2014年07月22日

月曜ゴールデン「財務捜査官 雨宮瑠璃子8 経済ジャーナリスト殺害事件!複雑に絡まる謎が導くものは真犯人の影!?13年前の悲劇が現在の事件に大きく関わっていた……」(7月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「財務捜査官 雨宮瑠璃子8 経済ジャーナリスト殺害事件!複雑に絡まる謎が導くものは真犯人の影!?13年前の悲劇が現在の事件に大きく関わっていた……」(7月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

ある熟年合コンで偶然同席した、雨宮瑠璃子(浅野ゆう子)と村上徳郎(柳葉敏郎)は、その帰り道、女性の悲鳴を聞いて現場に駆けつける。
そこには男が血を流して倒れており、すでに息絶えていた。男が落ちたと見られるビルの階段を村上が駆け上るとそこには意外な人物が立っていた。元刑事で村上の上司でもあった南雲大作(石倉三郎)である。いぶかる村上に南雲はたまたま通りかかっただけだと語り、立ち去った。
死んでいたのは経済ジャーナリストの唐沢守(萩野崇)で、部屋に争った形跡があったことから警察は殺人事件として捜査を開始する。
瑠璃子たち財務捜査官は唐沢の部屋に残っていた書類を調べ、唐沢がインサイダー取引と投資詐欺を働いていたことを突き止めた。村上はその書類の中に唐沢に関わりのあった人物のひとりの名を発見して驚く。それが南雲の娘、雪乃(中山忍)の夫である近藤智久(川ア麻世)だったからだ。南雲が事件に関与していた疑惑がさらに深まった。
瑠璃子と同じく財務捜査官の松下静夫(梨本謙次郎)は、証券会社に勤める近藤の元を訪れ、元同僚の笹永邦彦(相島一之)も唐沢と面識があったという証言を得る。一方、村上が南雲のアパートを訪ねると、南雲は事件については何も知らないと答えるのみだ。
その南雲はファイナンシャルプランナーの大河原健一(内田朝陽)をしつこくマークして、独自に唐沢殺害と詐欺事件の真相を探っていた。
そんななか瑠璃子は室長・藤堂房雄(伊武雅刀)から、南雲が警察官を辞める原因となった13年前の事件の顛末を聞く。やがてこの13年前の事件が今回の事件に大きく影を落としていることが明らかになる・・・。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

雨宮瑠璃子は財務捜査官である。
ある熟年合コンに参加した瑠璃子は、其処で腐れ縁の村上徳郎と出会う。

村上は捜査一課の刑事で、財務が関わる事件の際には瑠璃子に協力を仰いでいた。
そうして幾つもの事件を解決へと導いて来た2人。
互いに憎からず思っているようだが、其処から進展はない。
以上のように、瑠璃子と村上は着かず離れずの関係である。

此処で顔を合わせたが百年目。
2人は憎まれ口の応酬を繰り広げることに。
ところが、その帰路に事件に遭遇してしまう。

男性が殺害され、現場には元刑事で村上の上司である南雲大作が立っていたのだ。
殺害されたのは経済ジャーナリストの唐沢守。

唐沢の部屋を調べた瑠璃子は、彼がインサイダー取引と投資詐欺を働いていたことを突き止める。
とはいえ、唐沢だけの知識ではこれは不可能だ。
おそらく、裏に黒幕が居るに違いない。

さらに、瑠璃子は唐沢のスケジュール表の殺害当日の欄に「21時fK」なる文字を発見。
どうやら、21時に「fK」なる人物と会い殺害されたようである。
ただ、イニシャルにしては「f」が小文字、「K」が大文字となっているのが妙なのだが……。
加えて瑠璃子は唐沢が釣り愛好家掲示板をよく見ていたことにも注目する。

