2014年12月04日

「相棒season13」第7話「死命」(12月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season13」第7話「死命」(12月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season13」第7話「死命」(12月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

その日、甲斐(成宮寛貴)はある男性を尾行していた。
男の名は田無(米村亮太朗)、30代の男性である。
田無は次々と別の場所で別の女性と落ち合うや、それぞれから現金を受け取っていた。

何故、甲斐が田無を調べているのか。
きっかけは悦子(真飛聖)の友人の父が経営するレストランの従業員・君江の死にあった。
田無は4年前に20歳も年上である君江と結婚したが、2年後に君江が急死。
その死により、6000万円もの保険金を手にしていた。

甲斐が調べているのは田無による保険金殺人の疑惑だったのだ。
田無は北海道出身、今は身寄りも居ないらしいが……。

君江の件は本来ならば既に病死として処理された案件。
だが、特命だからこそ捜査が可能なのである。
甲斐はこの機会にこそ特命の特徴を活かせると意気込んでいた。

その昼頃、当の田無は荒れていた。
どうやら、彼自身忸怩たる想いを抱えているらしい。
そんな田無を見て居れず、ついつい甲斐は身分を明かさず近付いて行く。

被疑者に肩入れする甲斐に危惧を抱いた右京(水谷豊)は伊丹たちの応援を求めるよう助言。
こうして、甲斐主導の捜査で事件はどんどん大掛かりになって行く。

ところが、これが裏目に出た。
伊丹たちが田無宅を訪問したところ、自身の置かれた状況に気付いた田無が逃げ出したのだ。

これを追った甲斐。
ビルの屋上に追い詰められた田無は「諦めるワケにはいかない」と奇妙な言葉を残して飛び降りてしまう。
飛び降り自殺だ。

これに甲斐は激しく衝撃を受けてしまう。
さらに、田無の死に責任を感じた甲斐は辞職まで考え始めることに。

この状況を看過出来ない右京は単独で捜査に乗り出した。
すると、幾つか田無に関する新事実が浮上する。

まず、田無宅から小児難病についての書籍が発見。
田無には身寄りが居ないにも関わらずである。

さらに、田無の血液からアルカロイド系毒物が微量に検出されたことが判明する。

しかも、2年前に田無は君江の保険金6000万円を受け取ると、直後に3000万円を引き出した後は特に手を付けていなかった。
ところが、1年程前から急に支出が増え続け底を尽きかけていたのである。

そして、田無は死の直前に「諦めるワケにはいかない」と口にしていた。
この意味は何なのか?

その翌日、田無の墓参りに足を運んだ甲斐に若い女性が声をかけた。
女性の名は美波(清水くるみ)、田無とはビッグママが居る「はれぞら園」で知り合ったらしい。

その頃、右京もまた田無を調べ「はれぞら園」に辿り着いていた。
「はれぞら園」はビッグママが主催者となり、行き場の無い若者たちに衣食住を提供しているそうだ。

「はれぞら園」に注目した右京は園が設置した「野菜の無人販売所」へ。
其処に並べられたアイリーンジャスミンに目を細める。

数時間後、甲斐のもとに美波から助けて欲しいと連絡が入っていた。
美波は結婚を迫る男に追われていたのである。
慌てて駆け付けた甲斐の前で、美波は男を彼氏と呼ぶ。
だが、甲斐から見れば男と美波の間には相当な年齢差が開いているように思えた。
そう、田無のときと同様である。
さらに、甲斐は助けた礼として美波に「無料飯」に誘われる。

「無料飯」とは「はれぞら園」のことであった。
美波の案内で「はれぞら園」に案内された甲斐。
其処でビッグママからご飯を振る舞われる。
ビッグママは気さくな人物のように思われたが……。

その陰で、ビッグママは婚約者の宮前から逃げ出した美波を叱責する。
宮前とは例の結婚を迫って来た男だ。
宮前と結婚するように強要するビッグママ。
美波はこれを渋々了承する。

美波の様子に何かを察した甲斐は刑事であると明かし事情を打ち明けるよう促す。
すると、美波は「見せたい場所がある」として人気の少ないコンテナへと誘う。
其処には外付けの鍵が備わっていた。

