2015年02月23日

ドラマスペシャル「クロハ 機捜の女性捜査官 連続殺人と集団自殺…2つの捜査本部8日間の激闘!!悪意に立ち向かう家族の絆!!真相にたどり着いた女刑事が交わす涙の約束とは!?冒頭20分…この中に犯人がいる」(2月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ドラマスペシャル「クロハ 機捜の女性捜査官 連続殺人と集団自殺…2つの捜査本部8日間の激闘!!悪意に立ち向かう家族の絆!!真相にたどり着いた女刑事が交わす涙の約束とは!?冒頭20分…この中に犯人がいる」(2月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

クロハ−本名:黒葉佑。神奈川県警本部・機動捜査隊勤務。射撃の名手。
機動捜査隊とは、事件発生時、現場へ急行し事件の初動捜査を行う。

港湾地区。無機的なレンタル・コンテナから、14人の男女の凍死体が発見される。
第一発見者となった機捜所属の女性刑事クロハ(杏)は、集団自殺の捜査本部に派遣される。
捜査を進めていくうちに、1通の遺書が見つかる。主任の加我晃太(池内博之)は、この事件を単純な集団自殺と考えるが、クロハは集団自殺を幇助した首謀者を探し出すべきだと主張し、加我と対立する。
その夜、クロハは精神科医である姉の諒(小西真奈美)に、不自然な凍死自殺について意見を求める。諒の“他にも人数分の遺書があるはず”というアドバイスをきっかけに、クロハは単独捜査に乗り出す。
発見された遺書は遺体の数よりも1通多いことが分かり、自殺していない者がいることが発覚する。クロハたちは残りの一人を探すが・・・。想像を絶する悪意が巣喰う、事件の深部へと迫っていく。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

「バロック・パール」、それは「歪な真珠」の意味である。
それは同時にクロハ自身のことでもあった。
クロハは自身の仕事を誇りにしつつ、その仕事に疑問を抱くなど二律背反する心情を抱えていたのだ。

そんな「クロハ」は本名「黒葉佑」。
県警本部・機動捜査隊に勤務する刑事だ。
また、有数の射撃の名手でもある。

クロハには姉で精神科医の「黒葉諒」とその息子「アイ」が居る。
2人はクロハにとって大切な家族である。

また、クロハにはある趣味があった。
それはチャットである。
クロハはハンドルネーム「アゲハ」を名乗りチャットルームに出入りしボイスチャットに興じていた。

ある夜、チャット仲間の「キリ」が「雷雲」なるメンバーを連れてやって来た。
「雷雲」は殺人について熱く語っていた。
これを聞いていたキリは急に「アゲハになる!!」と宣言しチャットルームから消えてしまう。
しかも、ログアウトしようとしたクロハは管理者からチャットルームに近付かないようにと忠告されてしまった。

矢先、薔薇でコーティングされた他殺体が発見される。

さらに、港湾地区にてレンタル・コンテナの中から14人の男女の冷凍遺体が発見された。
どうやら、こちらは集団自殺のようである。

これにクロハはこれだけの規模の自殺となれば誰かが計画を立てる必要があると判断。
主謀者を突き止めようと行動を開始する。

一方、薔薇でコーティングされた他殺体がさらに発見される。
連続殺人である。
しかも、5年前にも同様の殺人事件が発生しており同一犯の犯行と思われた。

そんな中、集団自殺の参加者の1人が事前に遺書メールを送っていたことが判明。
其処には「わたしは記念碑になりたい」とあった。
しかも、数字列が記された奇妙なテキストファイルが添付されていたのだが……。

この話をクロハから伝え聞いた諒は「わたしは」とされていたことから、他の集団自殺の参加者も遺書を残している筈と指摘。
クロハが調べたところ、他に14通の遺書メールが発見される。

これにより合計で15通となった。
だが、遺体は14体である。
数が合わない。
誰か1人がメールを送りつつも、参加しなかったことになる。

調べたところ、村上春香なる人物が参加していなかったことが判明。
事情を聞くべく足を運ぶクロハだが、春香は飛び降り自殺してしまう。

ショックを受けるクロハの前に、タカハシなる男が現れた。
タカハシは何かを知っている様子だが……。

春香が「ペイン」を名乗り出入りしていたサイトが判明。
それは「鼓動」なる人物が管理者を務める「蒼の自殺掲示板」なるサイトであった。
「鼓動」は「ペイン」の死に対しても特に反応を示さない。

その頃、テキストファイルを解析した結果が明らかになっていた。
それは3Dデータを数字化したものであった。
再現したところ、デスマスクであることが判明。
さらに、組み合わせることでパズルのように何かを形作ることも予想された。
だが、ピースが明らかに欠けていた。