一方、唐沢の交友関係を調べた村上は名刺の中から近藤智久の名を見つけて驚く。
近藤は南雲の娘・雪乃の夫だったからだ。
つまり、娘婿の近藤を通じ南雲には唐沢と関連があったのだ。
だが、当の南雲と雪乃は絶縁状態にあった。
その原因は、近藤と雪乃の結婚式に南雲が参列しなかったこと。
しかし、これにも理由があった……。

13年前、南雲は殺人犯・長峰裕也を追っていた。
長峰は会社経営に失敗し金の為に殺人を犯してしまっていた。

当時、長峰には妻と1人息子・健一が居た。
長峰の妻は夫と別れ、健一と2人でやり直すべく南雲に対し長峰逮捕に協力を申し出た。
しかし、南雲はこれを「危険だから」と拒否した。

だが、長峰の妻はやり直す為に一刻も早く事件が解決してい欲しいと考えていた。
其処で長峰と密会し、これを説得しようとする。

これに南雲が気付き、現場に駆け付けた。
ところが、この行動が長峰を刺激した。
長峰は妻が裏切ったと叫ぶや、彼女を刺殺。
これを阻止しようとした南雲に射殺されていたのだ。
こうして、健一は一晩にして両親を失うことに。

この日こそが雪乃の結婚式当日であった。
思わぬ結果にショックを受けた南雲は結婚式を欠席。
事情を知らない雪乃は南雲を批難し、以降2人は絶縁状態になったのである。

果たして、そんな南雲が事件に関係しているのだろうか……。
南雲を信じたい村上は近藤を調べることに。
しかし、近藤は唐沢とは名刺交換した程度の仲で詳しくは知らないと言う。

そんな中、近藤の元同僚で今は独立してコンサルタント会社を経営する笹永邦彦が浮上する。
どうやら、近藤よりも笹永の方が唐沢とは近しい関係にあったらしい。
唐沢は笹永の妻・美弥子が経営するレストランにもよく足を運んでいたようだが……。

美弥子のレストランへと赴いた瑠璃子。
すると、其処で笹永夫妻が借金の返済に追われているらしいことを知る。
ちなみに、美弥子のレストランではデリバリーが人気のようだ。

矢先、近藤の会社に勤務する長谷川薫が刺殺体で発見される。
さらに笹永と長谷川が男女の関係にあったことも判明。
しかも、長谷川は唐沢とも交際していた。
どうやら、長谷川は唐沢の恋人で唐沢の指示に従い笹永を籠絡し仲間に引き摺り込んだらしい。

一方、村上は南雲がファイナンシャルプランナーの大河原を調べていることを突き止める。
どうやら、南雲は大河原こそが唐沢の黒幕だと見ているようだ。

同じ頃、瑠璃子は唐沢がよく見ていた釣り愛好家掲示板に暗号らしき書き込みがされていることに気付く。
それは「CI!!rPLl#S¥BT$$En」とのアルファベットと記号が混じった奇妙な文字列だったが。

矢先、大河原の過去が判明。
学生時代から凄腕デイトレーダーとして鳴らした人物らしい。
そして、彼の本名こそ長峰健一。
そう、長峰裕也の息子・健一が長じた姿であった。

両親が悲劇的な死を迎えた健一は施設に預けられ里子に出された。
しかし、育ての親から虐待を受けたようである。
数年後、驚異的な投資の知識を得た健一は彼らを破算させ自殺にまで追いやったのだそうだ。
健一を知る者は口を揃えてこう言うそうだ……「悪魔の申し子」と。
どうやら、過去の経験が彼を悪魔へと変えたようである。

南雲が事件に関与しているのは、健一を止める為なのではないか。
そう考えた瑠璃子は健一に会いに行く。
しかし、健一は何の証拠もないと一笑に付す。

その翌日、瑠璃子は釣り愛好家掲示板の暗号解読に成功する。
この暗号は大文字と小文字のアルファベットにこそ意味があった。
それ以外の記号はノイズだったのだ。

まずはノイズを排除した瑠璃子。
「CI!!rPLl#S¥BT$$En」から記号が消えるので「CIrPLlSBTEn」との表記になる。
これを「あ」を「A」、「い」を「B」と置き換える。
「は」を「Z」、「ひ」以降は小文字で繰り返すのである。
以上の法則を用いたのが次の変換表だ。

