2014年07月10日

水曜ミステリー9「警察大学校 日丸教授の事件ノート “よそ者”教授が挑む闇に葬られた完全犯罪!10年前の3つの過ち……飛騨春慶塗に隠された哀しき真実!」(7月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「警察大学校 日丸教授の事件ノート “よそ者”教授が挑む闇に葬られた完全犯罪!10年前の3つの過ち……飛騨春慶塗に隠された哀しき真実!」(7月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

上級幹部を目指す警察官に、幹部たる技術、知識、心得を身に付ける、東京の警察大学校。日丸慶蔵(小林稔侍)は、教授として日々指導にあたっている。その頃、岐阜県・長良川の近くで男性の遺体が見つかり、岐阜城南署・刑事課長の犬飼繁(梨本謙次郎)、新米の寺西杏子(平愛梨)ら立会いのもと鑑識作業が進んでいた。バッグから免許証と200万円を発見。被害者は土地転がし専門の不動産屋・滝川護(斉藤陽一郎)で、金は金融屋・安原憲吾(和泉宗兵)から借りたものだった。その日の夜、旅館を営む護の母・千鶴(仁科亜季子)は、息子の遺体と対面し泣き崩れる。そこへ県警捜査一課管理官・平岡直(佐戸井けん太)らが現れ、この件を引き継ぐと一方的に言い放つ。

翌日、杏子は駅で、論文の取材旅行で岐阜へ来る日丸の到着を待っていた。日丸は元教え子の犬飼に旅のアレンジを依頼。同行を頼まれた杏子は観光地を案内するが、日丸はなぜか護の件が気になっている様子。不審に思う杏子だったが、日丸がかつて名誉の傷を負いながら、新宿署で活躍していたことを知り、尊敬のまなざしを向ける。しかし県警本部長の三木徹(中原丈雄)と平岡は、日丸の行動を怪しんでいた。

杏子を連れて高山に来た日丸は、千鶴の旅館を宿泊場所に選び、そのまま護の通夜にも参列。そこへ安原、香田陽平(小林健)、尾崎修司(姜暢雄)が現れる。3人は護と高校の同級生。修司は受付の守口薫(青山倫子)と親しげだ。捜査の結果、修司と薫は飛騨春慶の職人で、薫は千鶴の里子であることがわかる。また千鶴の話では、1週間前に護から1千万円を貸して欲しいとの連絡があったと言い、杏子は暴力団絡みを疑う。さらに修司の母・礼子(毛利まこ)は、10年前オレオレ詐欺に巻き込まれ、刺殺されていた。飛騨春慶の職人の父を継ぎ、帰省していればと悔やんだ修司は、事件を機に父と同じ道へ。捕まらぬ犯人への恨みも、邪念と共に捨てたと話す。

一方、安原は事務所で動揺していた。礼子の事件などの新聞記事が入った封書が届いたのだ。そこへ日丸と杏子が現れる。護に金を貸した経緯を追求され、落ち着きがなくなる安原。その後、外出した安原を2人は尾行、県議会議員でもある香田の事務所に入るのを目にする。ところがその日、杏子の携帯に安原が殺されたとの連絡が入り…!
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

日丸慶蔵は東京にある警察大学校の教授である。
日々、上に立つ者の規範を教え子たちに指導し現場へと送り出している。

そんなある日、日丸のもとへ元教え子の1人・犬飼が助けを求めて来た。
このままでは10年前と同じことになってしまう……と必死の様子の犬飼に日丸は犬飼が刑事課長として働く岐阜城南署へと向かう。

その頃、当の犬飼繁はある事件を捜査していた。
長良川付近にて殺人事件被害者の遺体が発見されたのだ。
その遺体の主は土地転がし専門の不動産屋・滝川護。
滝川の所持品からは200万円の大金が見つかっており、何らかのトラブルかと思われたが……。

犬飼は新米刑事・寺西杏子と共に滝川の周囲を調べ、其処で立ち竦んでしまった。
滝川には旅館を営む母・千鶴がおり、千鶴が里親として引き取った血の繋がらない守口薫という妹が居る。
千鶴と薫は仲が良いが、共に滝川とは疎遠になっていた。

何故なら、滝川は黒い仲間と交友関係があったからである。
地元でも有名な悪徳金融業者である安原憲吾と繋がっていたのだ。
どうやら、200万円は安原から借りた金らしい。
さらに、滝川には現役代議士・香田陽平との繋がりもあって……。

実は犬飼にとって、滝川、安原、香田の3人の名は危機感を刺激する名前であった。
そして、そんな犬飼の危惧が的中するかのように、管理官の平岡直により捜査責任者の座を奪われてしまうのであった……。

