2014年11月19日

「すべてがFになる」5話「すべてがFになる(前編)【天才博士が仕組んだ孤島の謎】」(11月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」5話「すべてがFになる(前編)【天才博士が仕組んだ孤島の謎】」(11月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

西之園萌絵(武井咲)と犀川創平(綾野剛)は、ゼミ旅行と称して真賀田四季(早見あかり)の研究所がある島へやってくる。

15年前、当時14歳だった四季は両親を殺害した容疑で裁判にかけられるが、心神喪失が認められ無罪となっていた。9歳でアメリカの大学に入学し11歳で博士号を取得、12歳でIT企業の主任エンジニアとなるなど、天才プログラマーとしてその名を馳せた四季の事件は、世間を大きく騒がせた。以来、四季は研究所に籠り、一度も外出していないという。

特別な許可を得て研究所を訪ねた萌絵と犀川は、不在の所長・新藤清二(冨家規政)に代わり副所長の山根幸宏(利重剛)から最新鋭の管理システムについて説明を受ける。そこへ、四季からの緊急コールが入った。地下にいる四季の部屋へと駆けだした山根に続き、萌絵と犀川も走り出した。

四季の部屋の前室は、警報音が鳴り響きパニック状態に陥っていた。部屋に入りたいが、システムエラーで扉が開かないという。そこへ、清二の妻で四季の叔母の新藤裕見子(藤吉久美子)が現われる。扉を壊して進入するしかないと言うスタッフに、裕見子は清二の許可がいると躊躇する。

そのとき、警報音が止んで照明が明滅し始める。主任プログラマーの島田文子(山田真歩)が確認するが原因はわからない。すると今度は、ロックが自動で解除されゆっくりと扉が開き始めた。暗闇の中、萌絵らが目を凝らすと、ウエディングドレスのような白い服を着た人影がいて…。
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

真賀田四季は天才である。
9歳でアメリカの大学に入学、11歳で博士号を取得、12歳でIT企業の主任エンジニアとなった。
まさに天才と呼ぶに相応しい経歴だ。

そして彼女が14歳のときに事件が起こった。
舞台となったのは真賀田家、其処で惨劇が発生したのだ。

次々と悲鳴を上げて倒れ込んで行く男女、彼らは真賀田四季の両親である。
その前には血塗れの包丁を構えた四季本人と、背後から彼女を抱き留めその手を握り締める四季の叔父・新藤清二の姿があった。

数ヶ月後、四季は両親殺害の罪を問われたが、彼女の才が惜しまれたことから心神喪失が認められた。
以降、四季は離島に作られた真賀田研究所に隔離区画を設けられ、其処に生活しながら研究に没頭している。
身辺には人を寄せ付けず、連絡もメールやバーチャル会議などに限られていた。

真賀田研究所には所長として四季の叔父・新藤清二、副所長に山根幸宏、主任プログラマーの島田文子らが存在。
さらに、新藤の妻・裕見子や弓永医師も暮らしている。
彼らが四季を監視しつつ、支えていたのだ。

それから15年が経過した。
真賀田研究所に犀川と萌絵がゼミ旅行で訪れることに。
そのとき、既に新たな事件が発生していたのである。

その日、所長の新藤は四季の妹とされる真賀田未来を迎えるべく島を留守にしていた。
未来は長く海外に生活していたとのことだが……。

犀川と萌絵は、代わりに留守を守っていた山根副所長に迎え入れられつつ研究所について説明を受ける。
真賀田研究所のすべてを管理するのは最新鋭管理システム「デボラ」。
「デボラ」はドアの開閉など防犯から照明や空調管理に至るまで音声認識で権限者と確認が取れれば実行に移す。
そして、真賀田研究所での生活を快適なモノとしているのが自走ロボ「P1」。
「デボラ」を通じて「P1」に指示を出すことで、自動で荷物を運ぶことが出来るのだ。

