2014年10月28日

「すべてがFになる」2話「冷たい密室と博士たち(後編) 【暴かれる冷たい密室の謎と哀しき殺人者の記憶】」(10月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」2話「冷たい密室と博士たち(後編) 【暴かれる冷たい密室の謎と哀しき殺人者の記憶】」(10月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

何者かにより低温実験室に閉じ込められた萌絵(武井咲)は、犀川(綾野剛)に救助され一命を取り留める。集中治療室に運ばれた萌絵の元へ、叔父の捷輔(吉田鋼太郎)がやってくる。捷輔は犀川に、萌絵が事件のことを調べているのは、犀川に認められたいからだろう、と話した。

翌朝、一般病棟に移った萌絵のそばには犀川がいた。犀川は萌絵に、犯人の目星が付いているだろう、誰だと思うか、と聞く。萌絵は、犀川の推察と同じだと答え、自分の代わりにそれを確かめて来てほしいと頼む。

同じ頃、極地環境研究センターに里佳(市川由衣)が出勤して来る。早い出勤に驚く守衛に里佳は、出張先から直接戻ったのだ、と明かした。

その頃、研究センターに着いた犀川は、悲鳴を聞いて建物に駆け込む。実験室付近の階段の下に木熊(平田満)が倒れていて、隣では里佳が震えていた。

現場に到着した刑事の鵜飼(戸次重幸)は、同じ場所から4つも遺体が出るとは狂っている、とため息をもらす。犀川は、そんな鵜飼から情報を収集し考察を重ねる。さらに、喜多(小澤征悦)に亡くなった増田のパソコンに残された「shika」というフォルダについて聞くと、喜多は、誰かの登録名では、と答える。

研究室に戻った犀川は、桃子(水沢エレナ)から、犀川のパソコンのセキュリティーが何者かによって破られていたことを聞く。やがて犀川は誰かにメールを打つ。手法はすべて自明――、と書き始めた相手は、shikaだった。
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

・前編はこちら。
「すべてがFになる」1話「冷たい密室と博士たち(前編)」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

教授の木熊と助教の一之瀬里佳が責任者と勤める極地研にて殺人事件が発生。
被害者は丹羽と服部珠子の2人。
共に施錠された実験室内で殺害されていた。
つまり、密室殺人である。

この事件に興味を抱いた萌絵は独自の調査を開始。
だが、何者かに襲撃を受け命の危機に。
其処を駆け付けた犀川に救われる。

その翌朝、実験室内にて木熊が縊死体で発見される。
第一発見者は里佳である。
木熊は前夜2時ごろに死亡しており、里佳には県外に宿泊していたとのアリバイがあった……。

一方、犀川はと言えば既に真相を突き止めていたがその驚くべき内容に信じられないでいた。

その夜、犀川は犯人宛にメールを送信し呼び出すことに。
これに応じた犯人であったが、萌絵と喜多が乱入したことで追い詰められ屋上から身を投げる。
一命を取り留めた犯人であったが、その正体は―――里佳であった。

此処に犀川は真相を明かす。

まずは密室殺人のトリック。
あれは本来ならば「不必要な密室」であった。
シャッターから出入りした外部犯に偽装するつもりが、故障により密室になってしまったのだ。

では、犯人は実際何処から出入りしたのか。
その答えは「2人の犯人が丹羽と珠子に成り済ました」とのものであった。

犯人の1人は里佳だ。
では、もう1人は誰か?

それは死亡した木熊であった。
木熊と里佳は共謀し、丹羽と珠子を殺害したのだ。

その動機は増田の自殺にあったのだろう。
里佳はこの原因となった丹羽と珠子を恨み殺害を決意したのだ。

それにしても、木熊は何故、里佳に協力したのか。
これにも理由があった。
木熊こそは里佳の実父だったのである。

そして、木熊の死にこそ2人が親子である証拠が残されていた。
シャッターの故障により外部犯に偽装し損ねた里佳たち。
これにより犀川らから疑惑が向けられつつあった。

この事態に木熊は娘である里佳を救おうと必死になった。
其処で里佳にアリバイがある折を選び、もう1つ事件を起こすことに。
それが自身の死であった。

里佳が第一発見者になるよう図った上で、自殺したのである。
そして、発見した里佳に他殺に偽装するよう指示を遺した。
里佳がこれに従った為に、他殺だと思い込まされていたのだ。

