月曜ゴールデン「山村美紗サスペンス　狩矢警部シリーズ第14弾　京都ベリーダンス殺人事件～歌舞伎役者と芸者の怪しい毒殺死！！妖艶な舞に秘めた哀しい女の過去…祇園の闇に第3の殺人が起きる」（12月22日放送）ネタバレ批評（レビュー）: ミステリ通信　創刊号

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2014年12月23日

月曜ゴールデン「山村美紗サスペンス　狩矢警部シリーズ第14弾　京都ベリーダンス殺人事件～歌舞伎役者と芸者の怪しい毒殺死！！妖艶な舞に秘めた哀しい女の過去…祇園の闇に第3の殺人が起きる」（12月22日放送）ネタバレ批評（レビュー）

月曜ゴールデン「山村美紗サスペンス　狩矢警部シリーズ第14弾　京都ベリーダンス殺人事件～歌舞伎役者と芸者の怪しい毒殺死！！妖艶な舞に秘めた哀しい女の過去…祇園の闇に第3の殺人が起きる」（12月22日放送）ネタバレ批評（レビュー）です！！

＜あらすじ＞

人気歌舞伎俳優・山本慶二郎（渋谷哲平）の死体が京都のマンションで発見された。京都府警の狩矢荘助警部（船越英一郎）らが現場に駆けつけ捜査を開始する。
遺体から青酸系の毒物が検出され、恋人と噂される芸者・雪乃（尾上紫）に謝罪する直筆のメモが発見されたため、自殺かと思われたが、狩矢には疑問が残る。
狩矢は置屋を訪ね、雪乃と女将・季美子（大島さと子）に事情を聴く。世間では慶二郎と雪乃が不倫関係にあると噂されているが、実は慶二郎は芸者の秋華（長谷川かずき）と恋仲だったことが分かる。
舞台で慶二郎の代役を務めるのは、先輩俳優の加藤光太郎（隆大介）。光太郎は、事情聴取に訪れた菅田瑠依刑事（小橋めぐみ）と橋口健太刑事（載寧龍二）に自分は事件には関わりがないと強く否定する。
雪乃と秋華が踊りを披露するイベントが行われ、狩矢と皆川悠子刑事（雛形あきこ）ほか狩矢班の面々が警護することになった。催しには光太郎と老舗酒造の会長・寺嶋将吾（寺田農）、日本画家の柘植真紀子（眞継玉青）ほか京都の文化人が顔を揃えた。
このイベントは雪乃たちが舞う日本舞踊と水口麗奈（藤澤恵麻）たちが踊るベリーダンスがコラボする斬新なもので、観客を魅了した。華やかな雰囲気が頂点に達したとき、秋華が倒れた。すでに息絶えており、今度も青酸系の毒物が検出された。同じ薬物を使った連続殺人事件なのか、狩矢班に緊張が走る。　
その後、寺嶋が秋華を追悼する催しを開くことになり、雪乃と麗奈が再度同じ舞台に立つことに。その踊りの最中、またも殺人事件が起こる。寺嶋会長が青酸毒で殺されたのだ。
京都の花柳界で起こる連続殺人事件。狩矢は妻の澄江（山村紅葉）との何気ないやり取りから事件解決のヒントをつかむのだが･･･。

（公式ＨＰより）

では、続きから……（一部、重複あり）。

30年ほど前、水口酒造の社長・水口新太郎が宇治川で何者かに殺害された。
10年ほど前、文化人が集う水口カフェのマスター・水口正行も宇治川で何者かに殺害された。
そして、正行に拾われ育てられた運命の娘・水口麗奈が復讐を誓い宇治川を渡った。

10年後の現在、狩矢家は空前の盛り上がりを見せていた。
狩矢警部の愛娘・和美が生活安全課に異動したのだ。
和美が捜査一課入りするのも、あと一息である。
狩矢は「和美と仕事をするまでもう少し」と意気込んでいた。

その矢先、事件が発生。
被害者は人気歌舞伎俳優・山本慶二郎。
死体発見現場は慶二郎宅居間。
どうやら、酒に入った毒を呑んだ服毒死らしい。
さらに、当時恋人と噂されていた芸者・雪乃へ謝罪する遺書らしきメモも残されていた。
これにより当初は自殺と思われたが……。

