2014年12月15日

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第1話(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第1話(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)です!!

登場人物一覧:
英玖保嘉門:往年の名探偵、引退を考えていたが……。ポワロポジション。
朝倉平助:英玖保の元助手、ブラジルから帰国した。ヘイスティングズポジション。
馬老大人:華僑の元締。英玖保の依頼人。
加藤警部:地元の警部。
バーバラ・アレン:被害者。
プレンダーリース:バーバラと同居していた女性。

<1話あらすじ>

昭和11年2月初旬、朝倉平助は「ホテルニューグランド」に名探偵・英玖保嘉門を訪ねた。
2年前、朝倉は仲間と共に農園を経営しようとブラジルに渡ったのだが上手くいかず帰国したのである。
傷心の朝倉にとって縋るべきは過去に共に様々な事件を解決した英玖保であった。

2年ぶりの対面に心を躍らせる朝倉。
ところが、ホテルの支配人によると英玖保はホテルを引き払い、鹿児島に移住するべく先程旅立ったとの返事。
どうやら、英玖保は探偵業を引退するつもりらしい。
これに朝倉は驚きを隠せなかった。

なにしろ、朝倉の知る英玖保はまさに「推理の申し子」とでも言うべき存在で彼の慧眼にかかれば解けない謎は無いほどの存在だったのだ。
そんな英玖保が何故、引退を決意したのか!?
朝倉は今しがた出たばかりの英玖保を追い駅へ。

その頃、駅では騒動が持ち上がっていた。
小男が駅員相手に何やら揉めている。
近付いてみると、その人物こそ英玖保であった。

どうやら、英玖保は駅員の切符へのハサミの入れ方が気に入らないようだ。
細かいことにまで拘る―――それが英玖保嘉門なのだ。
朝倉は2年ぶりにも関わらず変わらない様子の英玖保に声をかけた。

すると、先程まで険しそうな表情を浮かべていた英玖保が一転。
親愛の情も露に朝倉へと駆け寄るではないか。

こうして、旧友2人は再会を果たしたのである。

上機嫌の英玖保は鹿児島行きを一時中断し、朝倉と夕食を楽しむことに決めた。
2人が向かったのは中華街でも美味しいと評判の店だ。

確かに英玖保のお墨付きだけあって料理の味は絶品。
朝倉は満足げに舌鼓を打つ。

一方、朝倉には気にかかっていることがあった。
何故、英玖保嘉門ほどの探偵が仕事を辞める必要があるのか―――である。

この問いに当の英玖保は顔を顰めつつ応えた。
時代が変わったのだ。

朝倉と2年前に別れて以来、英玖保のもとに舞い込む依頼は浮気調査など足で行うものが大半となった。
さらに、今時の依頼人には英玖保嘉門の名を知らない者まで現れたのである。

これが英玖保のプライドを痛く傷付けた。
其処で英玖保は鹿児島に隠遁し南瓜づくりに精を出そうと決めていたのである。

思わぬ理由に、あの輝かしき日々を思い出す朝倉。

同じ頃、旧正月を祝う爆竹の音の中で女性が拳銃により命を落としていたのである。

英玖保と旧交を温めた朝倉。
その翌朝、見知らぬ老人に声をかけられる。
老人の目的は英玖保のようで、彼は「とりあえず足を運んで欲しい場所がある」と訴える。

これに拒否の意を示す英玖保。
だが、朝倉は面白くなって来たと彼の出馬を促す。

老人たちに案内された先は住宅であった。
老人たちは2人を送り届けると何処かへと消えてしまう。

今更ながら相手の正体を気にかける朝倉。
そんな朝倉に英玖保は老人の正体が華僑の元締として知られる馬老大人であると教える。
かなりの顔役らしい。

建物内に進んだ英玖保たち。
中の様子を窺った英玖保は早くも目的の部屋を見つけることに。
その部屋だけは扉が壊れていたのである。
どうやらこじ開けたようだ。

室内には中央に横たわる女性の死体と、その傍で刑事らしき男が立っていた。
死体の手には拳銃が握り締められており、銃口は蟀谷に向いている。
一見したところでは自殺と思われた。

