2014年08月12日

月曜ゴールデン「捜し屋★諸星光介が走る!7 失踪した息子の謎に潜む超高層マンション計画の不正入札 殺人犯は最愛の息子!?疑惑と陰謀の間でうごめく悲しき親子の絆」(8月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「捜し屋★諸星光介が走る!7 失踪した息子の謎に潜む超高層マンション計画の不正入札 殺人犯は最愛の息子!?疑惑と陰謀の間でうごめく悲しき親子の絆」(8月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

諸星光介(船越英一郎)は生まれ育った東京の下町・谷中で、いなくなったペットや人を捜す「捜し屋」をしている。姪の直子(八子遥菜)を助手にして、寄せられた情報を元に寺や公園を捜しまわる毎日だ。
ある日、光介は倒れている女性を発見し、救急車を呼ぶ。駆けつけた近所の自治会長・青木晴夫(キートン山田)によるとその女性は徳永房江(左時枝)といい、団地に一人で暮らしているという。房江の身体を心配する青木に房江は「自分は病気だし、息子とも縁が切れているからいつ死んでも構わない」と意地を張る。後日、青木が光介を訪ねてやってくる。房江の息子・和之(仁科貴)が失踪しているようなので捜し出して欲しいという依頼だった。
依頼を引き受けた光介は和之を捜し始める。建築設計事務所で働いていた和之は独立したが上手くいかず、借金を作っていなくなってしまったという。和之の居場所の手がかりを求めるうちに、光介はミカミ・コーポレーションという中堅ゼネコンに辿りつく。ミカミ・コーポレーションでは最近、女性社員の片岡沙織(北川弘美)が殺害され社内は騒がしかったが、光介は幼馴染の弁護士・支倉珠希(床嶋佳子)のコネを使って社長の三上剛志(宍戸開)と会う。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、あらすじと重複あり)

諸星光介は行方不明のペットや人を見つける「捜し屋」である。
姪の直子を助手に、あちこちを駆け回る毎日だ。

そんなある日、猫を捜して団地のベランダに飛び込んだ諸星は室内で倒れている女性を発見する。
諸星が慌てて救急車を呼んだこともあって、女性は命を取り留めた。

入院することで助かった女性の名は徳永房江。
急を聞いて駆け付けた自治会長の青木晴夫によれば、房江は1人暮らしらしい。
本当は房江には息子の和之が居るのだが、房江を置いて出て行ってしまったのだそうだ。
房江自身も和之に興味が無いような素振りを見せる。

しかし……青木はそれが房江の本意ではないことを知っていた。
房江と和之は血の繋がりの無い義理の親子。
和之は房江の亡き夫の連れ子だったのだ。
だが、房江は和之を愛し、和之も房江を敬っていた。
ところが、和之は不意に消えてしまったのだ。
実際のところ、房江は不安がっており和之と会いたがっていたのである。

病院からの帰路、青木から房江の本意を明かされる諸星。
こうして、青木の依頼により諸星が和之を探すことに。
青木は諸星に感謝する。

そんな2人の前に分譲マンションの広告を差し出す女性の姿が。
その広告には「スカイビュー北上野」との文字が躍っていた。
彼女の名は片岡沙織。
「ミカミ・コーポレーション」の社員で、今は建設予定である「スカイビュー北上野」の販売を行っているらしい。
ふと周囲を見回した諸星は沙織を監視しているような40代男性の姿に気付くが……。

その夜、諸星は幼馴染の弁護士・支倉珠希と食事を共にする。
実は、珠希は諸星に好意を寄せているのだが……諸星はこれを知ってか知らずか腐れ縁が続いている。
珠希に「スカイビュー北上野」の広告を見せた諸星、自然と話題は「ミカミ・コーポレーション」へと移る。
奇しくも、珠希は「ミカミ・コーポレーション」の専務・三上剛志と知り合いであった。

何でも、三上は社長の妻の連れ子で独身。
珠希はよくゴルフ場に誘われるそうだ。
そのゴルフ場のオムライスは絶品とされているのだが、三上は昔食べたオムライスの方が美味しいと譲らないらしい。

このときは珠希の話を笑い飛ばしていた諸星であったが、まさかこれこそが事件のキーになろうとは夢にも思わないのであった。

同じ頃、沙織が何者かと接触し、これに殺害されることに。

翌朝、和之捜索を始めた諸星。
和之は建築士であった。
さらに、調べて行くうちに和之が「ミカミ・コーポレーション」に出入りしていたことが判明する。

手掛かりを求めた諸星は珠希の伝手で三上と会うことに。
ところが、三上は和之については知らないと主張する。

矢先、諸星は沙織が殺害されたことを知り驚く。
しかも、奇妙なことに和之が沙織と言い争っていたことも判明する。
なんと、和之と沙織は交際していたようなのだ。

しかし、沙織は親しい同僚には三上と交際していると洩らしていたらしい。
さらに、沙織が「ミカミ・コーポレーション」以外にホステスのアルバイトをしていたことも分かる。
一体、何がどうなっているのだろうか?

