<あらすじ>
よつば保険損害調査員の羽島一平(加藤シゲアキ)が働く特殊調査室は、保険金詐欺のような厄介な事案を調査する専門部署「マル特」である。マル特のメンバーは一平と同じ損害調査員の四方田広基(的場浩司)、二村純(小林千晴)、嘱託弁護士の阿木五郎(綿引勝彦)、そしてこのマル特の主査・大賀三根子(高畑淳子)。元はパートの調査員だったというウワサの三根子が上司として調査員たちをまとめていた。
ある日、四方田に建設会社の社長・稲村(石井愃一)から相談が持ち込まれる。会社のワゴン車を勝手に持ち出したアルバイト・内山優斗(窪塚俊介)が事故を起こし、同乗していた城田玲子(小沢真珠)が死亡、内山も意識不明のままだという。稲村にしてみれば内山に自分の車を盗まれたも同然、損害賠償をしなければいけないなんて納得できないというのだ。しかし車の所有者にも責任が発生する、という話の最中、部長の岩城(矢島健一)がマル特にある案件を持ち込んでくる。それはなんと、稲村社長が話した事故の死亡者・城田玲子の遺族からの訴えだった。
玲子の婚約者・葛西(四方堂亘)が警察に話したところによると、玲子はストーカーに付きまとわれており、今回の件は内山によるストーカー殺人だというのだ。事故か殺人か、それによって保険の支払いは大きく変わってくる。三根子と一平は事故現場を調査しながら、玲子はなぜストーカーの存在を警察に通報しなかったのか、という疑問を持つ。一方、四方田は内山の元同僚に会い、彼には傷害の逮捕歴があることを聞き込んでくる。そんな折、内山の意識が戻ったと知らせを受けた三根子は病院へ向かうが・・・。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
「よつば保険」には「特殊調査室」、通称「マル特」なる部署が存在している。
「マル特」には主査の大賀三根子を筆頭に、嘱託弁護士で実は「よつば保険」会長でもある阿木五郎、「マル特」からエリートコースへとシフトしようとの野心を抱く四方田広基、データ重視の才媛である二村純、誠実な仕事ぶりが評価される若手の羽鳥一平が所属している。
そんなある日、稲村建設工業の社長・稲村がある案件を持ち込んで来る。
アルバイト社員の内山優斗が社用車を勝手に持ち出し事故を起こし、同乗していた城田玲子なる女性を死なせてしまったのだ。
しかも、玲子の関係者によれば内山が玲子を誘拐同然に連れ去った末の出来事だったと言う。
当の内山は入院中で、回復次第「危険運転致死」にて逮捕される予定であった。
車の所有者は社長の稲村。
当然、損害賠償請求は車の持ち主にも及ぶ。
だが、稲村としては車を盗まれ破壊された上に身に覚えのない損害賠償請求を受けたことになる。
「どう考えても理不尽だ」と訴えていたのだ。
早速、調査を開始した「マル特」の面々。
すると、3ヶ月前から内山が玲子にストーカーのように付きまとっていたことが判明する。
四方田は内山によるストーカー殺人を疑うことに。
事故か殺人かによって、賠償額は大きく異なって来る。
「マル特」の面々は早急に真相を突き止めるよう迫られた。
矢先、内山の過去が明らかに。
なんと、2年前に傷害事件を起こしていたのだ。
なんでも、タクシー運転手を暴行したらしい。
内山を知る人物によれば、彼はかなり粗暴な人柄のようだ。
とはいえ、内山は女性には優しいらしい。
だが、特定の恋人はいないとのことであった。
こうしてストーカー殺害の線が強まる中、四方田と純が「ストーカー殺害説」を主張。
「事故説」を唱える三根子や一平と対立することに。
互いの主張の正しさを証明すべく、四方田たちは内山の過去を、三根子らは玲子の死亡事故を調査することになった。
そんな中、事故現場を訪れた三根子は付近で落書き騒動が起こっていることを知る。
何でも、落書き犯があちこちの壁に落書きを残しているらしい。
これに眉を顰める三根子だが……。
翌朝、三根子は内山が入院する病院へ向かう。
ところが、其処で病院を抜け出そうとする内山と遭遇。
人質として捕まってしまう。
内山が緊急手配されることとなった。
一方、彼に捕まっている三根子だが、この状態を逆手に取り本人から事故状況を確認する。
すると、意外な事実が判明する。
内山は事故直前に飛び出して来た白い影を避けていた。
さらに影が落とした何かを踏み潰したことでハンドル操作を誤り事故を起こしたのだ。
内山の語る内容が事実ならば「事故説」が正しかったことになる。
此処でふと落書き騒動を思い出した三根子。
三根子は内山の目撃した白い影が落書き犯だと確信。
さらに、落書き犯が落とした何かが、使用していたスプレー缶だと目星をつけた。
三根子は一平たちに密かに連絡を入れ、裏付け調査を依頼する。
ところが、此処で内山が「行かなければ」と焦り出した。
どうやら、何処かに目的地があるようだ。
三根子もこれに付き添うことに。
その頃、四方田と純は内山と玲子の接点を突き止めていた。
玲子の母・初枝は病気を患っており、玲子はその薬を貰うべく通院していた。
その同じ病院に内山も足を運んでいたのだ。
病院の事務員によれば、事の発端は3ヶ月前に遡る。
車椅子で通院している女性が雨に濡れたスロープで転倒し肩を骨折してしまった。