近未来を体現した生活に羨望を抱く犀川と萌絵。
と、其処にエマージェンシーコールが鳴り響く。
発生源は真賀田四季の隔離区画。
すなわち、コールの主は四季自身だ。

狼狽する山根を先頭に区画前に駆け付けた犀川たち。
突然、コール音が鳴り止んだかと思うと目の前で扉が開放されて行く。

中から出て来たのは、萌絵が見る限りウエディングドレスを着用した真賀田四季博士のようだ。
ソレは周囲の問いかけにも答えず、床を滑るようにこちらに寄って来る。
そして、そのまま犀川たちの隣を通り過ぎ廊下へと進んでしまった。

逸早く正気を取り戻した犀川が「P1で運ばれている。止めるんだ!!」と指示を飛ばす。
これに応じた山根の声により「デボラ」を緊急停止後に再起動することで「P1」は停止。
同時に「P1」に乗せられた女性も止まった。
犀川たちは隔離区画前を離れ「P1」へと駆け寄る。

此処で遅ればせながら急を聞きつけた弓永医師がやって来た。
弓永医師は犀川たちの先頭に立ってウェディングドレスの女性に近付き叫ぶ。
「四季博士が死んでる!!」と。
さらに、弓永医師は隔離区画の扉をロックするよう指示する。

何故なら、P1に乗った被害者はその両手両足を切断されていた。
すなわち、何者かによる他殺である。
だとすれば……犯人はまだ隔離区画内に居る筈だからである。

隔離区画の扉には緊急ロックが架けられた。
その後、上階からエレベータを呼び寄せると死体を目撃し体調を崩した裕見子が運ばれた。

次いで、とりあえず事態を外部に報告しようとする山根であったが外部との連絡を切断されていることに気付く。
犀川はこれを内部犯によるトロイの木馬であると指摘。
どうやら「デボラ」内のプログラムに工作されたようである。

犀川は状況をまとめるべく質疑を行う。
この1週間ほど、四季は定期休暇を取っていたところだったらしい。
さらに、隔離区画は四季が中に入って以来15年間遮断されており出入りした形跡は一切ない。
もしも、出入りを行えばカメラに映像も残される。
すなわち、隔離区画への侵入者はシステム上有り得ない―――密室である。
そして、物理的には扉以外に隔離区画への侵入経路は存在しない。
不可能犯罪となってしまうのだ。

一方、萌絵は被害者の両手両足が切断された謎に挑んでいた。
P1の積載荷重30キログラムを満たす為に遺体を軽くしたのでは……と考える犀川だが。

其処へ新藤所長がヘリで帰還する。
コックピットから軽く身を乗り出した新藤に事情を伝える萌絵。
すると、後部から同乗者である四季の妹とされる真賀田未来が降りて来る。
無言の未来を山根は部屋へと案内する。

ところが30分後、何時まで経っても新藤所長がヘリポートから戻って来ない。
疑問を抱いた萌絵がヘリポートへと様子を確認しに赴くと……新藤所長は30分前とほぼ同じ姿勢で殺害されていた。
どうやら、萌絵と別れた直後に絶命したようである。

犀川がデボラに確認したところ、島外へと出た人物はいない。
つまり、犯人は未だ島内に存在することになる。
しかも、通信手段は絶たれ、脱出するには3日後にやって来る船を待つしか方法は無い。
これに研究所の面々は大パニックを起こす。

そんな中、此処で萌絵が推理を語り出す。
強制再起動によりデボラは機能停止していた。
犯人はその隙を突き、エレベータに乗り込みヘリポートへ。
後に新藤を殺害したのではないか、とのものだ。

だが、四季の隔離区画前のカメラだけは独立して動いているらしい。
萌絵の推理通りならばカメラに犯人の姿が残って居なければならない。
ところが、カメラには誰の姿も映っていなかったのである。

犀川は隔離区画内を調べるしかないと提案。
これに従い山根らが隔離区画内へと突入する。

中はひたすら簡素であった。
PCが2台と電子工作用の機材が一式。
その奥にある2つの部屋は1つが何もない部屋、もう1部屋は居住スペースとなっていた。
だが、閉じ込めた筈の犯人の姿は何処にも無かった。

そのとき、文子が四季のPCに「デボラバージョン6」が残されていることに気付いた。
これは未だに完成していないとされていたシステムであった。
ところが、既に完成されていたのである。
現在使用中の管理システムは「デボラバージョン4」、これが意味するところは……。
さらに、カレンダーに「すべてがFになる」とのメッセージが残されていた。

