ネタバレあります、注意!!
第72話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その日、朝陽は自身が葉子とキスしたことを岡たちに報告していた。
自慢しているワケではない、朝陽自身が現実の出来事との想いが抱けず上せているのだ。
これに岡たちは三者三様に祝福を示す……もっとも、嶋だけは嫉妬まじりであったが。
そして、此処にも朝陽と葉子のキスを平然とは聞き流せない人物が居たのである。
そう、最強の幼馴染にして「脱・外道クイーン」を果たしたみかんである。
みかんは立ち聞きした内容の重大さに肩を落とす。
「そうよねぇ〜〜〜初めから私には分が無いもんねぇ。分かってたわよ」
朝陽を愛するみかん、しかし、わが身を振り返り報われないことも重々承知していた。
いつかは朝陽と葉子がこうなるであろうことも。
とはいえ、実際に聞けばやはり精神的にツライ。
下校中、意気消沈するみかんに、寄り添う凛はおろおろするばかりだが……。
そんなみかんの耳に謎の声が届く……いや、この声には聴き覚えがある!!
そう、現れたのはフクちゃんとその先輩・フクの介。
フクちゃんは落ち込んだみかんを励まそうと先輩方の助力を願ったのだ。
早速、フクの介が「君の涙を隠してみせる」とみかんの目を隠すべく勇躍挑みかかるが……。
速攻で撃墜されてしまう。
路傍に転がるひび割れたフクの介。
みかんの性格からすれば事あるは容易に推測できた。
それだけに「だよね〜〜〜」と頷きつつ、次なる先輩の登場を願うフクちゃん。
次なる先輩はフク太郎だ。
しかし、フク太郎は趣味に走り過ぎるキャラであった。
何故か、みかんの胸元に飛び込むと私欲を満たして撃墜されてしまう。
路傍に転がるひび割れたフク太郎。
みかんの性格からすれば事あるは容易に推測できた。
それだけに「だよね〜〜〜」と頷きつつ、次なる先輩の登場を願うフクちゃん。
次なる先輩は大先輩であるフク蔵だ。
しかし、フク蔵は路傍に転がる後輩たちの姿を目にするとあからさまに狼狽し「幸せは与えられる物ではなく、自身で掴むモノだ」と何やら諭すと逃げ出してしまう。
これには流石のフクちゃんも「ちょ、ちょっと、先輩方。一体、何しに出て来たんですか」とツッコミを入れざるを得ない。
これに呆れたように溜息を吐くみかん。
だが、その耳にもっとも聞き覚えのある声が響く。
「いや、アレの言ってることは間違いじゃないよ」
そう告げるその声、まさか、その声の主は―――。
見れば、凛が何時の間にやらその声の主のもとに駆け寄っている。
いや、正確には先の騒動の間に凛がこの人物を呼び寄せたのだろう。
何故なら、その人物とは凛が居る未来のみかんに他ならないのだから。
未来のみかんはフク蔵の言葉を引用しつつ、自身で朝陽を掴み取れと諭す。
これに「でも……今のままじゃ」と反論するみかん。
未来の彼女は「今でなくて良いのよ。将来的に嫁に収まれば」とアドバイスする。
「嫁……?」
「そうよ、あんた白神さんに料理で負けると思う?」
「いや、全然」
未来の自分から聞かされた言葉に、思わぬ展望を得るみかん。
そうなのだ、家事全般ならば圧倒的有利ではないか。
恋人は無理でも嫁になれば良いのだ。
そんなみかんに未来の彼女は「ただし、自分の場合は朝陽と結婚出来なかった」ことを教える。
では、凛は一体誰の孫なのだろうか……不思議に思うみかん。
さらに未来の彼女は続ける。
彼女は今も朝陽を手に入れるべく頑張っているらしい。
そもそも未来は確定していない。
彼女は朝陽と結婚出来なかったが、現代のみかんの頑張り次第では朝陽と結婚することも決して不可能ではないのである。
ただ、それによりパラレルに分岐する。
だからこそ、みかんは此処でチャレンジする必要がある。
そして、もう1人もおそらく……。
未来のみかんは此処で言葉を濁す。
その頃、未来のみかんが予見したもう1人が動き出していた。
そう、葉子に宣戦布告した渚だ。
恋愛は戦争と同じ、戦って奪い取るモノ。
その事実に気付いた渚はスイーツを代償に茜に依頼を行っていた。
内容は以前(67話「求愛しよう!」参照)と同じく自身の本体を人間大のサイズにして欲しいこと。
そのタイミングは2週間後に控えた修学旅行である―――73話に続く。
充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、7巻も発売予定。ちなみに表紙は明里さんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!