ところが、この事故は本来起こる必要のない事故だったらしい。
車椅子専用駐車場を利用していれば避け得たものだったようなのだ。
しかし、そのとき車椅子専用駐車場はある健常者によって埋まっていた。
それが玲子だったのである。
そして、内山はそんな玲子に女性の身に降りかかった事故の責任を追及していたと言う。
この女性、名を瀬川真希といい書道家だそうだ。
書道家にとって腕が使えないことは致命傷。
そう、玲子が駐車場を利用したことで真希は書道家生命を断たれてしまったのだ。
そして、内山にとって真希は気になる女性であった。
2年前、乗車拒否したタクシー運転手を暴行した内山。
この際、誤って内山は通りがかった真希が所持していた硯を割ってしまった。
このお詫びをして以来、静かな交流が続いていたらしい。
ただ、はっきりとした交際にまでは発展していないようだ。
その矢先の真希の事故である。
義憤に駆られた内山は玲子に謝罪を要求したのだ。
其処で玲子と揉めていたのである。
玲子は内山に対し治療費の支払いを行っていたが謝罪ついては法的な責任はないとして拒否していたらしい。
これに内山は玲子を捕まえ、真希のもとに連れて行こうとして事故に繋がったのだ。
そして今、内山と三根子が向かった先こそ真希のもと。
真希は肩を骨折しながらも寝そべることで作品を書いていた。
「これからは内山と共に生きて行きたい」と語る真希に内山は罪を償うことを決意する。
こうして内山は三根子に付き添われ出頭した。
残るは落書き犯を捕まえ、事故原因を明らかにすることだ。
三根子のもとに四方田らも加わり、一大作戦が展開された。
なんとあちこちに落書きが行われたのだ。
この状況に当の落書き犯は大慌て。
自身の存在を主張するべく動き出したところを三根子たちに捕まることに。
もちろん、先の落書きは許可を受けた上で三根子たちが行った芝居であった。
こうして事故の真相が明らかになったのである―――エンド。
<感想>
「新・示談交渉人 裏ファイル」シリーズ第4弾。
渡辺えり子さんが主演された「示談交渉人・甚内たま子裏ファイル」のリメイク作品です。
前作は2014年4月21日に放送されており、8ヶ月ぶりの新作となりました。
早速、感想をば。
何だかラストで無理矢理に美談に仕立ててたけど、どうにも複雑な気持ちだなぁ。
此処から管理人による愚痴が続きます。
正直言って、管理人が自分に酔って書いたものなので読後感は良くありません。
恥ずかしながら自分のことは棚に上げつつ、他罰的な言論を振り翳しています。
読むことで不快感を抱かれる恐れがあります、注意!!
特に内山関連がモヤモヤする。
まず最初に主張しておくと、状況にもよるとは思うが車椅子用駐車場に健常者が駐車することは避けるべきだと思う。
これは厳然たるマナーである。
管理人もこれには気を付けていて、幸いにもこのマナーを破ったことは今までない。
これは管理人の密かな自慢だ。
そして、このマナーであるがシルバーシートが高齢者優先席であることや、救急車が来たら速やかに道を開けるのと同じようなものだと思う。
で、この大前提のもとで話を進める。
劇中、このマナーを玲子に対して主張した人物が内山である。
だからこそ、モヤモヤすることとなった。
どうにも思うのだ……お前が言うのか、と。
そもそも玲子のマナー違反を批判する内山自身が社用車を勝手に持ち出している。
こちらはマナー違反どころか、明らかなルール違反である。
しかも、内山の論法が通用するなら2年前に内山に制裁を受けたタクシー運転手も同様のことを主張出来るだろう。
お前の所為で精神的外傷を負いタクシーに乗れなくなった、と。
そのとき、内山はどうするのか……。
結局、内山はあくまで愛する真希の為に独善的に動いたに過ぎないのだ。
それはあらすじでは端折ったが玲子の婚約者である葛西佳彦が当の内山に抱いた復讐心と同じである。
これが許されるのでは独善的な私刑と私的制裁が蔓延る世の中になりかねない。
しかも、葛西と異なり内山は真希にとってあの時点ではほぼ無関係な人物である。
夫でもなければ、恋人でも無い。
どう贔屓目に見ても知人か友人が良いところだろう。
そんな人物から「お前の所為で彼女が怪我をした」と責任を追及された玲子の気持ちは如何ばかりであろうか。
正直、恐喝の類かと疑っても不思議ではない。
内山の行為が通用すれば、事故の現場付近を通りがかった目撃者が当事者ではないにも関わらず被害者に代わって加害者に賠償要求するようなものだ。
目撃者として真実を伝える義務を果たす必要はあるが、それ以上はやり過ぎだ。
流石に無茶が過ぎるだろうと思わざるを得ない。
これを通報しなかったこと自体が玲子が根は善良な人物であることを示しているのではないか。
もしも、内山が本当に自身に正義があると思うならば、玲子を突き止めた時点で然るべき手続きを以て責任を追及すべきだったのだ。
法的責任は無くとも倫理的責任や社会的責任の追及は出来るだろう。
防犯カメラ映像という物的証拠もあるのだから。
さらに、そもそもどこまでが玲子の責任なのかも判然としないのだ。
確かに、玲子が駐車場に車を停め、真希が負傷した事実は存在している。
だが、だからと言って玲子にすべての責任があるのか?
