水曜ミステリー9「山村美紗サスペンス　不倫調査員片山由美14　京都・花の殺人乱舞（山村美紗京都の名推理　不倫調査員・片山由美　夫の愛人、伏見の蔵で謎の死！アリバイ崩す赤いバラの花弁……涙で落ちた指輪の復讐）」（8月6日放送）ネタバレ批評（レビュー）: ミステリ通信　創刊号

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2014年08月07日

水曜ミステリー9「山村美紗サスペンス　不倫調査員片山由美14　京都・花の殺人乱舞（山村美紗京都の名推理　不倫調査員・片山由美　夫の愛人、伏見の蔵で謎の死！アリバイ崩す赤いバラの花弁……涙で落ちた指輪の復讐）」（8月6日放送）ネタバレ批評（レビュー）

水曜ミステリー9「山村美紗サスペンス　不倫調査員片山由美14　京都・花の殺人乱舞（山村美紗京都の名推理　不倫調査員・片山由美　夫の愛人、伏見の蔵で謎の死！アリバイ崩す赤いバラの花弁……涙で落ちた指輪の復讐）」（8月6日放送）ネタバレ批評（レビュー）です！！

＜あらすじ＞

岡島乃梨子（山村紅葉）が所長を務める探偵事務所が買収され、Ｋ・Ｍ探偵事務所として再出発。調査員の片山由美（池上季実子）と乃梨子は、新所長・窪田正道(保阪尚希)の挨拶を複雑な思いで聞いていた。
その時、深刻な表情をした滝澤理絵(宮本真希)がやって来る。夫・冬樹(池田政典)の不倫調査をして欲しいという。
そこで由美は、理絵が専務、冬樹が常務を務める結婚式場・京陽会館にスタッフとして潜入。追跡により、冬樹が野村朋子(富永沙織)とホテルで密会を繰り返していることを突き止める。ホテルを出た朋子を家まで尾行した由美は、朋子が捨てた郵便物を拾い上げる加幡敏男(宮川一朗太)を見かけ不審に思う。

ところがある朝、朋子が遺体となって発見される。朋子と同じ宣伝会社で働く川辺伸一(山口竜央)が会社の倉庫に入り、ドライフラワーに埋もれる朋子の遺体を見つけたという。由美の夫である京都中央警察署の刑事・片山俊介(神田正輝)は、遺体の脇に落ちた紙袋が気になり鑑識にまわす。事件を知った由美は、理絵に不倫相手の死を伝えるが、離婚に向けて万全の証拠が欲しいと、調査を続けることに。
そんな中、乃梨子は、理絵の父で社長の幸三(増田再起)と冬樹の確執を耳にする。跡継ぎの理絵が幸三の反対を押し切り、冬樹を婿養子にしたことが原因らしい。
一方由美は、京陽会館にケーキを納品するカフェ店長・平岡佳代子(櫻井淳子)が、冬樹と親しげに話していたのを思い出す。同僚の山路進(一條俊)と共に佳代子の店へ行くと、ネット通販を運用する高田久美(小野麻亜矢)と冬樹の密会に遭遇。冬樹の四股を疑う。

自殺と他殺、両面で捜査が進む中、俊介は朋子が過換気症候群だったことを知る。死因が酸素欠乏症であることから、事故死の可能性も浮上。また俊介の聴取で、冬樹は朋子との不倫を認める。理絵によれば、事件当夜は冬樹と家にいたというが、俊介はある疑念を抱いていた。
その頃、理絵から調査打ち切りの連絡があったにも関わらず、由美は料亭の物陰に隠れ見張っていた。久美と幸三が密会していたのだ。しかもその横では、料亭を睨みつける冬樹の姿が…。
警察署では、押収した冬樹の携帯電話を調べた結果、朋子のメールが削除されていることが判明。冬樹を犯人と断定するが、翌日テレビからは久美殺害のニュースが流れていた…。

（公式ＨＰより）

では、続きから……（一部、重複あり）。

調査員の片山由美が勤務する探偵事務所が買収されてしまった。
新所長となったのは謎のイケメン・窪田正道。
こうして、窪田のもと「K・M探偵事務所」で由美は再出発することに。

窪田の遣り方はこれまでにないハイテクな物。
由美は驚きつつも、その手法に感心する。

そんな中、新たな依頼者が「K・M探偵事務所」を訪れた。
やって来たのは結婚式場「京陽会館」の社長である滝澤幸三の娘で専務を務める理絵。
理絵の依頼は、夫であり常務でもある冬樹の不倫調査であった。

