ネタバレあります、注意!!
第78話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
愛娘・葉子を修学旅行の為に海外へ送り出した源二郎は気が気でない。
それが解放的な気分に浸れる禁断の南国ともなればなおさらだ。
ああっ、南国が葉子に過ちを犯させたらどうしよう……。
おのれ、南国。
許せぬ、南国。
自身で妄想を深めるうちに居ても立っても居られなくなった源二郎。
そんな源二郎に桐子は「まさか、其処までではあるまい」と思いつつも、吸血鬼の源二郎は海を渡れない(海自体が大きな流水の役割を果たす為)ことを念押ししつつ外出するのであった。
しかし、桐子は夫を甘く見過ぎていた。
源二郎はソレをやるから源二郎なのだ。
1人きりになったことで余計に不安に駆られた源二郎は、もはや待ってはおれんとばかりに飛び出して行こうとするが……。
その目の前に立ち塞がったのは天使の羽根を持つ少女、すなわち華恋だ。
華恋は桐子からの依頼として、源二郎を留め置くと宣言する。
その第一歩として、南国を忘れるように白神家の庭に炬燵を用意したそうなのだが。
ところが、其処にはトロピカルテイストな衣装に身を包み、これまたトロピカルジュースを楽しむ茜の姿が。
その周囲はまさに南国と化している。
「な、何をしてくれちゃってるのよ、茜ぇ〜〜〜」
早くも動揺しきりの華恋。
その隣では、葉子のことを思い出した源二郎が不安に駆られている。
これに茜は「いや、奴らを修学旅行にやってしまって暇だから」と応じる。
どうやら、茜は角も回復し完全復調なっている様子だ。
口調もいつも通りである。
さらに、ポツリと渚の願いも叶えたし……とまで口にする。
一方、「このままではマズイ」と華恋は必死に源二郎を押し留めようとしていた。
こんな光景を見れば、今の源二郎の精神的ダメージは計り知れないだろう。
「銀、安心せい」
そんな華恋に一声かける源二郎。
どうやら、まだまだ余裕はあるようだ。
源二郎は「これは南国へ向かわせようとする悪魔(茜)との精神的な戦いだ」と宣言する。
「ほう、戦い!?」
茜は挑発的に微笑むと、眷属である烏を周囲に呼び出す。
対照的に源二郎の周囲には蝙蝠が集まり始めた。
(遂に戦いが始まるのね……)
息を飲む華恋の前で茜が口火を切る。
「お前の娘と黒峰朝陽は同じ班だぞ」
この一言にその場に膝を着く源二郎。
もはや、ノックアウトされてしまったようだ。
「あ、茜ぇ〜〜〜」
「あ、あれ、まだジャブだぞ……」
茜を批判する華恋に、まさかの小手試しで源二郎の心をへし折ってしまったと戸惑う茜。
「いや、2人でイルカを楽しんでたとか、まだまだあるんだが……」
余りの早期決着に動揺する茜たち。
ところが、その隙を突き源二郎が立ち上がった。
「葉子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、あかんぞぉぉぉぉぉぉぉ」
身を翻すや、飛行形態を取り飛び立っていく源二郎。
向かった先は葉子が旅行中の南国だろう。
どうやら、完全に心が折れてしまったようだ。
「どうすんのよ、茜ぇぇぇぇぇ」
「いや、どうしようもない。海を渡れる筈もなし、直に戻って来るだろう」
困り果てた様子の華恋とは対照的に「まぁ、無理だろうな」と余裕を取り戻した茜。
その頃、源二郎はマッハのスピードで海を越えようとして……。
ぶるり(身体が震える音)。
バランスを崩し見事に落水していた。
数分後、全身ずぶ濡れで白神家へ戻って来た源二郎。
「いや、頭を冷やして来ただけだ」と洩らす彼に「良かった。まだ強がりを言える元気はあるのね、源二郎」と喜ぶ華恋。
華恋はその前でつい、朝陽と葉子の遊園地デートについて口を滑らせてしまう。
「葉子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、あかんぞぉぉぉぉぉぉぉ」
途端、再び飛び出して行く源二郎。
そして、落水。
戻って来た源二郎の前で、華恋は茜にひそひそと呟く。
「ねぇ、もしも、キスのことを伝えたら大変なことになるんじゃないかしら」
「うむ」
これには茜も同意した様子で神妙に頷く。
もはや、腫物に触るように源二郎を傷付けまいと対応する華恋。
これに源二郎は熱く訴える―――如何に娘が大事かを。
これを聞いていた華恋の表情が変わった。
そんなにまで想っているなんて……なんとか力になって上げたい。
本来の目的を忘れた華恋に、間違った頑張りスイッチが入る。
「分かったわ、私が海では支えて上げる」
華恋の羽根は彼女1人を支えるのに精いっぱい。
巨人の源二郎を支えられよう筈もない。
あれ、流石に体格差があり過ぎてこれは無理なんじゃ……全身で疑問を呈しつつ従う源二郎。
こうして飛び立った2人だが、案の定、落水して白神家へ。
茜はこの間もトロピカルを楽しんでいる。
そんな茜の姿を目にした源二郎は、葉子恋しさのあまりに錯乱し叫ぶ。
「南国に娘を盗られた」と。
これを聞いた華恋は……。
「そうだわ、此処に南国を作って呼び戻せば良いのよ」
華恋はこれ以上ない妙案だと言った表情。
これに源二郎もいつしか「それしかない」と頷いていた。
その傍らでは想像以上の面白展開にニヤける茜の姿が……。
数時間後、苦労の末に其処には立派な南国が出来上がっていた。
閑静な佇まいを見せていた白神家の様相はもはや何処にも見出せない。
「やってのけたわね」
満足げに額の汗を拭う華恋。
これに「おう」と応じる源二郎。
2人を充実感が包んでいた。
さて、その背後では一部始終を密告した茜に連れられ、これ以上ない殺気が接近していた。
言わずもがな、自宅を勝手にリフォームされた被害者・桐子が帰宅したのだ。
その手は怒りに震えていた。
どうやら、白神家の南国にはスコールでは無く血の雨が降りそうな気配である―――79話に続く。
充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、8巻も発売予定。
そして、本作かなり面白い!!
その78話。
親世代が描かれましたね。
源二郎、桐子、華恋の学生時代も同じような感じだったんだろうなということが窺えるエピソードでしたね。
暴走する源二郎。
意図せずこれを加速させる華恋。
それをニヤつきながら眺める茜(または煽る)。
ツッコミ役の桐子と。
あれ、この構図は何処かで……って朝陽たちの状況と被るのか。
暴走する葉子(獅穂)。
意図せずこれを加速させる渚。
それをニヤつきながら眺める茜(または煽る)。
ツッコミ役の朝陽(あるいは明里)と。
なかなかに親世代も波乱含みだったのかも。
そして、ラストの茜の密告する表情がなかなかに良い。
それにしても、心の綺麗な茜は75話だけで終わりかぁ……短かったな。
・「実は私は」第75話「修学旅行へ行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
そして、渚人間大化の約束はどうやら既に何らかの方法で可能な状態になっているらしい。
次回は遂に渚人間大化エピソードが来るか!?
うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス8巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、銀華恋。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると9巻は、9巻は……誰だ!?
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第70話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第71話「答えを出そう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第72話「励まそう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第73話「メイド喫茶に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第74話「勝負しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第75話「修学旅行へ行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第76話「修学旅行を楽しもう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第77話「カリスマを超えよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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