直後、さらに19体の冷凍遺体が発見される。
こちらにも遺書メールと添付ファイルが存在しており、調べたところ先の14体と同じピースとなることが分かる。

これを組み合わせたところ、現れたのは……蝶であった。
クロハは「アゲハ?」と首を傾げる。
それもその筈、それは些か歪な形をしていたのである。

諒によれば、それは「アゲハ」ではなく「アゲハもどき」だそうだ。
これこそが遺書メールにあった「記念碑」なのだろうか……。

直後、タカハシがクロハに再度接触し情報交換をクロハに持ちかけて来る。
タカハシは続いている薔薇コーティング殺人事件に深い興味を示していた。
これについて確認した後に、後に発見された19体の冷凍遺体にも春香のように生き残りが存在することを示唆するのであった。

その生存者の名は山井ヒロ。
これを追ったクロハは彼こそが「キリ」だと気付く。
クロハはチャット仲間の「アゲハ」として「キリ」に生き抜くように励ますのであった。

クロハは「キリ」を励ます為に、自身の境遇を語る。
クロハの父は刑事。
だが、家庭内暴力を奮っていた。
クロハは父が嫌いだった。

ところが、ある日に踏切に向かう乳母車を救おうとして死亡していた。
しかも、その乳母車は空だったのである。
犠牲を払いながらも無為な死であった。

クロハはこれにショックを受けつつも、父に倣い刑事の道を選んだのである。
だからこそ、仕事に誇りを抱きつつも疑問も抱くようになったのである。

これを聞いた「キリ」は逆にクロハを励ます。
此処でクロハは「キリ」が「アゲハになる」と言っていたことを思い出し、例の「アゲハもどき」のモニュメントについて教える。

「約束した記念碑と違う!!」
アゲハもどきを目にするなり逆上する「キリ」。
どうやら、主謀者に騙されていたらしい。
「キリ」は主謀者が「鼓動」であることを明かす。

「鼓動」が前島なる男性と判明し逮捕された。
しかし、クロハには前島が「鼓動」だとは到底思えないのであった。

そんな中、「鼓動」が別に存在することが判明。
前島は囮だったのだ。

その夜、クロハが帰宅してみると諒が殺害されていた―――「鼓動」の仕業である。
しかも、アイが連れ去られていたのだ。

さらに「鼓動」はクロハに呼び出しメールを送り付ける。
こうして、クロハは「鼓動」からアイを取り戻す為に呼び出しに応じ倉庫街へ。

一方、「鼓動」の余罪が追及され、彼こそが薔薇コーティング殺人の犯人であると判明する。
つまり、「鼓動」は集団自殺の幇助の他に5年前から殺人を繰り返していたのだ。

さらに、驚愕の事実が判明。
5年前の被害者の名は高橋コウ、その夫こそ例のタカハシであった。
そして、タカハシこそがクロハが利用していたチャットルームの管理者だったのだ。

同じ頃、倉庫街に到着したクロハは血溜に横たわるタカハシを発見する。
どうやら「鼓動」にやられたようだ。

其処に当の「鼓動」からクロハに電話が入った。
その声を聞いたクロハは「鼓動」の正体が「雷雲」だと気付く。
クロハは「鼓動」との決着を求め彼のもとへ。

銃を構えるクロハ。
これに「鼓動」はショットガンで応戦する。
だが、クロハには当たらない。
逆に、クロハの弾が「鼓動」の腕を射抜く。

倒れ込んだ「鼓動」にクロハの銃口が突き付けられた。
これに「鼓動」は自身の動機を明かし出した。

なんでも、自殺志願者を殺害することに快感を得ていたらしい。
諒を殺害したのは、クロハが「鼓動」の計画を邪魔したことへの報復だったそうだ。
「鼓動」はアイが屋上に居るとクロハに教えるとその場を逃げ出す。

クロハは「鼓動」を捨て置きアイのもとへ。

一方、逃げる「鼓動」の前にタカハシが立ち塞がった。
タカハシは手にした銃で「鼓動」を射殺する。

翌日、クロハは例のチャットルームを訪れていた。
クロハの呼びかけに応じ、タカハシがチャットルームに現れた。
その声は死の色が濃い。
「鼓動」を葬ったものの、彼も瀕死なのだ。

タカハシは5年前に妻を「鼓動」に殺害されて以来、ずっと「鼓動」を追っていた。
チャットルームすらタカハシが「鼓動」を誘き出す為の罠だったのだ。
其処に「鼓動」が「雷雲」を名乗り現れたのである。
タカハシの狙いは図に当たった。

タカハシはクロハを巻き込まないようにチャットルームから遠ざけようとした。
さらに、キリの情報を教え彼を救うように促した。
だが、諒が犠牲になってしまったそうである。

タカハシは「最期の場所に居る」と言い残すとチャットルームを去った。

そして今日もクロハは例のチャットルームに出入りする。
其処には「キリ」たちが居る。
だが、「管理者」と「雷雲」の姿は無い。

クロハはアイと共に強く生きている―――エンド。

<感想>

原作は結城充考先生『プラ・バロック』(光文社刊)。
過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。

『プラ・バロック』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

シリーズには2014年12月現在で既刊として本作以外に長編『エコイック・メモリ』、短編集『衛星を使い、私に』の計2作が存在。
このうち『エコイック・メモリ』は過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『エコイック・メモリ』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