日丸が岐阜に辿り着いたのはちょうどそんな折のことである。
犬飼は「まだ時間が欲しい」と日丸に頼み込む。
犬飼の口には出来ない苦悩を察した日丸は、杏子をお供に指名すると観光を名分に密かに捜査を開始するのであった。

一方、本部長の三木徹と平岡はそんな日丸の行動を監視することに。

滝川の葬儀が執り行われ、千鶴が気丈に振る舞う中で参列者がお悔やみを述べて行く。
其処に安原と香田が現れる。
さらにもう1人、飛騨春慶の職人・尾崎修司も加わっていた。

実は彼らに滝川を加えた4人は共に過去にある人材派遣会社の立ち上げに参加していた。
結局、その人材派遣会社は失敗してしまったそうなのだが……。

日丸は安原と香田の2人と尾崎の間の空気がしっくりしていないことに注目。
尾崎を調べたところ、尾崎一家が10年前にオレオレ詐欺に騙され、尾崎の母・礼子が詐欺グループに刺殺されていた事実を突き止める。
この事件、千鶴が第一発見者だったが未だに犯人は捕まっていなかった。
さらに、尾崎と薫は婚約しており近く結婚を控えているようだ。

数時間後、安原はある封筒を手に激しく動揺していた。
その封筒には「大牟田法律事務所」との文字が印刷されていた。
安原は香田に善後策を問うのだが……。
偶然、その場に行き合わせた日丸はそれが10年前のオレオレ詐欺で用いられていた架空の法律事務所名であると気付く。

日丸は安原、滝川、香田が礼子を騙したオレオレ詐欺犯であると考える。
ところが、日丸が目を離した隙に安原が何者かに殺害されてしまう。
一方、安原の死を知った香田は何者かを叱咤し次の指示を……。

その夜、日丸に犬飼から真相を語りたいとの連絡が入る。
しかし、直後に犬飼が轢き逃げに遭い入院することに。
日丸は犬飼に真相を明かされることを怖れた何者かに襲われたと考える。

さらに同じ夜、尾崎の家を平岡が訪問していた。
特に警戒した様子もない尾崎に対し、平岡は「お前が安原を殺したのか、えぇっ!?」と詰め寄る。
しかも、平岡は問答無用で尾崎を殺そうとするのだが……。

翌朝、尾崎を訪問した日丸たち。
すると、尾崎はピンピンしていた。
代わりに、平岡の死体が別の場所で発見される。
しかもしかも、平岡が持ち出した拳銃が消えていることが分かる。

そもそも、拳銃を持ち出す必要が無い筈だ。
それを持ち出していたことに、平岡が誰かを殺害するつもりだったと結論を導き出す日丸。
日丸は尾崎が負傷していたことから、平岡が殺そうとしたのは尾崎であると推測。
だとすれば、尾崎が平岡を返り討ちにしたのだろうか。

尾崎が取り調べられることになり、尾崎は平岡を正当防衛で殺害したことを認める。
さらに、滝川と安原殺害も認めるのだが……。

これに日丸は尾崎が急に従順になったことから誰かを庇っているのではないかと疑う。
平岡の所持品を調べたところ、礼子が殺害された同日の轢き逃げ事故についての記事が見つかる。
被害者は当時高校生だった時田義男。
時田は死亡していたが、姉が1人居たのである。
その姉こそ薫だったのだ。

薫に尋ねたところ、互いに里子に出されていた姉弟が久しぶりに再会しようとした折の出来事だったと言う。
この事件も礼子殺害と同様に犯人が捕まっていなかった。

矢先、香田の意外な出自も判明する。
なんと香田は三木の隠し子だったのだ。
これを知った日丸は三木が平岡に命じて香田たちを庇っていたと察する。
だとすれば、犯人の次の標的は……。

日丸たちが向かった先は香田のもとであった。
その頃、香田は犯人から銃口を向けられていた。
もちろん、平岡の所持品から消えた拳銃だ。

そして、その犯人の正体は―――。

「やめなさい!!千鶴さん」
駆け付けた日丸が呼んだ名は千鶴であった。
そう、安原と平岡を殺害したのは千鶴だったのだ。

「こいつだけは殺さないといけないんです」
千鶴はそう主張しながら、真相を語り出した。

10年前、人材派遣会社が軌道に名乗らない香田、安原、滝川は尾崎の家の金に目を付けた。
其処でオレオレ詐欺を働くことに。

この際に、香田は呼び出した礼子を殺してしまう。
この現場を礼子から相談を受けてその場にいた千鶴が目撃していた。
しかし、息子である滝川が関与しており告発出来ない。
その場を見逃すことに。