転倒原因は雨に濡れたスロープなワケだし、そのスロープは車椅子利用者が使うことを想定しているだろうから病院側の施設に対する管理維持責任の方が問われそうなものだけどなぁ……。
それが違うのならば、来院者の絶対数に対応し切れるよう駐車場を拡充すべきであったとも言える筈だ。
もちろん、これが現実的には机上の空論なのは分かっている。
だが、それでも内山が主張するのはそれくらい無茶だ。
しかも、玲子は治療費を支払う意思を示している。
この状況下で内山の主張が通用するならば、工事現場を迂回した為に事故に遭った人が迂回する原因を作った工事会社を訴えるようなものではないか。
それは正しいことなのか!?
しかも、内山は三根子まで誘拐してしまった。
あれは脱出時の不可抗力だったとはいえ、その動機を思うとまたもモヤモヤする。
何しろ、誰かの命がかかっているとかならば検討の余地があるが、単に真希に会いに行くだけなのだもの。
真希が転倒事故により余命幾許も無く逢いたかったとか、玲子を連れ出した理由もだからこそ謝罪させたかったとかなら心情的にも理解できたのだが……。
内山の野放図ぶりとそれを擁護しようとする三根子の行動がどうにもモヤモヤを招くのである。
ああ、三根子と言えばメール使えないと主張しておきながら暗号メールは器用に使ってたなぁ……。
とはいえ、あれ、暗号にする意味は無いわなぁ。
そう言えば、書道家と落書き犯……同じ字を書く立場だったのも何とも奇妙な符号でした。
それと三根子の落書き犯への罠。
犯人を誘き出す為とはいえ、偽の落書きをあちこちに用意するとはなぁ……。
すぐに回収していたが、割れ窓理論で都合の良い噂を聞いた落書き犯が横行したら怖いなぁ……。
とか書いていて思ったが、これかなり難癖になってるな。
どうも、内山関連で見る目が厳しくなっているようだ。
これ以上、感想を述べるとさらなる愚痴になりそうだし、今回は此処まで。
あっ、愚痴じゃないことを1つ。
前回(第3弾)、前々回(第2弾)とバスが決め手だったけど、今回(第4弾)も意外な形でバスが登場していた点は面白かった。
今回のバスは動かないけど。
取り敢えず、シリーズ次回に期待!!
◆関連過去記事
・月曜ゴールデン「新・示談交渉人 裏ファイル2 保険特殊調査室〜深夜の飲酒事故は保険金詐欺か!?被害者加害者…誰かがウソをついている!真実を導く親子愛と夫婦の絆(当たり屋!?保険金詐欺?慰謝料目当て!?複雑に絡み合う親子の愛と夫婦の絆を三根子は解けるのか)」(8月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・月曜ゴールデン「新・示談交渉人 裏ファイル3 謝るのが先でしょ!息子を返せ!被害者家族の涙は本物かVS悪びれない加害者の嘘!保険調査員が辿り着いた事故の真相」(4月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
大賀三根子:高畑淳子
羽島一平:加藤シゲアキ(NEWS)
四方田広基:的場浩司
二村 純:小林千晴
岩城邦彦:矢島健一
金川健啓:金山一彦
内山優斗:窪塚俊介
城田玲子:小沢真珠
城田初枝:長谷川稀世
葛西佳彦:四方堂 亘
瀬川真希:島谷ひとみ
小原宗佑:小林稔侍(友情出演)
阿木五郎:綿引勝彦 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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