2014年09月18日

水曜ミステリー9「旅行作家・茶屋次郎12 大井川殺人事件 “父の手”が遺したメッセージ!?25年の秘めごと 密室自殺の逆転推理」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「旅行作家・茶屋次郎12 大井川殺人事件 “父の手”が遺したメッセージ!?25年の秘めごと 密室自殺の逆転推理」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

旅行作家の茶屋次郎(橋爪功)は、親友・坂上友三郎(川野太郎)に『週刊ロイヤル』の連載で故郷の大井川を取り上げて欲しいと頼まれる。編集者・山倉晋吉(角野卓造)の了承を得て、担当でもある娘の沙織(中山エミリ)と取材へ出かけるが、静岡に到着して間もなく、娘・彩花(京野ことみ)に、坂上が殺されたとの連絡が入る。静岡県警で遺体と対面し泣き崩れる彩花の横で、茶屋は、不思議な形になっている坂上の手に目が止まる。

刑事・向島耕平(尾美としのり)らの会話から、茶屋と沙織は、坂上が事件前に宿泊していた千頭の旅館を突き止める。女将の話では、赤ちゃんを連れた奥さんらしき女性と宿泊。さらに1人で延泊し、夜に外出したという。母を亡くした後、父と2人で生きてきた彩花は動揺するが、“奥さん”には心当たりがあった。

翌日、茶屋と沙織は、茶農家に生まれた坂上の取引先である、島田製茶を訪問。社長・岡本芙美子(山下容莉枝)、娘婿・浩介(内田朝陽)との話から、坂上がかつて、幼なじみの蒼井葉子(ひがし由貴)を雇って欲しいとお願いしにきたことを聞く。葉子の娘も最近までここで働いていたといい、その名前は「美鈴」というらしい。なんと彩花が“奥さん”ではと疑っている女性と同じ名だった。
早速、美鈴(岩田さゆり)に会いに行くと、事情を聞くなり、何も知らないと逃げるようにその場を去ってしまう。茶屋らは、密かに美鈴のあとを追いかけるが、美鈴のアパートの陰から島田製茶の従業員・山下繁之(石黒光)が現れるのを見て不審に思う。

そんなある日、美鈴が県警に連行される。美鈴の子供の名が、坂上の名前が一文字入った“友美”であることも判明する。友美=坂上の子という疑いが強まる中、茶屋は、千頭にある島田製茶の保養所に、事件の夜、山下ら大勢が泊まっていたことを知る。話を聞くべく茶屋と向島は島田製茶に向かうが、山下の姿がない。従業員・木原俊介(金子裕)の案内でアパートに向かうと、山下は部屋の中で倒れていた…!
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

茶屋次郎は著名な旅行作家である。
編集者・山倉晋吉との腐れ縁も相変わらず。
さらに、担当編集者であり娘でもある沙織も加わった。
さて、そんな茶屋が今回挑む事件は……。

茶屋は坂上友三郎から大井川を取り上げて欲しいとの依頼を受けた。
茶屋と坂上は親友である。
どうやら、取材依頼は口実で何か相談があるらしい。

早速、静岡の坂上のもとへ向かった茶屋。
ところが、坂上が何者かに2度殴りつけられ殺されてしまう。
坂上の娘・彩花は突然の悲報に涙に暮れることに。
茶屋は坂上の遺体の手が水を掬い上げるような奇妙な形であることを気に掛けるが……。

坂上の人柄を良く知る茶屋は彼が誰かに恨まれて殺されたとは思えない。
其処で坂上の周囲を調べたところ、意外な情報が浮上する。
どうも、坂上は赤ん坊を連れた若い女性と密会していたらしいのだ。

茶屋は坂上の取引先に注目し、島田製茶を訪問する。
社長の岡本芙美子とその娘婿の岡本浩介(旧姓・船井)によれば、その女性は美鈴の可能性が高いらしい。

坂上には幼馴染の蒼井葉子が居り、美鈴はその娘。
親子ともに島田製茶で働いていたことがあったのだ。
葉子は美鈴を女手1つで育て上げた。
そして現在、美鈴もまた赤ん坊を女手1つで育てているそうだ。

茶屋は美鈴を訪ねることに。
ところが、美鈴は何も語ろうとしない。
一方、そんな美鈴の様子を島田製茶の社員・山下繁之が見張っていた……。

美鈴について調べた茶屋は、彼女の子供の名が友美であることを知る。
どうやら、坂上友三郎から1字を取ったようだ。
此処に友美は友三郎と美鈴の間の子供ではないかとの疑いが浮上することに。

そんな中、山下が美鈴に一方的に想いを寄せていることが判明。
さらに、何やら知っている様子である。
早速、茶屋は山下と同じく島田製茶の社員・木原俊介の案内で山下を訪問するが。

山下宅からはガスの匂いが漂っていた。
驚く茶屋たちだが、玄関にはチェーンキーがかかっていた。
どうやら密室のようである。
焦った茶屋は木原と共に室内へ強行突入する。
真っ先に窓へと走り寄り換気を行う木原だが、既に山下は絶命していた。

