2014年10月05日

「サイレーン」第64話「橘カラになりたい」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第64話「橘カラになりたい」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第63話「15歳」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

高校生当時、カラはカラではなかった。
当時の彼女の名は―――と言った。

当時の―――は、感情を表に出さないタイプであった。
そんな―――は自身と対照的な少女・橘カラと出会い、これに憧れた。

橘カラは―――と異なり何事もはっきりと口にし、好きなことを好きな時に好きなだけやるタイプであった。
だから、カラには敵が多かったし、友達も居なかった。
カラは一匹狼で孤独だったのだ。

そして、女性教師殺害疑惑により―――も孤独であった。

やがて、互いに孤独な2人は急接近する。
2人はたちまち打ち解け親友となった。

カラは彼女の性格から思ったこと感じたことを包み隠さず―――に話し、―――はそれを黙って聞いていた。

ある日、―――はカラに勧められ整形を行った。
すると、これが―――には心地よさを感じた。
自身の不満が解消される感覚とでも言おうか。
たちまち、―――は整形を繰り返した。

そんな中、カラの両親が急死し彼女は天涯孤独になった。
このとき、―――は憧れのカラになれると雷鳴の如く思いついた。

一度、思いつくとソレは大層甘美な誘惑となって―――を捕らえた。
結局、―――はカラをドライブに連れ出すと、自身を信頼し切ったカラを睡眠薬で眠らせ絞殺した。
その後、遺体を何処かに遺棄し戸籍を奪った。

こうして、―――は橘カラになった。
そう、今の橘カラは別人からその名前を奪っていたのだ。
そして、月本と出会い今の顔になったのだ。

カラの過去を聞いた猪熊は彼女の行動がコンプレックスに基づくものであることに気付く。
隙を突き、カラの手に噛みつく猪熊。
しかし、それはカラに何らの打撃も与えない。
焦る猪熊だが、打つ手はない―――。

一方、里見とレナは遂に別荘に辿り着いた。
猪熊救出に動く2人の足元には侵入者用のセンサーが光っていた―――65話に続く。

早川書房刊『ミステリマガジン』や『週刊文春』でも取り上げられた本作。
目的を果たすべく逃げるカラを里見が追う。
追い付くことが出来るのか……今週号の「週刊モーニング」で確認せよ!!

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」。
遂に猪熊が捜査一課に配属。
これにより「猪熊&里見VSカラ」の物語が明確化されました。
とはいえ、「悪女カラ自身」がテーマだったりもしそうだが。
それだけ、敵役のカラのインパクトが凄い。

その第64話。
サブタイトルは「橘カラになりたい」。

「カラ」が「自称・カラ」だったことが判明。
どうも「自称・カラ」は感情表現が苦手なタイプで、これにコンプレックスを抱いていたのか。
其処で、手っ取り早くこのコンプレックスを解消すべく憧れる相手と自身とを重ね合わせるようになり、本来ならば相手との交友を通じて自身を高めて行くべきところを、直接的に相手を殺害したものと思われる。
この過程で「相手を殺し、その特徴を取り込む」との思考に至ったのだろう。
おそらく「自称・カラ」は自己表現が下手なタイプ……だからこそ、犯罪の中で自己表現しているとも言えそうだ。

この憧れる相手との同一視、「思春鬼のふたり」に登場する紡木茨と荊の関係に近いか。
荊が自身が恋する臥美が恋した茨に憧れ、彼にとって代わったようなもの。

「思春鬼のふたり」第30話「邂逅するふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

それにしても今回ちょっと気になる描写が。
本物のカラ殺害当時、自称・カラは高校生の筈なのに車の運転をしているのだが……免許は大丈夫だったのだろうか?
気になるなぁ……。

そして、里見とレナがいよいよ別荘に到着。
とはいえ、その足元にはセンサーらしき装置が。
あれにより接近を察知されそうだけど……果たして。

一方、先日ふと思ったのですが61話で明かされたカラの動機に1つ疑問が生じています。
それは……女性マネージャーの「自信」はともかく、高槻とおるの「優しさ」を得た割にカラが全く優しくないこと。
これはもしかして、打倒カラの伏線か?
此の点で精神的に矛盾を突いて彼女の動機を奪い自己崩壊を引き起こさせるのだろうか。
だとすると、かなり丁々発止の遣り取りになりそう。

そして、里見はレナを連れて渡の別荘へ。
これにより61話で「無さそう」とした「レナとアイの誤認」が再び復活。
カラを別荘へ導かせる為に用いるのではなく、カラを猪熊から引き離すべく別荘から誘き出すか動揺させる為に用いそうな予感。

この「レナとアイの誤認」については次の通り。

これまでも何度か述べて来たけど、この状態での里見の打開策はレナにあると見た。
カラは里見の協力者が長髪の女性2人(レナとアイ)であることは知っているが、レナがアイそっくりなのは知らない。
そして、アイは渡の別荘で拘束されている。
其処で、レナがアイのふりをしてカラを揺さぶり、アイが脱走したと思い込んだカラを別荘の外へと誘き出す展開か。

それにしても、カラ篇が終了したとして次のエピソードはあるのか、それともカラの終焉を以て本作も完結するのか……此の点も気になるところ。

ちなみにカラですが、ラストは燃え盛る別荘と共に生死不明になりそうな予感。
でもって、里見と猪熊が街中でカラっぽい人を見かけてエンド的なホラーテイストの結末と予想。
あるいはカラは何処にでも居る的なラストか。
だとすると、やはりカラ篇終了が本作の完結となるのだろうか。
確かに綺麗にまとまるけど、出来れば里見と猪熊で他のエピソードなども読みたいなぁ。

おっと、気が早いか。
それもこれも今後の展開次第かな。

さて、いずれにしても里見とカラの対決はすぐ其処。
果たして里見は猪熊を助けることが出来るのか。
次回に期待!!

コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻、4巻に続き5巻も発売とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第60話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「サイレーン」第61話「動機」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第62話「11歳」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第63話「15歳」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。
三河くん:月本の部下。
高槻とおる:5年前に発生した薬局店息子殺人事件の被害者。
時田:捜査一課未解決事件係の刑事。猪熊の先輩。
舞川:5年前からのカラの常連客。

遂に発売。「サイレーン(1) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(1) (モーニングKC)





「サイレーン(2) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(2) (モーニングKC)





「サイレーン(3) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(3) (モーニングKC)





「サイレーン(4) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(4) (モーニングKC)





「サイレーン(5) (モ-ニングKC)」です!!
サイレーン(5) (モ-ニングKC)





「レンアイ漫画家(5)<完> (モーニング KC)」です!!
レンアイ漫画家(5)<完> (モーニング KC)





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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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