2014年08月09日

「金田一少年の事件簿N」第4話「鬼火島解決!大どんでん返し驚愕の真犯人はお前だ!!(鬼火島殺人事件 後編)」(8月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿N」第4話「鬼火島解決!大どんでん返し驚愕の真犯人はお前だ!!(鬼火島殺人事件 後編)」(8月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

伊豆の孤島・不知火島にやってきたはじめ(山田涼介)、美雪(川口春奈)、佐木(有岡大貴)。不知火島は別名・鬼火島とも呼ばれ、恨みを持って死んでいった人たちが鬼火となって現れると言い伝えられていた。そこで連続殺人事件が発生。殺されたのは、不知火島で合宿をしていた不動総合病院の研修医・森村(前野朋哉)と椎名(増田貴久)。二人はいずれも首を吊った状態で目撃された。はじめは、合宿参加者のうちの誰かが鬼火島の伝説を利用して二人を殺害したと考える。
はじめは合宿の参加者を集め、椎名が殺されたと思われる時間に何をしていたか、事情を聞く。すると、新谷(森口瑤子)だけにアリバイがないことが分かり、新谷への疑いが深まる。
度重なる殺人事件に、一人でいるのが怖いと怯える美雪とはじめがいい感じになりかけた時、加藤(千葉雄大)が訪ねてくる。加藤は、次は自分が狙われるのではないかと恐れていた。はじめは、しぶしぶ加藤の部屋で彼と一晩を過ごすことに。加藤ははじめに、研修医仲間の一人である海老沢(間宮祥太朗)について語り始める。
海老沢は、いじめを受けていた。いじめを主導したのは森村だった。森村は、自らは手を下さず、海老沢と親友だった椎名に命じていじめさせるなど、陰湿なやり方で海老沢を追い詰めた。森村は不動総合病院の理事長の息子で、他の研修医たちの親も皆、不動総合病院で働いていたが、森村の親の部下だった。親の上下関係が子供にも影響する“院内カースト”が原因で、研修医たちは森村の命令に逆らえず、いじめに加担。その結果、海老沢は自殺を図り、今も意識不明の状態だった。
加藤と話していたはじめは急激な睡魔に襲われ、深い眠りに落ちてしまう。そして、はじめが目を覚ました時、第三の殺人が起こっていた。
残された合宿参加者全員に殺人の動機があり、犯人の可能性があった。
謎は深まるばかりだったが、はじめは驚愕の殺人トリックに気付く。
この連続殺人の犯人は、思いもよらない人物だった……!
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

・前編はこちら。
「金田一少年の事件簿N」第3話「夏合宿!開かずの間の鬼火怪談(鬼火島殺人事件 前編)」(8月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

伊豆の孤島・不知火島にアルバイトでやって来た金田一、美雪、佐木。
ところが、其処で殺人事件が発生することに。

被害者とされたのは、不知火島で合宿をしていた不動総合病院の研修医・森村と椎名。
森村は裏庭から死体で発見され、椎名は礼拝堂で梁から吊るされた状態で発見されたのである。
金田一は合宿参加者のうちの誰かが鬼火島の伝説を利用して殺人事件を起こしたと考える。

そんな中、礼拝堂への足跡の主が塚原であることが判明。
しかし、塚原は犯行を否定する。

そもそも金田一によれば足跡は関係ないらしい。
椎名が最後に確認されたのは11時。
その後、砂が降り始めたのだが、むしろ砂が降り始める前に犯行が行われた可能性が高いと考えているようだ。
この方針で各自のアリバイを確認したところ、新谷を除き全員にアリバイが確認されることに。

その夜、不安がる美雪は自室から鍵穴越しに覗き込みつつ、金田一と言葉を交わす。
金田一は美雪との距離を縮めるチャンス到来と喜ぶが……。

其処に加藤が現れる。
加藤は金田一に保護を求めたのだ。
あまりの加藤の怯えように、金田一は美雪との逢瀬を諦め加藤と共に彼の部屋で一晩を過ごすことに。

ほっとしたのか加藤はすべての動機と思われる海老沢について語り出す。

海老沢はイジメを受けていた。
海老沢も加藤たちと同じく不動総合病院に勤務する研修医の1人であった。
だが、海老沢は医者ではなくミステリ作家志望だったのだ。
これが森村の癇に障り、以降、陰湿なイジメが続けられた。

森村の遣り方は狡猾であった。
不動総合病院には研修医たちの親がそれぞれ勤務している。
森村の親が理事長、加藤は外科部長、椎名は普通の医者、海老沢は看護師である。
この親の力―――すなわち「院内カースト」が子に影響を及ぼした。
森村には誰も歯向かえないのだ。

それを知った上で森村は自身で手を下すことなく、加藤と海老沢の親友であった椎名に命令しイジメを実行させた。
椎名はそれまで親友として海老沢の夢を応援していたにも関わらず、彼を迫害し始めたのだ。
これにショックを受けた海老沢は自殺未遂を引き起こしてしまったのである。
以来、今も海老沢は意識不明の状態で不動総合病院に眠り続けている……。

