2014年11月03日

「サイレーン」第67話「絶体絶命」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第67話「絶体絶命」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第66話「突入 その2」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

カラに拘束された里見。
残された希望は逃げ出した筈のレナであった。

だが、アイを人質にされた里見が架けたレナへの電話は無情にも別荘内に彼女が居ることを示していた。
しかも、相当に近い。

カラは里見に銃を突き付けつつ、着信音へと向かわせる。
其処は台所だ。
そして、音はシンク下から聞こえている。

カラに強制され、そっとシンクの下を覗き込む里見。
すると、其処にレナは居た。

レナは恐怖に震えながらもカラの死角からスタンガンを里見に手渡す。
これをそっと受け取る里見。
だが、レナの存在はカラにバレてしまった。

「双子か……」
トリックの割れた手品に失望の吐息を洩らすように呟くカラ。

と、レナが途端に走り出した。
同時に「里見さん」と叫ぶ。

カラの注意はレナに向かう。
銃口を向け発砲するカラ。
レナの悲鳴が上がる。

その隙にカラへと詰め寄る里見。
先程受け取ったスタンガンをカラに浴びせることに成功。
カラは驚愕の表情を浮かべながら仰向けに倒れ込むのであった―――68話に続く。

早川書房刊『ミステリマガジン』や『週刊文春』でも取り上げられた本作。
目的を果たすべく逃げるカラを里見が追う。
追い付くことが出来るのか……今週号の「週刊モーニング」で確認せよ!!

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」。
遂に猪熊が捜査一課に配属。
これにより「猪熊&里見VSカラ」の物語が明確化されました。
とはいえ、「悪女カラ自身」がテーマだったりもしそうだが。
それだけ、敵役のカラのインパクトが凄い。

その第67話。
サブタイトルは「絶体絶命」。

まさに「絶体絶命」となりましたが、其処からの大逆転が!!
レナ大活躍です!!
これが「虎穴に入らずんば虎児を得ず」か。

とはいえ、これで本当にカラを倒せたのかが気になる。
カラならばこれでもむっくり起き上がりそうだもんなぁ。
このままだと猪熊の活躍の場所も無くなってしまうし、もう一波乱はありそうな予感。

そう言えば、里見が以前に入手したカラの歯が今後どう活きて来るかについてふと想像を巡らせてみた。
カラの正体は未だ不明だが、もしかするとカラの歯からDNA鑑定によって本名が分かる可能性があるのかも……。
ただ、やはりカラは最後まで不特定多数の誰かみたいな感じで正体不明の方がより怖い気もするなぁ。

一方、先日ふと思ったのですが61話で明かされたカラの動機に1つ疑問が生じています。
それは……女性マネージャーの「自信」はともかく、高槻とおるの「優しさ」を得た割にカラが全く優しくないこと。
これはもしかして、打倒カラの伏線か?
此の点で精神的に矛盾を突いて彼女の動機を奪い自己崩壊を引き起こさせるのだろうか。
だとすると、かなり丁々発止の遣り取りになりそう。

それにしても、カラ篇が終了したとして次のエピソードはあるのか、それともカラの終焉を以て本作も完結するのか……此の点も気になるところ。

ちなみにカラですが、ラストは燃え盛る別荘と共に生死不明になりそうな予感。
でもって、里見と猪熊が街中でカラっぽい人を見かけてエンド的なホラーテイストの結末と予想。
あるいはカラは何処にでも居る的なラストか。
だとすると、やはりカラ篇終了が本作の完結となるのだろうか。
確かに綺麗にまとまるけど、出来れば里見と猪熊で他のエピソードなども読みたいなぁ。

おっと、気が早いか。
それもこれも今後の展開次第かな。

さて、いずれにしても里見とカラの対決はすぐ其処。
果たして里見は猪熊を助けることが出来るのか。
次回に期待!!

コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻、4巻、5巻に続き6巻も発売とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第60話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「サイレーン」第61話「動機」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「サイレーン」第64話「橘カラになりたい」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第65話「突入」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第66話「突入 その2」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。
三河くん:月本の部下。
高槻とおる:5年前に発生した薬局店息子殺人事件の被害者。
時田:捜査一課未解決事件係の刑事。猪熊の先輩。
舞川:5年前からのカラの常連客。

遂に発売。「サイレーン(1) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(1) (モーニングKC)





「サイレーン(2) (モーニングKC)」です!!
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「サイレーン(6) (モ-ニングKC)」です!!
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「レンアイ漫画家(5)<完> (モーニング KC)」です!!
レンアイ漫画家(5)<完> (モーニング KC)



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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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