ちなみに、公式さんにて2014年7月23日(水曜日)まで『実は私は』の人気投票が実施中。
各々のイチオシキャラに投票せよ。
なお、秋田書店公式HPのオンラインショップではとっても可愛い「実は私はタンプラー」が2014年8月20日まで予約受付中。
このタンプラー、小さい葉子や渚たちがグルグルと可愛く走り回ります。
お値段は1944円なり、欲しいィィィィィィィィ。
その72話。
いよいよ風雲急を告げる「恋愛三国志」。
圧倒的大本命として「天の時」を得てひた走る「魏」の葉子。
幼馴染ポジションとの「地の利」を活かした「呉」のみかん。
これに「人の和」で以て当たりたい「蜀」の渚。
とはいえ、みかんには凛とフクちゃんが居るが、渚には人がいない……と思われていたが茜が居たか!!
まさにジョーカーとでも言うべき存在感。
いや、この場合は「恋の天才・諸葛亮」とでも言うべきか。
なにしろ、子孫に明里が居る以上は恋愛経験も積んでいる筈だし。
「三顧の礼」ならぬ「スイーツの礼」を以て、渚に迎え入れられた茜。
そんな茜が繰り出すのは「南東の風」ならぬ「渚人間大化の秘法」。
これは荒れるな……みかんの逆襲も含めて「恋の赤壁大戦」なるか!?
ちなみに「三国志」の最期の勝利者は魏呉蜀いずれでもなく「晋」だからなぁ。
思わぬ勢力の台頭があるのか。
晋があるとすれば、魏の中に既に居ることに……まさかの獅穂だったりして!!
でもって、72話としては。
フクちゃんは朝陽以外だと稀有な純粋ツッコミ役だなぁ……と認識。
本作では貴重な存在なのかも。
そして、凛の存在に謎が浮上。
確かにこれまでも「朝陽と凛が結婚して生まれた子供の娘」かどうかは不明として来ましたが、今回によりこれは無いことが確定。
だとすると「朝陽と誰かの間の子供とみかんと誰かの間の子供同士が結婚して凛が生まれたパターン」か「そもそも凛とみかんに血の繋がりはなく近所のおばあちゃん感覚なパターン」とかになりそうだけどなぁ。
ただ、それだとなんで凛が朝陽とみかんの恋路を応援しているのかが分からなくなる。
ひょっとして、凛には未来人以外の秘密が隠されているのかも。
例えば、朝陽とみかんの遺伝子から作られたクローンとか、それとは別にアンドロイドとか……いや、流石にこれはないか。
それと、今回説明があったパラレル説も気にかかる。
パラレルと言うことは過去が同根で未来が分岐しているのだから、みかんと凛の関係はもしかするとそれぞれ別のパラレルワールドの存在との可能性もあるか。
世界Aに住むみかんは結婚し孫に凛が出来た。
世界Bに住むみかんは結婚出来なかった。
世界Aのみかんに何かが起こり、凛が世界Bへ。
その世界Bで凛がみかんの意志を汲み、過去へ飛んでいるとか。
だから、凛は世界Bのみかんにとっては孫ではないが、凛にとって世界Bのみかんは祖母である。
凛の故郷である世界Aを再現する為には朝陽とみかんが結婚する必要があるので応援しているとか。
そもそも黄龍丸の選ばれた者しか目に出来ない設定も気になるし。
あれは各パラレルワールドで朝陽の嫁になった面々のみが目視出来るとかなのかもしれない。
これなら、朝陽の嫁候補が増えても各世界ごとに別々の結末を設けることで物語的に収集が付きそうだし。
例えば、本編では朝陽は葉子と結婚するけど、別の世界では朝陽は渚と結婚したり、また別の世界では朝陽はみかんと結婚していたり……との可能性が既に並立する状態だったりして。
そして、72話中でのツボは「料理で葉子に負ける筈がないとみかんが気付くくだり」でした。
うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス6巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛に続き明里さん。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、8巻が華恋かな。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第70話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第71話「答えを出そう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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