2014年07月14日

「最強少女さゆり」第20話(25話)「バニーとリコスの隠し事」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第20話(25話)「バニーとリコスの隠し事」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
少女:バニーやリコス同様に地球在住の宇宙人。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

甲斐甲斐しく、まるで母親のようにさゆりの世話を焼くバニー。
それは入浴からおやつまでに及んでいた。
そんなバニーをさゆりも慕っているようだ。

その光景を少し離れた場所から眺めるリコス。
彼はバニーの様子に普段の男勝りな彼女とのギャップを感じていたのだ。
此の点を指摘されたバニーはリコスに一撃を喰らわすのであった。

なんだか遣る瀬無くなったリコス。
ついつい自身の体質を忘れ自棄酒を煽ってしまう。

そして、目覚めてそれに気付いた。
リコスは地球の酒を飲むと普通の狼に変身してしまうのだ。

「最強少女さゆり」第3話(8話)「さゆりとオオカミ」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

もしも、この姿をさゆりに目撃されたら事である。
さゆりはタマちゃん同様に狼も苦手なのだ。
間違いなく、前回の二の舞となるだろう。

などと、リコスが考えていたところにさゆりがやって来た。
狼姿のリコスはさゆりに目撃されてしまう。
それはもうバッチリと。

恐怖心から逃げ出すさゆり。
しかし、玄関まで駆けて来てバニーの言葉を思い出した。
そうだタマちゃんのときもそうだった。
逃げては駄目だ、立ち向かわなければ!!
そうすることでバニーにも褒めて貰えるのだ!!

さゆりは狼が居た部屋に戻るのだが……当の狼は消えていた。
隣室のバニーにも尋ねてみるが、バニーも知らないと言う。
不思議に思いつつも、周囲を調べ始めるさゆり。

残されたバニーは「もういいよ」と背後を振り返る。
其処には狼となったリコスが居た。

バニーはそんなリコスに「オオカミちゃん、危なかったね〜〜〜」と優しく呼びかける。

「オオカミちゃん!?」
自身の正体に気付いていないとは言え、あまりのバニーの豹変ぶりに驚愕するリコス。
そして気付いた。

もしかして、普段の男勝りな性格こそが仮面で、こちらがバニーの素なのではないか、と。
そう言えば、バニーは男勝りな態度を取りつつも何処か女性らしさを必ず残していた。

そうだったのか……改めて気づいたリコスは正体を悟られる前にそっとその場を逃げ出した。

数時間後、酔いが醒めたリコスが豪田家に戻ると、其処にはバニーが仁王立ちしていた。
「遅かったではないか、貴様」
強い口調のバニーに、先程の優しい口調のバニーを重ねるリコス。

すると、不思議な気持ちが胸の奥から湧き上がるような……。
戸惑うリコス。
とりあえず、狼の正体は隠しておくことにするのであった―――次回に続く。

コマ割りと展開が魅力の作品です。
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

しかも、コミックス1巻が2014年8月上旬に発売予定とのこと。
こちらも注目!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの20話(通算25話)。
サブタイトルは「バニーとリコスの隠し事」。

それぞれ、次の通りの隠し事をしてましたね。

まず、バニー。
男勝りなバニーが実は女性らしさを隠していたこと。
さゆりに対して狼を庇ったこと。

そして、リコス。
狼の正体が酒を飲んだリコスであること。
また、そのような体質があること。
そして、バニーの本質を知りながらそれを隠したこと。

うむ、なかなかに隠し事の多い回でしたね。
同時に、どうも「リコスが飲酒すると狼に変身する」点が強調されていた印象。
これは今後の伏線ではないでしょうか。
さゆりが花魁課長たちに連れて行かれそうになったときに酒を飲み狼として宇宙船に潜入するとかの。
だとすれば、作者から読者への隠し事の意味もあったのかもしれませんね。

次回以降の展開を予想すると。
15話の宇宙人からさゆりの存在を知った宇宙警察の課長たち。
課長たちはバニーに引き渡しを要求。
しかし、さゆりを家族と思うバニーはリコスと共にこれを拒否。
其処で、リコス、バニーはもちろん源さんやタマちゃんらと共にさゆり捕縛部隊を相手に戦うシリアス展開に突入したりして!?
とはいえ、急ぐ必要は無い筈なので、いつかある展開だと妄想してたりします。
この妄想、果たして的中するでしょうか!?

さて、此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中(「さゆりと峠とお見舞い」参照)なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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