ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧:
・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(連続殺人鬼)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。
・黎盟高等学校演劇部篇(18話から)
神条くん:都立確立高等学校の演劇部員。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
安土礼雄:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣・ポローニアス役。
<ネタバレあらすじ>
【前回までのあらすじ】
お掃除依頼の相手を絞り込む為の前調査―――お使い依頼を引き受けた辻。
調べるべき対象は部員の自殺者や行方不明者が絶えないという「黎盟高等学校演劇部」である。
ところが、ひょんなことから黎盟高等学校演劇部の部長・砂織零子に見込まれた辻は「ハムレット」で主演を演じることに。
ちなみに、黎盟高等学校版「ハムレット」の内容は次の通りである。
ハムレットの父は王であった。
ところが、その王が急死してしまう。
残された王妃・ガートルードは、王の弟・クローディアスと再婚し王位を継いだ。
そんなある日、ハムレットの前に父王の霊が現れ真相を告げる。
なんと、弟であるクローディアスに毒殺されたと言うのだ。
おのれ、許せぬ!!と復讐心に駆られたハムレットはクローディアスを父と同じ方法で殺害しようと目論む。
毒杯による毒殺だ。
ところが、肝心のところでこの毒杯が大臣・ポローニアスの手に渡り、ポローニアスが死亡してしまった。
ポローニアスの娘・オフィーリアはショックから自殺。
これにポローニアスの息子で、オフィーリアの兄であるレアティーズが激怒した。
仇がハムレットだと知ったレアティーズは命を狙う……とのものだが。
【今回あらすじ】
思わぬ経緯から「ハムレット」を演じることになった辻。
辻が客席に居なかったことにショックを受けていた白雪だが、偶然、ハムレット姿の辻と行き会う。
辻は白雪姫姿の白雪を褒め称えることに。
すると、これに機嫌を良くした白雪は大喜び、辻がハムレットを演じると知るや見逃せないと客席へ。
一方、残された辻は黎盟高等学校演劇部の練習風景を目撃し言葉を失う。
辻の前には異様な光景が展開していた。
大臣の息子・レアティーズ役を演じる灰猫硝は真剣を振り回し、当たるを幸い薙ぎ払っていた。
周囲からは血飛沫が舞っているが、特に悲鳴を上げる者も居ない。
恍惚の表情を浮かべながら倒れ伏して行く。
王弟・クローディアス役を演じる赤川真人は毒蛇を部員にけしかけていた。
部員は毒蛇の毒に侵されながらも、これまた恍惚の表情を浮かべている。
王妃・ガートルード役を演じる折葉メイは何度も台詞を口にしては噛んでいた。
碌に台詞が言えてないようだ。
大臣の娘・オフィーリア役を演じる廻部連は水を張った風呂桶に身体を沈めている。
呼吸出来ているのだろうか……。
それぞれがそれぞれの役柄に纏わる演技を練習しているようである。
だが、尋常ではない。
どうみても、本当に真剣で斬り付け、毒蛇で噛み、入水しているのだ。
驚く辻に大臣・ポローニアス役を演じる安土礼雄が声をかける。
黎盟高等学校演劇部ではこの練習風景が普通なのだそうだ。
安土自身もこの練習には懐疑的な様子だが……。
これを聞き付けた部長の砂織零子は「これこそがリアルな芝居を生む」と主張。
あくまで芝居なので命の危険はないと断言するのであった。
辻は砂織のあまりの剣幕に「なるほど」と納得するのだが……。
そんな中、「ハムレット」が開幕を迎えた。
白雪は辻の演技を見ては黄色い声援を送っている。
一方、舞台は進み、遂に辻演ずるハムレットが赤川演じるクローディアスに毒を盛ることに。
シナリオ通りならば、これを間違って大臣であるポローニアスが飲むのだ。
すなわち、安土が口にするのである。
舞台上でも安土が毒杯に口をつけた。
途端……。
「ぐっ、ぐげっ、ぐがっ、ぐごごご」
安土が奇妙な声を洩らし始めると、到底演技とは思えぬ苦悶の表情を浮かべ事切れたではないか!!
観客は安土の演技に固唾を飲んでいる。
中にはあまりのリアルさに拍手する者さえ出ている。
しかし、辻にはどうしても安土の表情が演技には見えない。
その証拠に安土の顔からは血の気が引き、その目はどす黒く剥き出しになっているではないか―――20話に続く。
演劇部編、開幕!!
容疑者が登場する中、発生した第一の殺人!?
