2014年10月17日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第90話「プラクルアン」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年11月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第90話「プラクルアン」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年11月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

シルバー:石油メジャーの当主。世界的な資産家。
シダ:タイ人の少年。明るく朗らかな働き者であったが……。

<90話あらすじ>

森羅と立樹は、先頃に死去した石油メジャーの当主・シルバーの遺族に呼び出された。
彼らによれば、シルバーの遺品の中にあまり価値の分からない品があるらしい。

生前のシルバーは「無駄なモノは容赦なく切り捨てる」思考法の持ち主。
だとすれば、価値がないとは考えにくい。
きっと、分からないだけで価値があるに違いない。
其処で「CMBの指輪」の持ち主である森羅に鑑定を依頼したのだ。

これを一目見た森羅は「プラクルアンだ」と指摘する。
「プラクルアン」はタイの有名なお守りのこと、一般に市販もされている。
森羅によれば、シルバーが所持していたそれは特に珍しい物でもなくごく一般的な品らしい。

興味を失った様子の遺族の中で、1人だけシルバーの孫娘が森羅に新たな依頼を申し込む。
生前のシルバーは容赦のない性格、お守りとは言えプラクルアンを大切にしていた理由を知りたいと言うのだ。
何でも、シルバーは死の数年前から急に「人助けをしなさい。それは鏡のようなものなのだ」と周囲に語っていたらしい。
この変化にも関わっているのではないかと考えているようだが。

こうして、森羅たちはタイへと向かう。
プラクルアンを手に聞き込みを行ったところ、シダなる少年が浮上。
お金は無いが、明るく朗らかな働き者だそうである。
だが、数年前から自堕落な生活を始めており最近では姿をめっきり見なくなったらしい。

この数年前に注目した森羅。
調べたところ、シルバーもその時期にタイに渡航しており、どうやら事故に遭ったところをシダに命を救われていたことを突き止める。
シルバーは命の恩人であるシダに大金を支払った。
その代わりにシダがシルバーに渡したのがプラクルアンだったようだ。

これを聞いた孫娘はシルバーがシダに感謝し親愛の情から大切に保管していたと解釈。
思わぬ祖父の姿に満足しつつ彼の地を去る。

だが、残った森羅は真相を知るであろう人物のもとへ。
その人物はシルバーの顧問弁護士であった。

森羅はシルバーがシダを殺したと指摘する。
数年前、すべてを所持していたシルバーは飽きていた。
そんな中、事故が発生しシダに命を救われる。
これに生きている実感を得たシルバーはシダに嫉妬する。

シダは若く健康的だ。
シルバー死後も生き続けるだろう。
これがシルバーには堪らなく許せなかった。
其処で自身が生きているうちはシダを生かしておき、死後に後を追わせる方法を思いつく。

シルバーはシダの勤労意欲を奪うべく毎月、大金を届けた。
これにシダは自堕落な生活に陥って行く。
その依存度は年月を重ねるごとに増して行った。

そして、シルバーが死亡。
死の直前、シルバーは弁護士に命じてシダへの送金をストップした。

送金を止められたシダだが、事情が呑み込めずただじっと送金を待った。
そのうちに自堕落な生活が原因で体調を崩し動けなくなってしまう。
しかし、待てど暮らせど大金は届かない。
やがて絶望したシダは命を絶ってしまったのである。

森羅はシルバーの行動が恩を仇で返す行為であると弾劾。
シルバーの身勝手に命を落としたシダの冥福を祈るべく、あのプラクルアンを墓前に供えるのであった。
もう2度と誘惑に踊らされないように、と―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2014年11月号掲載「90話 プラクルアン」です。

本作を読んで、山田耕筰先生「待ちぼうけ」を思い出しました。
あれも1度の成功に味を占めた猟師が、来るかどうかも分からない獲物をずっと待ち続ける物語でしたね。
人間は1度でも成功を体験すると、ついついそれに甘えちゃうんだろうなぁ。
此の点、シダの場合はあくまで大金だったんだから、貯金するなりそれを元手に起業すれば良かったのに。
そしたら、シルバーの罠に嵌ることは無かったかもしれない。
それとも、それすらシルバーは妨害したのだろうか。

だとすると、シルバーと関わったこと自体がシダにとっては「災い」だったワケで。
でもって、その時点でのシダは「プラクルアン」を所持していたワケで。
となると、お守りとしての効果が期待出来るかどうかとなると……。
にも関わらずソレを返却しても……この辺りがどうにもモヤモヤするなぁ。

正直、シルバーの恐ろしさが主題だったんだろうけど、何故かシダばかりが気にかかりました。

難しいですね……。
この複雑な心境を是非とも『月刊少年マガジン』本誌をご覧頂き体験して欲しい。
もちろん、次回にも期待です!!

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