ところが、その帰路に動揺した滝川が轢き逃げ事故を起こしてしまう。
これが薫の弟・義男を殺した事故だ。

息子が2件の事件に関与してしまった千鶴は真相を打ち明けられなくなった。
結局、千鶴は尾崎と薫に悪いと思いつつも、息子を庇う為に嘘を吐いてしまう。

ところが10年後、千鶴と滝川が喧嘩した際に過去の轢き逃げについても話題に上った。
それを薫が聞きつけていたのだ。

薫は護に真相を明かすよう迫った。
ところ、揉み合いになり殺してしまったのである。

千鶴は薫からこの事情を聞かされた。
そして、自身の行為が誰も救わなかったことに気付いた。
其処で過去の罪を償う為に、尾崎と薫を守ろうと決めた。

気になるのは香田、安原、三木、平岡たちの動きだ。
特に香田と安原は息子・滝川を悪の道に誘い込んだ張本人だ。
千鶴にとって許せない面々であった。

そして案の定、滝川の死により不安に駆られた安原は薫たちを殺そうとしていた。
其処で千鶴が先手を打って安原を殺害したのだ。

さらに、尾崎を狙った平岡をも殺害したのである。
尾崎は気絶していた為に、誰に助けられたか知らなかった。
薫の犯行だと思い込み庇っていたのだ。

すべてが露見した香田は隙を突き、千鶴の銃を奪う。
しかし、これも日丸の活躍により取り押さえられることに。
香田は逮捕された。

これにより三木も悪事が露見することとなった。
罪を償うことになったのだ。

千鶴と薫も逮捕されることになった。

数日後、犬飼が職場に復帰した。
10年前、真相を薄々察しつつも三木の権力に屈した犬飼。
彼は今回の事件の原因が其処にあると退職しようとするが……日丸に止められ思い留まる。
ちなみに、犬飼を轢き逃げしたのは平岡の犯行だったようである―――エンド。

<感想>

原作は2003年に急逝された佐竹一彦先生『よそ者』(角川書店刊)。
日丸教授自体は「警視正 日丸教授の事件ノート」として2003年に1度ドラマ化されている。
この際の原作も『よそ者』であるので、シリーズ第2弾と見ても良いかもしれない。
ちなみに、佐竹先生原作のドラマ化は『駐在巡査』(シリーズ4作が存在、最新作は2007年)以来となり、実に7年ぶり。

では、ドラマの感想を。

何だろう、たくさん事件が発生していたような気がする。

10年前が「オレオレ詐欺事件」と「礼子殺害事件」と「義男轢き逃げ殺害事件」の3件。
現在が「滝川殺害」と「安原殺害」と「犬飼轢き逃げ殺人未遂事件」と「尾崎殺人未遂」と「平岡殺害」と「香田殺人未遂事件」の6件。
合計で9件か……もう一息で10件だったなぁ。

でもって、犯人が香田に安原に滝川に平岡に薫に千鶴と6人。

確かに充実はしていたけど、なんだか取り敢えず事件の数を増やせば良いというものでも無さそうな気がするなぁ……。
どちらかと言えば「展開で繋げるのではなく、事柄の連続で物語を進めていた」感じ。

基本、2サスでの事件の扱い方は「序盤、中盤、終盤、動機」で表現出来ると思う。

それぞれ―――。

「序盤」は「捜査の発端となる事件」。
「中盤」は「22時跨ぎの惹きとなる事件」。
「終盤」は「真犯人逮捕時の事件、すなわち主人公に逮捕される為に殺人未遂に終わる」。
「動機」は「動機となる過去の事件」。

つまり、1つの作中で扱う事件はだいたいが4件程度、多くても5、6件が望ましい。
これ以上は視聴者が混乱するし、ラストで真相解明を扱うには情報量が重くなる。
その分、台詞か再現映像に頼るからテンポも悪くなる。

これらを踏まえて「2サスの作法」とでも言うべき様式美だと思うけどなぁ……。
もちろん、このフォームを敢えて外すことで面白くなる作品もあるけど、本作はそれに成功したとは言い難い気が。
もう少し、事件数をコンパクトにしても良かったかなぁ……。

それと、平岡がとても頑張ってたなぁとの印象です。

<キャスト>

日丸慶蔵:小林稔侍
寺西杏子:平愛梨
尾崎修司:姜暢雄
平岡直:佐戸井けん太
香田陽平:小林健
滝川護:斉藤陽一郎
安原憲吾:和泉宗兵
守口薫:青山倫子
犬飼繁:梨本謙次郎
榛原幸子:藤田弓子
三木徹:中原丈雄
滝川千鶴:仁科亜季子 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


ドラマ原作のキンドル版「よそ者 (角川文庫)」です!!
よそ者 (角川文庫)





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