これを解錠した美波はコンテナの奥へと甲斐を進ませる。
「えっ、何があるの?」
油断し切っている甲斐が一歩足を踏み入れた。

途端、美波は甲斐を閉じ込めてしまう。

美波は甲斐の正体を始めから知っていた。
田無の死亡現場付近に居り、一部始終を目にしていたのだ。
甲斐のことを田無の仇だと思い、復讐の機会を窺っていたらしい。

「ふざけてんじゃねぇよ」
吐き捨てるなり慌てて逃げ出す美波。

だが、その目の前には右京が居た。
右京は甲斐たちの様子を見守っていたのだ。
こうして、右京により甲斐は助け出された。

右京はビッグママの秘密を明かすよう美波に迫る。
だが、美波はビッグママは裏切れないと口にする。
これに右京は田無のことを持ち出す。

美波と田無は兄妹のような関係であった。
田無は美波と宮前との結婚に反対していたらしい。
美波に罪を犯すなと繰り返していたのだ。

これを思い出した美波は右京たちに協力を約束する。
実は田無は最後に美波宛にメールを送っていた。
そのメールには「ビッグママから逃げたくなったら、このメールを警察に届けろ」とされていた。
内容は「はれぞら園」の悪事についてであった。

翌昼、特命係に右京、甲斐、角田、伊丹たちが集っていた。
右京は「はれぞら園」の悪事について告発する。

「はれぞら園」主催者ビッグママこと大原美千代は若者たちを取り込むと独身の中高年に紹介し結婚させていた。
その後、若者たちに結婚相手を殺させるのだ。
つまり、組織的な保険金殺人を行っていたのである。
もちろん、田無もこの加害者であった。

殺人に使用されたのは右京が目にしたアイリーンジャスミン。
アイリーンジャスミンにはアルカロイド系毒物が含まれている。
これを利用したのだ。

次いで具体的な捜査方法が検討され「はれぞら園」のメンバーのうち峰岸悠人が注目された。
峰岸の結婚相手は1年前に死亡したばかり、何か証拠が出るのではないかと考えられたのだ。
こうして突破口は峰岸に絞られた。

伊丹たちは峰岸を連行。
留守宅となった峰岸宅に右京たちが乗り込む。

殺害された峰岸の妻・文江は糖尿病を患っており、採血の記録が詳細に残されていた。
右京たちは其処からアルカロイド系毒物の痕跡を発見することに成功する。

遂に「はれぞら園」に捜査の手が入った。
ビッグママこと美千代は殺人教唆の罪で逮捕された。

逮捕された美千代はこれまでの柔和な笑顔をかなぐり捨てると秘められた本性を露にする。
そのふてぶてしさたるや堂に行ったものだ。
これに右京と甲斐が証拠を突き付けて行く。

まず、先に逮捕された峰岸が保険金2000万円を報酬として美千代に支払ったことを認めていた。
田無が入手した君江の保険金6000万円のうち3000万円が直後に引き出されたのも美千代への報酬だったのだろう。

峰岸の証言によれば、手口を教えるのもターゲットを決めるのもすべて美千代が行ったと言う。
田無の場合も同様で君江が毒牙にかかったのも美千代が目を付けたからであった。

美千代は暴力と甘言で相手を支配し殺害を強要していた。
田無もまた嫌々ながらも美千代に殺害を促されたようである。

「どいつもこいつも裏切りやがって」
これを聞かされ毒づく美千代。
さらに、被害者たちが若い異性と共に暮らせていたのだから満足だっただろうとまで揶揄する。

これに憤りを隠せない甲斐。
そんな甲斐を抑えつつ、右京が次の一手を打つ。

明かされたのは美千代の過去。
美千代もまた14年前の結婚詐欺の被害者だったのだ。
騙される側が騙す側に回っていたのである。

右京に自身の過去を明かされた美千代は此処で初めて動揺を見せる。
そして、がっくりと罪を認めるのであった。

だが、右京は「まだ終わっていない」と口にする。

訪問したのは、冒頭で田無に金を渡していた女性の1人である。
だが、実はその光景は全くの逆で、女性が田無から金を受け取っているものであった。
女性から事情を聞く右京たち。