ちなみに『衛星を使い、私に』のあらすじは次の通り。

<あらすじ>

パーキング・エリアで、人の指先が発見された。事故? それとも…。自動車警邏隊の女性警官クロハは、ネット上に手がかりを残して消えた一人の男の存在に気づく(表題作)。夜の幹線道路で起きた凄惨な衝突事故。運転手はともに死亡していた。現場の痕跡からクロハが見抜く衝撃的な真実とは?(「雨が降る頃」)。『プラ・バロック』以前のクロハの活躍を描くシリーズの原点。
(光文社公式HPより)


では、ドラマの感想を。

結論から述べると、原作とドラマ版は別物と考えるべきだと思う。
大筋的には似通っているが、纏っている空気が全く違う。
原作はかなり幻想的な作風だが、ドラマ版はリアル寄り。
原作の仮想世界もドラマ版では普通にチャットになってたし。
以上のようにあくまで別物と捉えた上で、これをどう判断するかで評価は分かれそう。

その上で、本ドラマ版の評価には肯定とも否定ともつかない自分が居る。
何とも判断が難しい。

まず、否定的な意見を述べる。

ドラマ単体として見て、クロハのキャラ説明が行動ではなく他キャラからの台詞説明に依っていた点に不満が残る。
他のキャラが劇中にて「クロハがスゴイ」と口頭で何度も説明するのだが、これがクロハの行動に反映されていない。
どちらかと言えば、諒の観察力の方が評価されて然るべしで、此の状態では2時間かけて設定を明かされたに等しいだろう。
ここはドラマなのだからアレンジを加えてでももっと補完すべきだったように思う。

それと、ドラマ版のあらすじからは完全に端折りましたが杉と加我の台詞は作品中で伏線として回収すべきだった。
杉からは「人として余白を持て」、加我からは「1つの事に囚われるな」との助言をクロハが貰っていましたが、これらが終盤でも活かされなかった点ですね。
てっきり、対「鼓動」戦で殺意に囚われたクロハがこれを思い出す的な展開があるかと思ったのですが……。
そもそも、クロハが殺意に囚われているように見えなかったものなぁ。

他にもエピソードを繋ぐにあたり説明不足な点が多く散見された。

とはいえ、それも無理からぬところではあるかもしれない。
此処からは肯定的な点を述べる。

そもそも、原作自体が幻想的な雰囲気とリアルとのギリギリのバランスを取ることで独特の世界観を成立させていた作品で、これを巧みな構成力が支えていました。
例えば、登場人物名がカタカナ表記だったりする点ですね。
ある意味、活字媒体だからこそ成立する作品と言えるワケで。
それを実写化するとなれば、かなり困難が伴うことは予想されます。
其処を考慮に入れれば、今回のドラマ版は成功と呼んでも差し支えは無い筈なのです。

ただ、此処でまたモヤモヤとした物が残る。
個人的には期待していたモノとは違ったかなぁ……。
同シリーズの『衛星を使い、私に』ならばリアル路線で行くべきだが、あくまで『プラ・バロック』を映像化するなら、その特徴である幻想寄りな点をもっと活かすべきだだったと思う。

例えば、クロハと「鼓動」の対決シーンはもっと派手に行うとか。
あのシーン、ドラマ版では原作であったクロハの殺意が表現されてないしなぁ……。
他にも、ドラマ版では原作で正体不明だった「鼓動」の正体を明かしてしまったし。

言わば、作品の最大の特徴を排除した上でのドラマ化のような気がする。
こう考えると、本作はアニメ化した方が映えたのかも……その方が独特な世界観を表現出来たと思う。

もしかすると、今回のリアル路線は『衛星を使い、私に』を基にした今後の連続ドラマ化を視野に入れた布石なのでしょうか。
そうとでも考えなければ理解に苦しむ。
ああ……結局のところ原作とドラマ版を切り離して考えることは出来そうにないです。

<キャスト>

クロハ/黒葉 佑:杏 神奈川県警本部・機動捜査隊勤務。巡査部長。
加我 晃太:池内博之 神奈川県警本部・刑事部主任。巡査部長。
黒葉 諒:小西真奈美 クロハの姉、精神科医。
キリ:中村倫也 クロハのネット仲間。
神崎 修:眞島秀和 神奈川県警本部・管理官。
佐藤 尚:福士 誠治 神奈川県警・サイバー犯罪対策課・捜査員。
原 誠子:野村 麻純 臨岸署・住民相談係。巡査。
雷雲RAIUN:小林直己 クロハのネット仲間。
BJ:RED RICE クロハのネット仲間、推理作家志望。
國枝 正典:吉田 鋼太郎 神奈川県警刑務部・監察官。
杉 泰男:段田 安則 神奈川県警本部・自動車警邏隊。クロハの元上司。
タカハシ:仲村 トオル 謎の男。 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


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『プラ・バロック』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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