2014年07月26日

「実は私は」第73話「メイド喫茶に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第73話「メイド喫茶に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第73話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

修学旅行を控え、それぞれがそれぞれの自由時間プランを検討中の朝陽、岡、嶋、サクラの4人。
嶋がメイド喫茶を希望する中、朝陽は葉子と気持ちの確認がしたいと洩らす。
なにしろ、葉子の場合はキスの事実自体を無かったことにしかねないからである。
あの事実は残した状態で気持ちを確認したい―――それが朝陽の望みだったのだ。

と、其処へ嶋にとってタイミングよくメイド喫茶が。
予行演習代わりに寄ってみようと軽い気持ちで入店した朝陽たちだが……これが間違いだったのだ。
彼らは直後に後悔することになる―――。

「「「いらっしゃいませぇ〜〜〜ご主人さま〜〜〜」」」
メイド服に身を包んだ従業員たちの明るく黄色い声に出迎えられ夢見心地の4人。
ところが、その中の1人が……。

「よくも来やがったな、お前たち」
明る……くもない、黄色……くもない。
どちらかと言えば重低音のドスの利いた声。
そして、どこかで見た人物がメイド服を着込んでいる……。

4人は目を逸らすように思い思いの方向を眺めて「彼女」をやり過ごす。
席に案内され座った4人は、互いの目を見詰めつつ真剣に向かい合う。

あれはもしや……と。
しかし、そんな筈はないのだ。
「彼女」は彼らの担任教師なのである。
教師がメイド喫茶でメイドをしている筈がない。

全員がその結論に至った頃、メイドさんたちが大挙して自己紹介に訪れた。
メイドさんは4人、それぞれが自己紹介して行く中、最後の1人に朝陽たちは凍り付いた。
いや、まさか……。

しかし、どう見ても「彼女」である。
驚愕する朝陽は必死に気付かぬ素振りを見せてスルーする。
残る3人も同じである。
岡などはテーブルに俯き加減で小刻みに震えているほどだ。

此処で彼ら全員が認識を1つにした。
このメイド喫茶にはどういう事情からか明里が居る……と。

辛うじて注文を済ませた朝陽たち。
届けられたメイド手製のオムライスがテーブルに並んで行く。

これまたメイドからの可愛いメッセージ入りだ。
ところが、中の1つには「立ち去れ」と血文字のようなメッセージが!!
明里である。

長居は禁物であると察した朝陽たちは楽しむ余裕もなく、慌てるようにオムライスを平らげて行く。
「早く、出よう」
嶋とサクラに目で合図を送り、彼らも同じ気持ちであることを確かめた朝陽。
もはや、このメイド喫茶に安息は無い。
あるのは命の危険だけである。

この間も岡はテーブルに俯いた状態で震えている。
しかし、朝陽は気付いた。
彼は他の面々と違い怯えているのではない。
必死に笑いを堪えているのだ……。

オムライスを食べ終え、後は会計を済ますのみとなった朝陽たち。
少し笑顔が戻りかけるが……。

其処に何故か「メイド手製のビビンバ」が届く。

(そんな注文していないのに!!)
新たなる困難の登場に戸惑う朝陽たち。
そんな朝陽に可愛いメイドさんは笑顔を崩さす「あちらのお嬢さまからです」と告げる。

その方向に居たのは―――茜であった。
そうである、こんな面白イベントを茜が見逃す筈がない。
最前列で楽しんでいる筈だったのだ。

一方、明里はと言えば血の涙を流しつつビビンバをかき混ぜている。
もはや、断る術はない。

仕方なくビビンバを受け入れた朝陽たちは必死にそれを食べる。
そして、テーブルの傍らにはトークを楽しむべくメイド姿の明里が立つ。
しかし、どう考えても楽しめる筈がない。

そんな中、さらに困難が立ち塞がる。
なんと、メイドさんの頭を撫でてイイコ、イイコしろと言うのだ。

朝陽はおそるおそる明里の頭に手を乗せる。
そして、感じた印象は……。

そうか、これが猛獣の頭を撫でる気持ちなんだな、との想いであった。
朝陽の目には明里がライオンに見えていたのだ。
その間も、何故か明里は照れ隠しの笑みを浮かべて朝陽の手を受け入れている。
しかし、朝陽は生きた心地がしない。

「撫でた、撫でたからなっ!!」
取り敢えず、数回軽く頭頂部に掌を宛てるので手一杯であった。

しかし、まだまだ困難は続く。
先輩メイドから明里がメイド喫茶で働くワケを聞かされる朝陽。
なんと、花嫁修業の為であった。

これを耳にした岡が限界水域を越えつつあった。
何やら口から怪しげな空気音が漏れ出している……。

だが、まだまだ困難は続くのだ。
そう、メイドさんが客にお礼を述べるのだ。

「「「ありがとにゃん(ハートマーク)」」」

3人のメイドたちが次々と礼を述べて行く中、遂に明里の番が訪れた。

「あ、あ、ありがとにゃん!!」
ぎこちなくポーズを決める明里。
其処にギャップ萌え……いや、ギャップ燃え?
朝陽が反応に迷うよりも早く、大爆笑が巻き起こった。

「「ゲラゲラゲラゲラゲラ」」
音源は2つ。
1つは岡、もう1つは茜だ。
彼らは目に涙を浮かべ全力で笑っている。

「あっ、馬鹿っ」
朝陽が慌てて止めるが、もう遅い。

「ひ〜〜〜っ、ひっひっひっ。花嫁修業でメイド喫茶!?嘘でしょ?マジで?」
岡が笑う。

「ありがとにゃん!!だと」
明里の真似をしつつ、笑い転げる茜。

だが、2人の前に悪鬼が……。

数分後、朝陽の手には彼らの遺品が握り締められていた。
右手には岡の罅割れた眼鏡、左手には根元から折られた茜の角だ。

「バカヤロ〜〜〜無理しやがって。だから、笑うなと」
儚く散って行った彼らに涙する朝陽。
そんな朝陽たちを何処かスッキリした表情で送り出す明里であった―――74話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、7巻も発売予定。ちなみに表紙は明里さんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

ちなみに、秋田書店公式HPのオンラインショップではとっても可愛い「実は私はタンプラー」が2014年8月20日まで予約受付中。
このタンプラー、小さい葉子や渚たちがグルグルと可愛く走り回ります。
お値段は1944円なり、欲しいィィィィィィィィ。

その73話。

「明里ちゃん、メイド喫茶に出没す」な回。
前々回から続く「恋愛三国志」を此処で小休止するとは思わなかった。
とはいえ、それが物凄く面白いからなぁ。
もう、今回は要所要所で笑いのツボに入って凄まじかった。

時に怒りと屈辱に震え、時に照れるメイド姿の明里。
しかし、外見とは裏腹にその中身は獰猛なライオンである。

これに怯える朝陽、嶋、サクラ。
1人笑いを堪える大胆不敵な岡。
そして、おそらく仕掛け人であろう茜。

最終的に岡と茜が成敗されるのは……もはや風物詩の域。
でもって、目の前の惨劇にも無反応な先輩メイドがもっとも怖かったりする。

前回、前々回のシリアス多めの展開に比べ、今回はギャグ多め。
どちらもそれぞれの魅力があって面白い。
まさに緩急自在な作品か……読むべし。

ちなみに、次回はあの人が正体を現す系な話だそうだけど……華恋なのかな。
いずれにしろ見逃せない!!

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス7巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛に続き明里さん。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、8巻が華恋かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第70話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

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「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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