2014年09月15日

「最強少女さゆり」第28話(33話)「プリンセス小堺」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第28話(33話)「プリンセス小堺」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

ちなみに登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ある日の昼食時である。
今日はさゆりは源さんと虫取りに出掛け、豪田も老人会の旅行で不在。
結果、豪田家では居候コンビことリコスとバニーの二人きりとなっていた。

そして今、台所ではリコスが昼食づくりに奮闘している。
えっ、バニーはって?

ああ、バニーなら食卓のテーブルで膝を抱えて泣いてたぜ……ってのがあながちウソでも無く。
相変わらずの不器用スキルを発揮して、食卓で自身の不甲斐なさに涙目で膝を抱えていた。

そんなバニーをそれとなく励ますリコス。
とはいえ、何も出来ないバニーは自身で自身を責め続けていた。

と、其処へ……。

ピンポーン!!
来客を告げるインターホンが!!

「出るぞ、私が応対に出るからな!!」
ようやく仕事を見つけたバニーはリコスに勢いよく宣言。
些か引き気味のリコスを置いて、勇躍玄関口へと走った。

「は〜〜〜い?」
ところが、玄関口には誰も居ない。

(あれ?)
首を傾げるバニーの視界に何やらニョッキリと肘から生えた腕だけが映る。
どうやら、この腕がインターホンを押したらしい。

「おい、顔を見せないか。失礼だぞ!!」
相手の正体を知るべく、腕を掴もうと勢いよく玄関を開けるバニー。
しかし、其処には誰も居ない。
腕さえも消えてしまった。

混乱するバニーに「こっち、こっち」と手招きと共に声が。
慌てて振り返ると、豪田宅の角に例の腕があった。
そして、バニーを指すなり「小堺イリュージョン!」と叫んだのだ。

さっきまで玄関前に居た筈が、何故、あの場所に!?
呆気にとられるバニーだったが……。

とりあえず、小堺を家に上げることになったバニー。
リコスも呼んで事情を尋ねることに。

腕(それは自身を小堺と名乗った)によれば、彼女は彩花の友人で豪田家の隣人らしい。
これまで、彩花に頼まれ豪田とさゆりの世話をしていたのは彼女。
だが、母の体調が芳しくなく看病の為に田舎に戻っていたのだそうだ。
それが、容態も安定したので再び戻って来たそうである。

なるほど〜〜〜と深く納得するリコス。
彼にとってみれば、自分たちが訪れる前に豪田とさゆりが生活出来ていた理由が不思議でならなかったらしい。
これで謎が1つ解けたワケだ。

ところが、その目の前で新たな謎が芽生えつつあった。
目の前の小堺さんだ。

実は小堺さん。
こうして事情を語っている間も襖に身体を隠し、腕しか見せていない。
なんでも極度の恥ずかしがり屋だそうで、初顔合わせのリコスたちに緊張しているのだそうだ。
だから、顔を見せられないらしい。

これを聞いているうちに、リコスに好奇心が湧き起こった。
リコスはつかつかと襖に近付くと小堺さんの腕を掴んで引っ張り出そうとするが……。

腕はあっさりとすっぽ抜けた。
さらに腕に繋がって万国旗がズルズルと引き摺られて行く。
まるで手品である。

「小堺イリュージョン!」
そして、廊下側からニョッキリ伸びた腕と共に決め台詞である。

小堺さんによれば、皆が皆、リコスと同様の反応を示すのでその対応に苦慮しているうちにこれらの芸当が出来るようになったらしい。

先程の瞬間移動に続き、その手並みに感心するバニー。
一方、リコスは不満そうである。

あくまで姿を見せるよう要求するリコス。
困った小堺さんは窮余の一策に出る。

シーツを頭から被り腕だけを露出した状態で客間に現れたのだ。
これを見ていたリコスに先程と同じ衝動が甦る。

リコスはバニーの制止も虚しく小堺さんへと飛び掛かる。
これまたなかなかの手際でシーツを剥ぎ取るのだが……。

その下から現れたのは先程と同じくシーツに包まれた小堺さんであった。
これにリコスは同じ行動を繰り返す。

しかし、何度となくシーツが宙に舞うものの、一向に小堺さんの正体は見えてこない。
まるで、マトリョーシカである。
とはいえ、いずれは限界が来る筈だが……。

そうこうしている内に不意に小堺さんの姿が消えてしまった。
同時にリコスも掻き消えた。

「えっ、えっ?」
慌てるバニー。

すると、襖側からニョッキリと生えた腕が。
そして……「小堺イリュージョン!」の決め台詞。

どうやら、またも小堺さんの秘奥義が炸裂したようだ。
呆然とするバニーの前で、小堺さんは「では、挨拶は終わったので」と帰ろうとしてしまう。

慌ててリコスの所在を問うバニー。
すると……なんと押入れからリコスが飛び出して来たではないか!!
伸びているリコス、戸惑うバニーを他所に小堺さんは今度こそ帰ってしまうのであった。

その夜、バニーはさゆりに小堺さんを知っているか尋ねる。
これにさゆりは一言「あっ、手の人でしゅね」と応じるのであった。
どうやら、さゆりの前でも同様だったようだ―――次回に続く。

