2014年09月27日

「実は私は」第81話「止めよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第81話「止めよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

渚が朝陽へと告白した翌朝のこと。
ホテルの食堂では、朝陽たちが朝食を採るべく並んでいた。

そんな中、渚はずっと床を見詰めている。
それもこれも、朝陽と直接顔を合わせないようにする為。
渚は昨晩の自身の行動を全力で恥ずかしがっていたのである。

とはいえ、同じクラスのこと。
いやでも2人は顔を合わせる。

床を見詰め続ける渚。
そんな渚にぎこちなく声をかける朝陽。

……と、空気に耐え切れなくなった渚が何やら棒状のスイッチらしきものを握り締める。

「もう、これを押さねば耐えられん……」
呟く渚の指がスイッチにかかり……。

「ちょっ、いいんちょ。それ、もしかして自爆スイッチ……」
ガンダムWのヒイロ・ユイもかくやの勢いで自爆しようとする渚を必死に押し留める朝陽。
しかし、朝陽が必死になればなるほど、渚もまた必死になってしまう。

どうすれば……朝陽の心が焦躁に呑み込まれそうになったそのとき。
思わぬところから救いの手が差し出された。
いや、差し出した本人にその気は一切、無かっただろうが。

なんと、渚の兄・涼が学生に勝手に混ざってタダメシを楽しんでいたのだ。
「これは!!」とばかりに朝陽は渚の気を逸らそうと涼に話しかけようとして……ふと、気付いた。
アレ、この状況、コレはコレでマズイじゃない!?

そう、この場には彼が居たのだ。
涼と因縁のあるあの男が。

だが、当の涼はこれに全く気付いていない。
「角女(茜のこと)さえ居なければ大丈夫!!」と豪語していたのだが……。
その声が背後に迫ったねっとりとした欲望の気配に凍り付いた。
涼にはその気配に覚えがあったのだ。

「涼さん、来てくれてたんですね!!」
感激の為か、涙まで流して立っていたのは嶋だ。
これに涼の思考がフリーズした。
憐れ、涼は茜を警戒するあまり、この事態を全く想定していなかったのだ。
まぁ、そもそも自業自得なんだけども。
ちなみに、涼と嶋の因縁は68話「友達の恋愛事情を知ろう!」に詳しかったりする。

「実は私は」第68話「友達の恋愛事情を知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

涼に対し、愛しているを連発する嶋。
相変わらず嶋の目は欲望に濁っており、年頃の男子の欲求を果たすことしか念頭に無いようだ。
危機を悟った涼は、踵を返してその場を逃げようとするが……。

嶋は涼の扱い方を心得ていた。
思わせぶりに「仕方ないですよね、嫌われるようなことしたんだから。どうぞ、行ってください。でも……」と一旦、言い淀んだかと思うと「高級焼肉のタダ券持ってるんですよね」と続けたのだ。

これに涼の心の天秤が激しく揺れ動いた。
理性では逃げろと告げている。
しかし、本能が「高級焼肉のタダ券」に惹かれているのだ。

我に返ったときには遅かった。
もともと、本能の赴くままに動いていた涼。
当然、今回も我知らず本能が優先してしまったのだ。
結果、何時の間にか嶋の手を握っていた。

「NO〜〜〜!!」
胸中で叫び声を上げる涼。
そんな涼に嶋は「いいんですね!?」と迫る。

これを見ていた周囲は無責任にも「いいぞ、やれ、やれ〜〜〜」と囃し立てている。
この光景に涼は死を覚悟することに。

「いや、マズイでしょ。この状況」
一方、涼以外にもこの状況を憂慮する者が居た―――朝陽である。
朝陽は涼の正体が男であることを知っている。
それだけに嶋が如何に危険な行為に及ぼうとしているかに気付いていたのだ。

そして、もう1人、事態を理解している人物が居る……のだが。
そう、渚である。
ところが、渚は昨晩の自分と嶋を重ね合わせ恋を応援する始末。

此処は自分がなんとか……と嶋を止めようとする朝陽。
しかし、遅かった。
大胆な嶋は涼の唇を奪ってしまったのだ。

「うへへ……」
想いを果たしたとばかりにゲスな表情を浮かべる嶋。
よもやの純潔(いや、男としての誇りもか)を奪われた涼は傷心のあまり逃げ出してしまう。

「これ、どうすればいいの?」
後に残された朝陽は頭を抱える。
そんな朝陽の隣で今更ながら渚も頭を抱え身悶えし始めた。

嶋の行動に自身を重ねていた渚。
嶋が強引に涼の唇を奪う姿を目にし「私は……私は……なんて卑劣な事を」と自分を責め始めたのだ。
もちろん、その手には未だ自爆スイッチが握られている。

マズイ!!
再び、元の状況に戻ったことを察した朝陽が渚から自爆スイッチを取り上げようと飛び掛かる。
しかし、揉み合う内にバランスを崩してしまう。

その頃、遅れて食堂にやって来た葉子と獅穂は何やら人だかりが出来ていることに気付いた。
この人だかり、嶋と涼の騒動の為に出来たものであったのだが……。
これをかき分け最前列へと躍り出た葉子たちが目にした光景とは!!

なんと、体勢を崩した朝陽と渚がキスをしているシーンだったのである。
葉子は衝撃のあまり我を忘れてしまう―――82話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、8巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

その81話。

渚告白作戦後編とでも言うべき物語。
朝陽と渚、涼と嶋……2組のカップル(?)が描かれました。

本来だと涼がゲスなキャラとしてトップの筈なんだけど、嶋が絡むと途端にその座を彼に譲ってしまうなぁ。
恐るべし、嶋……。
そんな嶋と涼の因縁は過去記事をどうぞ!!

「実は私は」第68話「友達の恋愛事情を知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

そして、藍沢兄妹と言えば「ガンダム」。
今回は渚の自爆スイッチに「ガンダムW」を見た!!
これまでにもアッザムにファンネル、パイロットスーツも出たし、そろそろ「リーブラ」とか「バルジ」とか「ジェネシス」とか大型要塞や要塞主砲も登場するのだろうか。
そう言えば、涼が嶋の誘惑に天秤を激しく揺らして悩んでいたけど、あれこそ「リーブラ(ライブラ=てんびん座)」だったのかなぁ……。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス8巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、銀華恋。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると9巻は、9巻は……誰だ!?

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第80話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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こちらはキンドル版「実は私は(1)」です!!
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