ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧:
・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(必殺仕事人)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。
・黎盟高等学校演劇部篇(18話から)
神条くん:都立確立高等学校の演劇部員。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
安土礼雄:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣・ポローニアス役。
<ネタバレあらすじ>
【前回までのあらすじ】
お掃除依頼の相手を絞り込む為の前調査―――お使い依頼を引き受けた辻。
調べるべき対象は部員の自殺者や行方不明者が絶えないという「黎盟高等学校演劇部」である。
ところが、ひょんなことから黎盟高等学校演劇部の部長・砂織零子に見込まれた辻は「ハムレット」で主演を演じることとなった。
そんな中、黎盟高等学校演劇部の部員・安土礼雄が毒で入院。
さらに、廻部連、折葉メイ、灰猫硝までもが「ハムレット」のシナリオ通り殺害されて行くことに。
その真犯人は被害者と思われていた安土であった。
赤川と零子までもが凶刃に倒れ、辻は白雪と共にこの怪物に挑む!!
【今回あらすじ】
白雪のマイペース振りに自身の意図した芸術が乱され逆上する安土。
冷静さを失い「ぶっ殺してやる!!」と息巻くことに。
もはや、隙だらけである。
まさに好機なのだが……。
そんな安土をお掃除したい辻。
しかし、それには観客たちの存在がネックとなっている。
もしも、彼らの目の前で安土をお掃除すれば公開殺人になってしまうのだ……。
しかも、其処に零子が刑事を連れて駆け付ける。
どうやら、演劇部の部長に毒は通用しないらしい。
「こんなのは劇じゃない」と言い切る零子。
此の急展開に些か冷静さを取り戻した安土は「分かっていないのはあんたの方だ」とニヒルに笑う。
こうして、生まれた隙も消えてしまった。
しかも、駆け付けた零子たちにより更に手出しが出来ない状況である。
かといって、放置しておけば安土の被害者は増えるばかりとなるだろう。
そんな辻の戸惑いを感じた白雪はある行動を取る。
安土に背を向けるなり舞台袖に走り去ったのだ。
これに安土は「もう、お前には煩わされない」とばかりに距離を取りつつ、白雪の背中に剣を投擲する。
それは狙い違わず白雪に的中。
彼女は倒れ伏すが……その刹那、白雪の手が壁にかかった。
途端、舞台の照明が落ちる。
白雪は舞台袖にあった照明スイッチを切ったのだ。
真っ暗闇に包まれる舞台。
それでも安土は自身のシナリオを紡ぎ続ける。
其処には「暗闇ゆえに互いの位置が分からず手が出せない」と書かれていたが……。
その直後、安土の目の前に辻が現れた。
「何故!?」と驚く安土に「ペンの音だ」と告げる辻。
安土はシナリオを綴る自身の筆の音により、辻に居場所を教えてしまったのだ。
完全に隙を突かれた安土は呆気なく辻により自身が手にした剣で突き刺されてしまう。
直後、舞台に照明が灯る。
白雪が再点灯させたのだ。
彼女は無傷であった。
背中に投げつけられた剣は、あの白雪手製の改造台本により防がれていたのだ。
さて、あとは事態を演劇として終息させるだけである。
舞台上で起こった事態に混乱しざわつく観客たち。
その前で辻は「ああ、悩む余り自ら決着を望むなんて……」と声高に叫ぶ。
これを聞いた観客たちは安土が自らを刺したと納得してしまう。
(おい、待てよ……お前がやったんだろうが!!)
もはや死の床にある安土は必死に「辻にやられた」と訴えようとするが声にならない。
その最中、観客たちは安土の死をも恐れぬ演技に感動し、歓声と共にスタンディングオベーションを始める。
これを聞いた安土は「これこそ、俺が求めたものだ」と気付き、「ハムレット死す」と書き記すと満面の笑顔の中で散って行くのであった。
その観客の声を背に零子もまた舞台を後にする。
その頃、陸はある死体を前に困惑していた。
陸の眼前には一体のミイラが横たわっている。
本来は陸のお掃除対象であった人物だ。
だが、陸は知っているこの人物が昨日までは生存していたことを。
1日にしてミイラ化した遺体……一体、何が起こったのか。
新章に続く―――26話に続く。
演劇部編も遂に終劇!!
そして、謎の新章に突入!?