すると、英玖保たちに気付いた刑事が近寄って来た。
どうやら、不審者扱いされているらしい。

だが、英玖保は一顧だにしない。
それどころか「馬老大人に頼まれた」と告げるや、相手の態度が一変した。
馬老大人はそれだけの大物なのだろう。

相手の刑事は加藤警部と名乗った。
加藤によれば遺体の女性はバーバラ・アレン。
同居人のプレンダーリースが第一発見者らしい。

おそらく自殺だろうと語る加藤。
だが、英玖保は「これは他殺だ」と断定する。
バーバラの銃創は左利き特有のもの。
だが、室内の品々から推理できる利き手とバーバラが実際に拳銃を握っていた手は右手であった。
明らかに第3者の手が加わっている。

英玖保は探偵業引退を撤回し、この事件に挑むと宣言する―――2話に続く。

<感想>

エルキュール・ポワロが名探偵・英玖保嘉門として我々ファンの前に再臨しました!!
この英玖保嘉門、まさにポワロそのものの容姿です。

そして、その助手である朝倉もまた、まさに和製ヘイスティングズとの風貌。
これはかなり期待出来そうな作品ではないでしょうか。

さらに、ポワロが南瓜づくりに専念しようとしたエピソードやヘイスティングズのブラジル農園のくだりなど、ファンにとってはニヤリとするエピソードが登場。
此の点も喜ばせましたね。
アリです、充分にアリでしょう。

そんな本作ですが今回の原作は『厩舎街の殺人』と『ABC殺人事件』の2作。
中でも1話のバーバラ・アレンの死は『厩舎街の殺人』からでしょう。
ちなみに『厩舎街の殺人』は早川書房『死人の鏡』収録作品なので興味のある方はチェックするべし!!

そうそう、ポワロと言えば2015年には三谷幸喜先生版「オリエント急行の殺人」も放送予定。
こちらでのポワロポジションは「勝呂武尊」だそうです。

アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』が初の邦版翻案ドラマ化!!その名は「オリエント急行殺人事件」!!

過去には赤冨士鷹も居ましたし、今度は勝呂武尊に英玖保嘉門とポワロこそ、まさに八面六臂の活躍を示す怪人物となりつつあるようです。
同時にこれはシャーロック・ホームズに続くエルキュール・ポワロブーム到来の兆しか!?

ポワロと言えば、公式に正統続編として認められた『モノグラム殺人事件』もあります。
ファンはチェックせよ!!

◆関連過去記事
【書評(レビュー)】
・「ホロー荘の殺人」ネタバレ書評(レビュー)
「ホロー荘の殺人」(アガサ・クリスティー著、中村能三訳、早川書房刊)

『オリエント急行の殺人』(アガサ・クリスティー著・山本やよい訳 、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

・ポアロシリーズ最終作「カーテン」ネタバレ書評(レビュー)はこちらから。
「カーテン」(アガサ・クリスティー著・中村能三訳 、ハヤカワ書房刊)

「ねじれた家」(アガサ・クリスティ著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

【映画化関連情報】
【速報】ミス・マープルものがディズニーで映画化されるとのこと!!

アガサ・クリスティ原作「ねじれた家(Crooked House)」が映画化!!

アガサ・クリスティー原作映画「ねじれた家」キャスト発表!!

シュワちゃんがアガサ・クリスティ原作映画に出演!?「そして(敵が)誰もいなくなった」な映画のタイトルは「サボタージュ(原題)」!!

映画「オリエント急行殺人事件」がリメイクとのこと!!

【イベントその他】
アガサ・クリスティー生誕120年展覧会開催中!!

金沢にてアガサ・クリスティー原作「検察側の証人」舞台上演決定!!

舞台「検察側の証人」東京公演決定!!

「名探偵ポワロ」ニュー・シーズン DVD-BOX3は2010年12月3日発売開始!!

アガサ・クリスティ「ポアロにうんざり」発言にファン「え〜〜〜っ!!」と叫ぶ

「ザ・リッツ・カールトン大阪」にて「アガサ・クリスティー ナイト」開催!!

【注目】「アガサ・クリスティ大事典」が話題に

「名探偵ポワロ DVDコレクション」刊行中!!

アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』が初の邦版翻案ドラマ化!!その名は「オリエント急行殺人事件」!!

2014年の今もポアロシリーズ続編が刊行されていた!?その名も『モノグラム殺人事件』(早川書房刊)に注目せよ!!

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