机上のパソコンには「一旦、倒れた坂上が再び立ち上がったのでもう1度打ち据えた」と坂上殺害を認める遺書らしき文書が残されていた。
山下が坂上を殺害し自殺したと思われたが……。
茶屋はこれに否定的な見解を示す。
だが、自殺でないとするならば密室の謎が立ち塞がるのであった。

そんな中、坂上と美鈴が実は親娘であることが判明する。
美鈴は坂上と葉子の間の娘だったのだ。
そして、友美の友の字は美鈴が父にあやかったのだった。
どうやら、彩花の母が亡くなった後に、坂上は葉子と交際していたらしい。
其処で美鈴が出来たのだが、耳に障害を抱えていた葉子が身を退いたようである。

これを知った茶屋は、あの奇妙な坂上の手の形が手話ではないかと気付く。
調べたところ、それは「船」を意味していた。
「船」と言えば……ある人物を思い浮かべる茶屋。
そう、岡本が旧姓・船井ではないか。

実は友美の父は岡本であった。
坂上は娘である美鈴の為に、岡本に孫に当たる友美の認知を迫った。
しかし、岡本は娘婿の立場を守るべく、にべもなく拒否することに。

すると、坂上は芙美子にすべてを打ち明けると言い出した。
岡本はこれを止めようとして坂上を殴りつけてしまう。
坂上は昏倒して動かなくなった。

この一部始終を美鈴をストーカーしていた山下が目撃した。
山下は坂上と美鈴の関係を疑い坂上を尾行していたのだ。
山下は美鈴にすべてを告げた。
だが、美鈴は友美の父親を犯罪者にすることが出来ず、沈黙していたのだ。

この事実が明らかになり、岡本は坂上殺害の罪で拘束された。
しかし、山下の死への関与については頑強に否定する。

一方、山下の普段の文章と遺書のそれを比較した茶屋は、遺書が何者かの偽装と確信。
やはり、山下は何者かに殺害されたのだ。

だとすれば、山下を殺害したのは誰か?
茶屋は山下の死が他殺だとすれば、犯人はあの人しか居ないと断定する。

その犯人とは木原であった。
山下殺害時の密室はそもそも密室でもなんでもなかったのだ。
窓が初めから開いていたのである。
木原は山下宅に突入すると初めから開いていた窓を、その時に開けたように演じただけであった。

「証拠が無い」と抵抗する木原。
だが、茶屋は木原が遺書を偽造したのならば、木原のパソコンにもその痕跡が残っている筈と指摘。
これに木原は罪を認めた。

実は、坂上に止めを刺したのは木原であった。
だからこそ、坂上は2度殴りつけられていたのだ。
木原は岡本を坂上殺しの犯人に仕立て上げることで、脅迫し操ろうとしていた。
山下を殺したのは山下が岡本の罪を告発しようとしていたことが邪魔だったらしい。

結果として、坂上は誰が自分を殺したか知らず、誤ったダイイングメッセージを残してしまったのであった。
数日後、彩花と美鈴は姉妹の名乗りを上げることに―――エンド。

<感想>

「旅行作家・茶屋次郎」シリーズ第12弾。
原作は「山岳刑事シリーズ」で知られる梓林太郎先生。

では、ドラマ版の感想を!!

2組の男女の愛が描かれましたね。
同時に親子も描かれました。

坂上と葉子、そして娘の美鈴。
岡本と美鈴、そして娘の友美。

坂上は父として責任を果たすべく奔走し非業の死を遂げました。
一方、岡本はこれを放棄することに。
対照的でしたね。

ただ、描写が与えた印象の為だと思うけど、坂上は美鈴はともかく彩花への責任を果たしきれていないような気が……。
此の為に、岡本も岡本だが、坂上も坂上のように見えた。
もう少し、彩花と美鈴それぞれにどう接していたかを具体的な例を以て描いた方が良かったかも。
もちろん、坂上には坂上の事情があったことは分かるんだけど。

それと、岡本の美鈴への台詞「お前が産むから悪いんだ」には考えさせられた。
間違いなく身勝手な男の狡い台詞なんだけど、当の子供のことを考えたら何でも産めば良いものではない。
少なくとも望まれてこの世に生れ出るように、出来る限り環境を整えるべきなのは事実。
何よりもまず子供のことを考えるべきだろう。
そう考えると、妊娠したら出産が常に正しい選択とは言えないのかもしれない。
まぁ、その人の置かれた状況にもよるのだろうけど。
ただ、だからと言って岡本の狡い発言は認められないけどね!!

ちなみに、その後の島田製茶を舞台に新たな2サスドラマ作られても不思議ではなさそうだなぁ。

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<キャスト>

茶屋次郎:橋爪功
袋田沙織:中山エミリ
坂上彩花:京野ことみ
岡本浩介:内田朝陽
蒼井美鈴:岩田さゆり
向島耕平:尾美としのり
坂上友三郎:川野太郎
岡本芙美子:山下容莉枝
江原小夜子:甲斐まり恵
旅館の女将:大島蓉子
岡本理沙:黛英里佳
山下繁之:石黒光
木原俊介:金子裕
中田仁志:久保山知洋
山倉晋吉:角野卓造 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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