<あらすじ>
相当な麺通ゆえ“麺食い記者”と呼ばれている大和新聞の記者・宮沢賢一郎(嶋政宏)が、秋田県仙北市の角館支社に短期赴任してきた。支局長・角川道子(松原智恵子)が、カリスマ美容家・久部貴美子(秋本奈緒美)の講演準備で忙しい浜崎優子(佐藤藍子)の助手として呼んだのだ。
到着早々、宮沢は、優子と入ったラーメン屋で、麺類好きの久部昭徳(中丸新将)と意気投合。美容クリニックの院長で、事業進出のため土地探しに来たという久部は、貴美子の夫でもあった。
しかし翌朝、田沢湖金色大観音の敷地内で、久部の遺体が発見される。現場では貴美子と、医療サポート会社を経営する神田光男(国広富之)が事情聴取を受けていた。神田は、久部となまはげ太鼓を見に来たが、途中ではぐれてしまったという。そんな神田が、貴美子に歩み寄る様子を、宮沢は訝しげに見つめていた。
稲庭うどんの有名店に足を運んだ宮沢は、この店の東京支店で知り合った、うどん職人の “ヘバさん”こと弘田圭一(中原丈雄)と再会する。その頃、宮沢と旧知の仲で、同じく麺好きの警視庁捜査二課の管理官・田名部昭治(渡辺いっけい)が仙北署に来ていた。捜査中の事件の容疑者が、久部と神田だというのだ。
翌朝、宮沢は、神田から、はぐれた久部を探しに行く途中、逃げるように去って行く金のなまはげを見かけたという話を聞き出す。一方、貴美子の講演会は予定通り開催された。会場に現れた田名部は、相変わらず宮沢を敵対視するが、宮沢にのせられ、2人で稲庭うどんの店に行くことに。そこで、地元の不動産屋・小栗俊平(寺田農)と来店した久部が、いい土地が買えて喜んでいたという情報を得る。
宮沢と優子は、取材を終えた貴美子を連れ、ラーメン店に入る。話の流れから亡くなった父親について語り出した貴美子は、店内に飾られた金のなまはげ面を睨み「絶対許さない」とつぶやく。その様子が気になった宮沢らは、田名部にも声をかけ、なまはげ発祥の地・男鹿半島へ。そこで田名部が、久部と神田が結託し、医療費の明細書を水増しするレセプト詐欺を行っているとの密告があったために秋田へ来たことを知る。しかもその密告者は貴美子だったことから、貴美子が夫を殺害したのではと疑っていた。
そんな最中、久部の殺害場所で、再び殺人事件が発生。遺体の横には、金のなまはげ面と包丁が置かれていて…。
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……
そのあまりの麺通ぶりゆえに周囲から「麺食い記者」と呼ばれる大和新聞の記者・宮沢賢一郎。
今回、宮沢は秋田県仙北市の角館支社に短期赴任することに。
支局長・角川道子に指示された宮沢の取材対象はカリスマ美容家・久部貴美子。
貴美子の過去は謎に包まれていた。
こうして宮沢は貴美子に心酔する記者・浜崎優子と共に取材を開始する。
秋田への到着早々、宮沢はラーメン屋へ足を運ぶ。
此の点、まさに異名の通りである。
すると、宮沢は其処で麺類好きの久部昭徳と出会い意気投合する。
久部は貴美子の夫で東京に拠点を置く美容クリニックの院長。
秋田へは事業進出の為の土地探しに来たそうである。
思わぬ同好の士との出会いに喜ぶ宮沢。
ところがその翌朝、田沢湖金色大観音の敷地内で、久部の遺体が発見される。
犯行現場からは金のなまはげが逃げ去ったとの情報があった。
どうやら、何者かが金のなまはげに扮し犯行に及んだようである。
この久部殺害容疑が妻である貴美子と、医療サポート会社の経営者・神田光男に向かうことに。
一方、宮沢は稲庭うどんの有名店に足を運ぶ。
其処には彼と旧知のうどん職人・ヘバさんこと弘田圭一の姿があった。
宮沢は彼の作るうどんを絶賛するが、圭一は「まだ足りない」と嘆いていた。
どうやら、圭一には具体的に目指す味が存在しているようである。
同じ頃、これまた宮沢と同好の士で旧知の仲でもある警視庁捜査二課の管理官・田名部昭治が秋田を訪れていた。
共通の趣味を持つ宮沢と田名部、名店を巡れば再会は自然なことであった。