海老沢へのイジメの首謀者・森村に続き、実行者である椎名が殺害されたことにより、加藤は次は自分だと怯えていたのである。

そんな加藤に白石の証言を語って聞かせる金田一。
「森村殺害時に梯子を運んでいる人物を見た」と述べた白石だが、運んでいた人物については頑なに明かそうとしなかった。
もしかすると、その人物が「院内カースト」で高い地位にあるからではないか……金田一は加藤に眠気を耐えつつ尋ねる。
これに、同じく眠気をこらえつつ応じる加藤。
しかし、何時しか2人とも眠り込んでしまい……。

次に金田一が目覚めたとき、その前には死体となった加藤が吊るされていた。
またも殺人事件が行われたのだ。

金田一は生き残った関係者を一堂に集める。
その場で川島を問い質す金田一。

実は梯子を運んでいたのは川島であった。
だからこそ、白石は名前を明かせなかったのだ。
これに、川島は椎名を驚かそうと肝試しの時間中に梯子を使い偽物の鬼火を飛ばしたことを認める。
椎名の部屋だとすれば金木犀の間だ。
しかし、金田一が鍵穴から鬼火を目撃したのは百日紅の間だったのだが……果たしてどうなっているのか?

川島は悪戯後に梯子を元に戻したと言う。
だが、当の梯子は消えていた。
川島の言葉が事実ならば、何者かが盗んだことになるが……。

さらに、新谷が海老沢の母親の妹であったことが判明する。
新谷によれば、海老沢の母は自身が無理に息子を医者にしようとしたことが彼を自殺に追いやったと思い込んでいるらしい。
だが、新谷の考えは異なっていた。
其処で、その自殺未遂の理由を研修医仲間から突き止められればと考えていたようだ。

とりあえずその場を解散した金田一。
1人になった美雪を口説こうとした金田一は、ふと自身が発した「2度目」との言葉に違和感を抱く。
そして、あることに気付いた。

金田一は新谷に梯子の盗難について問い質す。
すると、11時頃には消えていたらしい。
これに金田一は「梯子が2度消えた」と断言する。
やはり、何者かに盗まれたのだ。

その頃、川崎は礼拝堂に吊るされていた椎名を地面に下ろそうと悪戦苦闘していた。
しかし、梁が高過ぎて届かない。
椎名へ向けられたと思われる悪意の強さを感じる川崎は塚原が研修医たちを恨んでいるらしいことを気に掛けるが……。

同じ頃、金田一は梯子が消えたことには理由がある筈と考えていた。
さらに、先日受けた内視鏡検査を思い出しトリックに気付くことに。
そして、森村殺害直後に百日紅の間で聞こえた奇妙な音の正体とは!?

この事実から導き出された結論に金田一は驚愕する。
すべてのトリックが可能なのは1人しか居ないのだ。

金田一は剣持に海老沢の病室に置かれたパソコンを確認するよう依頼する。
其処にすべての謎が隠されているらしい。

数時間後、鬼火島に夜の帳が降りた。
闇の中、礼拝堂では人影がガソリンを周囲にばら撒くとライターで火を点けようとして……。

「止めるんだ!!」
間一髪のところを制止する金田一。
金田一の背後からは美雪、佐木、新谷、川崎、塚原、白石、川島たちが現れる。
彼らに向けて「この人が真犯人だ!!」と告発する金田一。

その視線の先に立っていたのは……梁から降りた椎名であった。
椎名の首吊り死体は彼自身による偽装だったのだ。

椎名は梁を跨がせるように渡したロープで身体を括り、梁を支点に自身を持ち上げた。
そして、身体を空中で制止させると上着を羽織り身体に括ったロープを覆い隠した。
その後、同じく天井から吊るしたロープに首を通し縊死を偽装したのだ。

梯子を隠したのも、もちろん椎名である。
生死を確認させない為であった。

では、森村はどうやって殺害されたのか。
ヒントは川島が悪戯で飛ばした鬼火にあった。
川島が飛ばした鬼火は椎名の部屋であった。

そう、実際の犯行は百日紅の間ではなく椎名の部屋。
すなわち、金木犀の間だったのだ。

このトリックを金田一は次のように説明する。

百日紅の間の鍵穴には内視鏡の画面が固定されていた。
その一方でカメラ部分を金木犀の間に向けて、リアルタイムで殺害を撮影したのだ。

犯行後、金田一たちが百日紅の間に立ち入る前に内視鏡を回収。
画面部分のパーツは扉前のゴミ箱へと廃棄されたのである。

そして、加藤殺害も椎名の犯行であった。
椎名は麻酔ガスを加藤の部屋に流し込み金田一ごと眠らせると、加藤を殺害したのである。

動機を問う新谷に、椎名は「海老沢への贖罪だ」と口にする。
椎名と海老沢は2人で小説を考えるほど親しい仲であった。
ところが、椎名は森村の権力に屈し海老沢をイジメてしまった。
これにより、海老沢は自殺未遂にまで追い込まれてしまった。

