ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
今回は長編も丸ごと一本掲載!
ベストセラー作家勢揃いで贈る「宝石 ザ ミステリー」。
今回は新たな試みとして五十嵐貴久氏の長編も収録。
長編+短編集でまさに2冊分のおもしろさを、とことんお楽しみください!
東野圭吾 湊かなえ 笹本稜平 大山誠一郎 小杉健治 田中啓文 五十嵐貴久
(光文社公式HPより)
<感想>
毎年年末の風物詩となっている光文社刊『宝石 ザ ミステリー』。
今年は夏にも臨時増刊が発行されることに。
そして、その中には東野圭吾先生の作品も掲載されていて……。
というワケで、早速、読んでみました。
そのタイトルは『君の瞳に乾杯』。
良くある決め台詞ですが、これが東野先生の手にかかると意外な物語へと変貌を遂げることに。
これ、内村は最初から異性としてではなく職業柄で気にかけたんだろうなぁ……。
ちなみに、そのヒントが過去記事にありました。
これです。
ちなみに、この過去記事については少なくとも本作を読んでから目を通して頂きたい。
先に読んでしまうと本作を楽しむに支障が生じる恐れがあるので。
・「ミアタリ」って?
さて、そんな本作『君の瞳に乾杯』ですが、この内容がなかなかに面白い。
特に作中でアニメのタイトルが羅列して行く様子が興味深い。
ファンは是非、チェックすべし!!
<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
内村:通称「うっちー」、実はある秘密が……。
モモカ:内村が出会った女性。キャバクラで働いている。
柳田:内村の大学時代の同級生。
ハマさん:内村の競馬仲間……と思いきや。
「おう、うっちー、どうだい調子は?」
突然かけられた声に「うっちー」こと内村は驚き慌てることに。
此処は競馬場である。彼を見知っている者など本来、限られている筈なのだが。
恐る恐る振り返ってみれば、其処にはよくよく見知った顔が。
誰あろうハマさんだ。
「いや〜〜〜駄目ですねぇ。本命も来ないし」
内村は安堵の溜息を吐きつつ、残念そうに応じる。
と、其処に誰かがやって来た。
どうやら、内村の客人のようだ。
これに気付いたハマさんは遠慮がちに慌ててその場を去って行く。
「よう、久しぶり!!」
現れたのは大学時代の同級生・柳田だ。
お互いに社会に出て何年になるだろうか……偶然とはいえ、出来過ぎた再会である。
何やら考え込む内村に、柳田は「そう言えば……」と告げる。
なんでも、合コンを予定しており男性の人数が不足しているらしい。
これを聞いた内村は「彼女いない歴」に終止符を打つべく立候補することに。
合コン当日、内村は女性陣の中に運命の人を見つけた。
彼女の名はモモカ、キャバクラに勤務する女性である。
内村は一目で彼女の虜になってしまった。
モモカはアニメ好き。
内村は「実は……」と自身もアニメ好きであることを打ち明けた。
以来、2人は共通の趣味で意気投合する。
こうして、内村は合コン後もモモカと交際を重ねることに。
しかし、モモカは自身のことになると口を開こうとしない。
そんなモモカに余計に興味を惹かれる内村。
だが、蜜月は長く続かなかった。
ある日、モモカは内村を友達としてしか見ていないと告げる。
これにショックを受けた内村は「君は運命の人なんだ」と繰り返す。
業を煮やしたモモカは内村を失望させるべく化粧とコンタクトレンズを外す。
ところが、これを目にした内村はなおさら熱心に「君を逃がすワケにはいかない」と語り出した……。
数日後、内村は思わぬ手柄に嬉しいやら悲しいやら複雑な感情を抱いていた。
実はモモカは指名手配中の逃亡犯が整形した姿であった。
だから、自身の状況に触れられることを避けたのだ。
そして、内村は「見当たり捜査官」だったのである。
「見当たり捜査官」とは膨大な数の指名手配犯の顔やデータを記憶し街角などでそれと思しき人物を探し続ける刑事のこと。
冒頭で内村が競馬場に居たのも捜査の一環。
「本命」とは「指名手配犯」のことであった。
もちろん、ハマさんも同僚である。
だから、軽く声を掛け合うことはあっても互いに目立つことは避けねばならなかった。
そう、奇しくも内村とモモカは天敵同士だったのだ。
とはいえ、内村がその関係に気付いたのはモモカがコンタクトを外した直後であった。
整形しているとはいえ、目元には特徴が残るモノ。
コンタクトを外したことでようやくこれに気付いたのだ。
それまで全く気付かなかったのは不覚であった。
あのときモモカが手配犯だと気付くまで内村の気持ちは本物であった。
すなわち、内村がアニメ好きなのも事実である。
これには深い理由があった。
仕事柄仕方ないのだが、四六時中、注意して人の顔を見続けていると疲れる。
それなのに実写ドラマを視たのでは仕事の延長線上に感じて寛げないのだ。
そんな仕事から唯一解放されるのがアニメだったのである―――エンド。
◆関連過去記事
【東野圭吾先生原作ドラマ関連】
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・金曜プレステージ 東野圭吾スペシャル 探偵倶楽部「大ヒット原作ドラマ化!名探偵最強コンビ誕生!大物社長突然の失踪に隠されたセレブ一族の醜い骨肉の争い…消える死体…驚愕密室トリックを暴け!」(10月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「流星の絆」(TBS系、2008年)
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・土曜ドラマスペシャル「使命と魂のリミット(後編) 極限状況の大手術!結末に待つものは?」(11月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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【東野圭吾先生著作ネタバレ書評(レビュー)】
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・「白夜行」(東野圭吾著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「幻夜」(東野圭吾著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「殺意取扱説明書(毒笑小説より)」(東野圭吾著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「夜明けの街で」(東野圭吾著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「11文字の殺人」(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「ブルータスの心臓」(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「回廊亭殺人事件」(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「ゲームの名は誘拐」(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『秘密』(東野圭吾著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『犯人のいない殺人の夜』(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『使命と魂のリミット』(東野圭吾著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『分身』(東野圭吾著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『変身』(東野圭吾著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『プラチナデータ』(東野圭吾著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『怪しい人びと』(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『あの頃の誰か』(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『さまよう刃』(東野圭吾著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『白銀ジャック』(東野圭吾著、実業之日本社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『疾風ロンド』(東野圭吾著、実業之日本社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『天空の蜂』(東野圭吾著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『東野圭吾公式ガイド 読者1万人が選んだ東野作品人気ランキング発表』(東野圭吾作家生活25周年祭り実行委員会編、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
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・韓国版『容疑者Xの献身』こと『容疑者X 天才数学者のアリバイ』が2013年4月20日より日本公開とのこと!!
・東野圭吾先生『さまよう刃』が韓国にて映画化!!
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・東野圭吾先生、加賀シリーズ最新作(第10弾)発売決定!!タイトルは『祈りの幕が下りる時』とのこと!!
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