ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧は本記事下部に移動しました。
<あらすじ>
・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第67話「絶体絶命」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
レナの協力により、カラをスタンガンで倒した里見。
気絶したカラを結束バンドとロープで拘束することに。
続いて、猪熊の救出に成功。
後は脱出するだけかと思いきや……。
拘束した筈のカラが消えていた。
見れば台所のコンロで何かを燃やした痕跡が残っている。
なんと、短時間でスタンガンから回復したことも恐るべきことながら、さらにカラは自身の手が焼けることも躊躇せず結束バンドを焼いたのだ。
恐るべき精神力である。
カラが自由になっていることに気付いた里見は息を呑む。
尋常な脱出行ではなくなってしまったのだ。
レナとアイと合流し、一刻も早く脱出すべく入り口を目指す里見。
扉を開けようとしたところで倒れ込んでしまった。
レナとアイも同様である。
驚く猪熊。
ドアノブに電流が流されていたのだ。
しかも、床には水が撒かれていた。
カラの罠だ。
猪熊が逃れられたのは偶然に過ぎない。
驚愕する猪熊の前に、復活したカラが迫る。
里見もレナもアイも倒れた今、戦えるのは猪熊のみ。
果たしてどうなる―――69話に続く。
早川書房刊『ミステリマガジン』や『週刊文春』でも取り上げられた本作。
目的を果たすべく逃げるカラを里見が追う。
追い付くことが出来るのか……今週号の「週刊モーニング」で確認せよ!!
<感想>
「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。
そんな「サイレーン」。
遂に猪熊が捜査一課に配属。
これにより「猪熊&里見VSカラ」の物語が明確化されました。
とはいえ、「悪女カラ自身」がテーマだったりもしそうだが。
それだけ、敵役のカラのインパクトが凄い。
その第68話。
サブタイトルは「電流デスマッチ!」。
まさに「デスマッチ」の様相を示しつつありますね。
倒し、倒され、倒され、倒し。
里見もレナもアイも倒れた。
リングに残るのは猪熊とカラの2人きり。
最後に立っているのはカラか……それとも猪熊か。
此処で関わって来そうなのはレナが盗み出したカラの薬か。
時間切れでカラが倒れることになりそう。
とはいえ、精神が肉体を凌駕したカラ。
果たして、それで終わるのか……!?
カラの拠って立つロジックを砕く必要があるのではないか。
それこそカラの動機。
カラは殺した者の特徴を奪えると思い込んでいる。
しかし、高槻とおるの「優しさ」を得た割にはカラは全く優しくない。
此の点で精神的に矛盾を突いて彼女の動機を奪い自己崩壊を引き起こさせたりしたら物凄い展開になりそうだが……。
そう言えば、里見が以前に入手したカラの歯が今後どう活きて来るかについてふと想像を巡らせてみた。
カラの正体は未だ不明だが、もしかするとカラの歯からDNA鑑定によって本名が分かる可能性があるのかも……。
ただ、やはりカラは最後まで不特定多数の誰かみたいな感じで正体不明の方がより怖い気もするなぁ。
それにしても、カラ篇が終了したとして次のエピソードはあるのか、それともカラの終焉を以て本作も完結するのか……此の点も気になるところ。
ちなみにカラですが、ラストは燃え盛る別荘と共に生死不明になりそうな予感。
でもって、里見と猪熊が街中でカラっぽい人を見かけてエンド的なホラーテイストの結末と予想。
あるいはカラは何処にでも居る的なラストか。
だとすると、やはりカラ篇終了が本作の完結となるのだろうか。
確かに綺麗にまとまるけど、出来れば里見と猪熊で他のエピソードなども読みたいなぁ。
おっと、気が早いか。
それもこれも今後の展開次第かな。
さて、いずれにしても里見とカラの対決はすぐ其処。
果たして里見は猪熊を助けることが出来るのか。
次回に期待!!
コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻、4巻、5巻に続き6巻も発売とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!
ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。
・「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
・「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第60話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「サイレーン」第61話「動機」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第62話「11歳」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第63話「15歳」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第64話「橘カラになりたい」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第65話「突入」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第66話「突入 その2」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第67話「絶体絶命」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。
三河くん:月本の部下。
高槻とおる:5年前に発生した薬局店息子殺人事件の被害者。
時田:捜査一課未解決事件係の刑事。猪熊の先輩。
舞川:5年前からのカラの常連客。
【関連する記事】
- 『スーサイド・パラベラム』第9話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2016vo..
- 「実は私は」第1話から第160話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオ..
- 「ダジャレ禁止令」(志水アキ画、講談社刊「週刊少年マガジン」掲載)ネタバレ批評(..
- 「実は私は」第160話「藍澤渚と藍澤渚E」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」最終話(第35話)「事件の先に」..
- 「実は私は」第159話「藍澤渚と藍澤渚D」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第107話「いつかの文学全集」(加藤元浩作..
- 「黒霊ホテル殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連..
- 「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チ..
- 「実は私は」第158話「藍澤渚と藍澤渚C」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第34話「真犯人」(作画・星野泰..
- 「実は私は」第157話「藍澤渚と藍澤渚B」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第106話「動く岩」(加藤元浩作、講談社刊..
- 「実は私は」第156話「藍澤渚と藍澤渚A」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第33話「真相」(作画・星野泰視..
- 「実は私は」第155話「藍澤渚と藍澤渚@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 「実は私は」第154話「勘違いしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャ..
- 【エピソード最終話】「黒霊ホテル殺人事件」最終話、第6話(「金田一少年の事件簿R..
- 「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第32話「二重人格」(作画・星野..
- 「ビーストコンプレックス」最終話(第4話)「カンガルーとクロヒョウ」(板垣巴留作..