2014年12月12日

「最強少女さゆり」第40話(45話)「日常の終わり」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第40話(45話)「日常の終わり」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

遂に宇宙警察が本格的に動き出した。
大規模な艦隊が地球に向けて進発したのである。
狙うは地球の調査と救助艇を撃墜した存在の拘束だ。

まず、一足早く先遣隊が地球に到着していた。
其処には読者が見知った人物が……。

このように事態は緊迫した状況を迎えていたのである。

一方、そうとは知らないバニーたちはインリンとハオの来訪を受けていた。
インリンたちはこれまで自分たちが彼らに抱いていた誤解を洗いざらいぶちまけた。

まず、さゆりを悪人だと誤解していたこと。
その後、さゆりを知るにつれ何者かに操られていると思い込んだこと。
最終的に、バニーとリコスが黒幕だと考えたこと。
だが、さゆりから彼らが悪人ではないと教えられたこと。
そして今、本人たちを目にして悪人ではないと確信したこと。

インリンは自分たちが救助艇撃墜について調べていることを明かし、その事情を問う。

これに涙ながらに土下座するリコス。
リコスは撃墜した当事者はさゆりだが、其処に悪気は一切無かったことを主張。
代わりにリコス自身を犯人として報告するよう依頼する。

これを見ていたバニーも土下座。
さゆりを巻き込みたくないので、もう少しの間だけ、なんとか見逃して欲しいと頼み込む。

これを聞いたインリン。
彼らの絆の強さに驚きつつも、自身もまたさゆりに好意を抱いており報告する気はないことを明かす。
代わりにインリンとハオも豪田家の世話になることに。

何とかひと段落ついたと思われたが……。

「お〜〜〜い、バニー」
其処に聞き覚えのある声が届く。
見れば髪を下ろした若い女性が親しげにバニーに語りかけて来るではないか。

相手が誰か咄嗟に分からず戸惑うバニー。
しかし、少しして気付いた。

「課長!?」
そう、相手はあの花魁課長だったのだ。
宇宙警察の制服を着込んでいた為に気付かなかったのだ。

課長はバニーを見てニヤリと笑うのだが―――次回に続く。

コマ割りと展開が魅力の作品です。
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの40話(通算45話)。
サブタイトルは「日常の終わり」。

遂に最終フェイズ発動か!?
宇宙警察が本格的に動き出しました。
なるほど、此の展開の為にインリンたちの誤解を解く必要があったのか。

そして、直接登場した花魁課長。
まさか、自ら動くとは……。

気になるのは普段の花魁姿ではなく制服を着用していたこと。
これが変装なのかどうかが大きく物語を変えそう。
課長としての正式な参加の為の制服なのか、身分を隠し一般職員に紛れての隠密行動の為の制服なのか。
此の点は次回に注目か。
さらに課長の狙いも気になります。

それにしても、さゆりは様々な人々の心を掴んで離しませんが、これはもしかして何かの伏線なのだろうか。
いわば、カリスマの象徴的な。
例えば、彩花が何処かの星の王族とか。
だとすると、事情を推測した課長が普通に保護に来た可能性もありそうだ。
ただ、レガードの立場を考えれば遺産的な存在の可能性もありそうだなぁ。

さて、27話で登場した謎の後輩・ハオも正式に参戦し更に世界観を広げた本作。
そんな本作ですが、コミックス1巻に続き2巻が発売予定。
1巻表紙は『ジャポニカ学習帳』をイメージした装飾の中にさゆり、バニー、リコスとメインが並ぶ可愛らしい物でしたが2巻はフォームこそ同じですが色調を変えた表紙に。
ちなみに、2014年8月5日に『ジャポニカ学習帳』のデザインが立体商標化されたことで、ツイッター上のファンから本作の表紙について不安の声が上がる一幕もありましたが、あれはあくまで「同様のデザインを用いたノートに限る」らしいので本作は対象外のようです。一安心。

そして、此処からは今後の展開予想。
どうやら、最終トリガーはインリンたちではなく花魁課長が引くことになるのか?
少なくとも、さゆり確保の為に艦隊(レガード?)がやって来るのではないか。
これに対し、リコスやバニー、インリンやハオらが連合して挑む展開だと予想。

さゆりの力に目を付けたレガードが地球に飛来。
さゆりを連行しようとする。
通常ならば相手ではないが、レガードはさゆりの弱点であるお化けを使用。
しかも、周囲にまで被害を及ぼす。
此処にインリンはレガードに疑問を抱き離反。
もちろん、バニーやリコス、源さん、オヤッサンとタマちゃんらも協力してレガードに抵抗。
とはいえ、多勢に無勢で危機に陥るんだけど、其処に花魁上司たちが登場。
レガードが星々の遺産を不正使用していたとかで逮捕。
さゆりは見逃されるんだけど、バニーとリコスは帰還したかに見せて……実は地球に居るのです、的な結末とか。
でないと、リコス逮捕されちゃうし。
そして、バニーは花魁課長からさゆりとリコスの監視の名目で地球滞在の権利を得るとか。
ちなみに、さゆりがお化けが苦手なのは遺産としての記憶が残っているから……だったりして。
この妄想、果たして的中するでしょうか!?

さて、此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
【短期集中連載版】
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登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの元経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
インリン・マールィ:レガード(遺産調査団)所属の宇宙人。
雑草マン:さゆりたちがこよなく愛するアニメの主人公。
グータラ大魔王:雑草マンの宿敵。
柏木さん:駐在さんにやっと出来た後輩の婦警さん。たぶん、拳銃ラブな人。
さゆり父:25話時点で名前は不明。どうやら社会的地位の高い人物のようだが。
ハオ・プトロレ:インリンの後輩。27話より登場。31話から本格参戦。
小堺さん:豪田家の隣人にして彩花の女友達。別名・手だけの人。結婚指輪をしているので人妻のようだ。

「最強少女さゆり(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
最強少女さゆり(1) (少年チャンピオン・コミックス)





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