あAいBうCえDおE
かFきGくHけIこJ
さKしLすMせNそO
たPちQつRてSとT
なUにVぬWねXのY
はZひaふbへcほd
まeみfむgめhもi
やjゆkよl
らmりnるoれpろq
わrをsんt

「CIrPLlSBTEn」をこの変換表に従い置き換えると……「うけわたしよていとおり」との文字が現れた。
すなわち「受け渡し予定通り」、黒幕である健一は釣りの掲示板を通じて唐沢に詐欺で得た金の受け渡し指示を出していたのだ。
唐沢は美弥子のレストランによく訪れていた。
もしかして、美弥子がデリバリーを装い健一に金を運んでいたのではないか。

此処で瑠璃子の脳裏に唐沢のスケジュール表が浮かぶ。
「fK」は同様に置き換えると「みさ」となるのだが……。

さらに掲示板の暗号が解読されて行く。

「あいおんせいやくしんやくかいはつせいこう」
これは「アイオン製薬新薬開発成功」のことだ。

「まぐのりあせいめいこうかいかいつけ」
これは「マグノリア生命公開買い付け」のこと。

すべてインサイダー情報である。
こうして、健一と唐沢の詐欺が発覚することに。

その頃、美弥子は健一と密会し返済出来るよう笹永を助けてくれと迫っていた。
しかし、健一がこれに応じる筈もない。
すると、美弥子はナイフを取り出し健一に分け前を寄越すように迫ったではないか。

其処に瑠璃子と村上たちが駆け付けた。
美弥子はすべてを打ち明ける。

笹永は長谷川に唆され、会社を辞め独立してしまった。
しかし、長谷川の甘言通りに事が進まず、多額の負債を抱えてしまった。
返済に追われることになった笹永に唐沢が詐欺を持ちかける。
笹永はこれを断ることが出来なかった。
そう、すべては初めから唐沢と長谷川、そして黒幕である健一が仕掛けた罠だったのだ。

こうして犯罪に手を染めた笹永。
そんな笹永を身近に見ていた美弥子は彼を救おうと自身も協力を申し出る。
条件は笹永を自由にすることだ。
其処で唐沢から依頼されたことが健一への金の受け渡しであった。
しかし、幾らこれに勤めても唐沢たちが笹永を自由にすることは無かった。

では、唐沢を殺害したのは一体誰なのか?
唐沢のスケジュール表には殺害当日に「21時fK」と記載されていた。
つまり、唐沢は21時に誰かと会っていたのだ。
そして、その人物に殺害された。

先の暗号によれば「fK」は「みさ」。
すなわち「みやこ ささなが」―――他ならぬ笹永美弥子である。

美弥子は健一に頼み込んだように唐沢に頼み込み拒否された。
其処で揉み合う内に殺害してしまったのだ。

長谷川を殺害したのも美弥子であった。
美弥子は長谷川から唐沢殺害について脅迫された。
そして、これまた揉み合う内に長谷川が手にしていたナイフで刺殺してしまったのだ。

すべては夫である笹永を救いたい一心での行動だったらしい。
こうして、2件の殺害容疑で美弥子が逮捕された。
健一はインサイダー取引と投資詐欺で逮捕されることに。

残された謎は「南雲がどうして事件に関わったのか」である。

南雲は健一から両親を奪ってしまったことに罪の意識を感じ、ずっと健一を見守っていた。
そんなある日、南雲は健一が唐沢と交流していることに気付き、健一が悪の道に引き摺り込まれているのではないか……と危惧した。
そして、健一と唐沢の関係を調べ始めた。
ところが、どうも逆であることに気が付き始めた。