気になる展開は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「コミックフラッパー」にて「モコと歪んだ殺人鬼ども」を連載中の反転邪郎先生の新作が「週刊少年チャンピオン」で連載開始です。
その新作「思春鬼のふたり」はなかなかにぶっ飛んだ設定が印象的な作品。
思春期真っ盛りの主人公・辻は悪を滅する掃除人こと連続殺人鬼。
そんな辻の正体を知りつつ、彼を愛する少女・白雪。
果たして、2人はどうなるのか……的なストーリー。
そんな「思春鬼のふたり」コミックス1巻が発売中。
しかも「モコと歪んだ殺人鬼ども」4巻も発売。
まさに破竹の勢いの本作。
さて、その19話ですが……。
なんともミステリ的な展開を迎えた「演劇部編」、その第2回。
遂に第一の被害者発生!?
さらに容疑者も複数登場することに。
果たして、犯人は誰なのか……早速、推理して行きましょう。
まず、被害者は黎盟高等学校演劇部内で比較的常識人のように見えた安土礼雄。
死因は毒殺、この毒は辻が舞台用の偽物と信じて用いたもの。
もっとも、この安土が本当に落命したのかが判然としない。
描写的には毒殺されたように見えるんだけど……。
なので、ひょっとすると次回以降に安土が生きていた場合は彼こそがお掃除対象の可能性もあるんだよなぁ。
とはいえ、此処では安土が毒殺されたものとして話を進めよう。
となると、残る黎盟高等学校演劇部の面々で名前が分かっているのは5人。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。脚本は彼女の手による物。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
さて、誰が犯人か。
脚本担当であり部長の砂織ならばすべてを予定出来るが、それ故に逆に無いと見る。
灰猫硝も前回から目立っているので、無さそう。
怪しいとすれば、残る赤川、メイ、連の3人。
このうち、敢えて折葉メイ犯人説を主張したい。
零子を除く他の出演者3人は練習中に全員が何らかの形で死に纏わる行動を取っていたが、彼女1人は台詞を噛んでいただけ。
これは大いに怪しい、1人だけ無関係なのは不自然だ。
そもそも彼女が主犯だからこそ、目立つところでは手を汚さないのではないか。
殺害方法が毒殺なのも女性の犯行を示しているような気もするし。
それと、今後の展開を予測すれば彼女の可能性が飛躍的に高まるからと言うのもある。
18話で明かされた黎盟高等学校演劇部版「ハムレット」は途中までとなっているが、その中ではポローニアスとオフィーリアが落命している。
すなわち、演者は安土と廻部である。
おそらく、この2人は芝居上で落命することになるだろう。
とすれば、残された面々の中に犯人が居る。
辻が「ハムレット」を演じつつ、お使い依頼の筈が演劇をこなしながらお掃除依頼になる展開だと予想すると、この3人の中で唯一、原典でハムレットの手にかからなかったのはガートルードになるし。
だからこそ、本作では辻と対決するのではないか。
18話で他校の小鹿と白雪が倒れたのも、ヒロインが倒れる結末を迎えるとの伏線!?
とはいえ、原典のホレイショー役が登場したらその人物だけが最後まで生き残るから怪しいことになるんだけど。
これで素直に砂織零子だったり、ましてや他校なのに18話の神条くんが犯人だったらどうしよう……。
おおおおおおっ、いろいろと気になる!!
これは次回も見逃せない。
果たして、本編は如何なる展開を迎えるのか……注目です!!
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」、「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「思春鬼のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)1話から10話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「思春鬼のふたり」第11話「息抜きのふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第12話「白黒のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第13話「生死のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第14話「逆転のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第15話「不殺のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第16話「信念あるふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第17話「綻ぶふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第18話「演ずるふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
登場人物一覧:
・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(連続殺人鬼)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。
・もう1人の掃除人篇(1話から5話まで)
深海末姫:辻と白雪の前に現れた少女。「もう1人の掃除人」を名乗る。
諏訪:深海のクラスメート。実はWCOの掃除人。6話で小鹿に処刑される。
・辻の過去篇(6話)
辻の両親:何者かにより惨殺される。
・解体魔篇(7話から10話まで)
黒金:辻たちが通う学校の教師。女性。
若丸:黒金が招いた病院の医師。男性。
・星野銀華篇(11話から17話まで)
星野銀華:元WCOのお掃除人。だが、WCOを離脱する。
園長:辻と白雪が遊びに出かけた動物園の園長。
高倉さとみ:星野銀華に大きな影響を与えた人物。
木田雷:夜刃音珠(ヨハネス)のリーダー。
大雁江美:雷に狙われた一家の一人娘。
・黎盟高等学校演劇部篇(18話から)
神条くん:都立確立高等学校の演劇部員。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
安土礼雄:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣・ポローニアス役。
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