5年前、女性は田無の数居る交際相手の1人に過ぎなかった。
あっさりと捨てられてしまう。
そして1年前に女性が娘の奈央と共に居たところを田無と再会した。
田無は「お、俺の娘か!?」と大層喜んだそうだ。
これを女性は認めたのだと言う。

ところが、奈央は別の男の子供であった。
田無は女性の嘘を信じ込んでしまったのだ。
以来、田無は金策に奔走し金を女性に貢ぎ続けて来た。
1年程前から田無の支出が増えたのは此の為だ。

さらに、女性は田無から金を吸い上げる為に嘘を加えた。
なんと、奈央が小児難病を患っており治療に大金が必要だと告げたのだ。
もちろん、実際の奈央は元気である。
ところが、これにも田無はころりと騙されてしまった。
だから、田無は自宅に小児難病の本を買い揃えてまで調べていた。

しかし、もはや田無には金が無い。
其処で田無は自身に保険金を賭けた。
君江にしたことと同じことを田無自身が受けることで保険金を遺そうとしたのだ。
だからこそ、田無の体内からアルカロイド系毒物が検出されたのである。

数日前、田無と食事をしたと言う女性。
田無にとって、それは最後の晩餐だったのだろう。

そして、田無が転落死をした理由。
これは最後に口にした「諦めるワケにはいかない」に意味があった。
それは奈央に保険金を遺す為に、捜査中の事故を偽装するとの意味であった。

田無は其処までして奈央の為に金を遺そうとしたのだ。
これを告げられるや、女性は逃げるように去って行く。

数日後、美波は喫茶店で働いていた。
いつか、紅茶の店を出すことが夢なのだそうである。

「もう会わないんだよね」
「刑事には会わない方がイイよ」
寂しそうに口にする美波に、諭すように告げる甲斐。

そんな甲斐だが、美千代の悪事を暴いた功により田無の件の責任は不問となった。
むしろ、褒め称えられるほどの大手柄と評されたそうである。
普段は感情を表に出さない峯秋でさえも顔を綻ばせたほどだ。
これにいつもならば反発心を抱く甲斐も素直に受け入れることに。
そのとき甲斐はこう溢したそうである。
「父と子は切れませんから」と。
甲斐も成長したのだろうか。

一時は辞職も視野に置いていた甲斐だが、刑事を続ける道を選択した。
そんな甲斐を右京は「相棒」として温かく迎えるのであった―――第7話了。

<感想>

シーズン13第7話。
脚本は真野勝成さん。

サブタイトルは「死命」。
意味は「死ぬべきいのち」あるいは「死ぬか生きるか」を指す。
これはすなわち田無の行動であり、それを受けての甲斐の進退を示したものでしょう。

田無は奈央が自身の娘であると信じ込み、娘の命を救うべく自身の命を捨てようとした。
田無としては保険金殺人にまで関与し汚れてしまった自分よりも無垢な奈央を生かそうとしたのでしょう。
ですが、そもそもその前提が虚偽でした。

そして、甲斐はそんな田無の行動により進退を迫られました。
それは「刑事生命」の危機。
だが、これを乗り越えたことにより成長し、父との関わり合いや刑事としての使命を改めて考える機会となったようです。

そんな甲斐を先達としてそっとサポートする右京。
「相棒」というよりは「師匠」といった風情ですが、これもまたアリか。

一歩間違うと劇薬的なストーリーでしたが、そつなくまとめ上げられていてかなり良かったです。
今のところ、「season13」ベストと言っても良い回ではないでしょうか。

それにしても、田無は皆に騙されてたんだなぁ。
美千代に奈央の母に甲斐まで。
唯一、騙せていたのは君江ということになるのだろうか……。

それと、美波は意外と依存心が強いらしい。
美千代の影響下から抜けたと思いきや、紅茶などから早くも右京と甲斐の影響下にあるようだし。
どうにも危なっかしい娘さんと言えそう。
田無に続き甲斐に依存しそうなところでしたが、あの台詞で甲斐が自立を促したと言ったところか。

甲斐と言えば、峯秋との関係も進展したし、右京との絆も確認出来ましたね。
これを考えると、7話は「相棒」史上でもエポックメイキングな回になるのかもしれないなぁ。

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