去年に続き今年もムックとして発売されず『ミステリマガジン 2015年1月号』内にてランキングが発表されています。
果たして気になる結果は?
◆「ミステリが読みたい2015年版」(早川書房、ミステリマガジン編集部編 2014年11月25日発売)
注意:各タイトルのリンクは「ネタバレ書評(レビュー)」、あるいは関連記事に繋がっています。
順位 | 国内 | 海外 |
---|---|---|
1 | 満願 | その女アレックス |
2 | さよなら神様 | 秘密 上下巻 |
3 | 小さな異邦人 | ゴーストマン 時限紙幣 |
4 | アルモニカ・ディアボリカ | 養鶏場の殺人 火口箱 |
5 | 異次元の館の殺人 | もう年はとれない |
6 | 喝采 | 逃げる幻 |
7 | ○○○○○○○○殺人事件 | 地上最後の刑事 |
8 | オーブランの少女 | 凍夜 |
9 | 東京自叙伝 | ハリー・クバート事件 上下巻 |
10 | 黒龍荘の惨劇 | 三秒間の死角 |
国内1位は米澤穂信先生『満願』(新潮社刊)です!!
見事、米澤穂信先生が1位に輝きました。
米澤先生、おめでとうございます!!
『満願』は米澤穂信先生が『小説新潮』内にて発表されたノンシリーズをまとめた短編集。
収録作は『夜警』『死人宿』『柘榴』『万灯』『関守』『満願』の6編。
それぞれの評についてはネタバレ書評(レビュー)をご覧頂きたい。
・『満願』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
果たして、他ランキングでどのような結果となるかに注目です。
そして、2位には麻耶雄嵩先生『さよなら神様』(文藝春秋社刊)。
「神様シリーズ」続編です。
こちらは連作短編となっており、ラストでは意外な結末が……。
・『さよなら神様』(麻耶雄嵩著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
3位には連城三紀彦先生『小さな異邦人』(文藝春秋社刊)がランクイン。
連城先生は2013年に亡くなっており、その最後の作品が2014年に刊行されています。
その一作が本作。
なお、連城先生は同じ2014年に「第18回日本ミステリー文学大賞 特別賞」を受賞されています。
・「第18回日本ミステリー文学大賞、同特別賞、新人賞」発表。栄冠は船戸与一先生、連城三紀彦先生、直原冬明先生に!!
4位は皆川博子先生『アルモニカ・ディアボリカ』(早川書房刊)。
「第12回本格ミステリ大賞」受賞作『開かせていただき光栄です』の続篇。
前作となる『開かせていただき光栄です』は2012年(2011年)のミステリランキングにて「このミス」「本ミス」「文春」「このミステリが読みたい!」全てで3位を獲得しています。
これは『アルモニカ・ディアボリカ』も各ランキング皆勤が期待出来そうです。
・2012年(2011年発売)ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・第12回本格ミステリ大賞(小説部門、評論・研究部門)発表!!栄冠はどの作品!?
5位には芦辺拓先生『異次元の館の殺人』(光文社刊)。
「シュレディンガーの猫」をモチーフにした「特殊設定パズラーもの」。
森江春策シリーズ2014年時点での最新作です。
やはりランキングに上がって来ました!!
・『異次元の館の殺人』(芦辺拓著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
6位には藤田宜永先生『喝采』(早川書房)。
本作発売を記念して行われた一夜限りの饗宴「BAR藤田」にて記事にしていますね。
・藤田宜永先生が「BAR」をオープン!?一夜限りの饗宴「BAR藤田」に注目せよ!!
7位は早坂吝先生『○○○○○○○○殺人事件』(講談社刊)。
「第50回メフィスト賞」受賞作。
タイトルからして分かるようにかなりの問題作ですが、ネット上では頗る評判が良いです。
ちなみに、あなたは○で伏せられたタイトルが分かりますか?