そして出会った2人の話題は麺の事から、久部殺害に移って行く。
実は宮沢は元事件記者でもあった。
此の点でも田名部と宮沢の関わりは深かったのである。
実は田名部は久部と神田を追っていた。
久部と神田には医療費の明細書を水増しする「レセプト詐欺」との密告があったらしい。
しかも、この密告者こそが貴美子だったのだ。
さらに、田名部の調べによれば、久部は地元の不動産業者・小栗俊平から土地を購入した直後だったらしい。
矢先、今度は小栗が殺害されてしまう。
今回も金のなまはげによる殺害だったそうだが……。
そんな中、宮沢は貴美子が「みだくない」などの秋田弁を流暢に用いていることに気付く。
もしかして、貴美子のルーツは秋田なのではないか。
そして、それこそが事件に繋がるのではないか。
貴美子の過去に興味を抱いた宮沢は、彼女が過去に東京美容師専門学校に通っていたとの情報を手に入れ東京へ。
関係者をあたり、美容師の高瀬貴美子に行き当たる。
貴美子の名前は彼女から貰ったもので本名ではないらしい。
貴美子の本名は土田和江であった……。
その頃、田名部は小栗から久部に渡った土地を調べていた。
すると、40年前に小栗が土田利夫なる人物から入手した物と判明する。
互いに情報交換を行った宮沢と田名部は貴美子こと和江が土田利夫の娘であることに気付く。
土地はもともと貴美子の物だったのだ。
しかも、久部はその土地を「レセプト詐欺」で生ずる医療廃棄物の処分場にするつもりであったことが判明。
さらに、40年前に小栗が土田から土地を手に入れた経緯が明らかになる。
なんと、貴美子の両親である土田夫妻は惨殺されていたのである。
40年前のその日、土田うどん店の前を若い巡査が通りかかると少女が膝を抱えて泣いていた。
顔見知りであった巡査は少女に声をかけ、店内を覗き込み驚いた。
中では包丁を手にした男が土田夫妻を脅していたのだ。
巡査は腰にぶら下げた銃を引き抜くと、包丁男に突き付ける。
そして叫ぶ!!
「撃つぞぉ!!」と。
しかし、これに包丁男が逆上した。
男は巡査の制止の声を合図に土田夫妻に襲い掛かったのだ。
「止めろ!!撃つぞ、撃つぞぅ!!」
何度となく繰り返されるその台詞。
しかし、巡査は男を撃てなかった。
その間にも土田夫妻は次々と殺害されてしまう。
「撃つぞ、本当に撃つぞ!!」
若い巡査はさらに叫ぶ。
しかし、男は止まらない。
へらへらと笑いを浮かべながら、遂には巡査を突き飛ばし逃げ出してしまった。
この若い巡査の身許を知った宮沢たちは驚くことに。
彼こそが過去の弘田圭一だったのだ。
結局、この事件の犯人・高取は数年後に事故で死亡。
圭一は警察を退職していた。
しかし、実はこの事件の黒幕こそが小栗だったのだ。
小栗は土田夫妻の土地を狙い高取を送り込んだのであった。
その後、事件を起こした高取を事故に偽装し口封じしたらしい。
もしや、圭一が事件に関与しているのでは……。
その直後、圭一、貴美子、神田が姿を消す。
その頃、山奥では神田光男と貴美子、圭一の3人が居た。
神田を殺そうとする圭一と貴美子。
しかし、神田は貴美子を人質に取ると、レセプト詐欺を巡るすべての罪を貴美子に着せて殺すと主張する。
其処に宮沢と田名部が駆け付けることに。
神田はその場で逮捕された。
残された圭一と貴美子に宮沢が「金のなまはげの正体が圭一である」と告げる。
これに圭一がすべてを明かす。
実は久部も小栗と共謀していたのである。
これを知った貴美子は苦しんでいた。
そんな貴美子を苦しみから解放する為に、圭一が久部と小栗を殺害したのだ。
そして、神田は圭一の犯行を貴美子の犯行だと思い込み、貴美子を脅迫していたのだ。
其処で圭一は貴美子を救おうと神田殺害を計画したのである。
圭一は土田夫妻と家族ぐるみの付き合いがあった。
圭一がまなはげに扮していたのも、すべては過去に貴美子の両親を守れなかった自分の罪を償う為だったらしい。
逮捕された圭一は「ようやく目指していた味に辿り着いた」と口にする。