気になる展開は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「コミックフラッパー」にて「モコと歪んだ殺人鬼ども」を連載中の反転邪郎先生の新作が「週刊少年チャンピオン」で連載中です。
その新作「思春鬼のふたり」はなかなかにぶっ飛んだ設定が印象的な作品。
思春期真っ盛りの主人公・辻は悪を滅する掃除人こと必殺仕事人。
そんな辻の正体を知りつつ、彼を愛するストーカー少女・白雪。
果たして、2人はどうなるのか……的なストーリー。
そんな「思春鬼のふたり」コミックスが1巻に続き2巻も2014年8月8日に発売。
しかも「モコと歪んだ殺人鬼ども」4巻も発売。
まさに破竹の勢いの本作。
さて、その25話ですが……。
なんともミステリ的な展開を迎えた「演劇部編」も遂に完結となりました。
安土の癖(筆の音)が打開策となる点、良かったですね。
さらに、白雪の改造台本……やっぱり出た!!
きっちり伏線も回収されていて、此の点も良かったです!!
そして、続く新章は「1日にしてミイラ化する不可能犯罪」が発生と何ともミステリアスな雰囲気。
辻と白雪がこの謎に挑むのかな。
だとすれば、今度は「SPEC」的な感じになるのだろうか。
特に、ラストのミイラが登場したところで「フリーズドライ現象だと……まさかのマダム陽・陰なのか!?」と色めき立ってしまいました。
ちなみに「マダム陽・陰」については「劇場版SPEC天」を参照のこと。
・『劇場版 SPEC〜天〜』(西荻弓絵、豊田美加著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
もしかすると、新章のミイラ化現象の理由も同様のフリーズドライかもしれないな。
だとすると、黒金、安土に続く個性派の敵キャラが登場する予感。
それにしても、やっぱり白雪最強説は揺らがないな。
照明を切ったことはもちろん、安土さえ位置が分からないと明言した舞台上にも関わらず、辻が勝利したと確信してから照明を灯すあのワザは凄い。
あれは舞台上で決着が着いたことを察したからこその芸当。
と言うことは、白雪には舞台上のすべてが見えていたことになるのか。
さらに咄嗟に背中に台本を入れる適応能力も素晴らしい。
普通、あの分厚い台本をどうして背中に入れておこうと思うだろうか。
あれは安土が剣を投擲することを予期しての行動だろう。
だとすれば、自由自在に気配を消すことが出来、尾行能力に優れ、暗闇の中を見通し、相手の行動を予期することが出来る。
もはや、完璧なアサシンである。
「暗殺教室」に登場したとしても屈指の実力派になれそうなほどだ。
断言しよう、おそらく作中最強の殺し屋は白雪だ、と。
白雪が本気を出す日……その日こそ、WCOに激震が走る日なのではなかろうか。
辻君、まさに作中最強クラスのキャラを味方に付けているんだなぁ。
ある意味、「未来日記」の由乃を味方に付けた雪輝と同じ立場かもしれない。
もしかすると、本作1話で述べたあの説が此処に来て甦って来るのかも……なんてね。
・「思春鬼のふたり」第1話「出逢ったふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・少年エース連載「未来日記」(えすのサカエ作)が遂に完結&最終話ネタバレ批評(レビュー)
おおおおおおっ、いろいろと気になる!!
果たして、次回は如何なる展開を迎えるのか……注目です!!
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「思春鬼のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)1話から20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「思春鬼のふたり」第21話「舞台外のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第22話「すれ違いのふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第23話「主役がふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「思春鬼のふたり」第24話「劇中のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
登場人物一覧:
・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(連続殺人鬼)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。
・もう1人の掃除人篇(1話から5話まで)
深海末姫:辻と白雪の前に現れた少女。「もう1人の掃除人」を名乗る。
諏訪:深海のクラスメート。実はWCOの掃除人。6話で小鹿に処刑される。
・辻の過去篇(6話)
辻の両親:何者かにより惨殺される。
・解体魔篇(7話から10話まで)
黒金:辻たちが通う学校の教師。女性。
若丸:黒金が招いた病院の医師。男性。
・星野銀華篇(11話から17話まで)
星野銀華:元WCOのお掃除人。だが、WCOを離脱する。
園長:辻と白雪が遊びに出かけた動物園の園長。
高倉さとみ:星野銀華に大きな影響を与えた人物。
木田雷:夜刃音珠(ヨハネス)のリーダー。
大雁江美:雷に狙われた一家の一人娘。
・黎盟高等学校演劇部篇(18話から)
神条くん:都立確立高等学校の演劇部員。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
安土礼雄:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣・ポローニアス役。
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