幾ら親子とは言え自らの命すら投げ出せる関係―――これに犀川は驚きを隠せず信じられなかったのだ。

数日後、里佳の口から詳細な動機が明かされた。
数年前。丹羽は忘年会後に里佳に関係を強要していた。
これを珠子が里佳の恋人であった増田に教え、増田が自暴自棄になり自殺。
里佳が丹羽と珠子を恨み、2人が木熊と自身に結婚報告をしに来たことを機に殺害を決意。
父である木熊に協力を求めたのであった―――3話「封印再度(前編)」に続く。

<感想>

ドラマ原作は森博嗣先生「S&Mシリーズ」。
そして、今回はシリーズ第2弾『冷たい密室と博士たち』のドラマ化でした。
原作『冷たい密室と博士たち』については過去にネタバレ書評(レビュー)ありますね。

『冷たい密室と博士たち』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマ感想を。

他は割と原作尊重でしたが、丹羽と服部珠子殺害の動機が些か異なっていましたね。

ドラマ版では丹羽が忘年会後に里佳に関係を強要。
これを珠子が里佳の恋人であった増田に教え、増田が自暴自棄になり自殺。
里佳が丹羽と珠子を恨み、2人が木熊と自身に結婚報告をしに来たことを機に殺害を決意。
父である木熊に協力を求めたことになっていました。

原作では丹羽が忘年会後に里佳を泥酔させ凌辱。
これを丹羽が増田に自慢したことが原因で、増田が自暴自棄になり失踪(自殺)。
後に増田から「shika」のアカウントを引き継いだ丹羽が、里佳と増田の関係を知る。
丹羽は里佳を脅迫し論文の代筆を強要。
さらに、木熊に珠子との結婚を報告し仲人を依頼。
これを木熊から聞かされた里佳は丹羽を許せなくなり、木熊にすべてを打ち明ける。
事情を知った木熊は研究者としても娘の父親としても許せなくなる。
丹羽の殺害を決意。
この際、珠子も丹羽から秘密を聞かされていた可能性があると考え、これも殺害との流れでした。

う〜〜〜む、比較すると原作の丹羽が物凄い悪人だ。
その為に珠子殺害に関しては木熊親子が些かやり過ぎの感もある。
とはいえ、原作はどちらかと言えば「里佳の復讐」よりも「研究者の純粋を穢した丹羽に死を!!」的な内容でした。
ドラマ版は全体的に「男女の愛」や「親子の愛」が強調されてたかな。

そう言えば、序盤の萌絵が低温実験室に閉じ込められたシーンなんだけど、あの状況下で息が白くなかったのが気になったかなぁ。
それと、助けに現れた犀川が気圧をモノともせずロック解除出来たのも気になった。
この辺りは科学をテーマにする作品だけにリアルに基づいて欲しかったかなぁ。

それと今回のドラマ化はシリーズ第2弾『冷たい密室と博士たち』に始まり、第5弾『封印再度』、第1弾『すべてがFになる』、第9弾『数奇にして模型』、第10弾(最終巻)『有限と微小のパン』が予定されており、各話が前後編となるので全10回が予想されています。

そんな次回は「封印再度(前編)」。
原作ネタバレ書評(レビュー)ありますね。
そして、あの匣のトリックが実写化されるのは楽しみ。
注目せよ!!

・シリーズ第5弾。
『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
・シリーズ第1弾。
『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第2弾。
『冷たい密室と博士たち』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第3弾。
『笑わない数学者』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第4弾。
『詩的私的ジャック』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第5弾。
『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第9弾。
『数奇にして模型』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第10弾にして最終話。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・ドラマ版第1話。
「すべてがFになる」1話「冷たい密室と博士たち(前編)」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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有限と微小のパン (講談社文庫)





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こちらはコミック版「冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))」です!!
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posted by 俺 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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