2014年07月05日

「実は私は」第70話「答えを出そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第70話「答えを出そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第70話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・前回のあらすじはこちら。
「実は私は」第69話「デートプロデュースしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

銀華恋プロデュースにて、源二郎と桐子の初デートを追体験することになった朝陽と葉子。
まぁ、言うなれば朝陽たちにとってもデートである。

そんな中、遂に源二郎が桐子と初吸血を果たした場所―――観覧車に挑むことになった2人。
とはいえ、互いに緊張してしまって会話が皆無である。
場がもたないし、空気が重い。

沈黙を強いられる葉子は、ふと茜の言葉を思い出す。
「時は待ってくれない」と。

何か、何か話さなければ……焦った葉子。
しかし、慣れない緊張から逃げようとするあまり「デートではなく、あくまで(源二郎たちの)デートコースを調べているだけ」と主張してしまう。
これに朝陽はあからさまにガッカリと肩を落としてしまう。

そんな朝陽の様子に余計に慌てる葉子。
実は、葉子自身も今日の朝陽とのデートを楽しみにしていたのである。
でなければ、おめかしなどして来ない。

そう、互いに相思相愛なのだ。
だが、朝陽も奥手、葉子も奥手では事が進まない。

葉子は事態の打開を図るべく、茜の姿を探す。
とはいえ、これは裏を返せば茜に介入して貰いお茶を濁そうとの心の表れでもあるのだが……。

葉子は物見高い茜のこと、前のゴンドラに乗っている筈と覗き込む。
そして……恋人同士のキスを目撃してしまう。
前のゴンドラに乗っていたのは茜とは関係のないカップルだったのだ。

これに驚いた葉子は観覧車内で羽根を広げてしまいバランスを崩す。
朝陽にもたれかかった葉子。
2人の顔が近付いて……すわ、キスか!!と思いきや。

葉子は必死に顔を俯けた。
結果、朝陽は葉子に頭突きを受けることに。

数分後、朝陽は鼻から血を流していた。
葉子の頭突きがモロに決まったのだ。

これを介抱しようとした葉子が朝陽に近付いて……またも2人の顔が急接近!!
と、またも葉子が頭を振り被って避けた。
これを朝陽もギリギリで避ける。

そして、再び沈黙。
葉子は今度こそと茜が後方のゴンドラに居る筈と目星をつけるが……。
そして……恋人同士のキスを目撃してしまう。
後方のゴンドラに乗っていたのも茜とは関係のないカップルだったのだ。

これに驚いた葉子はまたも観覧車内で羽根を広げてしまいバランスを崩す。
朝陽にもたれかかった葉子。
2人の顔が近付いて……すわ、キスか!!と思いきや。

今度は葉子が顔を反らし、朝陽の頭に衝突した。
結果、葉子までもが鼻血を流すことに。

もはや、観覧車内はワケの分からない事態となっていた。
男女が共に鼻血を流しつつ、向かい合って座っているのである。

(一体、何やってんだろ)
葉子は自身の不甲斐なさを恥じる。

そんな様子を茜は「やっぱりなぁ〜〜〜」と面白くもなさそうに呟きつつ見ていた。
実は、茜は朝陽たちが乗るゴンドラにしがみついていたのだ。

そうこうしている内に、朝陽たちのゴンドラが地上に近付きつつあった。
これで終わりである。

葉子の脳裏に「時は待ってくれない」との茜の言葉が甦る。
葉子は立ち上がった。

下りようとする朝陽に駆け寄る葉子。
ゴンドラの扉が開いたそのとき!!

葉子は我知らず朝陽に口づけしていたのである。
朝陽は驚きのあまり硬直している。

これを目撃した茜は大喜び!!
「やりおったぁ〜〜〜」とばかりに走り去る。
1人、地上で待っていた華恋だけは状況が呑み込めないのであった―――71話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、7巻も発売予定。ちなみに表紙は明里さんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

さらにさらに、増田先生の初期作品「透明人間の作り方」も発売とのこと。
こちらも注目!!

その70話。

天の時、地の利、人の和を制したのは葉子でした。

天の時=あのタイミング。
地の利=源二郎と桐子お墨付きの観覧車。
人の和=協力者である華恋の御膳立て。

まさに、これで勝利を収めることに。
朝陽君、葉子さんおめでとう!!

いかん、胸のトキメキが止まらん。
此処は少し冷静になりつつ、感想を進めて行こう。

サブタイが「答えを出そう!」ということで、葉子の朝陽への想いがクローズアップされました。
そして、遂に形をもって進展することに。

なんと、キスを交わしましたよ。
これは茜ならずとも、2人の仲を応援していた読者ならば歓喜してしまうところ。
しかも、此の展開がなんとも初々しいのも良し。

そもそも、恋は本能であり衝動だもんなぁ。
理屈で理解出来る筈もない。
だから、葉子のあの行動は実は正しいワケだ。
此処数話が恋愛事情をクローズアップして来ていただけに、此の展開も納得です。

遂に、関係に大きな一歩を踏み出した朝陽と葉子。
とはいえ、この2人だから次回以降も初々しい反応があるに違いない。
顔を合せる度にキスの事実を思い出して頬を赤らめながら顔を背けちゃうとか。
それを周囲に揶揄されるネタは鉄板だな。
特に茜は周囲に言いふらしそうだなぁ。
きっと、これに朝陽たちは露骨に照れることだろう。
どうやら、当分の間2人の様子を眺めながらニヤニヤ出来そうだ。
こういった恋愛漫画の王道が素直に違和感なく演出出来るのも本作の魅力だな。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス6巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛に続き明里さん。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、8巻が華恋かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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実は私は(1)





「実は私は(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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