ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
東京から約300キロ離れた島・鳳凰島で馬に蹴られた男性が死亡する事故が発生。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と甲斐享(成宮寛貴)は、不思議なうわさのある島の実態を調査することに。その島は実業家(宅麻伸)が所有し、元自衛隊員が集まり訓練に励んでいた。右京は男性の死亡理由が事故ではなく殺人であると確信。島には特命係、捜査一課、鑑識課が集結するが、彼らを何者かが襲撃し……。
(公式HPより)
<ネタバレあらすじ>
時系列は「season11」後、「season12」前のことである。
東京から約300キロ離れた場所に「鳳凰島」が浮かんでいた。
其処は有事に備えるべく民兵グループにより管理された島であった。
ところが、ある夜のこと駐留していた民兵の1人・岩代純也が不慮の死を遂げてしまう。
死因は「馬に蹴られた」とのものであったが……。
その数日後、右京と甲斐の姿は「鳳凰島」にあった。
彼らは岩代の死について捜査を開始したのだ。
何故、特命が捜査に乗り出したか。
事の発端は、右京の元相棒で今は警察庁長官官房付となった神戸にあった。
右京たちは神戸から「ある依頼」を受けたのだ。
その依頼とは「鳳凰島にて生物兵器の有無を確認する」ことであった。
実は、この依頼の裏には峯秋が介在していた。
「鳳凰島」には以前から生物兵器所有の疑惑があったのだが、民兵を支援する勢力や逆にこれを排除しようとする勢力の暗闘があり、迂闊に捜査が出来ない状況にあったのだ。
つまり、峯秋は岩代の事故死を口実に生物兵器の有無を調べさせたいのである。
こうして、右京は甲斐を連れ実況見分を名目に鳳凰島へと乗り込むことに。
鳳凰島の面々は右京たちを警戒しつつも迎え入れる。
ジープで宿営地へと運ばれた右京は自身と入替るように運び出される荷物を見かけるのだが……。
鳳凰島の関係者は次の通りである。
「鳳凰島」の所有者は元自衛官で名うての実業家で知られる若狭道彦。
だが、若狭は「鳳凰島」には常駐していない。
実質的なリーダーであり民兵たちを指導するのは、若狭の後輩で救国の志に燃える神室司。
そして、そんな神室のもと同様の志に集った高野志摩子らメンバーたち。
彼らが「鳳凰島」に生活している。
ちなみに、神室司は過去に若狭が原因で松葉杖なしでは生きていけない身体となっていた。
どうやら、これを後悔した若狭が罪滅ぼしすべく神室に「鳳凰島」を用意したらしい。
表向き岩代の死について調べ始める一方で生物兵器についても捜査を開始する右京と甲斐。
だが、右京はそもそもの岩代の事故死にも疑問を抱く。
岩代は志摩子と交際していたようだが、どうも志摩子は神室の命により岩代の真意を探っていたらしいのだ。
矢先、岩代が若狭の命で神室をスパイしていたことが判明。
一見、一枚岩に見えた若狭と神室であったが、若狭も神室の最近の行動に疑惑を持っていたようだ。
其処で若狭は岩代をスパイに送り込んだのだ。
右京は岩代の遺体発見現場や彼を殺害したとされる馬を調べ、ある結論に至る。
そんな中、先行した特命係を追うように伊丹たちや米沢もが派遣されて来た。
こうして、いつも面々が一同に会したのだが。
直後に謎の武装集団の襲撃を受け、本土へ送り返されてしまう。
その集団の正体は神室たちの行動を警戒していた特殊部隊であった。
実は神室たちは秘密裏に製造された生物兵器(天然痘)を盗み出しており、この回収の為に特殊部隊が動いていたのだ。
特殊部隊により神室たちは制圧され、生物兵器の保管場所も明らかにされることに。
その頃、本土へ戻った右京たちは今度こそ事件を解決すべく再び鳳凰島へ。
其処で拘束された神室たちと合流する。
此処に右京は岩代殺害の犯人が神室であると指摘する。
神室は杖に蹄鉄を加工した物を凶器とし、文庫本を落とすと岩代に拾わせた隙を突き殺害したのである。
志摩子を通じ岩代がスパイであることに気付いたからであった。
一方、神室たちの目の前で生物兵器の保管場所が爆破された。
これで全て終わったかに思われたが……。
右京は神室たちの目がまだ死んでいないことを見逃さなかった。
彼らは未だに生物兵器を所持している。
ふと思い出されたのは右京たちと入替りに運び出された荷物である。
まさか、あれがそうなのではないか!?
こうして、右京の手配りで本土に送り出されたと思われるソレの捜索が開始。
数時間後、それと思しき品が見つかり右京の推測が正しかったことが明らかとなった。
これにより、今度こそ本当に事件が解決したのであった。
後日、逮捕された神室。
そんな神室を右京は一喝するのであった―――エンド。
<感想>
「相棒」劇場版第3弾です。
正直、期待していた作品の方向性とは些か異なっていた印象。
てっきり、岩代がダブルスパイでこれを巡って若狭と神室が争う的な謀略戦を想定していたのだけど割とあっさりとしたストーリー展開に終始しましたね。
これは「相棒」である必要があったのかどうか。
少なくとも「相棒」シリーズの1作としては賛否を呼びそうな感じ。
そう言えば、岩代はスパイな割にグループに参加するやあっさりとやる気を失くしていたんだよなぁ。
明らかな人選ミスのような……。
若狭は神室のこともあるが、どうも人を見る目に問題があったのかもしれない。
でも事業家としては成功している不思議!!
それと、ラストにて右京が神室を一喝し全否定していたことに違和感。
少なくとも、その点の是非については視聴者に委ねてくれても良いと思うのだが。
第一、右京は全否定していたものの「志を抱くことそれ自体」には問題がない筈なんだよなぁ。
ただ、神室の場合は「その志を為すべく採った具体的な手段」に問題があった。
これがあまりに非常な方法であった為に神室は批判されるべき存在となってしまったワケで。
右京ならば此の点をきちんと指摘して欲しかったかな。
それと、本当に志を為そうとするなら、たとえそれが困難と分かっていても多くの人に理解を得られるように語るべきなんだよなぁ。
少なくとも「伝えようとする努力」を怠るのはどうかな。
此の点も右京なら指摘して欲しかったなぁ。
ちなみにネタバレあらすじはかなり改変しています。
本作を実際に視聴して、何処を改変したかを楽しむのもアリかも。
◆関連過去記事
・「相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」ネタバレ批評(レビュー)
・『相棒 ―劇場版2―』(大石直紀著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」ネタバレ批評(レビュー)
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