2014年06月30日

「最強少女さゆり」第18話(23話)「リコス×バニー」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第18話(23話)「リコス×バニー」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
少女:バニーやリコス同様に地球在住の宇宙人。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

秋田緑地公園に嵐が訪れていた。
嵐を呼んだのは、オヤッサンとタマちゃんだ。
彼らは恨み連なるさゆりと遭遇し、決着をつけるべく襲い掛かったのだ。
この影響で雑草マンショーも中止に追い込まれていた。

オヤッサンはそれもこれもさゆりの所為だとさらに逆恨みを重ねる。
一方、タマちゃんはと言えばそんなオヤッサンに本性を露にし始める。
もはや、主従は逆転しようとしていた。

これに対し、タマちゃん恐怖症のさゆりを抱えたリコスとバニー。
さゆりを守るべくタマちゃんに挑む。

長年の相棒もかくやの連携を見せるリコスとバニー。
タマちゃんを翻弄し、遂にバニーがトンファーによる一撃を叩き込むのだが……。

タマちゃんには傷一つない。
何故なら、タマちゃんのボディはこの星の金属では無かったのだ。
どうやら、リコスとバニーが飛来した際の宇宙船が用いられているようだ。
此の為に、リコスとバニーの破壊力が通用しないのだ。

焦りを募らせたリコスは連携を放棄し、力任せな個人攻撃に転ずる。
しかし、タマちゃんには通用しない。
しかも、大きな隙が出来た。

この隙を突かれたリコスを庇いバニーが負傷。
残されたリコスもタマちゃんの猛威に曝され手も足も出ない。

傷付いて行く2人の姿に、さゆりは―――次回に続く。

コマ割りと展開が魅力の作品です。
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの18話(通算23話)。
タマちゃんの猛攻が続き、リコス&バニー組がピンチに。

しかも、通常よりも破壊力が高い筈のリコスとバニーの攻撃がタマちゃんに通用しない理由も判明。
それもその筈、タマちゃんのボディはリコスたちの宇宙船が基本になっていたとは!!
うむ、あのタマちゃんの強さも納得です。

今後の展開としては、前回感想で格闘漫画っぽいパターンだけどと前置きしたパターンが該当しそう。

タマちゃんボディが宇宙船由来とはいえ、その宇宙船をあっさり落とすさゆりにかかれば本来敵ではない。
しかし、10話以来さゆりはタマちゃん恐怖症になってしまっている。
だ・が、今回ラストのさゆりを見れば分かる通り、リコスとバニーが傷付けられたことでさゆりに勇気が湧いているようだ。
次回には弱点を克服しタマちゃんを打倒しそうだなぁ……。
でもって、その様子を15話から登場しているさゆりの存在に気付いた宇宙人にモニタリングされていてどうなる!?的な。

ちなみに、さゆりの存在を知った課長らからの引き渡しを拒んだリコス&バニーが源さんやタマちゃんらと共にこれを捕まえようと迫り来る部隊を相手に戦うシリアス展開がいつかある筈だと妄想してたりします。
この妄想、果たして的中するでしょうか!?

さて、此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中(「さゆりと峠とお見舞い」参照)なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
【短期集中連載版】
「最強少女さゆり」第1話「さゆりと宇宙人」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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