2014年10月16日

乾くるみ先生『イニシエーション・ラブ』(文藝春秋社刊)が映画化とのこと!!

乾くるみ先生による名作『イニシエーション・ラブ』(文藝春秋社刊)が映画化されることが明らかになりました。

本記事は『イニシエーション・ラブ』のトリックについて軽くではありますが言及しています。
注意!!


『イニシエーション・ラブ』と言えば内容的に映像化不可能と言われて久しい作品の1つ。
そのまさかの映画化です。

原作『イニシエーション・ラブ』のあらすじは次の通り。

<あらすじ>

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説−−と思いきや、最後から2行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず2回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。解説・大矢博子
(文藝春秋社公式HPより)


この映画版です。

監督は堤幸彦さん。
キャストは鈴木役に松田翔太さん、マユ役を前田敦子さん、美弥子役に木村文乃さんとのこと。
2015年公開予定。

ちなみに原作は、先述のあらすじにもあった「最後から2行目」がある為に映像化不可能とされていました。
何故ならば、本作のトリックは世に言う「叙述トリック」だからなのです。

「叙述トリック」とは文章中にある仕掛けを施すことで、読者の誤認を招き登場人物の性別や時系列などを錯誤させる手法のこと。
ラスト付近で作中での正しい情報が明かされることにより「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」効果を与えサプライズを生み出します。
その後、作中に配された仕掛けを振り返ることで読者は驚嘆するのです。
つまり、「叙述トリック」は基本的に小説ならではのトリックと言えるでしょう。

もちろん、同じ「叙述トリック」の作品に映画化の例が無いワケではありません(例えば殊能将之先生の某作品や伊坂幸太郎先生の某作品など)。
とはいえ、本『イニシエーション・ラブ』はその「叙述トリック」によってさらに意外な効果を生じさせている点が名作と称された理由。

映画版ではラスト5分でこのトリックを盛り込むとのこと。
果たして、如何なる映像化となるか……物凄く注目です!!

◆「乾くるみ先生」関連過去記事
『カラット探偵事務所の事件簿2』(乾くるみ著、PHP研究所刊)ネタバレ書評(レビュー)

『六つの手掛り』(乾くるみ著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「イニシエーション・ラブ (文春文庫)」です!!
イニシエーション・ラブ (文春文庫)





姉妹編「セカンド・ラブ (文春文庫)」です!!
セカンド・ラブ (文春文庫)





「謎解き『イニシエーション・ラブ』」です!!
謎解き『イニシエーション・ラブ』



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