ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
今回は長編も丸ごと一本掲載!
ベストセラー作家勢揃いで贈る「宝石 ザ ミステリー」。
今回は新たな試みとして五十嵐貴久氏の長編も収録。
長編+短編集でまさに2冊分のおもしろさを、とことんお楽しみください!
東野圭吾 湊かなえ 笹本稜平 大山誠一郎 小杉健治 田中啓文 五十嵐貴久
(光文社公式HPより)
<感想>
男が凶行に及んだ動機について訳知り顔に語り出す女。
果たして、何が男を凶行に走らせたのか?
まさに「自分に酔う」との言葉が相応しい―――そんな短編です。
作中では名前が登場する2人ですが、雰囲気重視で男女のみの表記にアレンジしました。
それに伴い内容もかなり異なっています。
興味のある方は本作そのものを読むべし!!
<ネタバレあらすじ>
女が刑事に向けて語り始めた。
その内容は彼女が知る男の半生について。
男は大量通り魔殺人事件の犯人として逮捕されていた。
男は休日に家族連れで賑わう家電量販店で奇声を上げながら包丁を振り回し、多くの人を死傷させたのだ。
これに間違いはない。
だが、女は言う。
男が犯行に及んだ動機が片親に育てられたから……と偏見の目で報じられることだけは許せない、と。
そんな女は男の幼馴染だそうだ。
女は自身を「罪深き女」だと語るが……。
女によれば、男とは共に孤独を抱えて育ったらしい。
辛い時も楽しい時も幼馴染として共に支え合って生活して来たと言う。
だが、長じるにつれ2人の距離は広がって行った。
やがて、交流が失われたある日、女は男と再会した。
其処で、自身が今送っている恵まれた生活について語ってしまったのだそうだ。
さらに連絡先まで教えたらしい。
その直後のことだったそうである、男が凶行に及んだのは。
女は男が未だ孤独で居るにも関わらず、その前で恵まれていることをひけらかした為に追い詰めてしまったとさめざめと泣き始めるのだが。
翌日、女の供述を録音していた刑事はこれを男に聞かせる。
すると、男は嘘では無く心の底から不思議がる様子であった。
なんと、女の言葉はまるきりの出鱈目だったのである。
男が犯行に及んだ理由はまったく別のものであった―――エンド。
◆関連過去記事
【ネタバレ書評(レビュー)】
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(湊かなえ先生『望郷、夢の国』についてネタバレ書評)
・『長井優介へ』(湊かなえ著、文藝春秋社刊『別冊 文芸春秋 2012年7月号』)ネタバレ書評(レビュー)
・『白ゆき姫殺人事件』(湊かなえ著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『夜行観覧車』(湊かなえ著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『蚤取り』(湊かなえ著、光文社刊『宝石 ザ ミステリー2』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『花の鎖』(湊かなえ著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ】
・ドラマスペシャル 境遇「あの“告白”の湊かなえ初のドラマ書き下ろしミステリーすべては幼児誘拐から始まった!過去に翻弄された女達…35年前の殺人事件に驚愕の謎」(12月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・秋のスペシャルドラマ「秋の特別サスペンス 湊かなえ原作 花の鎖 ベストセラー待望のドラマ化!夫の疑惑死 謎の男Kに狂わされた3人の女達!毎年届く謎の花束…家族の秘密 冒頭60分に潜むワナ!衝撃のラストに震撼」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【その他情報】
・“本の雑誌”こと「ダ・ヴィンチ」にて湊かなえ先生特集が掲載、しかも古屋兎丸先生によるコミック版「贖罪」も!!
・2010年公開ミステリ系映画(「告白」、「悪人」、「インシテミル」)、DVD化続々
・湊かなえ先生『贖罪』がドラマ化!!
・湊かなえ先生原作『二十年後の宿題』(『往復書簡』収録)が映画化!!そこには意外なエピソードが……
・湊かなえ先生がドラマシナリオを!!フジテレビ系列土曜ドラマ「高校入試」に注目か!?
・【ドラマ情報】湊かなえ先生『夜行観覧車』(双葉社刊)がTBS系金曜23時枠にて連続ドラマ化決定!!
・湊かなえ先生原作『花の鎖』がスペシャルドラマ化か!!
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