病院内にあったクローン実験室を突き止めた諸橋たち。
其処には麻生と河村が居た。
諸橋は平井彩花が真実を明かしたことを告げる。
平井家に突入した諸橋たちが見たモノ。
それは人工呼吸器に繋がれた優斗のクローンであった。
彩花もまたゆり子と同じく、それと知らされずクローンを妊娠した。
そして、出産する。
この直後、麻生たちから優斗が夫のクローンであることを教えられたらしい。
この事実を公表すれば優斗は生きていけない。
其処で麻生たちの指示に従っていたのである。
しかも、ゆり子の死は麻生らのクローン実験による肉体的な疲労が原因であった。
これらの告発を諸橋から受けた麻生と河村。
さらに、その場で河村が紀子殺害容疑にて逮捕される。
恵が河村の罪を供述したのだ。
恵は麻生に依頼された紀子の監視者であった。
諸橋らが来島した為に紀子が落ち着かなくなったことを麻生に告げたらしい。
すると、河村がやって来てその日の内に紀子を殺害してしまったのだと言う。
河村が逮捕され、クローン研究が頓挫した麻生は「医学の輝かしい未来を邪魔した」と諸橋を責める。
これに「お前は自分の奥さんを取り戻したいだけだろうが!!」と一喝する諸橋。
さらに「生まれて来るクローンは冬子さんの記憶を持たない以上、冬子さんじゃない」と椿に指摘されてしまう。
麻生は反論する言葉を持たず押し黙る。
麻生が罪を認めたことで、上層部の闇も明らかになった。
厚労省の佐久間は青木に切り捨てられ、責任者として処分されることに。
信頼関係に基づく技術の進歩こそが重要だとまとめる諸橋。
一方、北島は亡き恋人・紀子の遺志を継ぎ、大宅島の医師となった―――エンド。
<感想>
「ドクター検事モロハシ(Dr.検事モロハシ)シリーズ」第2弾。
前作は2012年3月に放送されており、この撮影が2010年だったことで続編は難しいかと思われていた作品。
それだけにファンには嬉しい限り。
原作は集英社のビジネスジャンプに連載されていた能田茂先生による同名コミック(ただし、コミックスはヤングジャンプコミックスになっている)。
全3巻。
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では、ドラマの感想を。
何と言っても本作の特徴はキャストが豪華なこと。
これが1番の特徴ですね。
今回も稲垣吾郎さん、吹石一恵さん、石黒賢さんと豪華でした。
ちなみに石黒賢さん、途中にて諸橋の手術に参加された際に「振り返れば奴がいる」を思い起こさせる登場でした。
でもって、テーマは「クローン」。
なかなかに興味深いテーマだったのですが、これをメインに据えた割には今回はそのモチーフを借りただけに留まり上手く処理し切れていなかった印象。
少なくとも本作らしい切り口は感じられなかったか。
ちなみに、同様に「クローン」をテーマにした作品だと「女医・倉石祥子2」や「相棒season10 罪と罰」がありますね。
・金曜プレステージ「女医・倉石祥子2〜死の研究室〜破天荒な女医×童顔看護師の最強タッグ!愛娘の死は医療ミス?疑惑の名医…急死の謎 消えたカルテと毒注射 隠された恐怖の医療」(8月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「相棒season10(ten)」最終回(最終話、第19話)特別拡大2時間超スペシャル「罪と罰」(3月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
ただ、それらと比較しても麻生個人の事情に終始しているように見えた。
特に、もうちょっと一般的な是非に踏み込んで議論を深めても良かった気はする。
この作品、折角のシリーズ化なのでもっと大切にして欲しい。
次回に期待です!!
ちなみに、本作の印象を吹き飛ばす事態が!!
何と言っても、明日(7月2日)放送予定の「驚愕!マネースクープ」のCMが凄過ぎた。
いきなり、宮川一郎太さんの遺影で始まるんだもんだなぁ……あれはインパクト凄いよ。
一瞬、新しい2時間ドラマが始まったのかと思ったくらいだ。
正直、アレにすべてを持って行かれたなぁ。
◆関連過去記事
・金曜プレステージ「ドクター検事モロハシ(Dr.検事モロハシ) 医師と検事!二つの顔を持つ男!?続発する医療ミスと死の真相?完璧なバチスタチームに隠された嘘と大病院にうごめく権力と金!今正義のメスが入る」(3月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
稲垣吾郎:諸橋正志(東京地検医療特捜部 医事係検事)
吹石一恵:森下椿(東京地検特捜部 検察事務官)
石黒賢:麻生友樹(愛聖病院医師)
野波麻帆:岩田紀子(大宅島診療所医師)
入山法子:伊藤恵(大宅島診療所看護師)
三倉佳奈:佐川珠代(大宅島居酒屋女将・妊婦)
大河内浩:佐川辰雄(佐川珠代の実父)
山田親太朗:池谷一朗(清稜医科大学病院・胸部心臓外科医)
木村佳乃:沖田涼子(清稜医科大学病院・胸部心臓外科医)
岩城滉一:青木俊作(内閣府医療統括官)
松方弘樹:奈良徳和(東京地検医療特捜部 特捜部長) ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)
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