そのとき、部屋の隅から鈍い音が響いた。
慌てて調べたところ、奥にもう1つ隠し部屋が存在していることが判明。
その奥からは殺された筈の四季の声が……。
隠し部屋を開こうとするが、内側から施錠されているようで開かない。

「あなたは誰ですか?」
萌絵の問いに相手は「ミチル」と答えた。
ミチルに扉を開けるよう依頼する萌絵。
これに応じ、開かれた扉の向こうには1台のロボットが―――6話「すべてがFになる(後編)」に続く。

「すべてがFになる」6話「すべてがFになる(後編)【美しき狂気の殺人者】」(11月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<感想>

ドラマ原作は森博嗣先生「S&Mシリーズ」。
そして、今回はシリーズ第5弾『すべてがFになる』のドラマ化でした。
原作『すべてがFになる』については過去にネタバレ書評(レビュー)ありますね。

『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマ感想を。

今回、フェアを期すべくネタバレあらすじにも工夫を凝らしました。
あらすじを読めば細かなトリックは不明でも、大きいところは分かる筈です。
トリックに関わるポイントだけ妙に回りくどい書き方になっているのがヒントです。

例えば「萌絵が見る限りウエディングドレスを着用した真賀田四季博士」。
その後の「ソレ」や「彼女」、登場人物が口にする「被害者は四季」の意味。
少なくとも地の文では「被害者が真賀田四季である」とは表記していません。
でもって「隔離区画への出入りはシステム上有り得ない」など。

もちろん劇中でも手掛かりは表示されていました。

上階にあったエレベータ、その意味は……萌絵が語った通り。
もちろん、アレはカメラ映像に疑惑を抱かせる為の伏線でもあります。

そして、異常なほどに登場時間の少なかった未来。
殆ど確認出来ないほどですが、これにも意味が。

さらに何故、15年も待つ必要があったのか?
15年から1年引けば14年、これと同じ数字が何処かにあったような……。

これらに、これまでの本作のトリックを考えれば傾向は見えて来る筈。
さぁ、あなたはこの謎が解けるか!?

ちなみに、文子は『有限と微小のパン』にも登場する筈のキャラ。
覚えておくとドラマ版『有限と微小のパン』で「おおっ」と思うことがあるかも。

そして「瀬戸千衣」。
些か先の話ですが、本来なら『封印再度』が初出であった筈の彼女が『数奇にして模型』に登場するのかも注目。

それと今回のドラマ化はシリーズ第2弾『冷たい密室と博士たち』に始まり、第5弾『封印再度』、第1弾『すべてがFになる』、第9弾『数奇にして模型』、第10弾(最終巻)『有限と微小のパン』が予定されており、各話が前後編となるので全10回が予想されています。

そんな次回は「すべてがFになる(後編)」。
事件の真相が明らかに……。

・シリーズ第1弾。
『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
【S&Mシリーズ】
・シリーズ第1弾。
『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第2弾。
『冷たい密室と博士たち』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第3弾。
『笑わない数学者』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第4弾。
『詩的私的ジャック』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第5弾。
『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第9弾。
『数奇にして模型』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第10弾にして最終話。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ版】
「すべてがFになる」1話「冷たい密室と博士たち(前編)」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」2話「冷たい密室と博士たち(後編) 【暴かれる冷たい密室の謎と哀しき殺人者の記憶】」(10月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」3話「封印再度(前編) 【呪われた仏画師一族と家宝が眠る密室の殺人】」(11月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」4話「封印再度(後編) 【50年の時を超えた殺人と封印された真相】」(11月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
超再現!ミステリー「巧妙なトリック暴け人気推理小説を超再現謎を解け&犯人は誰?超衝撃の2時間SP 大学内で連続殺人…美女が残した(秘)日記に謎を解くカギ…珍推理佐藤隆太スタジオ爆笑砂羽も紗栄子も超興奮」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

森ミステリィの名作「S&Mシリーズ」がフジテレビ系火曜21時枠にて連続ドラマ化!!タイトルは「すべてがFになる」に!!

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