慶二郎は舞台「勧進帳」で主演を務めており、残り1週間ほど上演期間を残していた。
そんな状況で自殺するだろうか―――狩矢は他殺と見て捜査を開始する。

まずは雪乃が所属する置屋「時乃屋」だ。
女将である季美子によれば、雪乃は慶二郎は噂のような恋人関係にはなく、むしろ慶二郎が雪乃をストーキングしていたそうだ。
しかも、慶二郎の恋人は同じ芸者の秋華だそうである。

一方、慶二郎に代わって「勧進帳」で主演を務めるのは慶二郎の先輩・加藤光太郎。
世評によれば、慶二郎よりも光太郎の方が腕も格も上。
何故、慶二郎が「勧進帳」の主役を演じたのか分からないとまで言われていた。
とりあえず、これにより落ち着くところに落ち着いたことになる。

そんな中、雪乃と秋華が踊りを披露するイベントが開催。
このイベントは日本舞踊とベリーダンスのコラボがテーマとされていた。

ベリーダンスを披露するのは水口麗奈である。
狩矢は水口麗奈が捨て子であり、水口正行に拾われ育てられたが、当の正行が10年前に宇治川で何者かに殺害されたことを知り、同情を寄せる。

さらに、雪乃にも父親が居ないらしい。

さらにこのイベントには秋華の後援者として寺嶋酒造の会長・寺嶋将吾や日本画壇の大御所・柘植真紀子など京都の著名人が顔を揃えた。

イベントが開始。
その直後に秋華が倒れ込んでしまう。
なんと、仕掛けられた毒針による毒殺であった。
どうやら、慶二郎殺害と同一犯のようだ。

連続殺人に発展したことに焦りを募らせる狩矢は麗奈に注目を寄せる。
麗奈は四条で踊っていたところを「鈴乃屋」の女将に見出された。
その後、「時乃屋」の季美子に庇護されて今に至るらしい。

その矢先、寺嶋が秋華の追悼会を開催。
集められたのは季美子、光太郎、雪乃、麗奈たち。
ところが、停電になった隙を突かれ寺嶋が謎の毒死を遂げる。
凶器は不明。
狩矢は犯人は4人の中に居ると睨むが……。

此処から次々と新たな情報が浮上する。

まず、雪乃の母親は先代「時乃屋」女将の娘・冬美。
だが、産後の肥立ちが悪く死亡してしまったらしい。
父親は不明とされていたが……実は光太郎であった。
雪乃は光太郎の隠し子だったのだ。
光太郎が勧進帳の主演を慶二郎に譲ったのはこの事実で脅された為らしい。
この情報をもたらした季美子の手に絆創膏を見出した狩矢だが……。

他にも意外な事実が判明。
水口カフェのマスター・水口正行は水口酒造の社長・水口新太郎の息子だったのだ。
しかも、水口新太郎も正行と同じく宇治川で何者かに殺害されていた。
さらに、水口新太郎はある芸者との間に子供を作っていたそうだ。
さらにさらに、社長を失った水口酒造は寺嶋酒造に吸収合併されてしまったらしい。

さらにさらにさらに、寺嶋が慶二郎を援助していたことが判明。
此処に狩矢は寺嶋と慶二郎が水口親子を殺害し、その復讐を何者かが行っていると推測する。
だが、秋華殺害の動機が分からない。
分からないと言えば、寺嶋の殺害方法もだ。

と、狩矢は寺嶋殺害時に部屋に飾られていた花瓶に注目。
其処にはグミが飾られていた。
犯人は予めグミの葉に毒を塗り、暗闇の中で寺嶋に切り付け殺害したのだ。
グミの葉はかぶれると聞いた狩矢はハッと気付く。

矢先、雪乃から和美に電話が。
「助けて欲しい、このままだとおかあさんが……」
訴える雪乃の言葉は途切れてしまった。

これを和美から聞かされた狩矢は季美子を探す。
季美子は雪乃と対峙していた。

「麗奈さんのお母さんなんでしょ」
季美子に呼びかける雪乃。
しかし、季美子はこれを聞くことなく自殺しようとしていた。

此処に狩矢が駆け付けた。
狩矢は季美子に真実をぶつける。

麗奈は季美子と水口新太郎との間の娘だったのだ。
30年前、寺嶋は水口酒造を狙っており新太郎は殺されてしまった。
この際、季美子も新太郎と共に宇治川に呼び出されており、腕には赤ん坊の麗奈を抱えていた。