そんな中、諸星は行く先々で沙織を監視していた40代の男と遭遇してしまう。
男は田中と名乗っている様子だが、どうやら諸星同様に和之を探しているらしい。

田中により2つの事件に関係があると確信した諸星。
もしかすると和之の身に危険が及ぶかもしれないと考え、房江に情報を求める。
これを聞いた房江は例の田中という男性が自分のもとにもやって来たことを明かす。
その時は住田と名乗っていたらしい。

諸星は住田が探偵ではないかと推測。
調べたところ、住田探偵事務所に辿り着く。
早速、これを訪問する諸星だったが……。

事務所内に入るなり、背後から金属バットの一撃を喰らってしまうのであった。
消え行く意識の中、諸星が確認したのは青と白のスニーカーだった……。

意識を取り戻した諸星。
もしかして、襲ったのは住田だったのだろうか……と疑問に思う中、当の住田が死体で発見されてしまう。
何者かに殺害されたらしい。
どうやら、他にもう1人居るようだ。

そんな中、珠希から新たな情報がもたらされる。
和之は東和中央建設に雇われていたが2ヶ月前にクビになっていたのである。
なんでも、東和中央建設が手掛ける予定であった高層マンション建設の入札を目前に控えてのことだったらしい。
ところが、この入札自体は謎の辞退が行われていた。
どうやら、設計用PCのトラブルが原因とのことであったが……。

一方、諸星は和之がキャバクラ「ミルキーウェイ」に勤務する江藤明日香の客であることを突き止めた。
それとなく明日香に接近する諸星。
明日香の自宅を訪問した諸星は、其処に隠れていた和之を発見するが逃げられてしまう。

明日香によれば、和之は東和中央建設に追われているらしい。
其処で匿っていたのだそうだ。
和之の残した自宅らしい設計図を目にした諸星は彼が房江と住む為の家を手に入れようとしていることに気付く。
だとすれば、和之は大金が必要となる筈であった。
もしかして……。

諸星は此処までの経過を房江に報告する。
偶然、訪れていた青木から彼の手料理を振る舞われる諸星。
それはオムライスであった。
しかも、抜群に美味しい。
それもその筈、青木は元洋食屋の店主だったのだ。
しかし、知人の借金を被り店を手放したのだと言う。
この際、妻とも離婚し1人息子とも離れ離れになってしまったそうだ。

その夜、諸星は三上を見張っていた。
案の定、三上は秘密裏に動き出す。

三上の向かった先には和之が居た。
どうやら、和之が三上を呼び出したようだ。

和之は三上に真相を暴露されたくなければ……と事の経緯を語り始める。

事の発端はホステスのバイトをしていた沙織が和之に近付いたことにあった。
当時、和之は東和中央建設の社員で高層マンション建設の担当であった。
これに沙織は色仕掛けで接近し籠絡した。
その上で、大金を餌に設計用PCのデータを破棄するよう依頼したのだ。
和之は房江との自宅を夢見て、この提案に乗ってしまう。
全ては「ミカミ・コーポレーション」が入札に勝つ為であった。
このとき、沙織はこの計画が専務の三上主導であると明かしていたらしい。

全てを明かして良いのか……と迫る和之は5000万円を要求しようとするのだが。
此処に諸星が介入する。

金額を口にしてしまえば和之は脅迫の罪を犯してしまうことになる。
それを阻止したのだ。
結局、諸星が割り込んだことで交渉は物別れに終わることに。

諸星から事情を知らされた和之は房江のもとへ。
ところが同じ頃、房江は大きな困惑に囚われていた。
なんと、今度は青木が姿を消してしまったのだ。
しかも、身の回りの品々をすべて処分してである。

捨てられた青木の所持品を目にした諸星は、其処に自身を襲ったあの青と白のスニーカーを発見する。
此処で諸星は全ての事実に気付いた。

青木の生き別れの息子こそ、三上だったのだ。
三上が口にしていた「昔食べた美味しいオムライス」とは青木の作ったオムライスだったのだ。
そして、住田の事務所で諸星を襲ったのも青木だ。
これが何を意味するか。

諸星は青木が捨てたアルバムから、家族が映っていた海岸を発見し其処に向かう。
案の定、海岸には青木が居た。
青木は入水自殺を図ろうとしていたのである。

これに「お父ちゃ〜〜〜ん」と必死に呼び止める諸星。
その声に息子を感じた青木は自殺を思い留まるのであった。

助け出された青木は全てを打ち明ける。

青木と三上はやはり生き別れた親子であった。
青木の妻は三上を連れ「ミカミ・コーポレーション」の社長と再婚したのだ。

あの日、沙織から広告を手渡された青木は三上のことを思い出した。
其処で気になって三上の様子を見に行ったのだ。
すると、三上と沙織が揉めていた。
どうやら、沙織は三上に結婚を迫ったのだが三上は応じなかったらしい。
沙織は「全部、バラしてやる」と叫びつつ、部屋を飛び出した。