そこで由美は「京陽会館」にスタッフとして潜入することに。
この調査により、冬樹が「京陽会館」の広報担当者・野村朋子と不倫関係にあることを突き止める。

ある夜、冬樹と朋子を尾行した由美。
すると、朋子の背後に謎の男・加幡敏男の姿を目撃する。
加幡もまた朋子を尾行していたようだが……。

その翌日、朋子が「京陽会館」の倉庫にて遺体で発見されることに。
朋子を発見したのは彼女の同僚・川辺伸一。
川辺によれば、朋子の死体はドライフラワーの中に埋もれていたと言う。

由美の夫で京都中央警察署の刑事・片山俊介が捜査に乗り出すことに。
俊介は朋子の遺体の傍に落ちていたくしゃくしゃの紙袋に注目。
調べたところ、紙袋からは朋子の唾液が検出される。

一方、由美は理絵に冬樹の不倫相手が死亡したことを報告。
しかし、理絵は依頼を続行する。
どうやら、理絵は冬樹を愛しているが、冬樹はそうでもない様子。
それもその筈、冬樹が理絵と結婚したのにはある理由があったのだが……。

理絵の依頼続行を受けた由美。
さらに冬樹を尾行したところ、「京陽会館」にケーキを納品するカフェ店の店長・平岡佳代子と冬樹が接触する現場を目撃する。
もしかして、佳代子もまた冬樹の不倫相手なのだろうか。

さらに、冬樹はネット通販を運用する高田久美とも密会する。
もしかして、久美もまた冬樹の不倫相手なのか！？

同じ頃、俊介の捜査により朋子について新事実が判明。
朋子の死因は酸素欠乏症による物。
さらに、朋子は過換気症候群だったのだ。
これにより、朋子の死は他殺、事故の2つの可能性が浮上したのだ。

その直後、理絵が依頼を取り下げることに。
しかし、これで止まる由美では無い。
窪田の制止を振り切り、由美は調査を続行する。
その内容は既に不倫調査では無く、朋子殺害事件の捜査になっていた。

調査を続けた由美は、幸三と久美の密会現場を目撃することに。
久美は幸三の不正を知る立場にあったのである。
しかも、その影では冬樹が彼らを監視していた……。

その翌朝、久美が何者かに殺害され死体で発見されてしまうことに。
一方、俊介は朋子の死を殺人事件と断定。
冬樹を容疑者として取調を行う。

疑いを向けられた冬樹は事情を明かす。
冬樹は幸三が過去に行った強引な吸収合併により手に入れた会社の経営者家族であった。
どうも、冬樹は幸三に復讐する為に理絵と結婚したようだ。
朋子と不倫関係にあったのも、広報担当の彼女から幸三の情報を得る為だったようである。
久美に近付いていたのも、幸三の不正を暴く為だった。
だからこそ、朋子を殺害する必要がないと主張したのだ。

その頃、加幡が朋子の元交際相手であったことが判明。
由美は彼から朋子についての意外な過去を聞き出していた。
なんでも、朋子は「許されざること」を行った過去があると言う。
それは高校時代に遡っていた。

高校時代、同級生の詩織と共に援助交際をしていた朋子。
担当教師であった田中優次郎は彼女たちを補導しようとした。
しかし、朋子は「田中が強引に関係を迫った」と嘘を吐いた。
これにより、田中は教職を追われ自殺していた。
当時、田中には妻が1人居たと言うが……。

俊介の捜査が新たな展開を迎えていた。
朋子の遺体からドライフラワーでは無くプリザーブトフラワーの花びらが検出されたのだ。
そして、理絵の趣味もまたプリザーブトフラワーだったのだ……。

その頃、由美は「京陽会館」にて洗浄目的にドライアイスが使用されていることに気付く。
ドライアイスと言えば二酸化炭素だ。
もしかして、朋子の酸素欠乏症もこれが原因なのでは……。

由美は田中優次郎の関係者に注目し、これを回って歩く。
元教え子の隼人や彩によれば、田中は優しく頼り甲斐のある教師だったようだ。
朋子の事を許せないと言う。

さらに、当時の生徒から田中の元妻が平岡ベーカリーの娘であったことが判明する。
平岡……と言えば、佳代子の苗字ではないか！！
由美は佳代子の復讐殺人を疑うが、窪田はこれに反発する。
実は窪田は佳代子に好意を抱いており、朋子殺害当日も一緒に食事をしていたとアリバイを主張したのだ。

