ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
財閥の令嬢で新人刑事の宝生麗子(北川景子)と執事の影山(櫻井翔)は、久しぶりの休暇を楽しむためシンガポール行きの豪華客船に乗り込む。しかし、出航後ほどなくして船内で殺人事件が発生。乗員乗客3,000人を乗せた船が目的地に到着するまでの5日間に犯人を捕らえ、事件を解明しようとする麗子と影山だったが、次々と事件が発生してしまい……。
(公式HPより)
<ネタバレあらすじ>
豪華客船「プリンセス・レイコ号」最後のクルーズが行われることとなった。
プリンセス・レイコ号?
思わせぶりなその船名。
それもその筈、その名は所有者であり宝生財閥の令嬢である麗子に由来している。
プリンセス・レイコ号は麗子の為に用意された船だったのだから。
それだけにその豪華さと言ったら!!
到底、言葉では語り尽くせないほどの豪華さなのだ。
それはもう豪華なのだから豪華なのである。
こればかりはどうしようもない。
その豪華さの証明に、船内には「セイレーンの涙」と呼ばれる秘宝までもが安置されていた。
ほら、やっぱり豪華でしょ。
以上のように、まさに豪華尽くしの船なのだ。
とりあえず、想像出来る範囲内で豪華なものを思い浮かべれば大丈夫!!
もちろん、これを長く維持してきたプリンセス・レイコ号のスタッフたちも精鋭揃いである。
まずは船長の海原真之介が安全な船旅を保証する。
続いて支配人の藤堂卓也が快適なサービスを請け負う。
さらに、藤堂の娘・凜子は船上シンガーとして乗客の耳を楽しませる。
他にも警備主任の松茂や、船医の結城千佳、ランドリーマネージャーで「ダワネル王国」出身のパラジ、船内新聞編集者の美月、コック見習いの石川天明、機関員や調理部員なども一流である。
ちなみに、長い船旅のこと。
スタッフたちの人間関係もなかなかに複雑で、パラジは美月のことが好きだが彼女からは相手にされていない。
一方で、凜子と石川は恋人同士となっている。
そればかりか、今回のクルーズは客もなかなかに曲者揃い。
くじ引きでクルーズ乗船券を手に入れた熊沢美穂。
あからさまに怪しい空気を醸し出す高円寺兄弟。
「リー財閥」を乗っ取り資産家として名を成したレイモンド・ヨーなどである。
以上のような状況の中、スタッフへの労いもあって、この最後のクルーズに麗子が乗船することに。
となれば、影山も同行するのである。
さらに、このクルーズで「Kライオン」なる美術品を運ぶことも決定し、その警備に風祭警部までもが乗船していた。
こうして揃ったいつものメンバー。
こうなれば事件が起こらない方が不思議である。
まずは国際的窃盗犯が密かに紛れ込んでいるとの情報が飛び込む。
風祭はその狙いが「Kライオン」にあると見込むが……。
さらにレイモンド・ヨーが何者かに殺害されてしまったのだ。
当然、犯人は乗客、乗組員の中に居るに違いない!!
こうして、麗子と影山の推理が始まった。
そんな中、高円寺兄弟が風祭の手で逮捕される。
どうやら、彼らは「Kライオン」を狙う泥棒だったらしい。
さらに、船内では機関員や調理部員までもが怪しげな行動を……。
次いで、国際的窃盗犯の正体が「ファントム・ソロス」と判明。
それは影山も憧れる伝説的大泥棒であった。
矢先、石川天明までもが何者かに殺害されてしまう。
凜子は深く悲しむのだが……。
犯人の狙いは一体、何なのか!?
ところが、今度は影山と麗子が船内から放逐されてしまう。
犯人の罠にかかったのだ。
だが、これにより影山は犯人の正体に辿り着いた。
先代執事・唐沢の助力で船に戻った麗子と影山は犯人を名指しする。
それは藤堂であった。
実は藤堂には秘密があった。
影山と同じく、彼もまた執事だったのだ。
ただし、藤堂は「リー財閥」に仕える者であった。
そして、凜子こそは「リー財閥」の忘れ形見だったのである。
「リー財閥」はレイモンド・ヨーに騙され没落していたが、藤堂は「リー財閥」再興を目指し凜子を育てていたのだ。
そんな折、レイモンド・ヨーが乗船して来た。
此処であったが百年目。
藤堂は仇であるヨーを殺害することに。
浮き輪を用いたトリックで時間を誤認させアリバイを作ったのだ。
同時に、長く狙っていた目的を達成しようと考えた。
その目的とは「セイレーンの涙」。
実は「セイレーンの涙」は宝生家の前は「リー財閥」に伝わる秘宝であった。
「リー財閥」再興の為には凜子と並んで欠かせないものだったのだ。
ところが、「セイレーンの涙」を狙う者が藤堂以外にも居たのである。
それが石川天明であった。
実は石川は世界的な窃盗犯。
凜子に近付いたのも「セイレーンの涙」についての保管情報を引き出す為だった。
これを知った藤堂は凜子を裏切った石川を許せず殺害してしまったのである。
その後、藤堂は時間を稼ぐべく麗子と影山を罠にかけ、船外へと追放したのだ。
藤堂が犯人であり「リー財閥」再興の為に行動していたことを知った凜子はショックを受ける。
しかし、藤堂はいつしか目的を忘れ、純粋に親として凜子を愛するようになっていたことを打ち明ける。
だからこそ、再興の機を窺いつつも行動に出られなかったのである。
藤堂と凜子は改めて親娘として互いを労わり合うことに。
凜子はシンガーとして今後も生きて行くことを約束し、藤堂はそんな凜子に安堵しつつ逮捕された。
一方、パラジが「ダワネル王国」の王子であったことが判明。
美月は急に彼によろめき出す。
さらに、不審な動きを示していた機関員や調理部員であったが海原へのサプライズパーティーを企画していただけであった。
こうして、海原は無事に最後のクルーズを終えることとなった。
しかし、未だ事件は終わっていなかったのだ。
影山は謎が1つだけ残されていることに気付いていた。
影山は美穂と対峙する。
そう、ファントム・ソロスの正体は美穂だったのだ。
石川、藤堂以外に「セイレーンの涙」を狙う者がもう1人居たのである。
美穂はこれを認め、既に盗み出していた「セイレーンの涙」を影山に返却するのであった―――エンド。
<感想>
ドラマ版のスタッフで送る「謎解きはディナーのあとで」の映画版です。
今回に限り原作に該当する作品はなし、一部のキャラや設定こそ原作からですが他はオリジナル作品となっています。
ちなみに、タイトルからして「映画 謎解きはディナーのあとで」のみとなかなかに潔い作品。
それだけに、その内容もなかなかに硬派。
伏線を用いて手堅いロジックで固めてましたね、好印象でした。
石川天明が全裸の上、土下座で殺害されていた理由とかは「船ならではのもの(揺れに対応するよう家具が固定されている)」だけに「おおっ!!」と身を乗り出しました。
他にもレイモンド・ヨー殺害時のトリックもなかなか面白かった。
ちなみに、此の点は敢えてネタバレあらすじから省略しました。
本編を視るべし!!
