2014年07月27日

「サイレーン」第56話「第二幕 対面式」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第56話「第二幕 対面式」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。
三河くん:月本の部下。
高槻とおる:5年前に発生した薬局店息子殺人事件の被害者。
時田:捜査一課未解決事件係の刑事。猪熊の先輩。
舞川:5年前からのカラの常連客。

<あらすじ>

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第55話「第一幕 コスプレ大会」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

猪熊の住む寮付近で渡を目撃した里見。
カラと渡が恋人同士であると聞きつけた里見は猪熊の行方を問い質すべく渡を訪ねる。

しかし、渡にとって里見はカラのストーカーに過ぎない。
何を聞かれたところでストーカー行為の延長線上にしか思える筈がない。
こうして、渡は里見の訪問を一方的に打ち切り引き取らせてしまう。

それどころか、カラに電話で里見の訪問を伝えるのであった。
これにカラは「里見が居る限り結婚出来ない」と渡に洩らすが……。

その頃、猪熊は里見の危惧が的中していたことに謝罪していた。
あのとき、何で里見の言葉を聞かなかったのか……反省する猪熊にカラの第二幕が開始する。

カラが連れて来たのはアイである。
カラは猪熊に「この娘があなたの恋人の愛人よ」と宣言し、対面させるのであった。

猪熊は動揺しつつもアイの解放をカラに求めるが……カラがこれに応じる義理が無い。
カラはあくまでメインは猪熊としつつもアイも逃がさないことを告げるのであった。

その夜、里見に猪熊の寮母から電話が入る。
何でも、猪熊宛の荷物が届いたらしい。
猪熊の行方を追うヒントになればと意気込む里見だが……。

直後、背後から車が猛スピードで突っ込んで来て―――57話に続く。

早川書房刊『ミステリマガジン』や『週刊文春』でも取り上げられた本作。
目的を果たすべく逃げるカラを里見が追う。
追い付くことが出来るのか……今週号の「週刊モーニング」で確認せよ!!

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」。
遂に猪熊が捜査一課に配属。
これにより「猪熊&里見VSカラ」の物語が明確化されました。
とはいえ、「悪女カラ自身」がテーマだったりもしそうだが。
それだけ、敵役のカラのインパクトが凄い。

その第56話。
サブタイトルは「第二幕 対面式」。

「第一幕 コスプレ大会」に続く「第二幕」は「対面式」となりました。
なんと、猪熊とアイの対面式です。
こうなると、次なる「第三幕」はどうなるのか……予想もつかないぞ。

猪熊宛に届いた荷物の正体も気になる。
差出人だけど、カラを疑っていなかった猪熊が配慮する必要は無いし、当然のこと里見も無い。
カラも危険を冒してまで、何かを送る必要は無い。
もしも送ってたら、渡を利用する必要が無いし。
可能性があるとすれば、高槻とおるの父からカラに関する品を見つけたとかかなぁ……。

そして生きていたアイ。
アイ行方不明時から「猪熊同様に拘束されているのでは……」との予想でしたが、喜ばしい的中です。
これにより、前々から提唱している「展開予想」こと「里見君逆転の秘策」も実現性を帯びて来たか。

そして実現と言えば、遂に渡が暴挙に出ました。
あの里見君を襲った車は渡の仕業でしょう。
おそらくカラに誘導されたに違いありません。
仮に渡が逮捕されたとしても、渡はカラを全力で庇う筈だし。
これに関しては48話に「もしかして」と予測していましたが、まさかこの形で実現するとは!!
完全に渡はカラにとって捨て駒扱い、あくまでもカラは残酷な仕打ちを行うなぁ……。

此処で展開予想。
これまでも何度か述べて来たけど、この状態での里見の打開策はレナにあると見た。
カラは里見の協力者が長髪の女性2人(レナとアイ)であることは知っているが、レナがアイそっくりなのは知らない。
猪熊が別荘内に人の気配を感じていたこともあり、アイは渡の別荘で拘束されていると考える。
其処で、レナがアイのふりをしてカラを揺さぶり、アイが脱走したと思い込んだカラを別荘へと誘導させる展開ではなかろうか。

さて、里見とカラは互いに打てる手が限られている。
そんな中、いよいよ来た!!カラによる猪熊殺害実行の日。
カラの殺意を知った猪熊は、その刃から逃れることが出来るのか。
そして、里見は猪熊を助けることが出来るのか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
カラが猪熊に正義を求めていることも同様。
さらに、高槻とおる殺害の動機は「優しさ」を求めてのモノである可能性も浮上。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……57話に期待!!

コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻に続き4巻も発売とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第50話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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「サイレーン」第55話「第一幕 コスプレ大会」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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