健一が唐沢を利用しているようなのである。
しかも、その唐沢が近藤に近付いていた。
南雲は健一を危険視し警戒し始めた。
その矢先に、唐沢が殺害されてしまったのだ。
これこそが南雲が現場に居た理由であった。

南雲は13年の時を経て、雪乃と和解することに。
こうして事件は解決を迎えた。

瑠璃子のお蔭で事件が解決したと感謝する村上。
ところが、そんな村上が瑠璃子にお礼にと勧めたのは「ドクダミの会」への入会であった。
年齢を気にしている瑠璃子は激怒することに―――エンド。

<感想>

2012年7月30日放送「財務調査官 雨宮瑠璃子7」に続くシリーズ8作目。
ほぼ2年ぶりのシリーズ新作となりました。
シリーズのネタバレ批評(レビュー)は過去記事リンクをどうぞ!!

早速、感想をば。

相変わらずの財務捜査課のメンバーは良かった。
あの淡々とした遣り取りが安心するんだよなぁ。

そして、瑠璃子と村上の掛け合い。
あのテンポも健在でしたね。

キャスト面は大満足です。

内容的にも謎の暗号まで登場し、興味が持続したので良し。
まぁ、流石にあの暗号ならば普通に公衆電話を使って秘密裏に口頭で遣り取りした方が安全だとは思うけど。

そして、南雲。
娘・雪乃と絶縁してまで13年間健一を見守り反省していたと言うなら、何で健一を13年前の時点で引きとって育てなかったのかなぁ。

南雲は孤独だし、雪乃は父を失うことになるし、近藤は妻を心配することになるし、健一は養父母に虐待されるし、登場してない近藤の家族も雪乃に対しては辛くなっちゃうだろうし。
どうにも南雲の反省の仕方はあまりに後ろ向き過ぎて誰1人幸せになれないモノなんだよなぁ……。
流石に引き取るのが無理だとしても、ひっそりと健一を見守るだけではなくてそれとなく支援することも出来そうだとは思うのだけど。

どうも、もしかしなくても南雲が健一を見守り始めたのは彼の言葉に反しごく最近のことのような気が……。
それも近藤が巻き込まれそうになって、初めて動き出したような印象。

南雲の台詞によれば「健一を見守っていた→唐沢と黒い交際→唐沢監視→近藤が巻き込まれそうに」の流れだけど、これが事実なら最初の「健一を見守っていた」の段階で既に事件が発生していない筈なんだよなぁ……。
だとすれば、南雲が見守っていたのは健一では無く雪乃と近藤の夫婦にしか見えないんだけどなぁ……。
「雪乃と近藤を見守っていた→唐沢が近付く→調べたところ健一と繋がっているようだ→健一を調べる」の方が時系列的にも自然だと思うのだけど。

もちろん、雪乃たちを見守るのは父として自然なこと。
ただ、だったら健一を見守ってたと主張するのは違う気が……。
この辺りがどうにも納得できない。

そもそも、13年前の事件自体が南雲の責任かと問われると違う気も。
あれは明らかに長峰夫妻に問題があったような……。
何しろ、長峰夫が妻を手にかけた理由が「裏切ったから」だったけど、実行こそされなかったが妻はそのつもりだったんだし。
だからこそ「いいんだよ南雲、そんなに飾らなくても。もっと素直になろうぜ!!」と思うのは心が汚れているのだろうか……。

とはいえ、全体的に面白かった。
シリーズ次回にも期待出来る出来だったと思う。

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<キャスト>

雨宮瑠璃子:浅野ゆう子
村上徳郎:柳葉敏郎
松下静夫:梨本謙次郎
中島幸太:津田寛治
高橋清二:伊藤正之
藤堂房雄:伊武雅刀

南雲大作:石倉三郎
笹永美弥子:大島さと子
近藤智久:川ア麻世
笹永邦彦:相島一之
大河原健一:内田朝陽
近藤雪乃:中山 忍 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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