ネタバレあります、注意!!
第75話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いよいよ修学旅行当日がやって来た。
空港へのバスの中、それぞれがそれぞれの期待に胸を膨らませている。
シュノーケルを頭から被り、海の気分を先取りする葉子。
そんな葉子を笑いつつ、自身は既に水着姿の獅穂。
そして、それは普段真面目な渚でさえも同じこと。
なんと、出発直後にしてアロハ着用である。
周囲の岡までもが同様にアロハを着込んでいる。
服装こそ普段通りだが、かくいう朝陽も例外ではない。
旅先にて葉子の想いを確認しようとの野心に溢れていた。
……のだ、先程までは。
空港に到着した朝陽たちは一様に青褪めた表情で窓の外を眺めている。
其処には何時まで経っても飛び立たない飛行機があった。
そして、港内アナウンスが流れる。
「本日、天候悪化によりすべての便が出発を見合わせています」
そう、窓から眺める景色は土砂降りの大雨だったのである。
この状況下に朝陽たちはパニックを起こしていた。
うっすらと涙を流す者あれば、所構わず号泣し出す者あり。
嶋などは「へへへ……消えた。ナンパ、ナンパ」と口元から涎を垂らしつつ脱力状態で座り込んでいる。
まぁ、おそらく現地に着けたとはいえ嶋の夢は夢のままで終わるのだろうから此の状態の方が本人にとっては良いのかもしれない。
それはそれとして、それだけ彼らにとってこの事態が大きかったことは間違いないだろう。
もちろん、それは生徒だけに留まらない。
此処にも1人、傷心を抱えた人物が居たのである。
アロハシャツにサーフボードを抱えた教師・紅本明里が。
明里は呟く「すべて私の所為だ」と。
理由を問い質す朝陽に、明里は虚ろな目で外を示した。
其処には降り止まぬ雨の中、茜が何やら悪戦苦闘している。
もしや、茜がこの悪天候の原因なのか!?
そう疑う朝陽に明里は静かに首を振る。
むしろ、逆であった。
「生徒の邪魔はさせない!!」
茜はこれまでにない純粋な瞳でずぶ濡れになりつつ必死に悪天候と戦っていたのである。
茜らしからぬ台詞と行動に絶句する朝陽たち。
明里によれば、73話「メイド喫茶に行こう!」にて角を折ってしまって以降、あの調子らしい。
だからこそ、ギャップのあまりに悪天候になっていると主張する。
・「実は私は」第73話「メイド喫茶に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
どうやら、明里すらもこの状況にかなり参っているようだと頭を抱える朝陽。
しかし、これを傍で聞いていた獅穂は「それならば茜は無理でも、せめて自分たちが普段通りにすることで改善されるのでは」と大真面目に提案する。
どうやら、獅穂も相当に参っているようである。
だが、それは獅穂だけでは無かった。
これを聞いていた面々が揃って、この提案に乗ったのである。
まさかの展開に唖然とする朝陽を置いて、明里は「着替えて来る」と姿を消した。
その一方で、窓の外では茜が悪天候と戦いを続けている。
残された面々は普段通りの自分を演じるべく悪戦苦闘を始める。
まずは葉子だ。
「クールビューティー」を主張する葉子だが……雨は激しさを増すばかり。
しかし、お腹を鳴らした途端に雨の勢いが弱まった。
やっぱりと自身の仮説の正しさを主張する獅穂が続く。
ここぞとばかりに痴女力アピールを行うのだが……雹が降り出してしまう。
まさかの展開に「これまで無理してたんだ!!」とツッコム朝陽。
そして渚。
普段通りの制服に着替えたと思いきや胸に詰め物を……途端、空が稲光に覆われ出した。
「生徒を助けるんだ!!」
その間にもピュアな瞳の茜は悪天候と戦いを続けている。
しかし、どんどんと状況は悪化して行く。
渚に緊急通信が入った。
未曾有の隕石群が地球直撃コースで接近中らしい。
並行して、空が割れ中から何か異形のモノが溢れ出した。
これに茜が単身で戦いを挑む。
だが、葉子、獅穂、渚は頑なに「クールビューティー」「痴女」「胸の詰め物」を譲ろうとしない。
「もう、駄目だ……」
諦めの言葉を口にする朝陽。
誰か……誰か居ないのか。
「お〜〜〜う、待たせたな。お前たち」
其処に明里が戻って来た。
その姿を目にした全員が叫ぶ―――「これだ!!」と。
明里はジャージを着込んでいたのである。
すると突然、隕石群が方向を変えた。
中空から現れ出でようとしていた異形のモノは何処かへと消え去った。
雨は止み、先程までの悪天候が嘘のように晴れ渡った。
茜は呟く「それが普通なのだ」と。
こうして飛行機は無事に出発することとなった。
飛び立つソレに空港に残った茜が満面の笑顔で呼びかける。
「ボン・ヴォヤージュ(良い旅を!!)」と―――76話に続く。
充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、8巻も発売予定。
そして、本作かなり面白い!!
ちなみに、秋田書店公式HPのオンラインショップではとっても可愛い「実は私はタンプラー」が2014年8月20日まで予約受付中。
このタンプラー、小さい葉子や渚たちがグルグルと可愛く走り回ります。
お値段は1944円なり、欲しいィィィィィィィィ。
その75話。
此処に断言しよう、今回は必読の回だと。
内容に関わらず、何故かコマ割りが感動大作風。
そして、あのまま「第一部完」でも不思議ではないほどのテンション。
さらに、最後のコマの茜による「ボン・ヴォヤージュ(仏語で良い旅をの意味)」にはやられた。
見ないのは損だわ。
それにしても、今回の異変の原因は茜ではなく明里だったということで良いのでしょうか。
明里がトレードマークのジャージを手放したことにより、これだけの異変が起こったと。
だとすれば……もはや、明里の夢・ウェディングドレスは永遠に着ることが叶わないのだろうか。
少なくとも、結婚式もジャージ姿でなければならない枷を背負ったように思えますが……白馬の王子はジャージ着用を許してくれるのか。
なかなかにハードルが上がった気がします。
それにしても、まさかギャップによる天変地異を主張していた当人が原因だったとは意外でした。
それと、もはや周囲を憚らぬカップルぶりを見せる朝陽と葉子。
葉子はキバ剥き出しで朝陽にポカポカしてましたが、あれは周囲にバレているよねぇ。
でもって、空港にて見送ることとなった茜。
とはいえ、渚との約束もあるし茜のことだからあっさり現地で合流するんだろうなぁ。
だとすれば、角の折れたピュア茜は今回で見納めかもしれない。
この意味でも必読だな。
うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス8巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、銀華恋。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると9巻は、9巻は……誰だ!?
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第70話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第71話「答えを出そう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第72話「励まそう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第73話「メイド喫茶に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第74話「勝負しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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