コマ割りと展開が魅力の作品です。
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの28話(通算33話)。
サブタイトルは「プリンセス小堺」。
おそらくタイトルは「引田天功」こと「プリンセス天功さん」をもじったものか。

それにしても、面白かった。
物凄く面白かった。
個人的にはシリーズでも3本の指に入るほどの面白さ。

その理由が1人のキャラの登場にある。
その名は「小堺さん」。
まさに「最終兵器爆誕!!」とでも言うべきほどの破壊力のあるキャラだ。

「最強少女」が「さゆり」ならば、「最終兵器」は「小堺さん」と言えるほどのインパクトと破壊力。
その破壊力は思わず何度も見直したほど。
これほどのインパクトのキャラは此処数年記憶に無い……それくらい濃く、面白い。

特に、決め台詞「小堺イリュージョン!」にやられた。
既に決め台詞持ちなんだもんなぁ……。

「週刊少年チャンピオン」連載の漫画で、マジシャン(イリュージョニスト)系でここまでインパクトのあるキャラと言えば、佐渡川準先生「無敵看板娘」の辻以来か。
そう言えば、極度の人見知りとの面で共通点もあるな。
とはいえ、インパクトで言えば小堺さんが上回っていると言っても過言ではない。
何しろ、腕だけだもん。
それくらいの良キャラ。

ただ、小堺さんはある意味で壮絶な出オチキャラとも言えるので今後どう活かすかが課題になりそう。
とりあえず、「マールィにお任せを」ことインリン・マールィと絡ませたら物凄い化学反応を生み出しそうな予感はある。
しかし、辻と異なり特徴が特徴だけに他のキャラと絡ませるのは難しそうかなぁ。
どう活かすかが問われるキャラになりそう。

ちなみに、この小堺さん結婚指輪をしています。
ということは人妻キャラなのでしょう。
だとすると、既に旦那さんの設定も決まって居そう。
もしも似たモノ夫婦設定だとすると、奥さんの腕に対抗し足だけのご主人登場なるか!?
夫婦揃うとインパクトも倍になりそうだなぁ……。

それにしても物凄いポテンシャルを誇るキャラが登場したものだ……本当に驚いた。
やっぱり、本作は見逃せない作品だ。

そんな本作ですが、コミックス1巻に続き2巻が発売予定。
1巻表紙は『ジャポニカ学習帳』をイメージした装飾の中にさゆり、バニー、リコスとメインが並ぶ可愛らしい物でしたが2巻はフォームこそ同じですが色調を変えた表紙に。
ちなみに、2014年8月5日に『ジャポニカ学習帳』のデザインが立体商標化されたことで、ツイッター上のファンから本作の表紙について不安の声が上がる一幕もありましたが、あれはあくまで「同様のデザインを用いたノートに限る」らしいので本作は対象外のようです。一安心。

そして、此処からは今後の展開予想。
最終的には仲間になりそうなインリン(あるいは後輩)だけど、さゆりについて報告しちゃうんだろうなぁ。
でもって、彼女の所属するレガード本隊がやって来る展開か。
バニーの上司である花魁課長によると、どうもこのレガードも一癖ありそう。
だとすれば、これまでの予測で唱えて来たバニーとリコスたちが連合して挑む敵はレガードになりそうか。
こんな感じ!?

インリンの報告でさゆりに目を付けたレガードが地球に飛来。
さゆりを連行しようとする。
通常ならば相手ではないが、レガードはさゆりの弱点であるお化けを使用。
しかも、周囲にまで被害を及ぼす。
此処にインリンはレガードに疑問を抱き離反。
もちろん、バニーやリコス、源さん、オヤッサンとタマちゃんらも協力してレガードに抵抗。
とはいえ、多勢に無勢で危機に陥るんだけど、其処に花魁上司たちが登場。
レガードが星々の遺産を不正使用していたとかで逮捕。
さゆりは見逃されるんだけど、バニーとリコスは帰還したかに見せて……実は地球に居るのです、的な結末とか。
でないと、リコス逮捕されちゃうし。
そして、バニーは花魁課長からさゆりとリコスの監視の名目で地球滞在の権利を得るとか。
ちなみに、さゆりがお化けが苦手なのは遺産としての記憶が残っているから……だったりして。
この妄想、果たして的中するでしょうか!?

さて、此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの元経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
インリン・マールィ:レガード(遺産調査団)所属の宇宙人。
雑草マン:さゆりたちがこよなく愛するアニメの主人公。
グータラ大魔王:雑草マンの宿敵。
柏木さん:駐在さんにやっと出来た後輩の婦警さん。たぶん、拳銃ラブな人。
さゆり父:25話時点で名前は不明。どうやら社会的地位の高い人物のようだが。
インリンの後輩:シルエットのみ27話より登場。
小堺さん:豪田家の隣人にして彩花の女友達。別名・手だけの人。結婚指輪をしているので人妻のようだ。

「最強少女さゆり(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
最強少女さゆり(1) (少年チャンピオン・コミックス)





「最強少女さゆり(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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