そして、第8位は深緑野分先生『オーブランの少女』(東京創元社刊)。
第7回「ミステリーズ!新人賞」佳作にして、表題作に代表される抒情的かつ寂寥感溢れる短編集。
一言で本作を評すなら「せつなさの欠片」とでも言うべきか。
未読の方は……ネタバレ書評(レビュー)であらすじを確認してみる!?
・『オーブランの少女』(深緑野分著、東京創元社刊「ミステリーズ vol.44」掲載)ネタバレ書評(レビュー)
そして、9位は奥泉光先生『東京自叙伝』(集英社刊)。
『シューマンの指』やドラマ化された「クワコーシリーズ」で知られる著者の「第50回谷崎潤一郎賞」受賞作です。
・『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』(奥泉光著、文芸春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「このミス!2011」5位の「シューマンの指」が音楽CDに!!さらに著者である奥泉先生がコンサートを!?
10位は岡田秀文先生『黒龍荘の惨劇』(光文社刊)。
これまたネット上で評判の作品。
明治の元勲たちの名前がどんどん出て来ます。
さて、この時点での国内総括。
去年に比べると、今年はかなり手堅いランキングの印象。
順当に話題作がランクインしたと言えるのではないでしょうか。
おそらく「このミス」「文春」も同様の作品が並ぶと予想されます。
一方、海外作品。
まず、『その女アレックス』が1位。
これにより『IN★POCKET』に続き2冠達成。
例年だと『IN★POCKET』から『ミステリが読みたい!』の時点で1位作品が既に異なっており、残る『このミス』『本ミス』『文春』の中で2冠、3冠といった形になっていました。
此処から考えれば近年では明かな快挙。
この勢いはスゴイ。これは3冠、4冠達成作品となりそうな予感……。
他に『IN★POCKET』と『ミステリが読みたい!』に共通する作品を見てみると……。
『もう年はとれない』(『IN★POCKET』4位『ミステリが読みたい!』5位)
『逃げる幻』(『IN★POCKET』5位『ミステリが読みたい!』6位)
『凍夜』(『IN★POCKET』6位『ミステリが読みたい!』8位)
『三秒間の死角』(『IN★POCKET』8位『ミステリが読みたい!』10位)
どの作品もランキングの上下はそのままに順位を少しずらしつつのランクイン。
すなわち、共通して上がった作品について読者の評価が似通っていることを示しています。
なかなかに興味深い結果です。
その他の作品については投票期間の差もあるのでしょうが、かなり異なりましたね。
さて、現時点での海外作品ランキングの注目点は2つ。
1.『その女アレックス』の3冠達成なるか?
2.『もう年はとれない』『逃げる幻』『凍夜』『三秒間の死角』のベスト10皆勤なるか?
此の点に注目しつつ続くランキングを見て行きたいと思います。
・【2014速報】「IN★POCKET 文庫翻訳ミステリー・ベスト10 2014」発表!!
以上、『ミステリが読みたい!2015年版』でした〜〜〜。
◆関連過去記事
・2014年(2013年発売)ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・2013年(2012年発売)ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・2012年(2011年発売)ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・2011年ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・2010年ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・【2013速報】『ミステリが読みたい!2014年版』発表!!
・【2012速報】『ミステリが読みたい!2013年版』発表!!
・【2011速報】「ミステリが読みたい2012年版」発表!!
・【速報】「ミステリが読みたい2011年版」発表!!
上記、ランキング中で気になる本がある方はこちら。
ラベル:ミステリが読みたい! ミステリマガジン 早川書房 満願 その女アレックス さよなら神様 秘密 小さな異邦人 ゴーストマン 時限紙幣 アルモニカ・ディアボリカ 養鶏場の殺人 火口箱 異次元の館の殺人 もう年はとれない 喝采 逃げる幻 ○○○○○○○○殺人事件 地上最後の刑事 オーブランの少女 凍夜 東京自叙伝 ハリー・クバート事件 黒龍荘の惨劇 三秒間の死角
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