<あらすじ>
萌絵(武井咲)は犀川(綾野剛)を誘い、香山という一家が暮らす日本家屋にやってくる。名目は「歴史的建造物の調査」だが、萌絵の興味は香山家に伝わる壺と匣(はこ)にあった。鍵のかかった匣には対となる壺があり、中に鍵らしきものが入っているがそれを取り出すことはできない。50年前、当主で仏画師の香山風采の死亡事件が起ったとき、壺に風采の血痕が付着していた。それを見た警察が匣を開けようとしたが、息子で同じく仏画師の林水がそれを拒んだという。
曰わく付きの壺と匣を見たい萌絵は、犀川とともにそれが置かれている蔵まで来るが使用人に制される。それでも粘る萌絵を、現在の当主・香山林水(横内正)の妻であるフミ(真野響子)が厳しく制した。
別の日、萌絵、犀川、萌絵の叔父・捷輔(吉田鋼太郎)がレストランにいると、林水の長女で漫画家のマリモ(原田夏希)がやってくる。捷輔の妻が風采の画が好きだったことから、捷輔はマリモと知り合ったという。
マリモの取り計らいで再び香山家を訪ねた萌絵と犀川は通された客間でマリモを待つが、約束の時間を過ぎてもマリモは帰宅しない。やがて萌絵が部屋を出ようと襖を開けると、蔵の方から叫び声がした。萌絵と犀川が駆けつけると、フミら一族が集まっていた。蔵の中に大量の血痕があったが、そこにいるはずの林水の姿はなかった。しかし、側にはあの壺と匣があり、白い壺の表面にはべったりと血痕が付いていた。
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……
犀川は萌絵に連れられ旧家の香山家を訪れた。
香山家にはある因縁が秘められていた。
今を遡ること50年前、当時の当主である香山風采が密室内で謎の死を遂げたのだ。
付近から凶器を発見することが出来ず、他殺かと思われた。
現場には「天地の瓢」と「無我の匣」なる壺と匣が置かれており、風采はこれに触れないように言い残していたそうだが……。
ちなみに「天地の瓢」には「無我の匣」を開ける鍵が入っている。
だが、「天地の瓢」の口は狭く「無我の匣」の鍵を取り出すことは出来ない。
しかし、「無我の匣」は鍵を以て開くのである。鍵はどうすれば手に入るのか。
風采の死の謎と共にこの謎に興味を示す萌絵だが、現当主・林水とその妻・フミに厳しく窘められてしまう。
そんな中、香山家の娘・マリモに依頼され謎解明の為に再度、香山家を訪問した犀川と萌絵。
マリモの到着が遅くなる中、林水は「天地の瓢」と「無我の匣」と共に蔵に籠っていた。
そして18時。
マリモの甥である勇介が蔵へ向かうと暫くして戻って来た。
勇介は「(林水が)もういないよ」と告げる。
その遠くでは犬が何かに激しく吠え立てていた。
次いで19時。
蔵を確認に向かうが返答なし。
扉は開かなかった。
そして20時。
蔵に食事が届けられたが返答なし。
扉は開かなかった。
21時、心配になった家人が様子を見に行くと……扉が開いた。
さらに悲鳴が上がる。
蔵の中に居る筈の林水だが、何時の間にやら消えていた。
蔵の中には血溜だけが残されていたのである。
事件として鵜飼らが駆け付ける中、数時間ほど前にマリモが交通事故で瀕死の重傷を負って入院していたことが判明。
翌朝、林水の死体が橋の下で発見される。
さらに香山家付近からマリモの吸い殻が発見された。
つまり、マリモは一度香山家にやって来ながら再び出かけたことになるのだ。
萌絵はマリモの犯行を疑うが、直後に当のマリモが病院から姿を消してしまう―――4話「封印再度(後編)」に続く。
<感想>
ドラマ原作は森博嗣先生「S&Mシリーズ」。
そして、今回はシリーズ第5弾『封印再度』のドラマ化でした。
原作『封印再度』については過去にネタバレ書評(レビュー)ありますね。
・『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
では、ドラマ感想を。
導入部分などで原作に比べるとかなりアレンジありましたね。
そして、発生した事件。
ポイントは林水の孫・勇介が口にした「もういない」の意味。
ひと口に「いない」と言いますが「その場に居ない」以外にも意味はいろいろある筈で。
でもって、遠くで犬が吠えてましたよね〜〜〜。
つまり、犬が吠えるだけの事態が起こっていたワケで。
扉が開かなかったのは……これにもいろいろありますよね。
あらすじ上で敢えて「施錠されていた」と表記していない点から察してください。
1つの事象が1つの意味だけを指すとは限らない。
さぁ、これであなたも真相に辿り着ける筈。
とはいえ、あの動機をどうやって説明するのかが興味あるなぁ……。
それと今回のドラマ化はシリーズ第2弾『冷たい密室と博士たち』に始まり、第5弾『封印再度』、第1弾『すべてがFになる』、第9弾『数奇にして模型』、第10弾(最終巻)『有限と微小のパン』が予定されており、各話が前後編となるので全10回が予想されています。
そんな次回は「封印再度(後編)」。
原作ネタバレ書評(レビュー)ありますね。
そして、あの匣のトリックが実写化されるのは楽しみ。
注目せよ!!
・シリーズ第5弾。
『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
【S&Mシリーズ】
・シリーズ第1弾。
『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ第2弾。
『冷たい密室と博士たち』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ第3弾。
『笑わない数学者』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ第4弾。
『詩的私的ジャック』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ第5弾。
『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ第9弾。
『数奇にして模型』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ第10弾にして最終話。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ版】
・「すべてがFになる」1話「冷たい密室と博士たち(前編)」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「すべてがFになる」2話「冷たい密室と博士たち(後編) 【暴かれる冷たい密室の謎と哀しき殺人者の記憶】」(10月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【その他】
・超再現!ミステリー「巧妙なトリック暴け人気推理小説を超再現謎を解け&犯人は誰?超衝撃の2時間SP 大学内で連続殺人…美女が残した(秘)日記に謎を解くカギ…珍推理佐藤隆太スタジオ爆笑砂羽も紗栄子も超興奮」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・森ミステリィの名作「S&Mシリーズ」がフジテレビ系火曜21時枠にて連続ドラマ化!!タイトルは「すべてがFになる」に!!
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