さらに、椎名は海老沢の遺書を盗んでしまっていた。
自分の名が書かれているのではないかと疑ったのだ。
ところが、遺書には椎名はおろか森村や加藤の名も無かった。
それどころか、海老沢があれほど大切にしていた小説を椎名に譲ってくれとされていた。

椎名は自殺を考えたが、森村と加藤も道連れにしようと決めたのだ。
さらに礼拝堂での首吊りを偽装したのは、海老沢の家族に迷惑をかけない為だと訴える椎名。

しかし、金田一はこれを否定する。
この連続殺人事件こそ、海老沢が書いていた小説の再現だったのである。
椎名は海老沢にだけ自分の犯行であることを伝えるべく、彼のトリックを使用したのだ。

金田一は剣持に海老沢のパソコンの中身を確認するよう依頼していた。
それにより、椎名の自殺未遂を察することが出来た。
海老沢の小説では真犯人が焼身自殺を完遂することで犯人不明で終わるものであった。
金田一が居なければ完全犯罪になるところだったのだ。

すべてを聞いた川崎は医者が人の命を奪うとは……と絶句するのであった。

数日後、台風が去り剣持たちが島に到着した。

其処で鬼火島の伝説は塚原が捏造したものであった。
身寄りの無い塚原にとって鬼火島の研修所が無くなることは行き場を失うことであった。
其処で拠所である研修施設を売却されないよう、鬼火島の伝説を作り出していたのだ。
だからこそ、今回の事件中も信憑性を高めるべく再三強調していたのである。

さらに、川崎が「今回の事件により研修医たちが命の大切さを知ってくれれば……」と語っていたと聞かされた金田一は「それだけが事件の収穫だった」と感想を述べるのであった。

不動高校に戻った金田一。
そんな金田一を部長の真壁は更なるミステリーへと誘う―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は『金田一少年の事件簿 鬼火島殺人事件』。
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今回は「鬼火島殺人事件 後編」でした。

オープニングの重大発表はプレゼントクイズのことでしたね。
問題は「森村が殺害された部屋は何の間か」とのもの。
ちなみに後編を最後までご覧頂いた方はお分かりかと思いますが、答えは「百日紅の間」……ではありません。
トリックが用いられていたので、その隣「金木犀の間」が正解でした。
これドラマ版では劇中の殆どで「金木犀の間」ではなく「椎名の部屋」との呼称で押し通してたから原作を知らないと難問になったかもしれないなぁ……。

そして、原作通りとはいえ意外な犯人の正体が明かされましたね。
こうして映像で視ると、なかなかのサプライズ!!
但し、アイキャッチでの椎名の「DEAD」表示は反則だよなぁ……。

登場人物一覧と死亡者を表現するアイキャッチにて「DEAD」表記はどうにも納得出来ない。
なにしろ、あれはミステリ小説での地の文にあたる箇所だろうし……。
映像化する以上、視聴者に登場人物を分かり易く表示する必要があるのならば、今回に限っては金田一のモノローグで1人ずつ取り上げる形で進めれば良かったと思うけどなぁ……。
だったら、作中人物の認識に当たるから誤認していてもアリだろうし。

あらすじでもその辺りにはいろいろ工夫を凝らしてみました。
作中人物が「思った」とされる箇所以外は「椎名が殺害された」との表記は避けてます。
これは前編も同じだったりします。

ちなみにこのトリック、「容疑者の網から何らかの形(死を偽装など)で逃げ出す」ということ「バールストン先攻法」と呼ばれています。
古典ではアガサ・クリスティの「あの作品」や、最近では下記リンクの『大癋見警部の事件簿 青森キリストの墓殺人事件』がこれに当たります。
ちなみに例として挙げた『大癋見警部の事件簿 青森キリストの墓殺人事件』は「バールストン先攻法」の使用が前提時点で明かされるのでネタバレにはなりません。
むしろ、逆手に取った作品です。
これが何を意味するのか……興味のある方は是非、チェックを!!

『大癋見警部の事件簿 青森キリストの墓殺人事件』(深水黎一郎著、光文社刊『ジャーロ』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

そう言えば、やっぱり真壁先輩のキャラは良いですね。
ただ、此処まで毎回何らかの形でクローズアップされると、レギュラー以外に原作と異なり何処かで何か重大なポジションを演じるのかもしれませんね。
少なくとも、そう視聴者に思わせるほど良いキャラしてます。

そして、5話についての情報ですが「金田一少年の決死行」のドラマ化になるようです。
こちらも前後編とのこと。
剣持が金田一に刺される!?
当然、高遠も登場する筈なので注目です!!

◆「狐火流し殺人事件」関連過去記事
「狐火流し殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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