ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
真冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体で発見される。偶然乗り合わせた名探偵ポアロが捜査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが……ミステリの魅力が詰まった永遠の名作の新訳版。(解説:有栖川有栖/期間限定カバー:谷口ジロー)
(早川書房公式HPより)
<感想>
アガサ・クリスティーが著した有名な余りにも有名な作品です。
同時に、本作を認めるか否かが「本格ミステリファンの試金石」とも言える作品です。
これは『アクロイド殺し』と『そして誰もいなくなった』にも同様のことが言えるでしょう。
反面、それだけエポックメイキングな作品。
さて、あなたは本作をどう捉えるか!?
是非、本作それ自体を読んでみて確認してください。
ちなみに、本作は2015年初春にフジテレビ系列にて2夜連続で翻案ドラマ化されることが判明しています。
こちらもチェック!!
・アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』が初の邦版翻案ドラマ化!!その名は「オリエント急行殺人事件」!!
<ネタバレあらすじ>
ある事件を解決した帰路のこと、「オリエント急行」に乗車したポワロは同乗していた大富豪に助けを求められる。
だが、大富豪から漂う剣呑な雰囲気にポワロはこれを断った。
その夜、当の大富豪・ラチェットが全身に12ヶ所の刺し傷を負い絶命する。
殺人事件である。
現場からは「デイジー・アームストロング」に関する手紙が発見され、ポワロはラチェットから感じた剣呑な雰囲気の正体に思い当たる。
ラチェットこそは「デイジー・アームストロング誘拐殺人事件」の犯人とされながら、公判で無罪を言い渡された人物だったのだ。
だが、ポワロは彼こそが犯人だと確信していた。
それほど、ラチェットは危険な人物だったのだ。
そんな中、ポワロはコンスタンチン博士と共にラチェット殺害犯を追うことに。
容疑者たちを絞り込むポワロ。
様々な状況から犯行可能なのは同じ車両に同乗していた12名しかあり得ないことが判明。
だが、互いに互いのアリバイを主張し合い、誰にも犯行が不可能な状況となってしまう。
各人から証言を集めたポワロは一見、関係性の無さそうな乗客たちの間にある繋がりを発見する。
こうして、関係者を集めたポワロは自身の推理を述べ始める。
だが、普段に比べ何故か歯切れの悪いポワロは、彼らしくも無く2つの推理を披露する。
1つ目はラチェットの命を狙っていた外部の人間による犯行説である。
犯人は外から侵入し、ラチェットを殺害するとまた外へと脱出したとのものだ。
しかし、これにコンスタンチン博士が反発する。
彼の検死結果と適合しないと主張したのだ。
これを受けてポワロは第2の推理を述べる。
それは余りにも大胆なモノ―――なんと、同乗していた11人と車掌が共謀し殺害したとのモノであった。
動機は「デイジー・アームストロング誘拐殺人事件」の復讐であった。
ラチェットは法廷に立たされたが、罪に問われなかった。
これを不服としたアームストロング家の縁者が集い、復讐したのである。
刺し傷が12ヶ所あったのもこの為であった。
彼らは彼ら自身が陪審員となり、ラチェットを裁いたのだ。
中でも首謀者であるハバード夫人の正体は殺されたデイジーの祖母で大女優リンダ・アーデンその人だったのである。
「他の者に罪は無い」と訴える彼女の懇願を聞いたポワロはコンスタンチン博士に問う。
「果たして、1つ目と2つ目、いずれの推理が真相として相応しいか」と。
コンスタンチン博士は「いやぁ、面目ない。どうやら私が勘違いしていたようですな」と述べ、外部犯行説を支持するのであった―――エンド。
・こちらはドラマ版。
フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第1夜(前編) 原作アガサ・クリスティ 黒幕三谷幸喜 史上最も豪華な容疑者たち・世紀の話題作は今夜発進!」(1月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第2夜(後編) 原作アガサクリスティ 黒幕三谷幸喜 犯人側から事件を描く世界が初めて目にする復讐劇・今夜完結!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
◆「アガサ・クリスティー」関連過去記事
【映画化関連情報】
・【速報】ミス・マープルものがディズニーで映画化されるとのこと!!
・アガサ・クリスティ原作「ねじれた家(Crooked House)」が映画化!!
・アガサ・クリスティー原作映画「ねじれた家」キャスト発表!!
【書評(レビュー)】
・「ホロー荘の殺人」ネタバレ書評(レビュー)
「ホロー荘の殺人」(アガサ・クリスティー著、中村能三訳、早川書房刊)
・ポアロシリーズ最終作「カーテン」ネタバレ書評(レビュー)はこちらから。
「カーテン」(アガサ・クリスティー著・中村能三訳 、ハヤカワ書房刊)
・「ねじれた家」(アガサ・クリスティ著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)
【イベントその他】
・アガサ・クリスティー生誕120年展覧会開催中!!
・金沢にてアガサ・クリスティー原作「検察側の証人」舞台上演決定!!
・舞台「検察側の証人」東京公演決定!!
・「名探偵ポワロ」ニュー・シーズン DVD-BOX3は2010年12月3日発売開始!!
・アガサ・クリスティ「ポアロにうんざり」発言にファン「え〜〜〜っ!!」と叫ぶ
・「ザ・リッツ・カールトン大阪」にて「アガサ・クリスティー ナイト」開催!!
・【注目】「アガサ・クリスティ大事典」が話題に
・「名探偵ポワロ DVDコレクション」刊行中!!
・映画「オリエント急行殺人事件」がリメイクとのこと!!
・シュワちゃんがアガサ・クリスティ原作映画に出演!?「そして(敵が)誰もいなくなった」な映画のタイトルは「サボタージュ(原題)」!!
・遂にデビッド・スーシェ版「名探偵ポワロ」が最終シーズンに突入!!最終話「カーテン」はNHKさんBSプレミアムにて2014年10月6日21時より放送予定!!
・アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』が初の邦版翻案ドラマ化!!その名は「オリエント急行殺人事件」!!
アガサ・クリスティを語るには下記の3作は必須!!
是非、この機会に一読を!!
もちろん、これに『ABC殺人事件』を加えても良し!!
【関連する記事】
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