圭一は自身が目指した土田うどんの味を再現することに成功したのだ。
土田うどんの味は小栗が土田夫妻から奪った土地に流れる水にあったのである。
此処に40年ぶりに土田うどんの味が復活することに。
「妻にも食べさせたいなぁ……」思わず洩らした宮沢の言葉に優子はショックを受けることに。
優子は宮沢に惹かれていたからである―――エンド。
<感想>
「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎」シリーズ第3弾。
前作は2013年2月27日に放送されているので、ほぼ1年半ぶりの新作となりました。
原作は、相場英雄先生『みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 誤認』(双葉社刊)。
<あらすじ>
新聞記者の宮沢は、妻と乳頭温泉で骨休めをしていたが、上司の角田から仕事の呼び出しがかかる。東京で起きた殺人事件の容疑者が秋田の出身で、その取材をしろということだった。さっそく取材を始めると、「なまはげ」に隠された謎があった。
(双葉社公式HPより)
過去には次の記事で取り上げてますね。
・秋田魁新報にて「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 誤認」(相場英雄著、双葉社刊)が取り上げられました。
では、ドラマ感想を。
「金のなまはげ」のインパクトがすべてを持って行ったなぁ……。
あれ夜目にも目立つだろうし、隠れるのも大変だっただろうなぁ……音もするんだろうし。
1回1回衣装用意するのも大変だろうし。
使用後は返り血が着いちゃうから、隠す場所にも苦労するし。
そう言えば、金のなまはげの面の入手経路を調べれば犯人には辿り着けたんだろうなぁ……。
少なくとも此処最近で複数回、金のなまはげ面を購入した人物こそが容疑者だよ。
さらに、現場に面を残したことで髪とか汗とか遺留物からいろいろ証拠が残りそうかな。
まぁ、圭一は初めから逃げる気はないようだったから、これで良いのか。
そう言えば、圭一が自殺しようとして宮沢たちと揉み合うシーンは、圭一がナイフを取り上げて貰えるように動いていたように見えたのは秘密だ。
そして、ふと思ったが金のなまはげの面が何処となく目を剥いた高嶋さんに似てた。
◆関連過去記事
・水曜ミステリー9「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎!新潟佐渡〜山形酒田殺人航路 故郷捨てた男!母娘の30年と想い出の味が暴く白昼放火と殺人トリック(麺好き記者が挑む!連続不審火&殺人事件 天津麺が暴く真犯人)」(4月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎2 弘前奥津軽殺人慕情完全黙秘の少年が隠す二つの秘密!思い出のラーメンと望郷三味線が暴く20年前の真実」(2月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・秋田魁新報にて「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 誤認」(相場英雄著、双葉社刊)が取り上げられました。
・「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎シリーズ」の原作で知られる相場英雄先生著『震える牛』(小学館刊)がWOWOWにて連続ドラマ化!!
<キャスト>
宮沢賢一郎:嶋政宏
田名部昭治:渡辺いっけい
浜崎優子:佐藤藍子
久部貴美子:秋本奈緒美
神田光男:国広富之
久部昭徳:中丸新将
畑啓次:天宮良
佐藤明正:芹澤名人
真藤守:前田倫良
小栗俊平:寺田農
高瀬貴美子:藤田弓子
角川道子:松原智恵子
弘田圭一:中原丈雄 ほか
(公式HPより転載、順不同、敬称略)
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