まとめると、連続ドラマ版からのファンならば視て損は無い出来と言えるかと思います。
◆関連過去記事
【東川篤哉先生関連ネタバレ書評(レビュー)】
・「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『謎解きはディナーのあとで2』(東川篤哉著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『謎解きはディナーのあとで3』(東川篤哉著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『もう誘拐なんてしない』(東川篤哉著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『放課後はミステリーとともに』(東川篤哉著、実業之日本社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ批評(レビュー)】
・スペシャルドラマ「もう誘拐なんてしない 大野智主演!!…あの“謎解き”の東川篤哉傑作ミステリーが遂にドラマ化!!突然あの娘に誘拐を頼まれた!?」(1月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【その他】
・【速報】『謎解きはディナーのあとで』映画化発表さる!!
・【速報】『謎解きはディナーのあとで』舞台化!!
・「本屋大賞2011」受賞作決定!!栄冠は「謎解きはディナーのあとで」、映像化の話題も浮上!?
・【祝】「謎解きはディナーのあとで」が漫画化!!
・東川篤哉先生「謎解きはディナーのあとで」11万部突破!!遂に「きらら」(小学館発行)にて連載再開!!
・【ドラマ化決定!!】東川篤哉先生『謎解きはディナーのあとで』(小学館刊)が遂に実写に!!
・ドラマ化も決定した『謎解きはディナーのあとで』に続編登場!!その名も『謎解きはディナーのあとで2』!!
・知人が「謎解きはディナーのあとで」でミステリにハマった!!では、次に奨めるべきミステリは?
・ドラマ版「謎解きはディナーのあとで」や「放課後はミステリーとともに」のロケ地で知られる「旧石川組製糸西洋館」が2013年6月22日に一般公開とのこと!!
・4夜連続ドラマ「謎解きはディナーのあとでスペシャル 〜船上探偵・影山〜」放送決定とのこと!!
◆『放課後はミステリーとともに』関連過去記事
・『放課後はミステリーとともに』(東川篤哉著、実業之日本社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・東川篤哉先生『放課後はミステリーとともに』(実業之日本社刊)TVドラマ化決定!!
・勢い止まらずまさかのラジオドラマ化!?東川篤哉先生『放課後はミステリーとともに』(実業之日本社刊)がNHKさんにてラジオドラマに!!
・東川篤哉先生『放課後はミステリーとともに』(実業之日本社刊)がコミック化決定!!発売日は2012年4月25日、作画は5人の先生が担当!!
・【新刊情報】『謎解きはディナーのあとで3』2012年12月12日発売予定!!
・豪華クルーズ旅行が当たる!?「謎解きは映画のまえにキャンペーン」開催決定!!
・2013年8月2日はスピンオフ作品対決に!?「警部補 矢部謙三2」に対するは「謎解きはディナーのあとでスペシャル〜風祭警部の事件簿〜」!!
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また観たいので、今夜も楽しみです
自分は謎はほとんど解けなかったですけど、犯人の狙いがセキュリティを解くのだけはわかりました。前に洋画のスパイもので、馬鹿がその施設どころか周辺一帯の根元から電源を断ってしまい、電子ロックの牢から脱獄って話が停電のシーンでピタリと重なったためです
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
本作は原作が「安楽椅子探偵もの」だけにロジック重視。
その分、確かに検証などは省かれがちですね。
とはいえ、これまた仰る通り「納得出来るけど驚くべき真相=サプライズ」に繋がるロジックはまさに美しく大好物です(^O^)/!!
その点は原作ありの連続ドラマ版からオリジナルの映画版にもきちんと受け継がれていて、特にご指摘頂いているセキュリティのロジックも良かったですよね。
ドラマ版から映画版にテイストを引き継いだ良作だと思います。
それだけに、是非、本作の新作が視たい!!
というワケで、連続ドラマ第2期を期待したいところだったりします(^O^)/!!
全裸にされた理由があれではやってられません
死体は(笑)
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
確かに、あのロジックは好き嫌いが分かれるかもしれませんね。
それにしても全裸だもんなぁ……。
あれはサプライズでした。