しかし、由美はあっさりとこのアリバイを崩してしまう。

翌日、由美は俊介と共に佳代子のもとへ。
由美は佳代子が「京陽会館」から借り受けた保冷車を用いて朋子を殺害したと指摘。
朋子を睡眠薬で眠らせるとドライアイスを積んだ保冷車に閉じ込め、これを殺害したのだ。
その間に、佳代子は窪田を食事をしアリバイを作っていたのである。

証拠がないと反発する佳代子だが、これに俊介が反論する。
朋子の遺体から検出されたプリザーブトフラワーの花びらが佳代子の店に飾られていたソレと一致したのである。

こうして佳代子は罪を認めることに。

佳代子の夫・田中は根も葉もない嘘により自殺に追い込まれた、
この事実を、最近になって佳代子は詩織から聞かされた。
逆上した佳代子は朋子に詰め寄るが、朋子は悪びれもせず「弱かったのが悪い、犬死だ」と田中を責めた。
挙句、佳代子に対し「奥さんもまだ若いんだから、あんな男忘れてやり直しましょうよ、ね！！」と笑ったのだ。

これに佳代子の堪忍袋の緒が切れた。
佳代子は朋子の周囲を調べ上げ、冬樹との不倫の事実を知った。
其処でまずは事故に偽装、他殺が露見しても冬樹の犯行に見えるような殺害計画を実行に移した。

ところが、この犯行現場を久美に目撃され脅迫されてしまう。
佳代子は久美をも殺害することに。

すべてを自供した久美が逮捕され窪田の恋は破れた。

後日、冬樹と理絵は正式に離婚。
冬樹の告発により、京陽会館の不正が明らかになった。

さて、事件解決を迎えた俊介と由美はと言えば―――。
今回の事件解決のお手柄を褒めるよう俊介に迫る由美。
「アで始まり、ウで終わる言葉」をせがむが……。

「う～～～ん、あいきどう！？」
「あっ、あいらぶゆー！？」
「いや、あんこう！？」

俊介ははぐらかし続ける。
結局、「ありがとう」との言葉は出て来ないのであった―――エンド。

＜感想＞

「不倫調査員片山由美」シリーズ第14弾。
前作は2013年7月3日に放送されており、ほぼ1年1ヶ月ぶりのシリーズ新作となります。
過去作についてはネタバレ批評（レビュー）ありますね。
興味のある方は過去記事をどうぞ！！

ドラマの原作は山村美紗先生『枝垂れ殺人事件』（光文社刊『向日葵は死のメッセージ』収録）。
原作は短編だったようです。

では早速、ドラマ版の感想を。

それにしても、まさかの買収劇。
新キャラ追加の為とはいえ、こう来たか……侮れない。
窪田のキャラも良かったし、次回も楽しみだなぁ。

そして、まさかの台詞「奥さんもまだ若いんだから、あんな男忘れてやり直しましょうよ、ね！！」にて「お前にだけは言われたくないわな」とテレビ前の視聴者皆にツッコミを入れさせた朋子。
あれは恐るべしでしたね。
そりゃ、佳代子も激怒するわ。

ただ、他の幸三、理絵、久美たちのキャラがミスリード要員以外の何物でも無かったのがちょっとモヤモヤしたかな。
折角、久美が幸三の不正を知っていたのならば、ここらももう少し掘り下げた方が良かったと思う。
キャラが勿体なかった。

さて、総評。
些か、本筋以外に粗い箇所もありましたが、比較的手堅くまとめられていたと思います。
シリーズ次回にも期待！！

【不倫調査員・片山由美シリーズ】
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＜キャスト＞

片山由美：池上季実子
片山俊介：神田正輝
平岡佳代子：櫻井淳子
窪田正道：保阪尚希
岡島乃梨子：山村紅葉
滝澤理絵：宮本真希
滝澤冬樹：池田政典
亀田浩二：池田努
山路進：一條俊
所芳之：重松收
滝澤幸三：増田再起
野村朋子：富永沙織
高田久美：小野麻亜矢
川辺伸一：山口竜央
料亭の女将：和泉ちぬ　ほか

（順不同、敬称略、公式ＨＰより）