憤る沙織を追った青木。
取り敢えず、三上を守ろうと諦めるよう忠告するが、見ず知らずの人間の言葉である沙織が耳を貸す筈もない。
それどころか「三上の為に、寝たくもない男と寝た」と逆上させてしまう。
遂には、ネットに全て暴露するとまで騒ぎ出した。
これに驚いた青木は黙らせるべく沙織を殺害してしまう。

ところが、この犯行を住田に目撃され脅迫されてしまう。
青木は住田の殺害を決意。

その事務所へと乗り込んだのだが、誤って諸星を襲ってしまった。
この時にスニーカーを目撃されたのだ。
その後、今度は住田の殺害を果たしてしまったのである。

全ての罪を認める青木。
青木は房江と和之の関係に自身と三上の関係を重ねていたようだ。
だからこそ、諸星に依頼を行ったのだ。
そんな青木に諸星はある人物と引き合わせようと決める。

数時間後、三上は諸星に呼び出されていた。
彼の前にはオムライスが並んでいる。
もちろん、青木の作だ。
青木が立ち会う中で、諸星は三上に青木が彼を守る為に犯行に及んだことを教える。

これを聞き衝撃を受ける三上。
三上が上野の再開発に拘ったのは父親に自身の成功を伝える為だったのだ。
だからこそ、非合法な手段さえ厭わなかった。
しかし、それが仇となり青木を犯行に追い込んでしまったのである。
皮肉な結末に涙した三上は、自身の不正を認め逮捕されることに。

そして、今日も諸星は「捜し屋稼業」に勤しんでいる―――エンド。

<感想>

「捜し屋★諸星光介が走る!」シリーズ第7作目です。
前作は2011年11月21日に放送されているので、実に2年9ヶ月ぶりの新作となりました。

では、ドラマの感想を。

犯人である青木役を演じたのは声優のキートン山田さん。
「ちびまるこちゃん」のナレーションでも有名な方です。
青木が入水自殺を試みるシーンはまさに熱演でした。
そして流石は声優さん、ラストの犯行を振り返る独白も素晴らしかった。

さらに、このキャスティングは「ある問題」についての1つの解決法の提示でもありました。
それが、よく2サスで揶揄される「キャストで犯人が分かる」とのもの。
これは2サスの良い点であると同時に改善点とも指摘されており、個人的には一概にいずれとも言い難いところではあると思っています。
しかし、今回のキートン山田さんは声を存じ上げているものの、お顔は2サスファンに余り知られていないことで、キャストからの犯人予想を困難にしていました。
キャストで犯人予想を行った方にとってはサプライズとなったのではないでしょうか。
此の点が本作の特筆すべきポイントだったと思います。
もしかすると、本作はテンプレと言われる2サス作品に対するアンチテーゼとして割と意欲的な作品だったのかもしれません。

ただ、内容的には些か残念な点がありました。
まず、ネタバレあらすじでは「三上が再婚した母親の連れ子である」ことを序盤に明かしていますが、劇中では終盤も終盤、青木の入水後の告白シーンまで明かされません。
他にも、伏線があるのだけど伏線が提示されてからその意味が示されるまでの間隔が短過ぎて余り上手く機能していないようにも感じられた。
凄く勿体ない。
とはいえ、青木が「洋食屋」であることから「オムライス」を手掛かりに想像がつかないことも無いように配していた点は良かったと思う。

実際、管理人はこの伏線で青木と三上が生き別れの親子であろうと推測していました。
ただし「青木は三上を守る為に不正の関係者を抹殺して回っており、諸星に和之捜索を依頼したのも諸星を利用して和之の居場所を突き止めてこれを殺害するつもり」だと考えていました。
ところが、基本、すべては偶然だったと明かされて逆に驚いた。
ずっと三上を見守ってたんじゃないのか〜〜〜い!!

さて、いろいろ熱く語ってしまいましたが、それもこれも本作がかなり面白かった故です。
いや、本当に意欲作と呼んで差支えないかもしれない。
海岸での犯人の告白シーンとかテンプレ要素を盛り込みつつも、なかなかに工夫を凝らしているように思えました。

では、此処からは管理人がふと思ったことをつらつらと。
此の中に、本作を視聴した方で同じような感想を抱かれた方が居たら嬉しいです。

・諸星は彼とは知らない青木の必殺の一撃を受けて平気だったが凄いなぁ。
・青木と三上の親子はかなり不器用だなぁ。
そもそも、三上は何故わざわざビルを建てるのか?青木を探して店をプレゼントした方が良かったのでは。
・中本工事さんがカメオ出演しててサプライズでした。
・そう言えば、終盤に挿入された諸星のアクションは唐突だったなぁ……。

此処で総評。
船越さん演じる諸星の行動的なキャラクターもストーリーと上手くマッチしており、完成度が高かったような気がする。
面白かった。

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<キャスト>

諸星光介:船越英一郎

支倉珠希:床嶋佳子

諸星彩子:香坂みゆき
諸星直子:八子遥菜

青木晴夫:キートン山田

徳永房江:左 時枝
三上剛志:宍戸 開
徳永和之:仁科 貴
片岡沙織:北川弘美
住田好弘:永倉大輔
鈴木 宏:仲本工事
高原正人:松永博史
今岡刑事:渡部大輔 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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