季美子は麗奈を救うべく橋の下に隠すと橋から身投げした。
翌朝、救出された季美子だがショックからか正行と麗奈に関することだけスッポリと記憶を失くしてしまっていた。
そして、冬美が産んだ雪乃を育てたのだ。

一方、橋の下に隠された麗奈は運命であろうか新太郎の息子・正行に保護され育てられた。
そう、正行は麗奈にとって育ての父であると同時に異母兄でもあったのだ。

こうして、互いにそれとは知らず麗奈は異母兄に育てられた。
ところが10年前、正行は新太郎の死の真相を寺嶋に問い詰め殺害されてしまう。

麗奈は復讐を誓い宇治川を渡り、四条でベリーダンスを披露し糊口を凌ぐことに。
季美子はそんな麗奈を街角で見かけ全てを思い出した。

麗奈を助けたい季美子は知人である「鈴乃屋」の女将に頼み込み、仕事を紹介して貰っていた。
一方で、影ながら支援し続けたのだ。
1年程前からは直接、支援し始めた。

此の時点では季美子は何もする気は無かったのだ。
ところが、寺嶋たちが麗奈の素性に気付いた。
寺嶋と慶二郎は麗奈を籠絡し、これが出来なければ殺そうと計画していた。

季美子は「もう許せん！！」と彼らを排除することを決めた。

まず、冬乃のストーカー行為に対する詫び状を慶二郎に書かせた。
その後、慶二郎宅の酒に毒を仕込み殺害。
詫び状を遺書のように偽装したのだ。

次いで、秋華殺害。
慶二郎殺害の真相を知りかねない立場にあり、冬乃を敵視していたことも邪魔であった。
其処で仕掛けた毒針で毒殺したのである。

最後に、寺嶋殺害。
部屋の照明を落とした隙に、毒を仕掛けておいた葉で皮を切り毒殺したのである。
だが、季美子は手がかぶれてしまった。
其処で絆創膏で誤魔化していたのだ。

罪を認め、自殺を続けようとする季美子。
だが、麗奈がその場に駆け付け説得する。

これに応じ季美子は逮捕された。

麗奈はベリーダンスを極めるべく本場のイスタンブールへ。
狩矢はこれを喜ぶのであった―――エンド。

＜感想＞

月曜ゴールデン版「狩矢警部シリーズ」第14弾。
過去作についてはネタバレ批評（レビュー）ありますね。
興味のある方は過去記事をどうぞ！！

ドラマの原作は山村美紗先生『華麗なる復讐』（光文社刊）。

では早速、ドラマ版の感想を。

日本舞踊とベリーダンスの意外なコラボレーションが凄かったですね。
ただ、内容的にはいつもと同じだったかなぁ。
特にベリーダンスではなくサルサやサンバなど別のダンスでも成立しそうだし、そもそもダンスに拘る必要性も薄いかなぁ。

とはいえ、正行と麗奈が異母兄妹との秘密には驚かされた。
あれはサプライズだったなぁ。
てっきり、麗奈と雪乃に関係があるものと思い込んでたし。
あれは良かった。

それと、課長の着メロが「太陽にほえろ」のテーマでしたね。
あれもサプライズかな。

そう言えば、菅田瑠依刑事の突き指の理由が謎として残されていますね。
これは何故なんだろう、気になるなぁ。

というワケでシリーズ次回にも注目！！

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＜キャスト＞

狩矢荘助：船越英一郎
狩矢澄江：山村紅葉
狩矢和美：前田亜季
皆川悠子：雛形あきこ
橋口健太：載寧龍二
菅田瑠依：小橋めぐみ
鶴見佑次郎：河西健司
松沼悟志：幸世
山根大介：山口竜央
神山行雄：南雲勝郎
小岩井博光：浅野和之
佐久間朗：渋谷天外
水口麗奈：藤澤恵麻
季美子：大島さと子
雪乃：尾上紫
秋華：長谷川かずき
柘植真紀子：眞継玉青
加藤光太郎：隆大介
山本慶二郎：渋谷哲平
寺嶋将吾：寺田農　ほか

（順不同、敬称略、公式ＨＰより）