ネタバレあります!!注意!!
<あらすじ>
「百舌シリーズ」新連載!巨悪を追う、迫真のサスペンス。
(集英社公式HPより)
<感想>
「百舌シリーズ」2014年時点での最新作が『小説すばる』にて連載開始されました。
「百舌シリーズ」は次の6作が既刊。
『裏切りの日々』、『百舌が叫ぶ夜』、『幻の翼』、『砕かれた鍵』、『よみがえる百舌』、『鵟の巣』。
そして、これに新たに加わるのが意外な導入から始まったシリーズ最新作『墓標なき街』(2014年11月時点)。
今回はその第7話ネタバレ批評(レビュー)です。
田丸殺害は新百舌による犯行と確定。
さらにその背景が明かされつつあるようです。
どうやら、茂田井と三重島による権力闘争が根幹にある様子。
それに次の2つの事柄が密接に関わっているようです。
1つ目は「武器輸出事件」。
2つ目は「田丸による百舌についての記事掲載」。
2つ目の「田丸による百舌についての記事掲載」は茂田井の命によるものの様子。
となると、問題は「武器輸出事件」。
こうなると、黒幕は茂田井か三重島の2択だが、どちらかと言えば三重島が怪しいか。
新百舌の裏にも三重島が居るようだし……。
かなり物語が進展しましたね。
これは『小説すばる』掲載の第7話をチェックすべし。
<ネタバレあらすじ>
【前回までのあらすじ】
初代・百舌との戦いから長い月日が過ぎ、大杉は警察を退職し探偵業を営んでいた。
娘・めぐみは警察官になり、倉木を失った美希とは大人の男女として関係を続けている。
そんな大杉のもとに旧知の残間から田丸が「百舌について」記事にしようとしていることを聞かされる。
今更のことに、意外に思う大杉。
また一方で、不正な「武器輸出」が行われているとの情報を入手する。
その告発者は三京鋼材の石島であった。
さらに、千枚通しを用いる殺し屋が新たに登場し美希が狙われてしまう。
これは大杉により事無きを得たのだが……。
その翌日、石島を監視していた大杉と村瀬であったが、めぐみとその同僚・車田聖士郎に見咎められてしまう。
大杉たちは何とかめぐみたちの裏をかき、石島が接触していた為永に辿り着く。
矢先、田丸が何者かに殺害されてしまう。
・前回はこちら。
『墓標なき街』第6話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)
【今回のあらすじ】
田丸が殺害された。
凶器は千枚通し、どうやら新百舌の犯行のようである。
大杉は美希と共に情報を収集し、その背景に潜んでいた事実に迫る。
どうやら、田丸は馬渡に従っていた茂田井の命で動いていたらしい。
その狙いは百舌の存在を暴露し、三重島にダメージを与える為だったようだ。
これを察し、三重島が機先を制して新百舌を動かし田丸を殺害したようである。
つまり、茂田井と三重島の権力闘争だったのである。
さらに、為永についての情報を求めてめぐみと接触する。
めぐみによれば、次のような事情があったらしい。
まず、武器輸出事件が背景にあり、石島がこれを為永に告発した。
為永は雑誌記者だったのだが、これを車田聖士郎に伝えたらしい。
其処で車田とめぐみが捜査に乗り出していたのである。
その後、石島はさらに田丸へと同様の情報を流した。
其処から残間を経由して、大杉へと伝わったのだ―――8話に続く。
◆関連過去記事
・『墓標なき街』第1話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『墓標なき街』第2話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『墓標なき街』第3話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『墓標なき街』第4話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『墓標なき街』第5話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『墓標なき街』第6話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『百舌シリーズ(百舌の叫ぶ夜、幻の翼)』(逢坂剛著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
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